管理のペーパーレス化、 電話対応削減、 新規客及び時間外予約を 大量

特集
ITとハサミは使いよう!?
作業・集客効率化に役立つ
ITの導入事例
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【使用システム】
ヤマウチ
車検ネット予約管理サービス「totoco(とっとこ)
」
バンザイ
自動車整備業向けシステム「フロントマスター」
同
検査業務効率化システム「ネットワーク」
Web車検予約システムを自社開発し整備システムと連携
ラチェットモンキー(香川県高松市)
管理のペーパーレス化、
電話対応削減、
新規客及び時間外予約を
大量獲得
車検メンテ事業部
(ラチェットモンキー)
エリアマネージャー
兼 カーメンテナンス
システム開発部
人見いづみ次長
香川県高松市内に3店舗を擁するラ
ラチェットモンキーは1998年の東
チェットモンキーの経営母体であるヤ
バイパス本店に続き、2012年にルー
マウチ(碓井哲平社長)は、1932年
ト32号店を新規オープン。「3年間で、
に設立された山内石炭商店をルーツと
本店と同規模の年間総入庫台数約1万
し、その後ガソリンスタンドや自動車
台を確保するまでに成長した」(人見
整備工場などを運営。1998年に現社
いづみ次長)。2014年にはさらに、既
名へ変更し、 スーパー整備工房 を標
存の同社ガソリンスタンドと指定整備
榜するラチェットモンキーを開業した。
工場を合併したSS併設型店舗として
また、セルフガソリンスタンド「ヤマ
屋島店を新たに加えた。
しい。そこで「自分たちができること
ウチセルフ」
、ハンバーグレストラン
しかしながら同年、総入庫台数が開
は何かを考え、インターネットを使っ
「びっくりドンキー」のフランチャイ
業以来初めて減少。「店舗が増えたに
た車検予約システムを導入するという
ジー、フィットネスクラブ「ジョイフ
も関わらず減少したことに、非常に強
結論に至った」。だがその時点で、自
ィット」を展開しており、2011年に
い危機感を抱いた」。とは言え、ディ
動車整備業向けWeb車検予約システ
オカモト(岡本謙一社長)の完全子会
ーラーによる囲い込み強化、少子高齢
ムは製品化されていなかったため、自
社となってからも、さらに事業拡大・
化、若者の車離れといった外的・社会
社 開 発 を 決 断。 約 半 年 で 設 計 し、
多角化を進めている。
的問題に抜本的対策を講じることは難
2014年10月より、車検ネット予約管
同社サイトの車検予約画面。店舗ごとの予約可能な
日時が1 ヵ月単位で確認できる
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「フロントマスター」から顧客情報を呼び出し「Web予約連動」ボタンを押すと、「とっとこ」が起動し予約情報
を入力、反映させることが可能になる
ボデーショップレポート 2016 年 8 月号
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【使用システム】
西出自動車工作所 「入庫予約システム」
プロトリオス 自動車整備業システム「スーパーアトムⅡ」
西出自動車工作所(大阪府大阪市)
車検予約システムとタブレットの連動による情報共有
タイムリーな入庫管理、
無駄のない連携プレー
西出謙次社長
1951年に大阪市内で創業した西出
現在の入庫比率は、同社管理の法人
自動車工作所(西出謙次社長)は、わ
リース契約車両が約8割、一般法人及
が国で最初に民間車検場として指定さ
び個人車両が約2割。本社工場ではメ
れたうちの1社。本社工場及び大淀工
カニック14人に対し1日平均約70 ∼
場における自動車整備とリース車両の
75台、最低でも60台が入庫し、多い
管理業務が事業の二本柱となっている。
時で100台を超える。
「この台数をこ
当初、自社開発したカーリース処理
なすには工場スペースが狭く、大阪の
受付、入庫後の状況確認など問い合わ
を主とする基幹システムを本社及び大
市街地という限られた環境、人員での
せ対応までを担当している。だが、紙
淀工場でも使用していたが、リース車
作業。だが、サービスの品質を落とす
での工程管理では作業及び予約状況を
両の管理と点検整備とでは業務内容が
わけにもいかない。顧客の要望をきち
把握しにくく、また工場が新たな入庫
異なるため、現場スタッフから改善要
んと聞き、満足してもらえるサービス
を受け入れられるかを、1階の工場ま
望の声が挙がるようになった。そこで、
を提供するには、いかに効率良く作業
で出向くか電話するなどでその都度確
両整備工場には、プロトリオスの「ス
をするかが鍵となる」(西出社長)。顧
認しなければならなかった。「その日
ーパーアトムⅡ」を専用のシステムと
客をしっかりとサポートし、自社のサ
の予約分については、システムに手入
して導入。以来、基幹システムの入庫
ービス品質を確保するため、知恵を絞
力していた。だがタブレットと連動さ
予約システムと、同社現場スタッフが
った結果、たどり着いたのがタブレッ
せることで、今は1分おきにリアルタ
使いやすいようカスタマイズした「ス
トとの連携だった。
イムの予約状況や工場の作業状況を確
ーパーアトムⅡ」を連携させて利用し
ている。
本社工場3階には入庫予約受付セン
認できる。受付スタッフの状況確認の
ターがあり、そこで入庫促進から予約
手間が減り、入庫促進の案内件数も増
やせるようになった」(石田淳工場長)。
「西出のサービス」を提供するため、
必要な部署に必要なシステムを惜しみ
なく取り入れ、顧客の要求を満たすだ
けでなく、働きやすい環境を作り従業
員に満足を与えること。それが、同社
における作業効率アップの鍵となって
スケジュールや詳細などが1分ごとに更新され、管
理課と工場で情報が一元共有されている
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受付センターの様子。入庫予約システムとスーパー
アトムⅡを連動させ、全社員が情報を閲覧できる
いる。
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