G E N P I N tt uu bb ee dd G E N P I N 「玄牝」購買者第一号、 HEMP FLAX 社が購入、 Hemp Museum に展示決定 !! まほろば主人 1 玄牝 debut - デビュー 宮下 周平 理解されているのだろうか)内心、 来られた欧米の招聘者に求められ 京 都 国 際 会 議 場 の「 麻 福 」 さ んの隣、まほろばブースに寄って 「この墨を二つ下さい」 ガー氏。 頂くと、オランダのベン・ドロン 「 二 ヵ 所 の ヘ ン プ ミ ュ ー ジ ア ム で、展示したいから」と。名刺を すると、通訳の方が、 幸先の良い世界デビュー 果たす た。 7 月 2 日、 こ こ で は、「 第 一 国内外から集まった麻の第一人 者 た ち の 中 の メ イ ン ス ピ ー カ ー。 フト思った。 回 世 界 麻 環 境 フ ォ ー ラ ム 京 都 2016」が開催されていた。 どなた オランダのアムステルダムとス ペ イ ン の バ ル セ ロ ナ の 二 都 市 に、 何と、世界的な麻の権威者であっ た。 ) ( 何 方 だ ろ う。 内 心、 驚 き な が らも、初売りに嬉しさを隠し切れ なく……。 初 め て の お 客 様 で あ る。( 墨 な ど、どうするのだろう。書道など か。人類創始からの麻との付き合 麻の博物館を経 Hemp Museum 営されている館長さんであると ある。何というラッキー これは、 っ取り早い頂点に行き着いた感で とルートはこの世にない訳で、手 ある。これほど、解りの早いご縁 い、その麻の歴史と産業と文化の 足跡を世界中から資料文献文物を 集めた、世界最大のミ ュージアムである。い わば、すべての麻に関 わる殿堂で、世界中の 学者・研究者・従事者 等が、一度は尋ねる聖 地でもあった訳だ。 そんな中に、日本が 麻を使った墨、西洋的 に言えばオリエンタ ル・カリグラフィのカ ーボンインクに麻が使 わ れ て い る と な れ ば、 真新しい知見でもあ る。 何 せ、 本 場 日 本・ 中国でも存在しないの で あ る か ら。 こ れ が、 ミュージアムに展示さ れ て、 初 め て 世 界 の 人々に紹介される訳で これだけで充分、この為に用意し ‼ 2 まほろばだより No.4340 16-116 8/5 debut G E N P I N あ れ ば、 後 は 時 に 任 せ る の み だ、 て来たと確信した。この出会いが めて「ホ・オポノポノ」を引っ提 の閃きと行動力で、何と日本に初 木さんも、先生に鍛えられた天性 も惹かれ、世界中にアンテナを張 二人共ども先住民の精神文化に最 げ て 来 ら れ た 功 労 者 で も あ っ た。 と思われた。 文 化 人 類 学 者 辻 信 一 さ んとの出会い そ し て、 さ ら に 驚 く べ き 話 が 続 く。 そ の 通 訳 を し て く だ さ っ た 方 が、 辻 信 一 さ ん。 今 を時めく文化人類学者のあの 辻 さ ん で あ る。 今 日 の デ ス カ ッションの総合司会を見事に こ な さ れ た。 ス ロ ー ラ イ フ、 ス ロ ー フ ー ド、 ブ ー タ ン、 G N H( 国 民 総 幸 福 量 ) な ど 世 に広めたその人である。 小 さ い こ と、 少 な い こ と、 ゆっくりしたことなどなど反 文 明 を ま っ し ぐ ら に 行 く、 行 動 す る 学 者 さ ん で あ る。 こ の 方 が、 何 と そ の 日、 お 手 伝 い にいらした京都のトータルヘ ルスデザインのまほろば担当 高木みのりさんの明治学院大 学 時 代 の 教 授 だ っ た の だ。 高 玄牝 debut - デビュー 3 り巡らせている。 その高木さんが、私を辻先生に 是非、引き合わせたいと常々願っ ていたことが今回実現できると喜 んで馳せ参じられたとか。そんな 背景で、すぐ辻さんはベンさんと とりなしてくれて、細かな内情を 通訳してくださった。ベンさんは、 ユーロのキャッシュで、その場で 支払われて行かれた。 