私 仕事 思 私 の の い 私

けんさん
感染対策は最大の危機管理!〜日々研鑽〜
積極的な勉強会や学会発表を活かして
当施設は岡山県北部にあり、開設23
対策が徹底されているようで実は…?
当施設では、リハビリ職だけでは
してリハビリを行う必要がある老健
年目を迎えました。私は大学を卒業後、
スタッフが媒介者?」
「スタッフのリス
なく介護職などの多職種で、入所・
施設は、たくさんの学びを得る魅力
支援相談員として入職、介護支援専門
クに対する意識統一ができていない?」
退所前後に訪問指導を行い、課題を
的な職場だと感じております。
員を経験し、現在は事務職として施設
等、原因分析をすると思い当たること
明確にし、不安を一つひとつ解消し
運営に携わっています。また、リスク
が数多く出てきました。また、事業継
て在宅復帰を支援します。
マネジャーとして山積みとなった「ひ
続戦略(BCS)においてもリスク保有・
やりハット事故報告書」と向き合い、
転嫁が不十分であったと考えます。
一つひとつ、ケースの対応・対策をス
虹(岡山県)
タッフと協議する毎日を送っています。
昨年、インフルエンザによるアウト
う え
ケアマネ(RM)
き
植木
じゅん
潤
析を受けている方の利用が多いこと
です。
私はこの施設で、老健施設の命題
である「在宅復帰」に多職種が協働
透析の方はリハビリの機会が不足
リスクをいかにコントロールできる
して取り組めることをやりがいに感
しがちで、結果として在宅生活が困
かが安定した経営につながることは間
じつつ、日々理学療法士として働い
違いなく、コントロールができればご
ています。
利用者やスタッフにとって大きなメ
ブレイクを経験しました。入所定員
また、当施設の大きな特徴は、透
せ や
ハートフル瀬谷(神奈川県)
ま つ も と
松本
PT わたる
和
難になることがあります。当施設で
は透析クリニックが併設されている
ので、限られた時間をうまく使って
リハビリ職の中で、技術向上や学
リハビリも行えます。
50名のうち、入所者 21名、職員8名の合計 29名の
リットとなります。リスク対策の優先順位を明確
習のために病院勤務を選ぶ方がいるかと思います
集団感染となりました。日々増えていく感染者を
にしないと、人・時間・費用のコストがかさむこ
が、当施設では積極的に勉強会や学会発表を行っ
目の前にして対応に苦慮し、通常営業ができず、
とにつながるため、数多いリスクに対しての正確
ており、技術や学習の向上が十分に可能です。医
不安に感じる方が多くおりますが、今後も私は理
経営面でも大打撃を受けることとなりました。こ
な評価が必要です。リスクマネジャーとしてこう
学雑誌など資料も豊富にあり、各学会に参加して
学療法士として、透析の方をはじめ多くのご利用
のことにより、リスクに対する事前対策と事後対
いった正確な評価、対策立案ができるよう、これ
得られた最新の情報を職員全体で共有します。
者が、より長く安心して在宅生活が送れるよう力
策の重要性を再認識させられました。
「感染予防・
からも日々研鑽を積んでいきたいと思います。
ご本人やご家族の中には体調管理や通院など、
を入れていきます。
病院と異なり、多くの疾患や社会的背景を考慮
私の 仕 事 私 の 思 い
私の 仕 事 私 の 思 い
まゆみの里は、高松市にユニット型老健施設と
者や演歌歌手になり、ご利用者の方々に喜んでい
突然ですが、皆さんは人生最後の食事は何を食べ
ケースも多いだけに、今は攻める時なのか引く時な
して平成19年 4 月に開設し、今年度10年目を迎え
ただいています。また、入所リハビリでは、その
たいですか。私は最後に、母の作ったおにぎりが食
のかと悩むことも多々あります。悩むときこそ、人
ました。私が入職した当時と比べ、ショートステ
人なりの空間と時間を大切にしながら、生活の質
べたいです。皆さんは何が浮かんでくるでしょう
生最後の食事まで見据えた上で、経口摂取維持に取
イセンターの開設や通所リハビリの増員など施設
の向上をめざしています。なかにはリハビリの認
か。
り組みたいです。食べられる可能性や意欲があるの
全体の規模も大きくなり、セラピストの人員も増
識が難しい方もおられますが、じっくり関わるな
え、リハビリの重要性が高まっています。
かでできることが増え、ご本人やご家族に喜んで
いただき、私も嬉しく思います。
私は入職以前、病院勤務で半ば強制
に食べるチャンスを奪ってしまうケースはなくした
高齢者を対象とする老健施設では、この質問は大
いと思います。
きな意味をもってくると思います。植田耕一郎氏の
また、昨年はリハビリ科と栄養科共
『口腔機能向上マニュアル』によれば、
的なリハビリを行っていた時もありま
老健施設には、さまざまな特徴があ
老健施設の入所者 1,324 人に「なにが
同で入所者 42 名を対象に栄養支援にあ
した。しかし老健施設では、
「ご利用
りますが、リハビリの役割は大きいで
一番楽しみですか?」と質問した結果
たり、生化学的データの大幅な向上と
者のその人らしさを見つけることを一
す。その人らしい生活を実現するため
48.4% が「食事」と答えています。
各データとの相関を見ることができま
番に考え、安心と生きがいを提供した
には、他職種、他事業所、ご家族など
い」と願うようになりました。
との連携や協力など課題も多いですが、
した。リハビリと栄養の関連性にます
やはり食事は歳を重ねても特別なこ
ます興味をもち、現在はサルコペニア
となんですよね。
通所リハビリでは、ご利用者の90%
私がこの場にいる理由(存在価値)を
ご利用者の「人生最後の食事」
、その
と摂食嚥下障害、分子栄養学を学んで
を超える方から満足度を得ており、リ
探り、ご利用者の願いが実現できるよ
瞬間に想像を膨らませることは、ST に
います。
「できない理由に着目するので
うにすることが大事だと思っています。
とって大事なことで、おのずと今やる
たくさんの方々に感謝を忘れずに、明
べきことが見えてくるのではないかと
日もがんばります。
思います。摂食嚥下分野は命に関わる
ハビリに対する意識の高い方が多く、
活気に満ちています。レクリエーショ
ンでは、つたないながらも私たちが役
まゆみの里(香川県)
いの くま かず ひと
猪熊一仁
OT 寄り添える場所
54 ●老健 2016.8
054-056私の仕事私の思い_1608.indd 54-55
と き
にしはらけいあいえん
西原敬愛園(沖縄県)
い
げい
伊藝
ST あや
彩
はなく、どうすればできるかを考え実
行する」
、ST として今できることに全
力であたります!
最期まで「口から食べる喜び」を
老健 2016.8 ● 55
2016/07/14 17:39