ぶ ら り 歩 い て 「マ カ オ の 色 」を 楽 し む

どの街角もおしゃれな
カラフルマカオ。
Enjoy Walking With
„
“The Color of Macao
色彩は、南欧の風情たっぷりだ。
ペパーミントグリーンやピンクといったパ
ステルカラーは、マカオに渡ってきたポルト
ガル人と地元の人との間に生まれたマカエン
セと呼ばれる人たちの暮らしに密着した色。
小路に並ぶパステルカラーの可愛らしい建
物の中には、かつてのマカエンセたちが暮ら
した面影が残る。
現在は、カフェやレストランなどに改装さ
れている建物も多く、街歩きの最中のカフェ
タイムにぴったりだ。
柔らかなパステルカラーがポルトガルの影
響なら、強烈な赤や金色は中国の色彩だ。商
売運や金運、福を呼び込む赤や金は、本来の
マカオの色でありながら、南欧風の街並みに
もなぜかしっくりと似合っている。
一方、健康食材などに見られる黒や野菜の
緑はマカオの人たちの活力の色でもある。
薬草の黒、烏骨鶏の黒、野菜類の緑、そし
て早朝の公園のみずみずしい緑。
濃いほどに、
元気が湧いてくる色だ。
MGMマカオ
街中に色があふれるマカオ
マカオの街中に立って空を見上げる。南国
らしいくっきりと青い空。日差しも強烈だ。
その力強さに負けない色彩がマカオの街には
あふれている。
例えば、イエローの外壁、青い窓の聖フラ
ンシスコ・ザビエル教会は、空が青ければ青
いほどその美しさが際立つ。あちこちの建物
の壁に埋め込まれたタイルの街路表示は、ポ
ルトガル時代からの伝統の色
﹁アズレージョ﹂
の青。ポルトガル人たちが暮らした家々はペ
パーミントグリーンなどのパステルカラーだ
し、中国の影響を色濃く受け継ぐ赤や金色は
力強く存在感を主張している。
マカオにあふれるさまざまな色は、長い歴
史と文化、そこに暮らした人々がいたことを
思い出させる。カラフルマカオは郷愁のマカ
オでもある。
MACAO 2016 SUMMER
Sense
1
マカオを語る色彩
1629 年に築かれたポ
ルトガルの砦「ポウサ
ダ・デ・サンティアゴ」
を示すアズレージョ。
現在は5つ星ホテルに
なっている。
ぶらり歩いて
「マカオの色」
を
楽しむ
もう一度行きたいマカオ
黒い食材は元気の素。薬膳スイーツとし
て人気の高い亀ゼリー。
MGMマカオロビー。
「ア
ジアと西洋の融合」
と
「ア
ート」をテーマにした華
やかなインテリア。伝統
の赤と金を使いながら、
現代のモダンなセンスが
光る。
SUMMER
Macao,Once Again.....
カラフル&エネルギッシュな官也街
(クンヤァガイ)
。マカオを代表するグルメ街で、
100mほどの狭い通りの両側にマカオ&ポルトガル料理の名店が並んでいる。
。アズレージョ
街中で印象的なのが﹁青﹂
の色だ。世界遺産に登録されている民政総署
をはじめ、
ポルトガルの伝統建築などに多く、
ほかに街路表示にもたくさん使われて
いる。 つと同じものはなく、文様
の違いを見て歩くのも楽しい。
イエローは遠くポルトガルの小さ
な街の家並みを思わせる。教会の外
壁から民家の壁まで、マカオの街に
はイエローの建物が目につく。日
本の街並みにほとんど見られない
2
センス・マカオ
2016 夏号
MACAO
SENSE MACAO 2016
Sense
青空そのもののブルー、
空に映えるイエローとペパーミントグリーン、
ブーゲンビリアの花のような濃いピンク、
そして強烈な赤と金⋮。
色彩があふれているマカオ。
色の向こうに見えるのは歴史そのものだ。
ぶらり歩いて
﹁マカオらしい色﹂
に出会うのも楽しい。
青空にイエローが映える聖フランシスコ・ザビエル教会。礼拝堂内部は青く塗られ、明るい雰囲気だ。
http://www.macaotourism.gov.mo
目に付く。中庭に向かう階段の両側の壁、中
庭に面した建物の壁。さまざまな場所にアズ
レージョがはめ込まれ、ポルトガルの雰囲気
を今に伝えている。
﹁この模様、イスラムっぽい雰囲気もある
ね。歴史の面白さかしら﹂
。
居合わせた二人連れの女性たちは、イベリ
ア半島への旅の経験から、そんな話題で盛り
上がっている。
数あるアズレージョの中でも、見逃せない
のは中庭の周囲に一
段下がった壁沿いに
飾られている数枚
だ。中庭の緑、建物
の白い壁を背景にし
たアズレージョは、
その白いタイルと青
い文様や文字が涼し
気な印象を与える。
順番に見ていくと、
それぞれ文様が異な
「アズレージョ」
の青は
ポルトガルの記憶
Blue : Blue of “Azulejo” is a Memory of Portugal
街のあちこちに
見かける白地に青
り、遠い時代にこれ
らの図柄を描いた人
たちの息遣いが伝わ
ってくるようだ。
ちなみに、建物入
り口左側のショップ
では、
アズレージョを
デザインしたお土産
品もそろっている。
アズレージョって何?
