旭化成株式会社 2017年3月期第1四半期 決算説明会(電話会議) 要旨

2017年3月期第1四半期
決算説明会(電話会議)
要旨
開催日時:2016年8月2日(火)15:00~16:00
旭化成株式会社
予想・見通しに関する注意事項
当資料に記載されている予想・見通しは、種々の前提に
基づくものであり、将来の計画数値、施策の実現を確約
したり、保証したりするものではありません。
-1-
は前年同期比 22.5%の減益となった。一方で、
会社側参加者:
取締役
兼常務執行役員
執行役員
坂本
親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、四
兼経理部長 有馬
石油化学事業本部
半期純利益)は 241 億円で同 16.4%の増益と
企画管理部長
高機能ポリマー事業本部
セパレータ事業本部
堀江
企画管理部長
企画管理部長
最高を記録した。政策保有株式の見直しにより
福田
旭化成エレクトロニクス 企画管理部長
旭化成ホームズ 経営管理部長
なり、第1四半期の四半期純利益としては過去
桑葉
高嶋
一部の株式を売却したことや、4月の組織改編
旭化成ファーマ 経営統括総部長
冨岡
に伴って一部の事業会社を吸収合併したことに
出口
より繰延税金資産の回収可能性を見直したこと
IR室長 門倉(司会)
等が、主な要因だ。
2016 年度第1四半期の業績は前年同期
第1四半期のナフサ価格は 31,600 円/KL で、
比で減収・減益となったが、上期業績予想(以
前年同期比 17,200 円/KL のナフサ安となった。
下、今回予想)については、円高の影響が大き
相場平均為替レートは 108 円/ドルで、同 13
いものの、5月公表の上期当初予想(以下、当
円/ドルの円高となった。
坂本
連結貸借対照表の概況としては、総資産、自
初予想)に対してほぼ計画どおりとした。
なお、本日の発表は上期業績に関連するもの
己資本、有利子負債のそれぞれが減少した。有
のみであり、2016 年度通期の業績予想に関し
利子負債が減少したが、為替の換算等によって
ては見直しを行っていない。通期業績予想の見
自己資本も減少したため、D/E レシオは 2015
直しについては、第2四半期決算と合わせて秋
年度末並みとなった。
に発表の予定だ。
P6 連結損益計算書
また、2015 年度決算発表時に説明のとおり、
売上高は前年同期比 7.9%の減収となったが、
2016 年4月にセグメントの変更および任意開
売上総利益は 1,346 億円となり、売上高比率は
示セグメントの組み替えを行った。これに基づ
2.3 ポイント改善し 31.6%となった。ケミカル
き、本日の説明では 2015 年度実績についてす
事業を中心に原燃料価格が下落し、売上原価率
べて組み替え後の数字を用いて比較している。
が改善したことが主な要因だ。販管費は前年同
P5 主要決算数値
期比 50 億円増加し、1,047 億円となった。
第1四半期の売上高は 4,258 億円となり前年
Polypore に関し前年同期は買収が完了してい
同期比 7.9%の減収、営業利益は 299 億円で同
なかったが、今期は買収に伴うのれん償却費等
57 億円、15.9%の減益となった。各事業で拡
も含めて販管費を取り込んでいることが、主な
販やコストダウンを進めたが、円高の影響や、
増加の要因である。結果として営業利益は 299
昨年8月末に買収した Polypore の連結化の影
億円となり、売上高営業利益率は 0.7 ポイント
響、退職給付費用の増加等が減益の主な要因だ。
悪化した。
営業外損益は円高の進行により為替差損益が
為替差損益が悪化したこと等から、経常利益
-2-
P9 新セグメント別売上高・営業利益
悪化し、経常利益は 283 億円となった。
特別損益は、前年同期比 56 億円改善し、21
新しい3セグメントで、住宅は前年同期比増
億円の益となった。継続して政策保有株式の見
益、マテリアル、ヘルスケアは減益となった。
直しを進めており、一部の株式の売却を行った
P11 事業別売上高・営業利益増減要因(1)
ことで 2015 年度第4四半期に続き投資有価証
P12 事業別売上高・営業利益増減要因(2)
券売却益を計上したことや、2015 年度は特別
