群馬県でのカウンセリングについて でのカウンセリングについて での

群馬県でのカウンセリングについて
群馬県でのカウンセリングについて
受入自治体
群馬県
氏
名
ジャニーネ・ウチダ・ソアレス
国
先
ブラジル連邦共和国
群馬県
出
研
身
修
1
本事業に応募した動機
私が本事業に参加した理由は 2 つあり、個人的及び技術的理由です。最初の理由は
自分の家族が来日した経験があり、自分の先祖の国を知る機会があったからです。私
の母も日本に滞在中、精神病にかかってしまい、それが何故だかわからないまま今ま
で生活していましたが、日本に来て研修を通して初めて、出稼ぎ外国人の方々がどう
いう状況にいるのかを知ることができました。これらの状況は今まで一番知りたかっ
た答えの一つです。
もう一つの理由はここで得られる経験と知識は豊富だからです。多くの日系出稼ぎ
の方々が心理的支援を必要になっていることを私はあらかじめ分かっていたので、こ
の研修はその人たちのために役立つとともに、自分の専門的技術を磨くことができ、
将来やりたいプロジェクトのためにも役立つと思いました。
この研修については上司から紹介され、彼はこの研修に対して全面的にサポートし
てくれました。そして実際に得られた経験と知識は、自分の仕事に役立つと確信しま
した。
2
研修の概要
学校での活動は 6 月から始まり、アンケート調査を最初に実施しました。合計 6 校
を対象にカウンセリングを実施して、そのうち 3 校は大泉町内にあるブラジル人学校、
残りは太田市内の公立学校 3 校です。以下の表は、ブラジル人学校で発覚した心理的
問題等です。
教育問題
合計
心理的問題
合計
集中力、注意力欠如
25
孤独
3
記憶問題
37
チック症
4
指定されたことをやり遂げない
26
爪を噛む
4
読み書きの問題
24
頻繁に泣く
2
その他
1
異常な性的行動
0
関心不足
9
暴行的
5
恐怖症
0
その他
5
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なお、公立学校で多い問題は、日本の教育システムへの適応の問題と、生徒が教科の
内容についていけないということです。カウンセリングは、個人カウンセリング、グ
ループカウンセリング、教員及び親へのオリエンテーリングを含め、合計 237 件実施
して、106 人が心理支援を受けました。ブラジル人学校では 73 人の子ども及び青年
がグループ及び個人カウンセリングの対象になり、16 人の親がそれぞれのニーズに
合わせてオリエンテーリングを受けました。公立学校では、8 人の子どもがカウンセ
リングを受け、9 人の親がオリエンテーションを受けました。
活動内容は次の通りです:授業中の観察、親を対象にした面談及び心理診断、親及
び教員を対象にしたオリエンテーリング(画像 1)、グループカウンセリング、子供
及び青年を対象にした個人カウンセリング(画像 2)、グループレク、キャリアアッ
プ支援(画像 3)、心理テストの実施、教員及び親を対象にした講演会、学校を対象
にした心理的問題予防対策活動。
画像 1:親を対象にしたオリ
画像 2:個人カウンセリング
エンテーリング
画像 3:ブラジル人学校の高校生を対
象にしたキャリアアップ支援
カウンセリングをしていく中で主に発覚した問題は次の通りです:
‐家庭問題:離婚、物理的及び精神的暴行、愛情関係が薄い、ゲームへの依存、言語
によるコミュニケーション問題。
‐心理的問題:日本の教育システムへの適応問題、いじめ、パニック症、不安症、他
人との関わり方の問題、トラウマ、うつ状態、将来に対してのモチベーション不足、
関心不足及びストレス、暴力的、自傷行為。
‐教育問題:注意力及び記憶力欠如、言葉が話せない、集中力欠如、日本語が理解で
きない。
違う環境や文化で生活し、自分たちが抱えている問題や不安を母国語で相談できる
相手が今まではいなかったので、カウンセリングの成果はすぐに出ました。家庭関係
の改善、親が子供の教育に興味を持つようになった、不安を和らげた、自殺を願望し
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なくなった、暴行的及び自傷的にならなくなった、自尊心を高めることができた、学
校との関係が良くなった、勉強に関心を持った、家族及び教員がお互いの文化を尊重
するようになった等です。
なお、在日外国人は、より日本社会に馴染まなければなりませんし、日本語の習得
をはじめ、子供にも日本語を勉強する大切さを伝えなければなりません。もちろん、
行政側もいくつか改善をしないといけないことがあります。外国人と日本人に対して
の法律を同じにする、外国人世帯の福祉を改善して暮らしやすい環境づくりを進める
ことです。また、外国人を対象にしたオリエンテーリング活動や、母国語による福祉
(医師、心理学者、言語聴覚士)の提供、バイリンガル教員を長期間雇用するなどの
改善が必要だと思います。
3
帰国後の展望
研修は日本文化の習得をはじめ、外国人世帯が移住により発生する心理的問題の経
緯を把握することができました。研修は終わりましたが、在日中得られた経験と知識
は、帰国後も出稼ぎ帰国者を対象にしたプロジェクトの開発や、来日を希望している
日系人を対象に予防対策活動などに励みたいと考えています。ブラジルでは、実際に
日本から帰国した患者さんを自分のクリニックで受け入れたことが何度かあり、心理
的問題を抱えている帰国者の割合は大きいです。
今後、本事業を効率的に実施するために、いくつかのアドバイスを上げたいと思い
ます。一つ目は、受け入れる心理カウンセラーが、教育心理学及び家族心理学を専門
としている人を優先した方が良いと思います。二つ目は、ブラジルカウンセリング協
会(CFP)が認可したテクニック及びシステムを活用する専門科も尊重することです。
三つ目は、研修実施期間を最低 1 年に延長することです。これは、カウンセリングで
せっかく信頼を得られた患者に対して、カウンセリングを長期間継続できないと、次
のカウンセラーが再び最初から治療を始めないといけないからです。このカウンセラ
ーの引き渡しは良くないと思います。
この研修に参加できたことを私は誇りに思っています。自分の人生の経緯を変えら
れた気がします。本当にありがとうございました!
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