もともとはポルトガルのタイルのこと。柄
があっても無地でも、手作りでも工場生産品
でも、タイルならすべてアズレージョと呼ば
れる。
語源は、ポルトガル語の﹁青︵アズール︶
﹂
という説もあるが、もっと古くペルシア語と
いう説もある。
また、ギリシア神話にも出てくる高貴な石
﹁ラピス・ラズリ﹂
という青い石に使われた
﹁ラ
ズリ﹂という言葉が﹁青﹂の意味であること
から、
そこにも由来があるとも言われている。
由来は諸説あるが、真相は定かではない。
まつわる説の多さは、それだけ長い歴史の積
み重なりであり、多くの文化の影響を受けて
きた証といえるだろう。
また、連綿と続くアズレージョの歴史は、
一枚一枚のそれぞれの文様を描いた職人たち
の技術の継承でもある。
長い長い時間の中を生きてきたアズレージ
ョは、今日もマカオの街角で、あるいは世界
遺産の中で、道行く人を見つめ、じっと黙し
て語らない。
青い礼拝堂で祈る
コロアン・ビレッジの﹁聖フランシスコ・
ザビエル教会﹂の礼拝堂は、マカオの青空を
思わせる。祭壇には十字架のイエス・キリス
民政総署の中庭に続くアーチ。壁面のアズレージョの紋様とアーチ型の鉄扉の紋様が、調和の取れた美しさを醸し出す。
トと聖母子像が飾られ、ザビエ
ルの肖像画もおかれている。ひ
ざまずいて祭壇を見上げると、
青い青い空の上にキリストが昇
っていくかのようだ。
はるばるとヨーロッパから伝
わってきたキリスト教は、この
地でポルトガルの青とマカオの
空の青に彩られている。
ホテルのプールで
水の青さを楽しむ
巨大リゾートが次々と建設さ
れているマカオ。食事もエンタ
ーテイメントも一流どころが集
まっている。
夏の休日なら、こうしたラグ
ジュアリーホテルのプールでとひ
ときを過ごすのがおすすめだ。
青い水をたたえたプールは、
海を見ながらゆったり泳いでも
いいし、プールサイドのデッキ
チェアでまどろんでもいい。夏
のマカオこそ、ホテルのプール
を満喫しよう。
そのひとつ、2011 年、コタイに開業
した大型リゾートホテル、ギャラクシー・マ
カオのプールは本格的ビーチリゾートといっ
てもいい。プールは2つのタワー間の屋上部
分のグランドリゾートデッキにある。デッキ
の広さは約5000平方メートルで、全長
575 メートルの流れるプールや、最高1・
5メートルの波がくるプールと白い砂の人工
ビーチもあり、一日中、遊べる。
サンズ・コタイセントラル内にあるコンラ
ッド・マカオ・コタイセントラルのプールに
は高さ センチほどの透明なプラスチックの
アヒルのオブジェがふんわりと浮かび、愛嬌
をふりまいている
また、コタイ地区の﹁シティ・オブ・ドリ
ームズ﹂のエントランスは、大型スクリーン
をゆったりと泳ぐ人魚が出迎えてくれる。
専用シアターでは、マカオでしか楽しめな
い水をテーマにしたショー﹁ザ・ハウス・オ
ブ・ダンシング・ウォーター﹂が人気を集め
ている。
現代的なホテルでも、風水を取り入れて、
プールだけでなく噴水やインテリアなどにも
水を多く使っている。マカオでは、水は富の
象徴なのだ。
右/イエローの壁にブルーのアズレージョが美し
いカテドラル(大堂)近くの路地。
左上/ポルトガル学校の壁画。黄色が入ったアズ
レージョは珍しい。
左下/アズレージョに描かれた民政総署。代々の
建物が図柄になっている。
右/ギャラクシー・マカオのプールは南国のビーチそのもの。風水的には、青い水をたたえたホテルのプールも縁起物? 左/聖フ
ランシスコ・ザビエル教会の礼拝堂。白い雲が浮かぶ青空を背景にしたキリスト像は、いかにも南欧らしい明るさに満ちている。
右/青一色の中に描かれているのは花や紋章、魚や動物などさまざまなモチーフ。個性豊かな図柄
は詳細に眺めてみると楽しい。左/アズレージョが随所に使われている民政総署。階段の直線と青
い文様の柔らかな曲線のコントラストが美しい。
。波打つ
マカオを代表する﹁セナド広場﹂
デザインの敷石にポルトガルの天球儀を模し
サンマァロゥ
た噴水が水しぶきを上げる広場と新馬路をは
さんで真向かいに建つのが民政総署だ。
1784 年に建てられ、ポルトガル統治
の中枢﹁澳門市政庁﹂として機能してきた。
現在は、世界遺産でありながら、現役のお
役所である地方自治局として、マカオ市民の
生活に深くかかわっている。
この建物で印象的なのが﹁青﹂だ。アズレ
ージョというポルトガル伝統の装飾タイルの
青が建物のあちこちに配され、マカオとポル
トガルの関係の深さを感じさせる。
夏の日差しを遮る薄暗い玄関を入ると、正
面に伸びる階段の両側のアズレージョは、強
い光に慣れた目にやさしく映る。ほかにも、
建物や中庭には、たくさんのアズレージョが
80
Blue
MACAO 2016 SUMMER 2
Sense
SenseMACAO
いけど、もともとポルトガルに多いからだと
思いますよ﹂
強い日差しに映える教会の美しさは、
だが、
マカオの青空に最も似合う配色がイエローだ
ったのかな、という気がしてくる。夏の光の
中にたたずむ鮮やかな色の教会は、絵本に出
てきそう。ポップで可愛らしい教会は、この
街によく似合う。
夜景を彩るイエロー
マカオでも特にポルトガルの面影を残すラ
ザロ地区は、モンテの丘の北東。聖ポール天
主堂跡の脇道を 分ほど進んだあたりに広が
っている。
聖ラザロ教会を中心にしたカトリック教会
の信者たちの旧居 住地で、
ポルトガルの建築と
石畳が丁寧に保存された絵になる街並みだ。
現在は、内外の芸術家たちの作品を展示す
るギャラリーなども多い。
昼間に歩けば、太陽の光がイエローのポル
トガル建築に降り注ぎ、その色は青空とくっ
きりとしたコントラストを描く。
それが一転するのが日没後から。夕暮れと
ともにライトアップされた街並みは、薄暮、
宵、夜⋮と時間帯によって
表情を変えていき、マカオ
の夜景の多彩な美しさを見
せてくれる。
古い建物とカルサーダス
という石畳が柔らかなイエ
ローの光に包まれた街路
は、
昔のヨーロッパ映画の一
場面のような雰囲気が漂う。
昼も夜も、どの角に立っ
てもカメラのシャッターを
押したくなる。素敵な写真
が撮れそうな街なのだ。
人気のアート
空間は、
かつての
「女子養老院」
⁈
フォントン
聖ラザロ教会の前の瘋 堂
マアケイスィーガイ
チェーホン
斜 を歩いて馬忌士街を渡
ると、石畳の坂道の途中に
小さな門構えが見えてく
ジウヤンチィトンポウチャイオッ