P29 クリティカルケア概況
損失としてクリティカルケア事業において訴訟
繊維事業は減収・減益となった。カーインテ
損失引当金繰入額 28 億円を計上したが 2016 年
リア向けが好調な(人工皮革)「ラムース」等
度はその要因が無いこと等が、主な要因だ。
で販売量を伸ばしたが、各製品において円高の
影響に加え、原燃料価格下落に伴って販売価格
以上により、税前利益は 304 億円となった。
が下落した。
また、4月に旭化成せんい㈱、旭化成ケミカル
ズ㈱、旭化成イーマテリアルズ㈱の3社を吸収
ケミカル事業は減収・減益となった。
合併し、事業持株会社となったことに伴い、税
石油化学事業は、各製品において原油安・ナ
効果会計に従って繰延税金資産の回収可能性を
フサ安の影響を受け、原燃料価格が下落したが、
見直した結果、法人税等が減少した。これによ
国内石油化学事業の基盤強化に伴う岡山県倉敷
り、法人税等を控除した四半期純利益は 241 億
市水島地区でのスチレンモノマー(以下、SM)
円となり、前年同期比 16.4%の増益となった。
の生産能力縮小に伴って SM の販売量が減少し、
P7 連結貸借対照表
減収・減益となった。第1四半期のアクリロニ
2016 年3月末と6月末を比較すると、総資
トリル(以下、AN)関連の市況は、AN 市況
産が 1,056 億円減少している。円高の進行によ
1,012 ドル/トン、プロピレン市況 739 ドル/
り為替の換算差で 920 億円、有価証券の時価評
トン、スプレッド 272 ドル/トンとなった。
価で 180 億円、それぞれ減少したことが主な要
高機能ポリマー事業は、省燃費型高性能タイ
因だ。また、負債については、Polypore 買収
ヤ向け合成ゴムの販売量が増加したが、各製品
に伴う借入金のリファイナンスを第1四半期に
において円高の影響を受け、売上高は減収、営
行っており、短期借入金と長期借入金のバラン
業利益は前年同期並みとなった。
高機能マテリアルズ事業・消費財事業は、各
スが変わったため、流動負債と固定負債で大き
な増減が発生している。
製品において円高の影響を受けたが、電子材料
P8 連結キャッシュ・フロー計算書
製品や医薬・食品用添加剤の(結晶セルロー
第1四半期の現金及び現金同等物の期末残高
ス)「セオラス」、(HDI 系ポリイソシアネー
は 1,357 億円となった。キャッシュ・フローに
ト)「デュラネート」等の塗料原料の販売が堅
おいても円高の影響があり、現金及び現金同等
調に推移し、また「サランラップ」の販売量が
物に係る換算差額で 99 億円減少した。
増加したこと等から、売上高は前年同期並み、
-3-
ウイルス除去フィルター「プラノバ」の販売量
営業利益は増益となった。
エレクトロニクス事業は増収・減益となった。
が増加し、売上高は前年同期並み、営業利益は
セパレータ事業は、(リチウムイオン二次電
増益となった。
池用セパレータ)「ハイポア」の販売量が増加
クリティカルケア事業は、円高が急速に進行
し 、 2015 年 度 第 2 四 半 期 よ り 連 結 し た
したことで円換算後の業績では事業の実態が見
Polypore の業績を取り込んだが、買収に伴う
えにくいため、今回よりドルベースでの業績を
のれん償却費等を計上し、円高の影響も受けた
参考情報として記載している。売上高は、円ベ
ため、増収・減益となった。
ースでは前年同期並みだが、ドルベースでは 2
電子部品事業は、円高の影響に加え、スマー
億 9,700 万ドル、前年同期比 2,800 万ドルの増
トフォン向けの電子コンパスやカメラモジュー
収となった。事業規模が拡大する中でも、引き
ル用電子部品等の販売量が減少し、減収・減益
続き 10%強の順調な伸びを示した。のれん等
となった。
償却後の連結営業利益は、円高にもかかわらず
住宅事業は増収・増益となった。建築請負部
円ベースでも増益となり、引き続き拡大し 28
門で戸建住宅「へーベルハウス」と集合住宅
億円となった。営業活動強化に伴う販管費は引
「ヘーベルメゾン」の引渡戸数が増加し、引渡
き続き増加したが、着用型自動除細動器
棟数も前年同期の 1,602 棟から 1,647 棟へ 45
「LifeVest」の業績が引き続き順調に拡大し、
棟増加した。リフォーム部門では労務費等の販
