2016 年 7 月 東京都知事選挙 公開質問状 東京都知事

2016 年 7 月
東京都知事選挙 公開質問状
東京都知事選挙立候補者に対する
放課後等デイサービス事業、青年・成人期支援活動に関する公開質問状
2016 年 7 月○○日
障害児放課後グループ連絡会・東京(放課後連・東京)
会長 村岡真治
事務局 〒114-0034 東京都北区上十条 1-19-6
NPO 法人 つみき内 事務局長 松尾芳郎
東京都知事選挙立候補者
○○ ○○ 殿
拝啓
今回の東京都知事選挙に当たり、立候補された方に対してこの質問状をお送りしており
ます。お忙しいところ恐縮ではありますが、ご回答願いますよう、よろしくお願い申し上
げます。
私たちは、障害のある子どもたち(小学生から高校生(一部二十歳)まで)を対象とし
て放課後や学校休業日に活動を行う、東京都内の放課後等デイサービス事業所(児童福祉
法)の連絡会です。現在、全国の 70 事業所が加盟し、研修会等を通じての活動実践の共有
や、制度改善に向けた東京都担当者との懇談の開催などを行っております。
放課後等デイサービス事業は 2012 年に児童福祉法に基づく事業として創設され、その後
急速に事業所数を増やしていきました。現在、全国に 7000 か所以上の事業所が存在し、通
所する子どもたちの数も 11 万人以上という状況です。
これまで支援の手が行き届いていなかった障害児の放課後分野に手が届き、生活の場が
広がり、家族への支援の充実にもつながってきているのは大変喜ばしいことです。
しかし、制度上の問題点に起因する弊害も生じています。その弊害を簡単に整理すると
以下の 4 点になります。
①営利企業体(株式会社)の参入が可能となったことなどから、
「儲け主義」
「儲け本位」
の事業所が急増し、子どもたちへの支援の質が全体として低下している。
1
②制度の最低基準である「子ども 10 人に対して指導員等 2 人」という配置では子どもた
ちへの支援の質が確保できないとして、手厚い職員配置を行うと、現状の報酬単価で
は事業所を維持できなくなる。
(やむなく配置数を減らす、もしくは職員 1 人あたりの
給与・賃金を低いレベルにして配置数を確保するといった方法を採らざるを得ない。)
③事業所への報酬の支払われ方が「その日に通所した子どもの分だけの支払い」という
「出来高払いの日割り報酬」であるため、インフルエンザなどで子どもたちが一斉に
休むと、事業所の収入がなくなり、運営が不安定になる。
④利用者負担について、原則 1 割負担を課せられており、世帯所得に応じた軽減策があ
るものの、月額上限が 37200 円の世帯では、家庭の負担を考慮して、本来であれば通
関わらず、通所を控えるという状況が出てきている。
これらの問題については、根本的には、国が主体となり改善していくべき問題でありま
すが、指定権限が都道府県にあり、支給決定権限が区市町村にあることを考えると、都道
府県を含めた基礎自治体においても以上の問題を認識した上で、基礎自治体が主体的に取
り組むべき問題でもあると考えます。
また、特別支援学校高等部を卒業し、放課後活動事業所からも卒会した青年・成人期の
方たちに視点を移すと、それらの活動に対する支援策がほとんどない現状が見えてきます。
現時点で都内でも障害のある人たちを対象にして、集団的な余暇支援の活動を自主的に実
施しているグループが多数ありますが、支援策が無い中で苦しい運営を余儀なくされてい
ます。こうした学校卒業後の余暇活動は、彼らの心身の疲れをリフレッシュして、あした
からの労働や日中活動への意欲を高める重要な役割を果たしていますが、ほとんどが公的
な支援の対象になっておらず、必要とされる条件を整えることができないでいます。
そこで、立候補者の皆さまに以下のご質問をさせていただきます。
お忙しいところ恐縮ですが、
次ページの質問にご回答いただいて、
2016 年 7 月 24 日(日)
までにFAXまたはEメールにてご回答いただきますよう宜しくお願いいたします。
な お 、 頂 き ま し た ご 回 答 に つ い て は 、 順 次 当 会 の ホ ー ム ペ ー ジ
(http://www.houkagoren.sakura.ne.jp/index.htm)、会報等にて公開させていただきます。
※ 公開質問状送付先
特定非営利活動法人 かるがも花々会
担当:
東久留米市八幡町 2-13-29
TEL : 042-477-6492
Fax : 042-477-6493
Mail : [email protected]
加辺
紘樹
敬具
2
FAX送信先
042-477-6493
放課後等デイサービスに関する質問への回答
候補者ご氏名
回答ご記入者氏名
1、障害のある子どもの放課後活動への認識について
放課後等デイサービス事業は障害のある子どもたちの放課後、夏休み等の長期休暇中の
生活を支え、成長・発達を保障し、更には家族を支援するという目的も包含した制度とし
て創設されました。各事業所は活動内容を考え、日々子どもたちや家族に向き合っていま
す。
しかし、事業所数、通所する子どもの数が急増する中で、「放課後等デイサービスの急増
は公的サービスを使ったネグレクトにつながっている」といった意見も聞かれるようにな
っています。また、制度上の問題点も指摘されています。
貴殿は、障害のある子どもたちの放課後・余暇活動保障を目的とする放課後等デイサー
