「教職員等中央研修」の成果活用について

「教職員等中央研修」の成果活用について
当センターでは、“研修修了者が、研修の成果をどのように活用しているか”を調査
し、研修内容の改善・充実に活かしています。
受講者本人・所属長の回答より、成果活用の具体例をご紹介させていただきます。
平成20年度「教職員等中央研修」における成果活用の具体例
〔研 修 から約 1 年 経 過 後 の受 講 者 からの回 答 〕
○
校 内 体 制 を整 備 し、不 登 校 児 童 減 少 の成 果 をあげた
生徒指導上の諸問題、特に不登校等に対する教育相談体制について、前任校
( 小 学 校 )に お い て は 生 徒 指 導 体 制 や 特 別 支 援 教 育 体 制 と の 関 連 を 明 ら か に し 、
校内及び校外の連携を強化してきた。中央研修での成果として、この校内体制
を一枚図で示し、いつでも誰でも活用できる形を整えた。また、従来から職員
に対して具体的な手立てについても指導し、予防的・開発的な教育相談で、一
時は5名いた不登校児童を3年間で1名まで減らすことができた。この予防
的・開発的な教育相談の重要性については、中央研修で学んだ講座に沿ってま
とめ直して職員に示してきた。
○
生 徒 指 導 担 当 と連 携 し、不 登 校 生 徒 減 少 の成 果 をあげた
昨年度 1 年生で不登校生徒が多かったため、全体生徒指導担当と連携し、1
年 部 の 担 当 教 員 で「 ど う や っ て 不 登 校 を 減 ら す か 」と い う テ ー マ を 設 定 し 、「 ブ
レインライティング法」→「ロジックツリー」を活用し、検討を行った。
ロ ジ ッ ク ツ リ ー の「 詳 細 項 目 」の 中 に 出 さ れ た ① 定 期 的 に 行 っ て い る 学 年 会
の 中 で 気 に な る 生 徒 の 様 子 の 報 告 を 行 い 、そ の 報 告 に 基 づ い て 対 応 を 検 討 す る 。
②教育相談の機会を増やす、また、毎日の予定帳のコメントの欄は、生徒も教
師も3行以上のコメントを書き、コミュニケーションを図ると共に生徒たちの
現状をつかむ。③生徒の保護者と生徒の現状について話をする機会を持ち、保
護者の考え方を理解すると共に、学校の支援の仕方についても理解していただ
くように努める。ということを徹底した。
その結果、第 1 学年では 1 月末現在不登校は 0 人。保健室登校の生徒も 0
人になった。この結果からもコミュニケーションを図る場の設定、生徒たちの
現状の把握の大切さを改めて感じることができた。
○ 学 校 評 価 の改 善 につなげ、職 場 を活 性 化 した
教職員一人一人の責任と立場を明確にし、学校運営に参画しているという意
識を高めるために、組織編成が前年踏襲ではなく、一人一人の能力が生かせる
よう仕事の量のバランスが取れるようにした。また、可能な限り未経験分野を
経験できるような校内組織になるよう配慮した。起案に関しても、担当者→教
務→主幹→副校長→校長という経路を明確にし、教務主任を中心とした各分掌
の連携を重視した。その結果、それぞれの責任の所在が明確になり、学校評価
の改善にもつながり、意欲と結果責任という面からも職場が活性化した。
○ 地 域 の信 頼 を得 て、学 校 運 営 が円 滑 に行 なわれるようになった
毎月校内の広報紙委員会を開き、多くの職員に原稿を執筆していただき、月
1回の発行を行った。また、中学校や保護者へ確実に手元に届くように、宅配
業者による発送を行うようにした。この実践により、保護者からは学校に対す
る積極的な支援や理解を得られるようになるとともに、生徒に対する職員の指
導もきめ細かに行えるようになり、目標を達成しようとする意欲的な生徒が多
数みられるようになった。
また、中学校の先生(地域)からは、本校の教育活動が良く分かるようにな