その他の除細動器の販売も堅調に推移した。
管費が増加したが、不動産部門で賃貸管理事業
P14
2016 年度上期の業績予想
今回予想は、当初予想と比較し、売上高は
が順調に推移した。
建材事業は減収・減益となった。フェノール
120 億円の下方修正、営業利益は当初予想どお
フォーム断熱材「ネオマフォーム」の販売が堅
りとした。為替の影響を織り込んで経常利益は
調に推移したが、基礎事業や ALC 事業で販売量
下方修正したが、特別損益と法人税等を見直し
が減少した。
た結果、四半期純利益は 50 億円の上方修正を
医薬・医療事業は減収・減益となった。
した。今回予想の前提としては、上期通期でナ
医薬事業は、(骨粗鬆症治療剤)「テリボ
フサ価格を 32,300 円/KL、為替レートは 107
円/ドルとした。
ン」や(血液凝固阻止剤)「リコモジュリン」
2016 年度上期の1株当たり配当金は 10 円を
等の販売量が増加したが、薬価改定の影響や、
(排尿障害改善剤)「フリバス」が後発医薬品
予定している。
の影響を受けたこと等により、減収・減益とな
P16 事業別営業利益予想
繊維事業は、各素材ともに原燃料価格下落の
った。
恩恵がある一方で、為替の影響による販売価格
医療事業は、円高の影響や、国内の透析関連
下落等により、5億円下方修正した。
製品において償還価格改定の影響を受けたが、
-4-
[質疑応答]
ケミカル事業は 10 億円上方修正した。高機
能ポリマー事業や高機能マテリアルズ事業を中
モルガン・スタンレーMUFG 証券・渡部氏
ケ
心に円高の影響を受けるが、石油化学事業の
ミカル事業について、前年同期比での減益要因
AN で原料スプレッドの改善やポリエチレン、
の説明があったが、AN のスプレッドが悪化し
ポリスチレン等の順調な推移を見込む。第2四
ている中で営業利益がほぼ横ばいに止まった背
半期では、AN 市況 1,210 ドル/トン、プロピ
景を伺いたい。石油化学事業と高機能ポリマー
レン市況 755 ドル/トン、スプレッド 455 ドル
事業の減益を消費財事業の増益でカバーしたの
/トンを想定している。
か。2015 年度第4四半期との比較ではそれぞ
れどうなのか。水島のナフサクラッカートラブ
エレクトロニクス事業は 10 億円上方修正し
た。セパレータ事業で Polypore 買収に伴うの
ルの影響等についてはどう見ているのか。
れん償却費等の円高による縮小効果や、
堀江
Polypore の本社費用削減等を織り込んでいる。
年同期比で減益だったが、ポリエチレンやポリ
電子部品事業も、円高の影響はあるが若干上方
スチレン等はナフサ価格が下がる中で比較的価
修正した。
格を維持できており堅調に推移している。第1
石油化学事業の第1四半期については前
住宅事業は 10 億円下方修正した。売上高は
四半期から第2四半期にかけては増益を計画し
当初予想どおりとしたが、退職給付費用や広告
ている。AN のスプレッド改善を織り込んでお
宣伝費等の販管費の増加等を織り込んだ。
り、それ以外に関してはほぼ第1四半期並みに
推移すると考えている。
建材事業は、ALC 事業や基礎事業が若干計画
ナフサクラッカーのトラブルについては、現
未達となること等を見込み、5億円下方修正し
時点で原因究明、ならびに復旧計画の詳細を検
た。
討しているところだ。損益への影響は概算値を
医薬・医療事業は 15 億円上方修正した。医
薬事業で「リコモジュリン」の販売が順調に推
営業損失として若干織り込んでいる。
移することや、「フリバス」で当初予想から販
渡部氏
売量が増加すること、円高により海外での開発
堀江
費用が円ベースでは縮小すること等を織り込み、
で、金額はお答えできない。
医療事業でも「プラノバ」の販売が好調に推移
渡部氏
すること等を見込む。
いたがどうなのか。
その概算値の規模感は開示できるか。
具体的な復旧計画がまだできていないの
堀江
一部の報道では8月中旬に復旧と出て
クリティカルケア事業は 15 億円上方修正し
まだ何も決まっていない。当方の関係者
た。「LifeVest」を中心に人員拡充が遅れてお
からの情報ではないと考える。
り、販管費の進捗が計画よりも遅いことを織り
渡部氏
込んだ。
あるいは 2015 年度第4四半期との比較で電子