ビス事業に対してどのような認識をお持ちでしょうか。
①障害のある子どもたちの放課後生活支援は必要がない 【
】
②障害のある子どもたちの放課後生活支援は必要である 【
】
※該当する選択肢の【
】内に「○」をお入れください。以下同じ。
その理由
3
2、障害児福祉事業所の労働者の労働状況について
厚労省が調査した「平成 26 年度障害福祉サービス経営実態調査」によると、放課後等デ
イサービスの常勤率は児童指導員または指導員で 50.8%となっており、同じ障害児通所支
援事業である児童発達支援事業の 64.7%を下回っており、その給与も常勤で 257 万 8 千円、
非常勤で 168 万 5 千円となっており、児童発達支援事業の常勤 322 万 3 千円、非常勤 170
万 6 千円を下回っています。このような放課後等デイサービス事業の職員労働状況に対し
て貴党のお考えをお聞かせください。
(1)常勤職員率について
①
改善の必要はない 【
】
②
改善すべき
】
【
その理由とお考えになっている改善策
(2)常勤・非常勤の給与・賃金水準について
1、改善する必要はない
【
】
2、改善すべき
【
】
その理由とお考えになっている改善策
4
3、平成 30 年度報酬改定について
昨年 9 月以降、財務省、厚生労働省から出されている資料(下記、参考資料参照)を見
ると、平成 30 年度報酬改定は厳しい見通しであることがうかがえます。国の社会保障分野
への財政支出が増大する中、放課後等デイサービス事業を含む、障害児者福祉サービスへ
の支出を抑制する方向で検討が進められようとしています。放課後等デイサービス事業の
報酬単価改定についての、貴殿のお考えをお聞かせください。
1、報酬単価は引き下げるべき
【
】
2、報酬単価は引き下がるのはやむを得ない
【
】
3、現状の報酬単価を維持するのが妥当
【
】
4、報酬単価は引き上げるべき
【
】
その理由
※参考資料
財務省
厚労省
財政制度等審議会財政制度分科会
平成 27 年 10 月 9 日
資料 2
財政制度等審議会財政制度分科会
平成 27 年 10 月 9 日
議事
平成 26 年障害福祉サービス等経営実態調査
社会保障審議会障害者部会
平成 27 年 9 月 25 日
資料 2-1
社会保障審議会障害者部会
平成 27 年 11 月 9 日
資料 1
社会保障審議会障害者部会
平成 27 年 11 月 9 日
障害者部会からの意見
5
4、放課後等デイサービス事業の拡充について
平成 30 年度から、都道府県には「障害児福祉計画」の策定が義務付けられることになり
ます。その計画に従って、都道府県知事は「新規事業者を指定しない」という権限を行使
できることが規定されました(第 190 回国会・閣第三九号「障害者の日常生活及び社会生
活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律案」
第 2 条参照 ※
衆議院平成 28 年 5 月 15 日可決、参議院平成 28 年 5 月 25 日可決)
。これは、放課後等デ
イサービス事業所の抑制政策として採用されたものです。
需要と供給のバランスの問題を解決することが期待される政策ではありますが、
「事業所
数」と「活動の質」は別の問題であると考えます。数を抑制しても、質の担保につながら
ない可能性が高いのです。私たちが懸念するのは、
「活動の質が良くない既存の事業所」が
残り、
「新規の『質の良い事業所』
」が指定を受けられない事態が生じるおそれです。
現在、東京都内には 600 を超える事業所が存在していますが、今後この数を抑制するこ
とについて貴殿のお考えをお聞かせください。
1、事業所数を抑制すべき
【
】
2、事業所数を抑制すべきではない
【
】
3、
「活動・支援の質の確保」を前提にして、事業所数を適正化すべき
4、その他
【
】
その理由など
6
【
】
5、障害のある人たちの青年・成人期余暇活動について
私たちの連絡会には、高校を卒業した障害のある青年・成人に対する余暇支援活動に取
り組む事業所もあります。しかし、障害のある青年・成人の余暇支援は公的な支援制度が
なく、各事業所では、保護者のバザーによる資金作りなどにより事業を継続させている状
況です。そういった状況を改善するため、私たちは長年、障害のある青年・成人の余暇活
動の制度化を訴えてきました。
先般、私たちは都議会に対して「障害のある青年・成人の余暇活動に関する請願」を提
出し、平成 28 年第 1 回定例議会において採択されました(27 第 46 号)
。請願項目は以下
の 2 点でした。
①障害のある青年・成人期の日中活動や就労後に、障害者相互、地域住民や学生等、様々
な人々と交流し、集団活動を行う事業を、障害者総合支援法の地域生活支援事業とし
て明確に位置付けるとともに十分な予算措置を講ずるよう、国に対し、意見書を提出
すること。
②都において、青年・成人期の障害者が、様々な人々と交流し、集団活動を行う区市町
村の取組に対し、積極的に支援すること。
私たちは、障害のある青年・成人に対する余暇活動は重要な活動であると考えています。
この活動に対する貴殿のお考えをお聞きしたいと思います。
1、必要ない
【
】
2、現状の政策で十分
【
】
3、都の独自の施策として拡充すべき
4、その他
【
【
】
】
その理由
以上
7