医療ICT NEWS FILE 20160725 vol.018

診療報酬・薬価から臨床・創薬まで 高度情報化医療の明日を伝える
医療
NEWS FILE
vol.
2016.7.25
018
株式会社じほう 〒101-8421 東京都千代田区猿楽町1-5-15 猿楽町SSビル TEL 03-3233-6351
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禁無断複写
全住民
地域全職種参加の基盤構築目指す
気仙医療圏・未来かなえネット
3 SNS 活用の医療連携
セキュリティー対策の徹底を
日医・石川常任理事
7 「HM ネット」と「e お薬手帳」の連携を検討
広島県薬、診療・投薬情報活用し服薬指導充実へ
INFRASTRUCTURE
3
ICT 懇談会、意見交換を継続 厚生労働省
3
医療の個人情報活用で「法整備の可能性も」 医療情報システム開発センター・山本氏
4
8K 医療活用の報告書案を了承、内視鏡など活用例 総務省・検討会
4
薬局の対人業務評価、次期改定も「その方向」 電子お薬手帳の効果も注視 厚労省・鈴木保険局長
5
CDISC 疾患別データ「米標準、日本で使用可」 厚労省研究班が初調査
CONTENTS
8
医療機関での「Pepper」実証試験に協力 日本イーライリリー
8
SNS 活用した地域連携体制を報告 栃木県医・長島常任理事
8
健康情報アプリを災害時に活用、服薬歴など共有 神奈川県
9
在宅患者の情報共有システム発売 エーザイと NTT 東日本など
9
地域包括ケア、ICT 活用は「極めて重要」 国際医療福祉大・武藤教授
10
10
10
電子化普及の鍵は「診療業務支援ソフト」 メディ・ウェブの楊会長
「RTSM」のパートナーとして EPS を認定 メディデータ
全薬局参加の調剤情報共有システム紹介、重複投薬有無を「確実に確認」 五島薬剤師会・菅原会長
医療
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CONTENTS
全住民
地域全職種参加の基盤構築目指す
気仙医療圏・未来かなえネット
岩手県気仙医療圏をカバーする地域医療介護情報共有システム「未来かなえネット」の安部
白道常任理事(事務局長)は 15 日開かれた国際モダンホスピタルショウで講演し、今年 4 月
の稼働開始後の状況について「7 月 1 日現在で住民の参加登録は 5118 人で年内に 1 万人、
来年度中には 2 万人達成を見込んでいる。医科、歯科、薬局、介護の参加施設も年内には
全体の 6 割程度に達する」との見通しを示した。
大船渡市、陸前
備えて 2 市 1 町の支援によるリスク積立金およ
高田市、住田町の
び事務局運営費の補填等の取り組みを紹介し
2 市 1 町の支援に
た。病院、診療所等のユーザーの年間利用料は
より発足した一般
医科 18 万円、歯科・薬局 12 万円、介護 9.6 万
社団法人「未来か
円。7 月 1 日時点の参加状況は、
病院・診療所 16、
なえ機構」
(代表
歯科 4、薬局 12、介護・包括センター 10 で計 42
理事=滝田有・気
施設。
仙医師会長)が運
同ネット設立の
営する同ネット
経緯について解説
ワークは、垂直的
した同機構理事で
な医療ケアと水平
岩手県立大船渡病
的な介護・保健・福
院の伊藤達朗院長
祉サービスの統合を基本コンセプトに、地域全
は、同ネットの特
住民(6 万 3500 人、2015 年 10 月時点)の参加
徴として、▽電子
登録と地域全職種の参加を掲げている。将来的
カルテを前提とし
には、釜石市、遠野市、奥州市、一関市、宮城
ない双方向性連携
県・気仙沼市、さらには東北大や岩手医科大な
▽医療情報と介護
ど他地域への展開も視野に、東日本大震災で壊
情報の統合化▽既
滅的な被害を受けた同地域の医療介護福祉サー
存 ICT の有効活用
未来かなえネットの運営状況につ
いて講演する安部白道事務局長
ビスの基盤構築に取り組む。
未来かなえネットの設立経緯につい
て解説する伊藤達朗大船渡病院長
(既存システムを改造しない)▽運用コストを