エレクトロニクス事業の前年同期比、
部品、「ハイポア」、Polypore の損益動向は
-5-
どうか。Polypore についてはのれん償却費等
レータとも販売量は伸ばしているが、円高の影
を除いた損益動向についてご説明いただきたい。
響があって減収・減益となっている。
福田
高嶋
セパレータ事業は、2015 年度上期との
電子部品事業は、先ほど電子コンパスの
比較では増収・減益だ。Polypore の連結開始
数量減の影響と申し上げたのは 2015 年度第1
時期の影響で5ヶ月分の売上高の差があるので、
四半期と 2016 年度第1四半期の比較で、2015
その分は増収になった。リチウムイオン二次電
年度第4四半期から 2016 年度第1四半期にか
池用セパレータ、鉛蓄電池用セパレータともに
けては電子コンパス、オーディオデバイス、そ
数量は伸ばしててるが、リチウムイオン二次電
れに加えて水晶発振器用 LSI が数量を伸ばして
池用セパレータは円高の影響で円換算では減収
おり、増収になっている。
になっている。
尾脇氏
エレクトロニクス事業全体で 2015 年
営業利益は円高の影響と、Polypore の買収
度第4四半期から 2016 年度第1四半期にかけ
に伴うのれん償却費等の影響、更に宮崎県日向
て増益になっているが、電子部品事業が増益、
市で 2016 年度上期から「ハイポア」の新しい
セパレータ事業は減益になっているのか。
設備の稼働が始まり、その減価償却費が増える
門倉
ことによって減益となる。
尾脇氏
高嶋
電子部品事業は、2015 年度上期との比
告宣伝を再開したが、これにより受注、特に集
較では電子コンパスで競合との関係により数量
合住宅の受注に良い影響が出始めているのか。
が落ちるということがあり、その影響で 2016
冨岡
年度上期は減収になっているが、オーディオデ
月比で2桁%のマイナスだったが、6月は1
バイス等の数量が伸びている。2015 年度下期
桁%のマイナスまで戻している。広告宣伝の再
から 2016 年度上期への推移では、2015 年度第
開の効果が徐々に出てきている。
4四半期で落ち込んだものが春になって回復し
みずほ証券・山田氏
ており、第2四半期に向けて数量ベースでは更
2015 年度第4四半期から 2016 年度第1四半期
に増える。ただし、為替の影響もあり数量の伸
でセパレータ事業が若干減益ということだが、
びほどには営業利益は伸びない。
今回予想の第2四半期は第1四半期比で、セパ
三菱 UFJ モルガン・スタンレー証券・尾脇氏
レータ事業、電子部品事業各々どう動く前提に
繰り返しになるが、エレクトロニクス事業の
なっているのか。のれん償却費等は、2015 年
2015 年度第4四半期と 2016 年度第1四半期で
度第4四半期から 2016 年度第2四半期にかけ
の変化をご説明いただきたい。
て変動する要因があるか。
福田
福田
セパレータ事業は、2015 年度第4四半
方向感としてはご指摘のとおりだ。
住宅事業の動向について、4月から広
集合住宅の受注を見ると、4月は前年同
エレクトロニクス事業で、
のれん償却費等は、ドルベースでは大き
期から 2016 年度第1四半期にかけて、リチウ
な差はない。ただし、為替の換算による円ベー
ムイオン二次電池用、鉛蓄電池用、両方のセパ
スでの違いが生じている。
-6-
に大きな変化はまだない。
セパレータ事業は、第1四半期から第2四半
期にかけて数量は順調に伸ばす計画になってい
山田氏
る。円高の影響はあるが、それを上回って円ベ
では対前年同期で1割以上伸びていると思う。
ースで若干の増収を見込んでいる。ただし、先
主なところは「LifeVest」で、それ以外の除細
ほど説明した日向市での新設備稼働に伴う償却
動器もある程度伸びているが、新製品の寄与は
の開始、それから第2四半期末に多少固定費が
まだ極めて限定的ということか。
集中して発生するという傾向があり、営業利益
門倉
は減益を見込んでいる。
それ以外の製品は分母が小さいので伸び率だけ
山田氏
見れば大きくなるが、売上高としてはまだそれ
電子部品事業はあまり変わらないよう
クリティカルケア事業は、ドルベース
除細動器も着実に数量を伸ばしている。
な前提なのか。
ほど大きくない。
高嶋
野村證券・岡嵜氏