る、
﹁旧仁慈堂婆仔屋﹂だ。
地元政府では、ラザ
現在、
ロ地区 を、芸術や文化の発
信地にしようという 計画が
進行しているという。その中
心のひとつとなる建物だ。
もともとは、1984年
に保護指定建築に認定され
たポルトガル建築で、緑の
濃いクスノキが立つ中庭を
中心にした﹁コ ﹂
の字型の
階建て。
名前の由来は、かつて、
ポルトガルの難民収容所と
して使われた後に未婚女性
の老人ホームとなったこと
からだという。
2003年に改装され、
現在は﹁藝竹苑﹂として、
ポルトガル料理のレストラ
ン、ポルトガル伝統の銀細
2
工のアクセサリーやしゃれたパッケージの石
けんなどが並ぶセレクトショップなどが入っ
ている。
﹁ここは、お天気のいい日に来ると、中庭
の緑と建物の色が本当にきれいです。昔のポ
ルトガルってこんな雰囲気だったのかしらっ
て思いますね﹂と、通りで出会ったマカオ好
き女子が笑顔で教えてくれた。
ラザロ地区の夜景の美しさはイエローの光が作り出す。石畳と
古い建物を照らす柔らかな光は、建物や通りの複雑な意匠と紋
様を静かに浮かび上がらせる。治安のいいマカオは、夜の散歩
も楽しい。
タイパ・ビレッジの小高い丘に建つカルモ教会。クリーム色の可愛らしい建物は、映画のロケや結婚式の記念撮影にもよく使われる。
青空に似合う配色が
印象的な海辺の村
コロアン西部のコロアン・ビ
レッジ。海辺の鄙びた村は、大
規模開発が進む現代的なマカオ
半島やコタイとは、まったく違
った表情を見せてくれる。
ガジュマルの並木が続く海岸
通りを歩くと、干潟の上に突き
出すように建つ家と家の間から
海が見える。ちゃぽちゃぽと打
ち寄せる波の音は、はるか昔か
らこの村の人々にとっては子守
歌のように聞こえたのだろう。
村のロータリーに沿って小さな
家が並んでいる。
﹁ わ あ、可 愛 い 色 の お う ち。
日本の感覚ではありえない色
が、いかにもマカオだね﹂
。
マカオは何度も訪れていると
いうカップルが関心を示してい
るのは、通りの向こうの家並み
だ。グリーンのトタンの家、お
隣はイエローの家、前に止まっ
ている小さなピックアップトラ
ックの色もおそろい。青空に似
合うなんともカラフルな色合い
は、日本の街ではまず見られな
い配色だ。
﹁塗装の仕方が素人っぽいの
が面白い。この家のお父さんが
日曜大工で塗ったのかな﹂
。
南国らしい美しさ、
教会のイエロー
そんな想像をしたくなるほど、この村に来
ると、庶民の暮らしの雰囲気が生き生きと感
じられるのが楽しい。
コロアン・ビレッジのメインストリート沿い
に建つ聖フランシスコ・ザビエル教会、タイ
パ・ハウス・ミュージアムから坂を上った小
高い丘に建つカルモ教会、セナド広場から石
畳の道を歩いて数分の聖ドミニコ教会など、
イエローの教会が目立つのもマカオらしい。
ポルトガルの教会に似た可愛らしい教会は、
その色とデザインを見ているだけでも楽しい。
﹁なぜ、教会がこの色なのですか?﹂
。
素朴な 質問に、
マカエンセは﹁よくわからな
MACAO 2016 SUMMER
Sense
3
上/イエローのスイーツといえ
ば、コロアンの「ロード・スト
ウズ・ベーカリー」の元祖マカ
オ風エッグタルト。サクサクの
パイ生地とトローリとしたクリ
ームは、何個でも食べたくなる
味だ。 左/アート空間に変貌
している「仁慈堂婆仔屋」
。中
庭に茂る濃い緑と鮮やかなイエ
ローの建物は、どこから見ても
「絵になる風景」
。カメラに収め
るのもいいが、小さなスケッチ
を描いてみたくなる。
10
Yellow :Faraway Thought to a Small Town in Southern Europe
コロアン・ビレッジで見かけた民家。屋根も壁もトタンで、鮮やかなペンキが塗られている。南欧の色彩感覚が今も生きている。
Yellow
もう一度行きたいマカオ
南欧の小さな街に
思いを馳せるイエロー
り。そこにもパステルカラーが使われ、マカ
オの色彩の豊かさのルーツが見える。
街を彩る色、色、色…
MACAO 2016 SUMMER 4
Sense
マカエンセの暮らしをしのぶ
パステルカラー
Pastel Color : A Remember
the Life of Macaense
濃い葡萄色のポートワインは、マカエンセ
たちにとっては、はるか遠い自分たちのルー
ツを思い出させる味かもしれない。ピンク色
の建物のテラスで、甘さの奥の奥にほんのり
とした苦みが残るポートワインを味わうと、
ちょっぴりマカエンセの気分になれる。
マカオ市街には、ポルトガル統治時代の建
物が数多く残っている。例えば、ラザロ地区
は色鮮やかなポルトガル建築が並ぶ小道。カ
ラフルな建物は今でも政府機関、地元民の住
居などに使われており、ぶらぶらと散歩しな
がら見ていると、2階の窓に干されている洗
濯物と建物の配色も不思議に素敵に見えて
くる。
一方、ペンニャ教会が建つ丘の斜面は高級
住宅街。ピンク色や黄色のポルトガル風の邸
宅が並び、ここが東洋の街であることを忘れ
てしまいそう。
また、マカオのシンボルともいえる聖ポー
ル天主堂跡が坂道の上にちらりと見える小
道、通称﹁恋愛通り﹂は、石 畳を挟んだ両側
にピンク色とレモンイエローの建物が軒を連
ね、
映画のワンシーンのような光景が広がる。
ベンチに腰掛けて笑いあうカップルたちの姿
がひきもきらないのは当然だな、と納 得させ
られる素敵な通りだ。
l
e
t
s
a
P
ゆったりしたバスタブ。
友人と見学に来ていた地元の若いマカエン
セの女性は、
﹁父の話では、子供のころはこ
んな家に住んでいたとか。今はこうした家も
少なくなって、我が家も都心のマンションで
す﹂
と 笑う。
また別の建物では、マカエンセたちの先祖
につながるポルトガルの生活をパネルや民俗
資料などで展示。農作業の様子、民族衣装、
祭りの時の本物の被り物など珍しいものばか
上/タイパ・ハウス・ミュージアムはペパーミントグリーンが印象的。石畳の歩道、水辺に面して置かれているベンチなど、
ポルトガルの街を散歩している気分になれる。 右下/ペンニャ教会の建つ丘の上から見る街並み。ピンク色のポルトガル
風の家々が並ぶ高級住宅街だ。 左下/タイパ・ハウス・ミュージアムの内部。絹張のような光沢のソファ、カーテンの色合
いは 21世紀の今でも通じるおしゃれなインテリア。
パステルカラーのお屋敷に、
マカエンセの暮らしを再現