社の功績 HEMP FLAX と こ ろ が、 そ の 直 後 に 知 っ た、 名 刺 に 在 る「 H E M P F L A X 社 」 社 長 の 名。 読 者 も ネ ッ ト で、 こ の 会 社 を 検 索 し て く だ さ い。 http://hempflax.com/ るのが、ベンさんの会社内容だっ らい世界は進んでいると実感させ るのが、実はこの「 HEMP FLAX 社」だったのだ。想像を絶するく 麻栽培を映す動画で最もヒットす ティー、ジャガー、BMW、ベン に暇ない。ことに欧州車のブガッ 業資材、食用医療関係等々、枚挙 のだ。建築用建材、車両資材、農 そのスピードは、新しい世界を開 ビックリです。というのも、世 界の最先端で進んでいる産業用大 た。 そ れ は、 凄 い の 一 言 な の だ。 ツなど高級車のドアパネルやダッ く麻文化・麻産業の象徴でもある そ の ス ケ ー ル、 そ の ス ト ー リ ー、 4 まほろばだより No.4340 16-116 8/5 debut G E N P I N シュボードに麻繊維製品が使わ れ、車体の軽量化、排気ガスの軽 減、化石原料の削減に貢献してい る。 H E M P F L A X 一 社 が こ れに応じていて、老舗車メーカー との信頼は極めて厚い。 つまり、ベン氏は、この会社の 創始者で、ヨーロッパ随一を誇る ヘンプ農場と加工工場を持つ麻産 業最大の旗手でもあったのだ。 る。 気 付 い て 解 禁 さ れ た 時 に は、 よじ すでに国益は大方失われているだ ろう。こうも拗れるのは、戦後の うごめ GHQの政策とはいえ、明治維新 以前以降、日本の後ろ手に蠢く何 者かの暗躍であろうか。 しかし、まほろばはヘンプオイル を販売することで、生理健康面か らの内的改善を地道に取り組んで いる。その日、北海道産業用大麻 協会代表理事の菊地治巳先生も登 壇され麻研究者としての現場報告 伸び悩んでいる。一時の北海道に とさえ国の許認可が下りないまま 日 本 は 実 に、 立 ち 遅 れ て い る。 未だに、産業用大麻を栽培するこ 理の昭恵夫人 ている安倍総 取県智頭町でご自分で麻栽培され や切なり。また門川京都市長や鳥 があり、氏がこれからも不屈の精 おける上り調子も抑えられた感が も 来 場 し て、 遅れる日本の対応 否めない。欧米に比せば、取り返 麻復興へのエ ち ず 神で荒野を開拓されんことを祈る しがつかないほど立ち遅れている ことか。医療用大麻にしても、海 外の医薬会社が日本においてのカ ンナビノイドに対する数々の特許 を次々と取得している。将来にわ たっての国内利権を、国民が知ら ぬ間に海外に手渡してしまってい 玄牝 debut - デビュー 5 ていたことに驚く。麻産業界 ード・オーストリアのポール・ ールを送られた。 における国際的なリーダーの 麻復興の呼びかけを、菊池先生 や北見・香遊生活の舟山秀太郎社 ベンハイム社長も昨日に次い 役割を果たしてきたヘンプフ 長 は 栽 培 普 及 を 以 て 内 堀 を 埋 め、 そして、墨や香水、オイルなどの 文化・健康事業で外堀を埋める作 業を、まほろばが担っている。時 間がかかる。しかし、時間をかけ ね ば な ら な い。 2 5 0 0 年 以 上、 日本の歴史を支え続けて来たこの 天与の植物に敬意を表し、後代の 若者のためにも道を開かねばなら ない。ゆくゆくは仁木町で麻栽培 をも手掛ける日を待ちたい。 「麻地球日本祭」も同時 開催 上賀茂神社にても、この2日に わたって「麻地球日本祭」があり、 多くの麻関係者が国内外から参加 され、日本人の生活と共にあった 秘めたる麻の衣食住医エネルギー をそこかしこで披瀝していた。知 らぬ間にこれほどの人々が麻に関 心があって、産業普及に挺身され で立ち寄られた。オイルやナッツ の食糧は無論、世界最大手のCB Dヘンプオイル製造会社エリクシ ノール社のオーナーで、まほろば も同じ意味のELIXIRを開発 したことで共感が深まった。 「古梅園」で初展示 その翌日、奈良古梅園に立ち寄 り、 フ ォ ー ラ ム の 報 告 と こ れ か ら を 話 し 合 っ た。 