り、「安心・信頼して生徒や保護者に進路指導を行えるようになった」との意
見が多く寄せられ、志願者数も増加した。
○ 危 機 管 理 意 識 の啓 発 により、校 内 の子 どもに事 故 が減 少 した
危機管理意識の啓発として、危機管理演習の講義で活用した。具体的には、
学校内の組織運営で既存の組織に依存することなく、緊急対応及び通常のリス
クマネジメントをも兼ねた組織の検討を行い、次年度の校内組織に「リスクマ
ネジメント委員会」を位置づけ、そのリーダーとして行動した。平時の危機管
理として、「環境整備シート」を「リスクマネジメントチェックシート」と名
称を変更し、その項目についても危機管理の視点に変更した。また、リスクの
洗い出しと情報の蓄積として、月に一度、各教職員がそれぞれの分掌の計画や
実 施 状 況 、担 当 教 室 を チ ェ ッ ク し て 、問 題 点 を 管 理 職 に 報 告 す る 体 制 を 構 築 し 、
具 体 的 な 問 題 点 に つ い て は 、職 員 集 会( 毎 週 2 回 実 施 )で 情 報 の 共 有 化 を 図 り 、
同時に総務会や学年打合せなどの日常の小会議での必須事項として位置付け
た。同時に問題点を分析し、その原因をつかみ、情報記録をファイリングして
常に活用できる体制とした。その成果として校内の子どもの事故が減少した。
〔研 修 から約 1 年 経 過 後 の所 属 長 (校 長 ・指 導 主 事 は所 属 の教 育 委 員 会 、
教 頭 ・教 諭 は校 長 ) からの回 答 〕
○ 学 校 組 織 マネジ メン ト の研 修 を生 かし、 指 導 主 事 として各 学 校 での研 修 において、 学
校 の組 織 改 善 や人 材 育 成 等 について指 導 力 を発 揮 した。
○ S W O T 分 析 により学 校 内 外 の環 境 を把 握 、分 析 して、特 色 ある学 校 づくりを考 える手
がかりとすることができた。学 校 教 育 活 動 に生 かされている。
○ スクールコンプライアンスから教 育 公 務 員 としての責 任 と自 覚 のもと、教 職 員 の法 令
遵 守 の意 識 を高 めてきた。自 らの経 験 だけでなく法 的 根 拠 をもって教 員 に納 得 させるこ
とが、指 導 の自 信 につながっている。
○ カリキュラム編 成 において、 教 育 目 標 や教 育 課 題 を意 識 して教 育 計 画 を作 成 した。 各
行 事 のねらいを明 確 に示 し、各 担 当 者 がそのねらいを達 成 できるように支 援 した。
○ O J T の 具 体 的 計 画 を立 て、 実 施 ・評 価 を積 極 的 に行 っ た。 特 に若 手 教 員 の育 成 に
力 を入 れ、成 果 が上 がった。
○ いじめ等 、生 徒 指 導 の諸 問 題 の解 決 のために、組 織 として対 応 できる体 制 を作 り、具
体 的 に行 動 に移 した。
○ 外 部 講 師 を招 いての学 力 向 上 研 修 が推 進 され、継 続 して教 員 の力 量 アップがなさ
れ、生 徒 の学 力 の充 実 が図 れた。
○ 職 員 が それ ぞれの持 ち 味 を生 かし て業 務 に臨 むこ とが でき る よ う 、 一 日 1 回 は各 教 室
を巡 回 して授 業 の様 子 を観 察 して、 コーチング的 指 導 ・ 支 援 を日 常 的 に行 い、 経 営 改 善
に努 めている。
○ 問 題 行 動 に対 する指 導 や保 護 者 対 応 について、素 早 い指 導 と対 応 を徹 底 させたこと
で、苦 情 がなかった。
○ 校 長 が掲 げる学 校 教 育 目 標 をよく理 解 し、その具 現 化 のために他 の職 員 への助 言 を
積 極 的 に行 い、学 校 の活 性 化 が図 られた。