セナド広場からタイパ橋を渡り、車で約
分。かつての海岸通りに沿って並ぶ5棟のお
屋敷が﹁タイパ・ハウス・ミュージアム﹂だ。
ペパーミントグリーンの壁に窓枠や玄関を
縁取る白いライン、そしてオレンジの瓦屋根
⋮。 世紀初頭にポルトガル人やマカオ高官
が住んでいた邸宅を修復、保存している。石
畳の通りに沿って並んでおり、ヨーロッパ風
の優雅な雰囲気が漂う。どの角度で写真を撮
っても絵になる一角だ。
建物の一つは、1900 年代初めごろの
生活様式が再現されている。ここにくれば、
往時のマカエンセたちの優雅な暮らしぶりが
しのばれる。
広いリビングルームには、絹張りかと思え
る光沢のある生地のソファにマホガニーのテ
ーブル、二階の寝室には天蓋付きのベッドに
15
坂道の両側のピンクとレモンイエロー
の建物、正面に少しだけのぞく聖ポー
ル天主堂跡。恋愛通りは若者たちのデ
ートスポットでもある。
2
ブーゲンビリアの花のような濃いピンク、
さわやかなミントグリーン⋮。パステルカラ
ーの建物はマカオに暮らしたポルトガル人た
ちの住まい。マカオに溶け込んだ彼らとマカ
オの人たちとの間に生まれた人々とその子孫
たちがマカエンセだ。
﹁うちの主人は、
マカエンセの5代 目なんで
すよ﹂
。
マカオで友人ができれ
ば、そんな会話も珍しく
ない。
セナド広場周辺をはじ
め、マカオのあちこちに
は、ポルトガル人やマカ
エンセたちの暮らした家
が今でも残る。彼らの家
はパステルカラーの建物
が多いのが特徴だ。
通りを曲がり、路地や
横道に入った先にあるピ
ンクやグリーンの可愛らし
い家々は、現在はカフェ
やレストランに様変わり
していることも多い。
オープンエアのテーブ
ルでワインを楽しむヨー
ロッパからの観光客は、
マカエンセたちが暮らし
た建物によく似合う。そ
んなカップルのお隣のテ
ーブルに陣取って、ポー
トワインをグラスで飲みた
くなる。
オリーブの鉢植えとピ
ンクの壁が美しい建物
は、今はレストランに
改装され、ヨーロッパ
からの観光客らでにぎ
わっている。建物や通
りを眺められるテラス
席でのランチは、マカ
オならではの楽しみ
だ。
タイパ・ハウス・ミュージアムで見
つけたポルトガルの人形。現地の祭
りで使われる被り物は、豊かな色彩
と生き生きした表情が面白い。
20
つの文化が融合する
マカエンセ
何気ない風景の中で、はっとするような色彩感覚に出会えるのがマカオの楽しさ。タイ
パを散歩中に見つけた洗濯物は、背景のクリームとライトブルーの塀の色合い、ちょこ
んと置かれた自転車とともに、現代アートのような美しさ。
もう一度行きたいマカオ
Red and Gold : Special Chinese Color,
Get Fortune Positively
面していたというエリアに建てられている。
赤と金に彩られた華やかな寺院は、長年、地
元の人に信仰されている。
分。まるで歌舞伎役者
のような威風堂々たる
姿だ。眼光鋭いMGM
マカオロビーのライオ
ン像。おなじみのライ
オンもマカオで暮らせ
ば、こんなに大変身?
歴史を
感じさせる
赤い扉と格子窓
路地で見つけたショーウインドウ。赤い壁面いっぱいに化粧品や香水らしい金色のパッケージが並ぶ。中国伝統の赤
と金の配色が、現代的に洗練されたアレンジになっていて楽しい。
福隆新街は、昔の主要埠
頭(内港)から続く通り。
赤い窓や赤い扉にかつて
のにぎわいがしのばれる。
れ方を見つけるのも楽しい。 聖ポール天主堂跡の前の階段を下り、右の
方に階段を進むその先の路地でみつけたショ
ーウインドウは、見事に赤と金で彩られていた。
化粧品などをディスプレイしているウイン
ドウは中国伝統の色使いでありながら、洗練
された印象だ。中国の影響を受けた赤と金の
配色は、伝統とモダンのデザインの違いを見
つけるのも楽しい。
マカオの繁華街を歩くと、赤と金色の洪水
だと感じる。夜ともなれば、煌々と明かりが
ともり、
いっそう赤と金の色合いが強くなり、
それがさらに街を活気づける。
セナド広場から
サンマァロゥ
新馬路を北へ向かって
質屋博物館の角を左に
折れる。ほどなくぶつ
フッロンサンガイ
かるのが福隆新街だ。
フカヒレや海鮮の店が
多く、食いしん坊たち
に人気のエリアだ。
この通りの注目は、
なんといってもそこに
連なる建物群だ。数百
年の歴史を持つ古い通
りで、赤い扉と格子窓、
白い壁の二階建ての長屋が並んでいる。
かつては遊郭だったというだけに、扉の格
子は透かし彫りのような女性的な精緻な細工
が施されており、今はくすんでいるものの白
壁との配色は、今見ても、艶やめいている。
現在は、お粥や麺、甘味などのレストラン、
伝統菓子の土産店などが並び、夜遅くまで人
通りが絶えない。また、新しいスイーツ店や
ドリンクスタンドなどもでき、ヨーロッパ系
の観光客の姿も目立つ。
とはいえ、 階の窓からは洗濯ものがぶら
下がり、庶民の生活感もあふれている。赤い
色は、今を生きる庶民のエネルギーにもよく
似合う。
MACAO 2016 SUMMER
Sense
5
ハスの花の
上に立つ
金色の観音像
ソンヤッセンダイマァロゥ
20
逸仙大馬路から海に
孫
メートルほど突き出た小さな出島に
立つ観音像。ハスの花の台座からマカオ半島
を見つめる像はブロンズ製で、高さは メー
トル。どことなく聖母マリア風の表情で、こ
んなところにも東西文化の融合がみられる。
60
2
MGMマカオの
ライオンも中国風?
MGMマカオといえば、ライオンがシンボ
ルだ。大人世代の旅人には、かつてハリウッ
ドで制作されたMGM映画のタイトルに必ず
登場、ガオーッと吠えている姿になじみが深い
だろう。
MGMマカオのロビーにもライオンが鎮座
している。が、よく見ると、その姿はスクリー
ンで見慣れた姿とはいささか違う。
﹁ジャングル大帝﹂ばりに︵?︶真っ
まず、
白な体。そこに金色でたてがみが描かれ、目
の周りは黒で隈取り、髭も黒。漆黒がより強
さを表現しているかのようだ。足元も筋肉ら
しき線が太い黒線で力強くひかれ、威厳も十
繁華街では、商売を盛り上げる赤と金がふんだんに使われている
(官也街)
商売には欠かせない赤と金
右/逆さまの「福」の壁飾り。家に福がやってきたことへの感謝でもあるとか。そん
な由来を知るのも街歩きの楽しさだ。左/ボリューム感たっぷりの純金のブタのネッ
クレス。縁起物とはいえ、胸元に付けるには勇気がいりそう?