電子部品事業は、第1四半期から第2四
住宅事業の営業利益の推移
半期にかけてカメラモジュール向けの需要が増
について、前年同期比では第1四半期は増益だ
加することにより増収を予想しているが、一方
が、第2四半期は増収・減益となっている。先
で外部委託費用が増加するため、売上高の伸び
ほど人件費増等の話があったが、コストや材料
ほどは増益にならない見通しだ。
費等の動向も含めてこの動きを説明してほしい。
山田氏
冨岡
クリティカルケア事業の人員採用の状
第1四半期は、建築請負事業で引渡棟数
況だが、2015 年度に採りきれなかった分を上
増による売上高の増加で 11 億円の増益、住宅
乗せする形で人員を採用する予定になっていた
周辺事業で6億円の増益になっている。第2四
と思うが、この進捗状況と上期の達成の考え方
半期は、住宅周辺事業は増益だが、建築請負事
を教えてほしい。また、もし可能であれば
業で約 30 億円の減益になる。その主な原因は、
「LifeVest」の売上高比率と、それ以外の体温
引渡棟数減により約 10 億円の減益、更に固定
管理システム事業等の進捗状況も教えてほしい。
費の増加で約 20 億円の減益というイメージだ。
門倉
岡嵜氏
人員採用の進捗状況だが、2016 年度第
固定費の増加による 20 億円の減益は、
1四半期は計画に対してまだ十分に採用が進ん
第1四半期の費用の発生が遅れて第2四半期に
でおらず、そのため販管費の進捗も遅れている。
出るということか。
今後も積極的に採用活動を進めていくが、上期
冨岡
では当初予想どおりの採用数には至らないとい
前年同期比では、広告宣伝費、労務費、退職給
う見通しだ。
付費用の増加等が減益要因になっている。
それが約5億円ある。また第2四半期の
岡嵜氏
「LifeVest」の売上高比率は申し上げられな
セパレータ事業で、「ハイポア」と
いが、クリティカルケア事業全体を上回る伸び
(リチウムイオン二次電池用セパレータ)「セ
率となっている。体温管理システム事業等は、
ルガード」それぞれの電気自動車向けの対応に
引き続き市場開拓を進めている段階で、数字的
ついて、第1四半期、あるいは今後に向けた状
-7-
況を教えてほしい。
患者に治療の継続を促すプログラム等の展開が
福田
順調に進んでおり、数量は増加している。
2015 年度から中国での電気バス、2016
年度に入ってからは電気自動車の引き合いが活
竹内氏
発になっている。実際には認証等に時間がかか
計画線で進捗していると理解してよいか。
るので、2016 年度の業績には直接影響しない。
出口
岡嵜氏
竹内氏
福田
今の話は中国マーケットということか。
はい。
医薬事業の 2016 年度上期の研究開発
費は、計画どおりに消化しているのか。
中国と、それ以外の地域でも同様だ。
岡嵜氏
「テリボン」の販売量は、当初予想の
出口
そうすると 2017 年度くらいから「ハ
上期に想定していた研究開発費で下期に
イポア」も「セルガード」も電気自動車向けの
ずれ込むものはあるが、総じて想定どおりの進
売上が拡大してくるいうイメージでよいか。
捗と考えている。
福田
竹内氏
岡嵜氏
そういう計画を立てている。
住宅事業についてだが、決算説明会資
料 24 ページに 2016 年度第2四半期の建築請負
中国マーケットの取り組みについては
何かコメントはあるか。
受注の計画が記載されている。第2四半期を前
福田
中国マーケットについては、すべての顧
年同期と比較すると約 11%伸びる計画で、受
客に対応するのは難しいので、選択的に重要な
注金額としても高い水準だと思う。先ほどのご
顧客と取り組みを進めている。
説明で集合住宅の受注が戻ってきているという
SMBC 日興証券・竹内氏
医薬事業について、
ことだが、このような傾向が続けば達成可能な
当初予想から「フリバス」と「リコモジュリ
数字なのか。7月の受注状況もある程度見えて
ン」の販売量の計画を今回予想で引き上げた背
いると思うが、感触についてもう少し教えてい
景を伺いたい。この傾向は下期も継続するのか。
ただきたい。
また、「テリボン」の販売量の動向について、
冨岡
当初予想との比較で教えていただきたい。
の受注については、中間集計では対前年同月で
出口
「フリバス」については、当初予想で後
