第53回社会福祉セミナー 社会福祉が目指す自立支援とは何か 主催 公益財団法人 鉄道弘済会 後援 社会福祉法人 全国社会福祉協議会 近年、 「自立」が法律や施策に謳われ、生活困窮者、障害者、ひとり親、無業期間の長い若者など、生活に困難を 抱える人びとに対する自立支援の強化が図られている。その中では、生活における自己責任、自助努力が強調され、 各自治体や民間団体が行う取り組みにおいても、就労を軸とした支援が目立つ。 社会福祉の支援において「自立」が目指される一方、どのような状態を「自立」とするのかは曖昧であることが 少なくない。 「自立」の概念は多様であり、何を「自立」ととらえるのか、 「自立」の基準は何かについては議論が重 ねられてきた。しかし、そもそも「自立」とは、社会が決めるものではなく、自分らしく主体的に生きることであり、 それを支援していくことが社会福祉には求められているのではないだろうか。 そこで、本セミナーでは、社会福祉における「自立」の概念を整理したうえで、さまざまな領域での自立支援の あり方を考えてみたい。そして、自立支援の現状と課題を明らかにしつつ、 「自立」を支援するとは何を目指し成果 を何で測るのか、一人ひとりの思いに寄り添った支援をどのように展開していくのかを展望してみたい。 ●期 日 2016年7月22日 (金) ●会 場 有楽町朝日ホール(東京都千代田区、有楽町マリオン11階) ●定 員 600名(定員になり次第締切) ●受講料 4,000円(学生割引あり) 申込方法 会場案内図 同封の申込書にご記入のうえ、郵送または FAX にてお申し 込みください。ホームページからのお申し込みも承っておりま す。http: //www. kousaikai. or. jp/ お申し込みとともに、受講料をご送金ください。 有楽町朝日ホール(有楽町マリオン11階) 東京メトロ有楽町駅 ● (D7出口) 交通会館 ■受講料の送金方法 ①銀行振込 みずほ銀行 本店 (普通)2155069 口座名 公益財団法人鉄道弘済会 ②郵便振替 00140-8-143594 口座名 公益財団法人鉄道弘済会 ルミネ 振替用紙の通信欄に住所・氏名をご記入ください。 ③現金書留 同封の申込書に必要事項をご記入のうえ、お送り ください。 *受講証および領収書の発送は、7月1日㈮ごろを予定してお ります。 交 通 *納入後の受講料は返却いたしかねますので、 ご了承ください。 ●JR( 山手線・京浜東北線)有楽町駅、中央口または銀座口 *学生の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。 ●事情により講師等が変更となる場合があります。 ●ご昼食、ご宿泊等の手配は行っておりません。 ●個人情報について 受講お申し込みに際してお預かりする個 人情報は、受講証の発送、受講料の請求とご入金の確認、次 回以降開催のご案内のみに使用いたします。 ●東京メトロ(丸ノ内線・銀座線・日比谷線)銀座駅、 C4出口 ●東京メトロ(有楽町線)有楽町駅、D7出口 *いずれも徒歩2分。 ホール入り口 有楽町マリオン映画館チケット売り場横のエレベー ター(★)で11階までお越しください。 プログラム 9:30 10:00 10:10 基調講演 休 憩 開 会 受 付 7月22日(金) 午 前 11:00 11:10 12:30 シンポジウム (発 題) (敬称略) 基調講演 10:10~11:00 依存と自立 くま がや しん いち ろう 東京大学先端科学技術研究センター 准教授、小児科医 熊 谷 晋一郎 シンポジウム 11:10~14:45 社会福祉における自立の概念 -その変遷から支援の現状と課題を問う- 近年、「自立」が法律や施策に謳われ、生活困窮者、障害者、ひとり親、無業期間の長い若者など、生きづらさを抱える人びとに対する 自立支援の強化が図られている。しかし、「自立」の定義が明確ではなく、何を支援するのかが曖昧となっていることが少なくない。 そこで、本シンポジウムでは、「自立」の概念を整理したうえで、社会福祉における自立支援とは何を目指すのかについて参加者ととも に考えていく機会としたい。 