赤と金は宝石店のウインドーでも目立つ。
中でも気になるのが、赤地の台座に飾られた
ブタの形のネックレス。
﹁いったいどこにつけていくの﹂と尋ねる
と、
﹁子供をたくさん産むブタは子宝の象徴。
結婚式などに、このブタのネックレスは縁起
物で花嫁にプレゼントするしきたりです﹂と
お店の人が教えてくれた。
リアルなブタの笑顔といい、その重量感と
いい、日本人にとっては﹁ん?﹂と思うデザ
インだが、そこは気合で胸に飾るのがマカオ
の結婚式なのだろうか。
一方、街を歩いて、現代的な赤と金の使わ
百獣の王もマカオで
はこんなにカラフル
(MGMマカオ)
d
l
o
Red
and G
マカオの地元民が大好きな色、赤と金。赤
は縁起のいい色、金は文字通りお金を呼び込
む色として好まれるのは中国の伝統だ。
例えばコロアン・ビレッジの民家の壁で見
つけた
﹁福﹂
の壁飾り。
赤地に金の縁取り、
花々
に飾られた真ん中に金色の文字で﹁福﹂と書
かれた中国風のデザインだ。よく見ると、大
切なはずの﹁福﹂の文字がなぜか上下が逆に
なっている。
﹁
﹃福﹄の文字を逆さにするのは、この家に
は福が来ましたよ、という意味です。きっと、
何が良いことがあったのでしょうね﹂と案内
してくれた地元の女性が説明してくれた。
置
街路樹の根元に
ほこら
かれた中国風の祠の
ようなものは、華や
かな赤で神様をお祀
りしている。
中国の寺院も装飾
は赤地に金色。例え
ば、タイパ・ビレッ
パッダイミュウ
ジにある﹁北帝 ﹂
は、北帝こと北方真
武玄天上帝を祀った
道教の寺院。北帝が
水の神様であること
から、かつては海に
色濃い中国の彩り。
赤と金で
積極的に福を呼び込む
地元住民が大好きな
パワフルカラー
SenseMACAO
金色に輝く観音像の正
式名は「観音像仏教文
化センター 観音蓮花
苑」
。像はポルトガル
系の女性アーティストが
制作した。
に楽器の練習をするチーム。
坂の街マカオらしく敷地内にアップダウン
のある公園も多く、ジョギングやウォーキン
グに汗を流す人も目立つ。
南国らしい濃い緑に包まれた公園は、そこ
にいるだけで森林浴気分が味わえる。マカオ
の人たちにとって公園の緑も活力の源になっ
ている。
緑のワインと赤いワイン
味。湿度が高くて暑いマカオの夏には、よく
冷やして飲むと爽快感たっぷりですよ﹂と教
えてくれた。
かつては海外輸出が少なくなかなか手に入
らないとされていたポルトガルワイン。ブド
ウ色ならぬ緑のワインは、マカオの夏に似合
うさわやかさだ。
MACAO 2016 SUMMER 6
Sense
黒、
緑⋮。
元気の源は
さまざまな色から
Black and Green : The Origin of Vitality Comes
From Various Kinds of Colors
ーの横になにやら黒いものがう
ごめいている。
﹁あ、これはカエル。おいしい
ですよ﹂とこともなげにお店の
人はいう。カエルの横には﹁田鶏﹂
の文字が。こんな風に漢字で表現
されると、なんだかおいしそうに
見えてくる。
黒は元気の色
下町のジューススタンドのよ
うなところに人だかりがしてい
る。近寄ってみるとポットがい
くつも置かれている。
実はこのスタンドは涼茶と呼
ばれる じた漢方茶の立ち飲み
スタンド。お店の人に自分の体調を
説明すると、 じた漢方茶の中から状態に合
うお茶を選んでくれる。日本でいえばサプリ
メントのようなものだ。
﹁喉がザラザラするの、声も出にくいし﹂
という女性が、﹁調子が悪い時は、
ここに来る。
カップ一杯飲めば、
すっきりするのよ﹂という。
ちょっと味見をさせてもらうと、とたんにお
店のおばさんの声が飛んだ。
﹁ちゃんと、カップ一杯の分量を飲まない
と効かないよ。お茶は人のものを飲んじゃダ
メ、自分に合うものでなくちゃね﹂
。
で、そのお茶の味はというと、苦くて、古
臭いような、そしてどこか甘いような⋮と、
なんとも表現しがたい。とにかく効きそうな
味だった。
公園の緑は活力の色
マカオの食とともに楽しみたいのがポルト
ガルワインだ。ヨーロッパ最古といわれるワ
イン製造の歴史を誇り、個性的な味わいのワ
インが多いとグルメたちの人気が高い。
ポルトガルのワインといえば、ポートワイ
ンが思い浮かぶ。深みのある赤い色と甘めの
味わいは食後酒として人気が高い。
マカオには何度も旅しているというマカオ好
き女子のおすすめは、ヴィーニョ・ヴェルデ。
﹁緑のワイン﹂という意味で、その名の通り
の薄いグリーンのワイン。
見た目も涼やかだ。
﹁微発泡性で酸味があって、きりっとした
上/マカオの市場には、新鮮な野菜がぎっしりと並
ぶ。取れたての野菜は、色も濃く、食欲を刺激する。
中央左/庶民の台所「紅街市」
。魚介類、干物、肉、
野菜、果物となんでもそろい、マカオっ子の食欲を
満足させてくれる。建物の外でも果物や野菜が山積
み。
中央右/街角の漢方茶スタンド。体調や症状に合わ
せてブレンドしてくれるお茶は、
即効性もあるとか。
右/黒い塊は生きたカエル。時々動く姿
に一瞬、引いてしまうが、食べてみると、
淡泊で上品な味だという。 左/鶏専門
店で売られていた黒い烏骨鶏。不老長寿
に効くと昔の中国では珍重された。
マカオではバラエティ豊かな食事が楽しめ
がかった見た目も相まって刺激的!
る。例えば、かつての宗主国であるポルトガル
現地に暮らす日本人主婦は「マカオ料理は
からやってきた料理は魚介類をふんだんに使
もともと、家庭料理。一般的には、新鮮な魚
い、オリーブオイルやレモン、塩などで味付け。 介類を使い、中国料理の伝統を残しながら、
代表的な食材は、バカリャウ(干しダラ)で、 スパイスを使う料理法が中心ですね。母から
ジャガイモや卵と炒めたり、
コロッケにしたりと、 娘に伝えられる各家庭直伝の味もありますよ」
日本人の口にも合う。
という。
一方、中国料理は広東料理が中心で、他にも
大航海時代からマカオの東西交易にまでつ
上海料理店や四川料理店も。
ながるマカオ料理。下町の食堂でマカオ料理
この2つの国の味から生まれたのがマカオ料
に舌鼓を打っていた二人連れの日本人女性は、
理だ。アフリカン・チキンや蟹カレーなど、タ 「実際に食べてみると、長い歴史の味というか、
ーメリックやタマリンドなどの香辛料をふんだ
どちらかとういうと複雑な味。さまざまなスパ
んに使ったスパイシーな味は、その黄色や橙色
イスを使って、奥深い味ですね」と、満足そうだ。
Blacaknd G reen etc..