そ し て、 そ の 日、店頭に晴れて「玄牝」が並ん だ。 最 も 高 額 の 展 示 ス ペ ー ス に。 店内最高値十万円也の値札が張ら れ、後ろの壁には、島田編集長が デザインした霊気に満ちたパネル が 吊 り 下 げ ら れ た。 古 都 奈 良 の、 四五〇年の歴史ある老舗の店頭 に、まほろばが初登場した記念す べき日でもあった。これから、ど のように進展してゆくかは、天の みぞ知ること。ただ、目に見えな い力に導かれて取り組んだこの3 年間。きっと実を結ぶ日も来るで あろうかと祈るばかりである。 第二章の始まり この日のために、完成を急いだ ものは、まほろばオリジナル墨の 他に香水があった。 6 まほろばだより No.4340 16-116 8/5 debut G E N P I N 最高級名墨のスペースに鎮座 した「玄牝」100.000 円。左 は、菜種油煙墨「八角老松」 86.400 円、右は「飲中八仙」 97.200 円 の 高 級 油 煙 墨 の ラ インナップである。 島田編集長デザインのパネル が中央に展示されている。 本体の香水や墨は、既に仕上げ て久しいが、それを包む箱モノが 殊の外、手間がかかり、悩みの種 であった。ここまで本体の中身を 追及して完成したものを、それに 相応しく創作していくのは並大抵 のことではなかった。桐箱一つと っても、全国を巡って東京の老舗 を探し当てて頼んでみたが、その 後も難儀であった。素人ながらプ ロにもズケズケ物言いをして、よ りよい物に仕上げるために厳しく 注 文 を 付 け た。 そ こ で、 一 道 は、 万枝に通じると実感した。エリク サー制作などで、徹底したこだわ りの眼が生きたのであろうか。そ のやり直しや交渉など、大層時間 がかかったが、何一つ手を抜けな かった。あの吉岡幸雄氏の工房も 然り、一色の染めに一年以上費や した。ましてや、すべてが専門外 のこと、一から学んで探し始める ことは、ことの他労を要した。古 典的な桐箱の印字も、UV印刷と レザー彫りという最先端の技術を 導入して風格を損なわないように 玄牝 debut - デビュー 7 「玄牝」を包む麻布は、古代染めの第一人者 吉岡幸雄氏により訶 子(アルラ)の実で染 し んのご子息、忠幸君の優れた技術 ただゆき 年本店に勤めている小田島町枝さ お客様のご縁に助けられ、また長 した。その際、まほろばの身近な か が光っていることを申し添えた い。ありがたい、感謝である。 ここで、一 部公開。桐箱 のサイズであ る。 こ れ は、 白銀比で作ら れている。法 隆寺など寺社 。 建造物の比 率 が 1: √2 められた 形に託した。 って更に日本文化のエッセンスを 縁もこの比にしたのだ。これによ の比で、これを倍掛けして長くし、 つ ま り 1: 1・4 1 4 1 …。 縦 横 らくお待た 成までに長 着想試作完 で、兎に角、 依頼するま せした。し た。購買者第一号である。 のエクセレントセットを求められ 帰店後に、千葉から本木敬子さ んが半年前からの予約で「あはれ」 京都の通販会社、THD(トー タルヘルスデザイン)さんとプレ けた。後は、流れに任せるのみ。 とか漕ぎ着 みながら何 かし、楽し これも完成直前まで、難儀を尽 くした。 古西陣織の小袋から最後、麻綿を う。 何 時 か、 華 開く時も来よ マさんとの取り扱いが決定。 敷き、和綴じの解説本と麻紐。桐 奈良高山の久保左門さんへの依 頼、小瓶竹筒制作より5年も経ち、 箱の題字を掛け軸の表装屋さんに この高額な が ら、 一 つ の 高みをどう繋 げ る か、 こ れ からの課題で ある。 い よ い よ、 第二章が始ま った。 写真左より ・「玄牝」(桐箱入り 100,000 円 ・「天晴」太古の叡智エクセレント (伽羅・麻入り) 93,000 円 ・「愛者麗」心の花束エクセレント (伽羅・麻入り) 98,000 円 8 まほろばだより No.4340 16-116 8/5
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