にし おか まさ じ たに ぐち いく み の ざわ かず ひろ おか べ A’ワーク創造館(大阪地域職業訓練センター) 就労支援室長 西 岡 正 次 滋賀県社会福祉協議会次長、滋賀の縁創造実践センター所長 谷 口 郁 美 毎日新聞社 論説委員 野 沢 和 弘 たく コーディネーター:首都大学東京 教授 岡 部 卓 公益財団法人鉄道弘済会は各種の社会福祉事業を運営しております。 (2016年4月1日現在) 機関・施設別 箇所数 義肢装具サポートセンター 1 知 的 障 害 児・ 者 施 設 9 保 育 所 24 児 童 養 護 施 設 1 老 人 福 祉 施 設 6 所 9 室 1 福 福 祉 祉 資 計 料 51 公益財団法人鉄道弘済会は公益事業の運営を本旨とする財団法人 として、1932年(昭和7年)に設立されました。 本法人の行う公益事業には、身体障害者福祉、児童福祉、知的障 害児・者福祉、老人福祉などがあります。民間におけるわが国唯一 の切断障害者の総合的リハビリテーション施設や全国に24か所の 認可保育所、総合福祉センター「弘済学園」などの福祉施設の運営 をはじめとして、社会福祉に関する理論と実践をつなぐ専門誌『社 会福祉研究』の発行、視覚障害者用録音図書の製作奉仕者に対する 顕彰事業等を行っております。 民間公益事業団体として、その時代の要請に応え、先駆的な役割 を果たすとともに、ニーズの変化にも対応し、事業内容の充実に努 めてまいりました。これらの公益事業に要する費用の不足分は、資 産を有効活用した賃貸事業などの収益事業の益金等をもって充当し ております。 12:3013:30 シンポジウム (質疑応答・まとめ) 休 憩 昼 食 7月22日(金) 午 後 14:45 15:00 18:00 選択講座① 選択講座② 選択講座③ 選択講座 選択講座① 15:00~18:00 生活が困窮している人の自立支援 -その取り組みから見えてくる課題- 格差の広がりが進む中、不安定な雇用による経済的困難、心の病気等により生活が困窮している人が増えている。しかし、地縁・血縁の 消失による地域のセーフティーネットの崩壊によって従来の福祉の枠組みの中では支援を届けることが困難なことが多い。行政・関係機関・ 地域を巻き込んだ包括的な支援体制の構築が求められている。 そこで、本講座は、生活が困窮している人への、一人ひとりの思いや願いに寄り添った画一的ではない自立に向けた支援について参加者 とともに考えていく機会としたい。 やま や り え あら かわ しげ こ わた なべ かた だ NPO法人インクルいわて 理事長 山 屋 理 恵 企業組合あうん 理事 荒 川 茂 子 じゅん 全国公的扶助研究会 副会長 渡 辺 潤 か お り コーディネーター:法政大学 准教授 堅 田 香緒里 選択講座② 高齢者の自立を支える支援とは -居場所と役割の創出を通して- 高齢者が抱える生活課題が多様化し、「社会的孤立」「老老介護」 「認知症」等が社会問題として取りざたされている。 「住み慣れた地域で 安心して暮らし続ける」ための地域包括ケアシステムの構築が政策的に推進されているが、社会福祉はどのような役割を果たせばよいのだ ろうか。 そこで本講座では、高齢者の「居場所と役割の創出」に焦点を当て、地域における居場所づくりや社会参加活動を促進するうえでの課題 を検討したい。そして、一人ひとりの暮らしを把握し、本人の意向に沿った自立を支える方略について参加者とともに考えていく機会とし たい。 あり とも まえ だ たか ゆき あ べ とし や くろ いわ りょう こ NPO法人お互いさまねっと公田町団地 理事長 有 友 フユミ NPO法人町田市つながりの開 理事長 前 田 隆 行 社会福祉法人武蔵野 理事・高齢者支援部門 統括施設長 阿 部 敏 哉 コーディネーター:日本女子大学 准教授 黒 岩 亮 子 選択講座③ 障害者の自立を支える社会福祉 -あたり前の生活を目指して- 障害者が地域で自立して暮らすことのできるようサポートする仕組みづくりが求められている。しかし、住まい・経済的支援・福祉的支援を 包括的に提供できる環境が整備されているとは言い難い状況にある。 