プラスになっている。展示場の集客増も継続し
発医薬品の影響を織り込んでいたが、その影響
ている。7月はアパート併用住宅が増え、単価
が想定よりもやや緩やかな状況にあり、上振れ
の大きい物件が増えてきているという話も出て
している。「リコモジュリン」は、使用される
いる。8月、9月は、今後の取り組み次第だ。
診療科が多岐にわたる医薬品だが、e ディテー
竹内氏
ル(インターネットを活用した医薬品の情報提
らすると、引き続き住宅購入への関心が強く、
供方法)の活用などの販売施策を進めている。
潜在的な顧客は多いという理解でよいか。
それが功を奏しており、上振れしている。「テ
冨岡
リボン」については、市場拡大再算定で薬価は
っている。少し懸念しているのは、消費税の増
下落したが、処方してくれる病院の新規開拓や、
税が延期になったことで、お客様の検討期間が
-8-
若干意欲的な数字を計画している。7月
受注環境や展示場への来場等の傾向か
集客における杭問題の影響はほぼなくな
長期化する傾向にあることだ。次の期末である
門倉
ボリュームの大きい9月あたりがポイントにな
しくなってきていること等を織り込んだ。
ると見ている。
シティグループ証券・池田氏
メリルリンチ日本証券・榎本氏
例えばスパンデックス等で海外市況が厳
AN の需給環境
を教えていただきたい。第1四半期から第2四
全社又は消去
について、当初予想が 110 億円の営業損失だが、
半期にかけて AN とプロピレンのスプレッドの
今回予想では 140 億円に増えている。これにつ
改善を約 200 ドル/トン織り込んでいるが、
いて何か要因があれば伺いたい。
元々需要がかなり弱い中で少しスプレッドが改
有馬
全体的なリスクを全社又は消去に織り込
善してきていると思う。他社のトラブルの状況
んでいる。また第2四半期に費用の増加を見込
や先行きの事業環境等で何かあれば伺いたい。
んでいる。
堀江
榎本氏
工場がフォースマジュール(不可抗力による供
バッファを持たせたように聞こえるが、
第2四半期にかけては、同業他社の米国
上方修正してもよかったのではないか。リスク
給不能)を宣言した影響があると考えている。
を引当てたと捉えてよいか。
本来であれば AN 市況に大きく影響することが
有馬
考えられるが、それほど大きな増益要因になる
為替が円高方向に推移しているので、多
少その影響を全社又は消去で見ている。
とは見ていない。現時点でアジアの競合メーカ
榎本氏
為替感応度は特に変わっていないか。
ーがフル稼働ではないため、米国からのアジア
1円の円高により営業利益が8億円悪化すると
向け輸出減少分は、アジアメーカーの増産によ
伺っていたがどうなのか。
って補われると考えている。但し、アジアメー
有馬
カーが稼働率を上げるまでには少し時間がかか
大きくは変わっていないが、今の数字よ
りはもう少し影響があるかもしれない。
るため、足元の市況は上昇に転じている。
榎本氏
池田氏
繊維事業は上期の業績予想を下方修正
旭化成グループの稼働率と、今後、御
しているが、円高や原燃料の要因を除いた実態
社が販売できる余力について教えてほしい。競
はどうなのか。いつも保守的な計画を組んでい
合他社のトラブルは大体いつ頃解消すると見て
ると思うので、円高でも業績は少し良いと思っ
いるのか。
ていたが、下方修正している。実際に何か販売
堀江
が不振な製品が出てきたりしていないか。
かると言われているが、確定した情報ではない。
門倉
原燃料要因はプラスの方向に効いている
当社グループの稼働率は、これまで日本・韓
が、原燃料価格が下落したことによる販売価格
国・タイを合わせて 85%前後の稼働を続けて
の下落が出てきており、そのあたりを見込んで
きた。原料のプロピレンが手当てできれば、稼
下方修正した。
働率を上げていきたいと思っている。現在は、
榎本氏
プロピレンの調達から始めている状況であり、
原燃料価格の下落以上に製品価格が下
トラブルの解消には3~6ヶ月くらいか
すぐに稼働率が 100%に上昇するというような
がっていることが効いているのか。
-9-
ことではない。
ただいたが、今の車載向けの需要が旺盛な事業
池田氏
第2四半期の AN は、スプレッドの改
環境の中で“若干”ぐらいの伸びでとどまった
善に加えて、稼動率の上昇による販売量の増加