山手線内の半分ほどの面積のマカオだが、
街中のあちこちに公園があり、緑が多い。地
元の人たちは公園で過ごす時間が日課になっ
ている。
早朝は太極拳のグループや大音量で音楽を
鳴らしながら体操をする人、休日の昼下がり
ポルトガルから直輸入のワイン。
「緑のワイン」を意味するヴィーニョ・ヴェルデは、
フレッシュでアルコール度が低めで、微発泡の爽快な味わい。夏におすすめだ。
マカオの台所に
あふれる色彩
ホンガイスィー
濃いピンクのレンガの建物は﹁紅街市﹂と
いう市場で、いわば﹁マカオの築地﹂
。庶民
の台所として、常ににぎわっている。
建物の色とその名から﹁レッド・マーケッ
ト﹂と呼ばれている建物に入ると、野菜の緑
や黄色、肉の赤、水をはったトレーの中でバ
チャバチャと跳ねる生きた魚やエビのグレ
ー、真っ赤なイチゴや名前もよくわからない
南国の果物の濃い紫など、色彩のオンパレー
ドだ。
んが、
﹁台の上に置かれてい
鶏屋のおばさ
うこっけい
る黒いものは烏骨鶏。栄養価も高いし、おい
しいから昔の中国では﹁不 老長寿﹂に効くと
珍重されたんです﹂と教えてくれた。
おばさんの背後に生きた鶏が入ったゲージ
がずらり。ゲージから出して、手 早 くさば
いていく。お客さんはさばいたばかりの鶏を
買っていく。新鮮このうえない!
向こうの魚屋さんでは、エビを置いたトレ
濃い緑に覆われた公園では、早朝から市民たちが太極拳で健康作り。
東西文化の融合から生まれたマカオの美食
SenseMACAO
もう一度行きたいマカオ
MACAO COLORFUL
MAP
出入境ゲート
ラザロ地区
カモンエス公園
05
01
12
04
02
06
11
14
聖ポール天主堂跡周辺
13
12
シティ・オブ・
ドリームズ
15
03
10
コタイ
13
09
14
【 マカ オ 全 体 地 図 】
コロアン
マカオ半島
18
タイパ
コタイ
マカオ半島中心部から気軽に行けるウォーターフロン
ト「南灣湖レイクサイド・プラザ」が、この 6月、
「ア
ニム・アルテ・ナンワン(Anim ’Arte NAM VAN)
」
として生まれ変わった。マカオ文化局、スポーツ局、
観光局、
観光研究所の共同プロジェクトによるもので、
エリア内では、カルチャー & クリエイティブショップ
や、ファミリー・クラフト・マーケットでのショッピ
ング、
人形制作などのアート体験が楽しめる。また、
「ペ
ダルボート」での “ 湖上さんぽ ” や、おしゃれなカフ
ェにも注目。新しいもの好きのマカオっ子から、ファ
ミリー観光客まで、幅広い層の人気を集めそうだ。
16
コンラッド・マカオ
17
民政総署
03
カテドラル(大堂)
04
福隆新街
恋愛通り
ラザロ地区
コロアンビレッジ
ロード・ストウズ・
ベーカリー
06
聖ラザロ教会
07
旧仁慈婆仔屋
08
馬忌士街
09
観音像
10
MGMマカオ
マカオ インフォメーション
It s NEW
心躍るエンタメ、
アートでマカオの夏を満喫!
!
「シュレック・ザ・
ミュージカル」ほか
毎年、9 月の週末を中心に、マカオタワー近くの南灣湖(Nam Van Lake)
で開催される「マカ
オ国際花火コンテスト」
。通常の花火大会とは異なり、国や地域を代表して出場する花火業者のコ
ンペティションで、毎年 10カ国が参加。これまでに100以上のチームが腕を競ってきた、世界
最高レベルの花火大会だ。ひと晩に 2 チームずつが対戦し、音楽とレーザー光線による演出と合
わせて、花火の美しさを競い合う。マカオタワーが見
える場所ならどこでも花火は見られるが、ペンニャ教
会すぐ下の公園はオススメの観賞スポット。マカオタ
ワーの下には多くの露店が設営され、食事とともに花
火を楽しめる。また、
「マンダリン・オリエンタル・マ
カオ」
「ホテル・リスボア」
「ウィン・マカオ」
など、付
近のホテルからゆったりと眺めるのもいい。さらに近
くで見たいなら、マカオタワーの展望デッキから花火
を見下ろすという手も(予約制)
。開催日は複数ある
ので、日程を合わせてマカオを訪れたい。
http://fireworks.macaotourism.gov.mo/
中秋の名月を家族とともに楽しむ伝統行事
中秋節(ムーンフェスティバル) 9月15日(木)
「中秋節」は旧暦の 8月15 日に行われる、中国文化のなかでも最も盛大な祭のひとつ。
日本の「十五夜」と同じだが、お国柄の違いが見られて楽しい。街角や水辺にカラフルな
ランタンがたくさん飾られ、街はお祭りムード。普段は離れて暮らしている家族も集まっ
て、夕食を共にするのが習わしだという。夜は南灣湖周辺や、コロアンのハクサ・ビーチ
そばの庭園、各エリアの公園などに出向き、月餅や季節の果実を食べながら名月を楽しむ。
また、友人や知人、家族、ビジネス相手と特別な月餅を贈り合うのも伝統のひとつだ。代
表的な月餅は、蓮の実の白あんにアヒルの卵の塩漬けを入れたもの。2 つに切ると卵の断
面が満月のように見える。ほかに、カスタード味やチョコレート味などの洋風月餅など種
類が多い。この時期限定のスイーツなので、食べ比べもおすすめだ。
7月22日
(金)~
ブロードウェイ・ミュージカル「シュレック・ザ・ミュージカル」が、7月22日から 8月 7 日
の間、ザ・ヴェネチアン・マカオ併設のヴェネチアン・シアターで開催。映画「シュレック」
のストーリーをベースに、ファンタジー、アドベンチャー、コメディ要素を盛り込み、ファミ
リーで楽しめる作品となっている。また、8月11日
(木)
~ 28日
(日)
は、米国ニューヨーク発
の「ブルーマン・グループ」
が同シアターに登場。コメディや演劇の要素がひとつになったブ
ルーマンのパフォーマンスは、ナレーション以外は無声なので、年齢、言語、文化を問わず楽
しめる。MGM アートスペースでは、11月20日(日)
まで、
「エドガー・ドガ展」を開催中。印
象派を代表するドガの銅像 74 体(アジア初公開)
が展示され、中には有名な「14 歳の小さ
な踊り子」も含まれる。同じく MGM マカオのグランド・プラカ広場には、米国を拠点に活動
する大型ビジュアル装飾アーティスト、ステファン・ステファノフ氏の作品が登場。合成ガラ
スでできたダチュラの花と、160匹の美しい蝶の装飾は、記念写真を彩る背景にうってつけだ。
P E VE N T !