そこで本講座では、各社会福祉団体の実践から、当事者一人ひとりの意思決定に寄り添う自立支援の方向性を読み解きながら、障害者自らが 選択した生き方を実現できるあたり前の社会の構築に向けて参加者とともに考えていく機会としたい。 たか はし あき ひこ わた なべ ひで お の なか やす ひろ なり た ひばりクリニック 院長、認定NPO法人うりずん 理事長 髙 橋 昭 彦 NPO法人障害者就労支援センター どんまい福祉工房 施設長 渡 邉 英 夫 社会福祉法人一麦会 麦の郷 法人事務局次長 野 中 康 寛 コーディネーター:社会福祉法人いきいき福祉会 ラポールグループ 総合施設長 成 田 すみれ 講師紹介 【基調講演】 熊谷晋一郎(くまがや しんいちろう) (東京大学先端科学技術研究センター准教授、 小児科医) 新生児仮死の後遺症で、脳性マヒに。以後車いす生活となる。東京大 学医学部卒業後、複数の病院での勤務を経て、現職。専門は小児科学、 当事者研究。日本発達神経科学学会理事。著書に 『リハビリの夜』 (医 学書院) など。 【シンポジウム】 (敬称略) 渡辺 潤(わたなべ じゅん) (全国公的扶助研究会副会長) 1954年生まれ。明治学院大学社会学部第二部社会学科卒業。1973 年東京都大田区役所入区、生活保護ケースワーカー約20年等に従事 し、 現在は生活保護面接員。 【選択講座②】 黒岩亮子(くろいわ りょうこ) (日本女子大学人間社会学部准教授) 東京都立大学大学院 (都市科学修士) 、日本女子大学大学院修了。博士 (社会福祉学) 。淑徳大学、日本女子大学講師を経て2015年より現職。 専門は地域福祉、社会福祉政策。地域での孤立の実態と解決に関心を 持っている。 岡部 卓(おかべ たく) (首都大学東京都市教養学部教授) 主として貧困・低所得者問題とその方策 (政策と方法)について研究・ 社会的活動を行う。ホームレスや生活保護受給者の実態調査、生活保 護制度や生活困窮者自立支援制度、生活福祉資金貸付制度のあり方、 有友フユミ(ありとも ふゆみ) (NPO法人お互いさまねっと公田町団地理事長、 民生委員・児童委員) 福祉事務所・保護施設の自立支援プログラムの策定等にかかわって 1946年愛媛県生まれ。1970年10月横浜市民となる。男児2人の子 いる。 育ての中、学校、地域とのかかわりをもち、青少年指導委員を務める。 2008年7月より民生委員・児童委員を受託。 「お互いさまねっと」の立 西岡正次(にしおか まさじ) ち上げにかかわり現在に至る。 (A’ワーク創造館 (大阪地域職業訓練センター)就労支援室長、一般社 団法人全国生活困窮者自立支援ネットワーク理事) 前田隆行(まえだ たかゆき) 2006 ~ 14年、 大阪府豊中市の雇用・就労関係を担当。 生活困窮者・就 (NPO法人町田市つながりの開理事長、特定非営利活動法人若年認知 労困難者等の就労支援事業や仕組みづくりを進め、パーソナル・サ 症サポートセンター理事、NPO法人認知症フレンドシップクラブア ポートモデル事業、生活困窮者自立支援モデル事業などを実施。現 ドバイザリーボード) 在、各地の自治体と連携して、公共政策としての就労支援を追求して 通所介護事業所DAYS BLG!にて、当たり前のことを当たり前に、認知 症を自分事としてとらえる次世代型のデイサービスを運営し、 「働き いる。 たい」 「役に立ちたい」 「介護されるだけの存在から再び社会の一員と して⇒利用者から生活者へ」等の想いをカタチにする活動をコンセ 谷口郁美(たにぐち いくみ) プトとしている。 (滋賀県社会福祉協議会次長、 滋賀の縁創造実践センター所長) 大学卒業後、中学校教員となり、その後、県の外郭団体で高齢化社会 阿部敏哉(あべ としや) の地域づくりの調査研究に従事。2003年、法人統合により県社協職 (社会福祉法人武蔵野理事・高齢者支援部門統括施設長・武蔵野市桜 員となり、 ひとりももれなく“ふくし”を実感できる地域社会をめざし 堤ケアハウス施設長) て、仲間をひろげながら暮らしの場での豊かな支えあいのシステム 1993年社会福祉法人武蔵野・地域生活支援センター施設長として入 づくりに取り組んでいる。 