2016 年 8 月 3 日 プレスリリース ドローン(UAV/UAS)世界市場の調査を実施(2016 年) 【調査要綱】 矢野経済研究所では、以下の調査要綱にてドローン(UAV/UAS)の世界市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 1 月~6 月 2.調査対象:ドローンメーカー、ドローンサービスユーザー企業、アプリケーション企業等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談調査ならびに文献調査を併用 <ドローンとは> ドローンは、無人航空機の俗称で、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、UAS(Unmanned Aerial System)、RPAS (Remotely Piloted Aircraft Systems)とも呼ばれる。モーションセンサーを活用した姿勢制御技術の発展や衛星測 位システムとの連携によって飛行経路を巡航する機能など、操縦技術への依存度が軽減されたことによって、様々 な産業分野における商用利用が見込まれている。 本調査におけるドローンとは、ある程度の自律制御が伴う無線操縦飛行機やマルチコプターと定義し、コントロ ールの全てを操縦者に頼るいわゆるラジコンは除外している。 【調査結果サマリー】 ◆2015 年のドローン世界市場規模は 1 兆 2,410 億円、 2015 年から 2020 年までの年平均成長率(CAGR)は 12.9%を予測 世界の軍事用と民間用(産業用、ホビー用、サービス)のすべてを合わせた世界市場規模は、2015 年で 1 兆 2,410 億円であった。2015 年から 2020 年にかけて年平均成長率(CAGR)は 12.9%で推移し、 2020 年には 2 兆 2,814 億円を予測する。世界市場全体では、現状で軍事用が過半を超えているが、 2020 年までには軍事用と民間用はほぼ半々になるものと予測する。 ◆点検・検査分野が民間ドローンサービスの応用分野として今後の成長の可能性 2015 年の民間ドローンサービスの世界市場規模は 290 億円で、2015 年から 2020 年までの年平均成 長率(CAGR)は 50.4%で推移し、2020 年には 2,233 憶円に達すると予測する。なかでも成長率の高い のは点検・検査分野、測量分野である。現行のカメラ搭載機体での画像(映像)撮影による方式だけで もその応用分野は幅広いが、今後、ドローン自体と周辺技術の進展によって応用範囲は更に広がる可 能性が高いものと考える。 ◆資料体裁 資料名:「ドローン(UAV/UAS)の世界市場と将来予測」 発刊日:2016 年 7 月 8 日 体 裁:A4 判 108 頁 定 価:150,000 円(税別) ◆株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 8 月 3 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況 急速に拡大しているドローンの世界市場は、様々な観点からその成長性が注目されている。ドローン は、無人航空機の俗称で、UAV(Unmanned Aerial Vehicle)、UAS(Unmanned Aerial System)、RPAS (Remotely Piloted Aircraft Systems)とも呼ばれる。モーションセンサーを活用した姿勢制御技術の発展 や衛星測位システムとの連携によって設定した飛行経路を巡航する機能など、操縦技術への依存度が 軽減されたことによって、様々な産業分野における商用利用が見込まれている。 本調査では UAS(ドローン本体+地上コントロールシステム)とそれによるサービスを含む全体市場と している。なお、コントロールの全てを操縦者に頼るいわゆるラジコンは除外している。 世界の軍事用と民間用(産業用、ホビー用、サービス)のすべてを合わせた世界市場規模は、2015 年で 1 兆 2,410 億円であった。2015 年から 2020 年にかけて年平均成長率(CAGR)は 12.9%で推移し、 2020 年には 2 兆 2,814 億円を予測する。世界市場全体では、現状で軍事用が過半を超えているが、 2020 年までには軍事用と民間用はほぼ半々になるものと予測する。 2. 各分野別市場動向 2-1.軍事用ドローン市場 現時点では、ドローンの最大のマーケットは軍事用アプリケーションである。軍事用ドローンの世界市 場規模は、2015 年の 8,068 億円から 2020 年には約 1.2 兆円にまで拡大すると予測する。軍事用ドロー ン市場は、偵察や戦闘における無人化のトレンドから、従来の有人偵察機を置き換える方向で拡大す るが、民間用ドローンに比べると緩やかな成長となる見込みである。大型の軍事用ドローンはアメリカが、 小型の軍事用ドローンはイスラエルがマーケットを主導しており、軍事用ドローンは、その特徴であるロ バスト性(堅牢性)を活かして産業用への転用も進められているが、産業用としてはオーバースペックで ある場合も多い。 2-2.民間用ドローン市場 2015 年の民間用ドローンの世界市場規模は 4,053 億円であり、2020 年には約 9,000 億円規模まで 拡大すると予測する。 民間用ドローンの主要マーケットであるアメリカや日本をはじめとする先進国では、ドローンの商用利 用には許認可を取得する必要があり、これがホビー用ドローンにも影響を与えている。しかし、ドローン を対象とする規制は発展途上にあり、アメリカは 2016 年 6 月に新たに規制緩和を行ったばかりである。 民間用ドローン市場の拡大を牽引する産業用ドローンは、機体やシステム以上にそれらを活用して提 供される民間用ドローンサービス市場の伸長が顕著になるものと予測する。 2-3. 民間ドローンサービス市場 2015 年の民間ドローンサービスの世界市場規模は 290 億円で、2015 年から 2020 年までの年平均成 長率(CAGR)は 50.4%で推移し、2020 年には 2,233 憶円に達すると予測する。なかでも成長率の高い のは点検・検査分野、測量分野になるとみる。 点検・検査分野は、現行のカメラ搭載機体での画像(映像)撮影による方式だけでもその応用分野は 幅広い。今後、ドローンの自律性(Autonomy)の進展や、航続距離(時間)や搭載する積載重量の進化、 用途に応じた分析・適用手法の確立などによって、応用範囲は更に広がる可能性が高いものと考える。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 8 月 3 日 プレスリリース 図 1. ドローン世界市場規模予測 (億円) 矢野経済研究所推計 注 1.事業者売上高ベース 注 2.世界市場規模は US ドルで算出し、1US ドル=120 円(2015 年の米ドル対円レートの平均値)で日本円に換算 注 3.2016 年以降は予測値 図 2. 民間ドローンサービス分野別世界市場規模予測 (億円) 矢野経済研究所推計 注 4.事業者売上高ベース 注 5.世界市場規模は US ドルで算出し、1US ドル=120 円(2015 年の米ドル対円レートの平均値)で日本円に換算 注 6.2016 年以降は予測値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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