腎臓内科専門研修プログラム

Update:2016.8.16
腎臓内科専門研修プログラム
【概
要】
主任部長
浅野 健一郎
医師数
スタッフ 4 名
資格等
日本腎臓学会指導医 3 名、専門医 4 名、
(あさの けんいちろう)
シニアレジデント 4 名
日本透析医学会指導医 2 名、専門医 4 名、
日本糖尿病学会専門医 1 名、日本肝臓学会専門医 1 名
施設認定
日本腎臓学会研修施設、日本透析医学会認定施設、
透析療法従事職員研修実習指定施設
年間入院患者 604 人
外来患者 約 210 人/週
透析患者:血液透析 約 120 人、腹膜透析(CAPD)10 人
【一般目標】
初期研修修了後、腎臓内科の研修を行う。腎臓病、血液浄化療法の知識、診断、治療手
技を習得し、患者の社会的背景にも配慮して対応する。
【行動目標】
1) 蛋白尿、血尿、腎機能障害、ネフローゼ、高血圧、電解質異常などで来院した患者の診
断、治療を行う。腎生検(年間約 90 例)の適応例を判断し、組織診断に基づいて適切な
治療を選択する。
2) CKD(慢性腎臓病)のステージ別に対応し、生活習慣病を背景にもつ腎疾患の診断、治
療も行う。
3) 急性腎不全や急速進行性腎炎(ANCA 関連腎炎など)を迅速に診断、治療する。
4) 慢性腎不全に伴う合併症の診断、治療を行う。末期腎不全は維持透析に導入(年間約 120
例)し、維持透析施設に紹介したり、当院で管理を続ける。
5) 患者の高齢化に対応し、多職種カンファレンスで退院後の治療方針を検討する。
6) 透析患者の合併症(二次性副甲状腺機能亢進症、透析アミロイドーシス、腎性貧血など)
の診断、治療を行う。
7) 他科の合併症(循環器、消化器、血液疾患、整形外科・形成外科疾患など)を有する患
者(年間のべ 300 例)の透析を管理する。
8) 腹膜透析患者(10 例)は、外来で月 1-2 回の診療を行う。
9) 集中治療室で急性期疾患の診療(特に血液浄化療法が必要な症例)を行う。
10) 腎移植に関する知識を習得し、移植施設に紹介する。移植手術を見学する。
11) CHDF・血漿交換など急性血液浄化法の広範な知識を習得し、適応を判断する。
12) 医療事故、院内感染に関心を持ち、その防止に努力する。
13)一般内科研修として総合内科業務を担当する。
【研修内容】
指導医のもと、代表的な腎疾患を受け持ち、診断治療の知識、技術を習得する。腎生検
(組織診断)や血液浄化を要する患者の診断、治療手技の基礎を習得する。病棟での診療
に加え、カンファレンスや講演会に参加し、最新の情報に基づいて症例を理解し、さらに
症例を発表する能力を育成する。他科医師やコメディカルスタッフとも協力しスムーズな
診療が行える能力を養う。
【専門医の取得】
内科、腎臓(透析)診療に関する専門医・認定医の取得をめざす。専門医取得要件につい
ては専門医機構、学会から最新の情報を得て、教育研修部とも相談の上、対応方法につい
て適切なアドバイスを行う。
【シニア修了後の進路】
1) 専門修練医として研修を続け、所定の研修
を修了すれば当科スタッフとして採用を
検討する。
2) 大学院等への進学、他院での研修を希望す
る場合は、推薦・連絡等を行う。
【子育て支援】
腎臓内科には女性医師も多いため、病院と
も協力して家庭生活が円滑に進められるよう
に配慮している。
【週間スケジュール】
原則としてレジデントは全急患症例に対応する。
曜日
午前
午後
月曜
外来・病棟・透析
外来・病棟・透析
火曜
外来・病棟・透析
外来・病棟・透析
水曜
外来・病棟・透析、CAPD 外来 外来・病棟・透析、腎合同カンファレンス
木曜
外来・病棟・透析、CAPD 外来 腎生検、透析カンファレンス、症例検討会
金曜
抄読会、透析、CAPD 外来
土曜
透析&病棟業務
腎病理カンファレンス、NST カンファレンス
【診療科からのコメント】
入院疾患上位頻度表 2014 年
シニアレジデント 永山 泉(3 年目、2014 採用)
(延べ退院患者数)
当院は地域の基幹病院であり、地域の医療機関か
順
病名
位
腎不全
1
らの紹介が多いのが特徴です。あらゆる段階の慢性
311
腎不全例や、診断困難な腎疾患や高度医療の適応例
慢性腎不全
299
急性腎不全
13
腎炎
2
頻度
100
IgA腎症
69
慢性糸球体腎炎
13
ANCA関連腎炎
11
など様々な疾患を経験しています。
週 1~3 回担当する透析業務は重症合併症を有し
ている患者さんも多く多忙ですが、指導医がいつで
も相談に乗ってくださる上、スタッフの皆さんのレ
ベルも高いので、安全に、それぞれの患者さんにあ
った透析を実施できていると感じます。
また、週 1~2 回他科往診を担当しています。当
紫斑病性腎炎
6
院は各科が大学病院並みの高い専門性を有してい
慢性間質性腎炎
1
るので、当科へのコンサルトも非常に勉強になる症
半月体形成性腎炎
1
例ばかりです。
3
ネフローゼ症候群
29
当院はほとんどの文献をすぐに無料で入手でき
4
糖尿病性腎症
19
ますし、指導医や各科の先生とのディスカッション
5
腎盂腎炎
11
を通して貴重な臨床経験をつんでいます。
6
内シャント不全
9
引き続きこの恵まれた環境で内科医として必要
7
CAPD腹膜炎
4
な知識や経験をつけ、地域社会に還元していきたい
8
IgG4 関連腎疾患
3
と思っています。
薬剤性腎障害
3
ループス腎炎
2
多発性嚢胞腎
2
腎機能障害
1
良性家族性血尿
1
ナットクラッカー現象
1
1
0
1
2