のか。元々「セルガード」の 2015 年時点の稼
を若干見込めそうという理解でよいか。
働率はあまり高くなかったと思うが、足元の事
堀江
業環境は良かったと思うので、もう少し伸ばせ
はい。
池田氏
たとも思う。何かボトルネックになっているこ
セパレータ事業で、「ハイポア」と
「セルガード」に分けて数量がどれぐらいの規
とがあるのか。
模で伸びたかを教えていただきたい。為替は円
福田
高方向に進行しているが、第1四半期は対前年
グラムと新しいプログラムのちょうど端境期に
同期で増収になっている。恐らく単価も下がっ
ある。新しいデザインインに向けて認証作業を
ていると思うが、どれぐらい数量が伸びている
進めているが、車載用途であるため多少時間が
とか、もし伸びているのであればどのような用
かかっている。
途で伸びているのか伺いたい。
東氏
福田
きく販売が伸びたのは、認証作業がかなり前に
「ハイポア」の数量は約 10%の伸びで、
「セルガード」に関しては、旧来のプロ
競合他社において過去1年半くらいで大
「セルガード」は若干の伸びとなっている。
終わっていたものが結果として出てきており、
池田氏
御社の場合はもう少し後で認証に入っているた
数量が伸びたのは主に民生用途か。車
載用途も一部伸びてきているのか。
め、実際に出荷されるのは1年後ぐらいになる
福田
という理解でよいか。
「ハイポア」は、民生用途も伸びている
が、車載用途の伸びも大きく寄与している。
福田
池田氏
モルガン・スタンレーMUFG 証券・渡部氏
「セルガード」は車載用途で伸びてい
そのような理解で正しいと思う。
ケミ
るのか。
カル事業で、高機能ポリマー事業が前年同期比
福田
で減益というお話だったと思うが、このあたり
池田氏
「セルガード」はほとんど車載用途だ。
ドルベースの単価は、需給環境が良く
の背景をもう少し詳しく伺いたい。減益の要因
なり下げ止まってきているという理解でよいか。
は為替だけだったのか。
福田
桑葉
池田氏
まだ下げ止まっている状況ではない。
単価の下落率が緩やかになってきてい
第1四半期の営業利益は前年並みとなっ
ている。実態としては、円高の影響を受けてい
るという状況か。
るが、タイヤ向けや自動車部品向けで、エンジ
福田
ニアリング樹脂等の販売量が堅調に伸びている。
その程度の状況だ。あくまでドルベース
の話である。
ジェフリーズ証券・東氏
渡部氏
ケミカル事業では、石油化学事業が減
セパレータの数量に
益に対して、高機能ポリマー事業が前年同期並
ついて、「セルガード」は前年同期比で若干伸
み、高機能マテリアルズ事業・消費財事業が伸
び、そのほとんどは車載用途であると説明をい
びたという理解でよいか。
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門倉 はい。2015 年度上期は、SM の原料との
スプレッドがかなり取れており、石油化学事業
で大きな利益が出ていたが、2016 年度はスプ
レッドの縮小等で石油化学事業で減益となって
いる。
渡部氏
ケミカル事業の 2015 年度第4四半期
から 2016 年度第1四半期にかけての動きを教
えてほしい。
堀江
石油化学事業では、第4四半期はエチレ
ンセンターに関わる損益が定期修理の要因等に
よりあまり良くなかったが、第1四半期にそれ
が改善して増益になっている。AN も第4四半
期から第1四半期にかけては増益だ。第1四半
期にかけて原料とのスプレッドが縮小している
が、第4四半期は AN も水島地区の定期修理
の影響があったので、第1四半期にその要因が
無くなり、増益になっている。加えて、ポリエ
チレンなどで若干増益になっており、石油化学
事業全体で増益となる。
桑葉
高機能ポリマー事業は、原燃料はほぼ横
ばいで推移しており、販売も堅調に推移してい
るが、円高の影響により若干減益になる。
門倉
高機能マテリアルズ事業は円高の進行に
よる影響があるが、消費財事業は「サランラッ
プ」等の販売量が毎年の季節性で第4四半期に
落ち込み、第1四半期に回復するため増益にな
っている。この要因が大きく、高機能マテリア
ルズ事業・消費財事業は増益だ。
[終了]
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