特定健康診査等実施計画(第1章 計画策定にあたって)

第1章
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計画策定にあたって
特定健康診査・特定保健指導の背景と趣旨
我が国は、国民皆保険のもと、誰もが安心して医療を受けることができる医療制度を
実現し、世界最長の平均寿命や高い保健医療水準を達成してきました。
しかしながら、急速な少子高齢化、経済の低成長への移行、国民生活や意識の変化な
ど、大きな環境変化に直面しており、国民皆保険を堅持し、医療制度を将来にわたり持
続可能なものとしていくためには、その構造改革が急務となっています。
特に医療費の傾向をみますと、高齢化の急速な進展に伴って、疾病構造が変化し、疾
病全体に占めるがん、虚血性心疾患、脳血管疾患、糖尿病等の生活習慣病の割合も国民
医療費の約3分の1となっており、国民医療費を押し上げる要因のひとつなっていま
す。
国においては、国民医療費の増大に適切に対処する観点から、平成20年4月から医
療制度改革大綱の基本的な枠組みの一つに生活習慣病対策推進体制の構築が盛り込ま
れ、医療費適正化の総合的な推進に向けて、保険者に対して、法に基づいて実施される
特定健康診査(加入者のうち 40 歳以上 75歳未満の方に対し、生活習慣病に関する健
康診査。以下「特定健診」という。
)及び特定保健指導(健診結果により健康の保持に
努める必要がある方に対する保健指導。
)を義務付けました。
本市におきましても、国保被保険者に対し、医療費の伸びの要因となっている糖尿
病・高血圧・脂質異常症等の発症予防や重症化及び合併症への進行の予防に重点を置き
ながら、生涯にわたる生活の質の維持向上にむけて、特定健康診査等について、制度発
足から現在まで積極的に推進し、市民の健康づくりを図って参りました。
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特定健康診査・特定保健指導の対象となる生活習慣病
特定健診・特定保健指導の対象となる生活習慣病は、内臓脂肪症候群(「メタボリッ
クシンドローム」という。
)の該当者及び予備群とします。
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メタボリックシンドロームに着目する意義
メタボリックシンドロームとは、内臓脂肪型肥満を共通の要因として、高血糖、脂質
異常、高血圧を呈する病態であり、それぞれ重複した場合は、虚血性心疾患、脳血管疾
患等のリスクが高く、内臓脂肪を減少させることでそれらの発症リスクの低減が図ら
れるという考えを基本としています。
すなわち、内臓脂肪型肥満に起因する糖尿病、脂質異常、高血圧は予防可能であり、
また、発症してしまった後でも、血糖、血圧等をコントロールすることにより、心筋梗
塞等の心血管疾患、脳梗塞等の脳血管疾患、人工透析の必要な腎不全などへの重症化を
予防することが可能であるということです。特定健診及び特定保健指導を受けること
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により、このような疾患に至る原因となることを詳細にデータで示すことができるた
め、健診受診者にとって生活習慣と健診結果、疾病発症との関係が理解しやすく、生活
習慣の改善に向けての明確な動機づけができるようになると考えられます。
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内臓脂肪型肥満に着目した生活習慣病予防のための健
診・保健指導の基本的な考え方について
特定健診は、メタボリックシンドロームの概念に基づき、その該当者及び予備群を的
確に抽出し、対象者が身体状況を理解し生活習慣改善の必要性を認識でき、行動目標を
自らが設定し実行できるよう、個人の行動変容をめざした保健指導を行います。
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計画の性格と期間
この計画は、法第19条により、土浦市国民健康保険が策定する計画です。
この計画は、5年を1期として策定するもので、第2期の計画期間は、平成 25年度か
ら平成29年度までの計画期間とする土浦市特定健康診査等実施計画(第2期)として定
めるものです。
なお、第7次土浦市総合計画、土浦市健康増進計画(健康つちうら21)との十分な整
合を図るものとします。
24年度 25年度 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度
1期計画
第 2 期 計 画 期 間
2期計画
計画の
策定
見直し
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次期計画