PI C K U
注目イベントカレンダー
9月3日
(土)
, 10日
(土)
, 15日
(木)
, 24日
(土),10月1日
(土)
MACAO 2016 SUMMER
聖ドミニコ教会
02
05
ギャラクシー・マカオ
18
01
聖ポール天主堂跡
15
聖フランシスコ・ザビエル教会
今年で28回を迎える晩夏のビッグイベント!
マカオ国際花火コンテスト
Sense
官也街
コロアンエリア
17
MACAO INFORMATION
クリエイティブ&レジャースポット
「アニム・アルテ・ナンワン」
オープン!
セナド広場
タイパ・ハウス・
ミュージアム
コタイエリア
コロアン
7
マカオ半 島
紅街市
聖ローレンス教会
タイパエリア
16
セナド広場周辺
マカオタワー
ラザロ地区
タイパ・ビレッジ
08
07
マカオ カラフル マップ
マカオ国際空港
タイパ
11
開催中
7月
〜 9月11日(日)リビング・ダイナソー(マカオ科学館)
〜11月20日
(日)エドガー・
ドガ展(MGMアートスペース)
27日(水)関帝祭
加護と安定をもたらす商売の神様、関帝の誕生祭
22日(金)〜 8月7日(日)
シュレック・ザ・ミュージカル(ザ・ヴェネチアン・マカオ)
映画「シュレック」のストーリーをベースにした心躍るエンタテインメント
8月
9日(火)七姐誕
日本の「七夕」にあたる伝統行事
16日(火)孟蘭節
俗にいう盂蘭盆(うらぼん)の日
11日
(木)
〜 28日
(日)
ブルーマン・グループ 公演 (ザ・ヴェネチアン・マカオ)
顔を青く塗った 3 人組が独特のパフォーマンスを展開する世界的に人気のショー
9月
3日
(土)
, 10日
(土)
, 15日
(木)
, 24日
(土)
,10月1日
(土)
マカオ国際花火コンテスト
国や地域を代表して参加する花火業者が作品の美しさを競うコンペティション
15日(木)中秋節
日本の「十五夜」
にあたる伝 統行事
16日(金)中秋節翌日の公休日
その他のイベントはここをチェック。
(マカオ観光局HP)http://jp.macaotourism.gov.mo/events/calendar.php
マカオ・イベントカレンダー
SenseMACAO
もう一度行きたいマカオ
マカオ旅行の体験談、大募集!
本紙掲載でワインプレゼント
20
マカオでの体験を800字程度の文章にまとめ、ご自身
で撮影された写真 1〜 3 点とともにお送りください。掲
載された方にはポルトガルワインをプレゼントします !
10
【応募方法】
メールまたは郵送でご応募ください。
【メール】
以下の❶〜❺を明記のうえ、
件名に
〈センス・マカオ投稿 〉
と入れてお送りください。
【郵送】
〒102 - 0093 東京都千代田区平河町 2 -16- 9
平河町 KD ビル7階
マカオ観光局 センス・マカオ投稿受付係 宛
11
原稿に以下の❶〜❺を明記のうえ、
お送りください。
【記載内容】
❶氏名 ❷住所 ❸電話番号 ❹Eメールアドレス ❺渡航時期
※お客様にご記入いただいた個人情報は、投稿コーナー掲載
時のご連絡、また掲載内容として使用します。※当該業務に
必要な範囲で委託先に委託する以外に、ご本人のご同意なく、
第三者に開示・提供することはありません。※原稿・写真は、
返却いたしませんので、予めご了承ください。
ポウサダ・デ・サンティアゴのアフタヌーンティー(上)
、
老舗ポルトガル料理店アントニオのバカリャウのグリ
ル
(下)
。短い滞在中にマカオの味を堪能 !
General Information
正式名称
時差
中華人民共和国マカオ(澳門)
特別行政区
商店:11:00 ~18:00
※ただし、
繁華街は22:00頃まで営業している。
ホテルのショッピングアーケード:
11:00 ~23:00
レストラン:11:00 ~22:00
※ 飲茶や粥・麺の店は07:00 頃から開店してい
る場合もある。
カジノ
・コンビニ・一部のスーパーマーケット:
24時間営業
日本より1時間遅れ
(日本の午前7時はマカオの午前6時)
政治体制
パスポート&ビザ
一国二制度。
1999 年12 月にポルトガルから中
国返還後も司法・立法・行政の三権はマカオにあ
り、
マカオ主権は返還後50年間認められている。
日本国籍所持者は、
90日以内の滞在であればビ
ザは不要。
パスポートの残存期間は、
滞在日数の
ほかに、
30日以上必要。
中国本土に行く場合も、
15日までの滞在ならビザは不要。
面積
約30.3㎢(東京都世田谷区の約半分)
禁煙事情
人口:約643,100 人
民族:約90%が中国系
道教、
キリスト教ほか
宗教:仏教、
言語
チップ
多くの公共施設では、
喫煙が禁止されている。
カジ
ノでも、
喫煙ルームを除くゲームエリアが対象。
2015年 1月からはバー、
ナイトクラブ、
サウナ、
マッ
サージサロンも禁煙に。
喫煙はもちろん、
火の付
いたタバコを持っているだけで最高600パタカ
の罰金となる。
公用語はポルトガル語と中国語
(主に広東語)
。
ただし日常会話はほぼ広東語。ホテルやレストラ
ン、
観光スポットでは英 語も通じる。
基本的に習慣はないが、
心づけとして用意すると
よい。
レストラン:おつりの小銭をテーブルに残す。
大衆
食堂やファストフードでは不要。
ホテル:ベルボーイやハウスキーパーには10パタ
カが目安。
タバコ製品の持込み
パタカ(MOPと表記)
とアボス。
1パタカ=100アボス。
紙幣:
1
0、
20、
50、
100、
500、
1000パタカ
硬貨:
1、
2、
5、
10パタカ、
10、
20、
50アボス
香港ドル(HK$)
も流通している。
MOP103.