職。特別養護老人ホームの施設長を経て、2011年より現職。高齢者 福祉施設を地域拠点として、地域の高齢者への支援、住民と地域づく りに取り組む。 野沢和弘(のざわ かずひろ) (毎日新聞社論説委員) 1983年毎日新聞社入社。社会部副部長、夕刊編集部長を経て現職 (社 会保障担当) 。障害者の権利擁護、児童虐待などに取り組む。内閣府障 害者政策委員会委員、社会保障審議会障害者部会委員、植草学園大学 客員教授、 東京大学非常勤講師、 上智大学非常勤講師なども兼ねる。 【選択講座①】 【選択講座③】 成田すみれ(なりた すみれ) (社会福祉法人いきいき福祉会ラポールグループ総合施設長) 横浜市福祉職として身体障害者担当ケースワーカー等を経て、1987 年より横浜市総合リハビリテーションセンターで総合相談、地域 サービス、福祉機器支援センター等のソーシャルワーカーを23年従 事。2011年から社会福祉法人試行会横浜市青葉台地域ケアプラザ 所長、今春より現職。高齢期の多様な地域生活を創る、支えるための 仕組みやあり方を考え、そのための組織作りと人材の育成等をして いる。 堅田香緒里(かただ かおり) (法政大学社会学部准教授) 東京都立大学大学院博士課程修了、博士 (社会福祉学) 。貧困および対 貧困政策について、とりわけジェンダー視点からの研究活動を行う。 髙橋昭彦(たかはし あきひこ) 序列や分断のない生の保障の在り様について模索している。共著に (ひばりクリニック院長、 認定NPO法人うりずん理事長) 1985年自治医科大学卒業。2002年栃木県宇都宮市でひばりクリ 『ベーシックインカムとジェンダー-生きづらさからの解放に向け ニック開設。小児在宅医療に取り組む中、医療的ケアが必要な子ども て-』 (現代書館) など。 の日中預かりを始め、2012年NPO法人うりずん設立。2016年4月 新拠点で事業を開始。 山屋理恵(やまや りえ) (NPO法人インクルいわて理事長) 渡邉英夫(わたなべ ひでお) 地方自治体の消費者問題に携わり、庁内外の多様なネットワークを (NPO法人障害者就労支援センターどんまい福祉工房施設長) 構築しながら生活困窮者支援の現場に立つ。東日本大震災直後にひ 1990年より各障害者福祉の現場に従事。2006年 「NPO法人障害者 とり親家族を中心とした包括的支援団体を設立しInclusive Societyの 就労支援センターどんまい福祉工房」設立。地域をフィールドに障害 実現を目指している。内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員、 のある方の就労支援を開始。現同法人理事長。どんまい福祉工房施設 岩手県東日本大震災津波復興委員会女性参画推進専門委員会委員、 長。 盛岡市社会福祉協議会理事。 荒川茂子(あらかわ しげこ) (企業組合あうん理事) 1955年生まれ。2002年あうんの立ち上げにかかわり、以来14年間 野宿当事者や働きづらい若者らとともに、あうんの事業に従事。事業 の他に、フードバンクのメンバーとして、主に生活保護を利用してい る仲間とともに、 活動をしている。 野中康寛(のなか やすひろ) (社会福祉法人一麦会 麦の郷 法人事務局次長) 1973年和歌山県生まれ。尊敬する当事者・実践者の方々と出会い、し だいに遅れている精神障害者への社会的課題に対して関心が高ま る。相談支援・居場所づくり・仕事づくりの中で誰もが本来もつ輝き や秘めた力の解き放ちをおこない、命が喜ぶ場づくり・仕事づくりを 目指して活動中。 お申し込み・お問い合わせ先 公益財団法人鉄道弘済会 社会福祉第一部「社会福祉セミナー」係 〒102-0083 東京都千代田区麹町5-1 TEL 03-5276-0325 FAX 03-5276-3606 E-mail fukushikenkyuu@kousaikai. or. jp URL http: //www. kousaikai. or. jp/
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