20=
HK$100.
00だが、
ほとんどの場合は等価で扱わ
れる。
水道水は飲用に適さないので、
ミネラルウォータ
ーを。
日本では、
日本円からマカオパタカへの両替を行っ
ていない。
日本で香港ドルに両替をするか、
現地で
マカオパタカまたは香港ドルに両替を。
現地では、
マカオ国際空港、
マカオ・
フェリーターミ
ナル、
香港国際空港、
銀行、
ホテル、
街なかの両替
所、
カジノ内の両替所
(24 時間)
で受け付けている。
電圧
気候
230V/50Hz。
日本の電化製品を使用する場
合は、海外用の電圧切替機能が付いたもの以
外は、
変圧器が必要。
コンセントは三つ穴のBF
タイプが主流。
為替レート:1香港ドル=13.7 円、
1マカオパタカ=13.3 円(2016年6月現在)
年間平均気温は20℃前後、
湿度は70 ~90%と
高め。
夏季は非常に暑く湿気もあるので屋外は薄
着で。
ただし、
室内は冷房が強く効いているため、
羽織るもののご用意を。
雨季は携帯の折り畳み
傘があるとよい。
ホテルによっては、
傘を貸し出し
ている場合もある。
営業時間(通常)
銀行:月~金曜 9:00 ~17:00(土・日・祝日休)
平均最高気温
(℃)
1月
18.2
2月
18.5
3月
21. 0
4月
24.7
5月
28.4
6月
30.3
7月
31.6
8月
31.5
9月
30.4
10月
28.1
11月
24.1
12月
20.1
平均最低気温
(℃)
12.5
13.6
16.2
20.2
23.6
25.6
26.2
26.1
25.1
22.6
18.3
14.0
平均湿度
(%)
73.8
81.0
84.5
86.1
84.4
84.0
81.8
81.4
77.9
72.4
70.2
68.5
平均降雨日数
(日)
6
10
12
12
14
18
16
16
12
6
5
セーター・ジャケット・
軽いコート類
服装
長袖シャツ
Sense
Macao,Once Again.....
もう一度行きたいマカオ
MACAO
センス・マカオ SUMMER
2016年夏号 年4回発行 製作・発行/マカオ観光局
半袖・Tシャツ
お問い合せ先
マカオ観光局
マカオパスは、
センサーにタッチして使える
IC カード。
日本のSu
i
caやPasmoに似てい
る。路線バスの乗車や、
主なスーパーやセブ
ン‐イレブン、
OK便利店、
一部の自動販売
機での買い物にも使え、
チャージもできる。購
入は上記の各店で、
料金は130 パタカ(約
1,800 円)
。
うち30パタカは保証金でカード
返却時に返金される。
緊急:999
旅行者用緊急:110(中国語)
/112(英語)
警察:2857-3333
マカオ観光局ツーリズム・ホットライン:
2833-3000
(日本語対応もあり)
山頂醫院(政府機関の病院)
:2831-3731
鏡湖醫院(私立病院)
:2837-1333
在香港日本国総領事館:
マカオから00-852-2522-1
184
受付時間:平日9:15~12:00、
13:30 ~16:45(土・日・休館日を除く)
飲料水
両替
便利なICカード
マカオパス
(澳門通)
緊急連絡先
免税範囲は、
紙巻きタバコ19 本、
葉巻1本(1 本
は3g 以下)
、
刻みタバコ25g、
総重量25g まで
※ 紙巻きタバコの消費税は一本1.5パタカ、
刻み
タバコが1kg あたり600パタカ、
葉巻が1kg あた
り4,326 パタカ。
※ 税関検査で無申告の免税範囲超過が発覚す
ると、
対外貿易法に基づき、
商品没収と5,000
パタカ以上の罰金となる。
通貨
伊豆野 尚子 さん(静岡県在住)
ガル料理店アントニオのバカリャウの
グリル、マカオ料理店リトラルのアフ
リカンチキンがおすすめ。また、高級
店の飲茶もおいしかったのですが、意
外とフードコートで買った焼き小籠包
が忘れられない味です。
実は全く食べ﹁尽くせなかった﹂マ
カオ。次は地元料理のみにフォーカス
して、マカオ旅を楽しみたいです。
︵2015年 月マカオ訪 ︶
[email protected]
マカオ基 本情報
読者
投稿
マカオを食べつくす旅へ
マカオ料理、
マカオはその歴史から、
ポルトガル料理、中国料理が本格的に
楽しむことができるほか、ミシュラン
の星付きレストランが 以上も!地元
の人々に交じって食べるラーメンやお
粥、マカオならではのポークチョップ
バーガーなども今回の旅のお目当てで
した。
短い滞在中、 以上のレストランや
B級グルメのお店、カフェに行きま
した。その味やお店の雰囲気、サービ
スの観点から、ポウサダ・デ・サンテ
ィアゴのアフタヌーンティー、ポルト
投稿 募 集
Reader's Voice
〒102 - 0093
東京都千代田区平河町 2-16-9
平河町 KD ビル 7 階
【TEL】03-5275- 2537 【FAX】03-5275 - 2535
【E-mail】[email protected]
【URL】http://www.macaotourism.gov.mo
長袖シャツ
5
セーター・
ジャケット・
編 集後記
エネルギッシュとエレガント、
東洋と西洋が混
在しているマカオ。今号はその魅力を色を通し
て探ってみました。実際に取材してみると、
一つ
一つの色にまつわる物語の多さにびっくり。5
ページに取り上げている福隆新街の赤い扉や窓
は中国の面影を感じさせますが、
そのまた昔はポ
ルトガル風の緑色で、
最近は元の色に戻そうと
いう声もあるとか。カラフルマカオは、
おもちゃ
箱の中身のようです。ぜひ、
てくてく歩いて、
あ
なたしか知らないマカオの色を見つけてください。
読者の皆さまへ
● 定期購読をご希望の方は左記メールアドレスまでご連絡ください。今後、Eメールにて Sense
MACAOをお送りいたします。また、マカオ観光局ウェブサイトからもご覧いただけます。
● マカオの街歩きに便利なウォーキングマップと、世界遺産や主な見どころの詳細な音声案内を
収めたオーディオガイド(CD)を無料で配布中です(送料のみご負担いただきます)
。ご希望の
方は左記メールアドレスまでご連絡ください。
◎日本から電話をかける場合は、国際電話会社識別番号+ 853(マカオのエリア番号)を付けて
おかけください ◎マカオの通貨はパタカ(MOP)ですが、香港ドル(HKD)がほぼ等価で使用
できます。2016 年 6 月現在 1HKD は約13.7 円
Sense
MACAO 2016 SUMMER 8