安部氏は講演で、費用負担への対応として、運
最適化し自力運用▽住民参加による社会基盤構
用・保守コストの低減による利用料金の低減を
築―を挙げた。
図るとともに、5 年後のシステムのリプレイスに
2016 年 7月19日【MEDIFAX】 医療・介護
医療 ICT
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INFRASTRUCTURE
SNS 活用の医療連携、セキュリティー対策の徹底を
日医・石川常任理事
日本医師会の石川広己常任理事は13日、国際モダンホスピタルショウ2016で講演し、SNS
(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した医療情報連携の現状に懸念を示し、厚生労
働省からセキュリティー対策の徹底について通知を発出するよう求めていることを明らかにした。
2016 年 7月13日【MEDIFAX】 規制・GL
SNS を 利 用 し た 医
用しない―などの注意が必要だと指摘した。
「仮に
療情報連携に関しては
情報漏洩などが表面化して裁判沙汰になれば、これ
▽クローズド SNS を活
までの(医療の ICT 化に向けた)努力が無駄になり、
用し、オープン SNS は
大きな痛手になる」とし、適切な対応が必要だと訴
利用しない▽セキュリ
えた。
テ ィ ー は IPsec + IKE
石川常任理事はまた、ICT を活用したさまざまな
に よ る VPN、 ま た は
医療・介護施設をクローズドネットワークで結ぶ構
TLS1.2 を用いて利用
想を示した。実現に向けては「厚労省などどこかの
者認証を確実に行う▽
BYOD を原則として利
省庁が取り組めば簡単に実現できるはず」と述べた。
SNSを用いた医療連携に懸念を
示した石川常任理事
ICT 懇談会、意見交換を継続
厚生労働省
2016 年 7月20日【MEDIFAX】 規制・GL
厚生労働省は 20 日、「第 8 回保健医療分野におけ
活用推進に関する意見交換を行った。政策統括官付
る ICT 活用推進懇談会」
(座長=森田朗・国立社会保
情報化担当参事官室によると、議論が継続中のため
障・人口問題研究所長)を開催し、構成員らが ICT の
内容は非公開。次回会合は今後調整する。
医療の個人情報活用で「法整備の可能性も」
医療情報システム開発センター・山本氏
2016 年 7月15日【MEDIFAX】 規制・GL
医療情報システム開発センターの山本隆一理事長
等の提供に関する有識者会議」の座長を務めている。
は 15 日の国際モダンホスピタルショウ 2016 で、医
15 年に改正された個人情報保護法で、「病歴」が
療等 ID と個人情報保護について講演し、患者個人情
本人同意を得て取得することを原則義務化すべき
報の医療における利活用に関連した法整備の可能性
「要配慮個人情報」と位置付けられたことに伴い、山
を示唆した。山本氏は厚生労働省の「レセプト情報
本氏は「(個人情報保護法を)どのように運用すべき
医療 ICT
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INFRASTRUCTURE
かについて議論の最中だ。ひょっとすると、医療に
部分もあり、個別に法制化される可能性があるので
関する別の法律ができるかもしれない、という状況
はないか」と指摘した。
だ」と説明した。
20 年の本格運用を目指した、健康・医療分野の識
また、講演後の本紙の取材に対して「商業ベース
別番号である医療等 ID の活用事例としては▽医療
で遺伝子情報を集めるサービスは始まっているが、
保険の即時資格確認▽地域医療の枠組みを超えた情
それは現行でも制限できる。ただ、医療現場での情
報の共有▽データベース同士の結合▽パーソナル・
報の利活用に向けては、もっと(規制を)緩めるべき
ヘルス・レコードの実現―などを挙げた。
8K 医療活用の報告書案を了承、内視鏡など活用例
総務省・検討会
2016 年 7月13日【MEDIFAX】 規制・GL
総務省は「8K技術の応用による医療のインテリジェ
を持つなど、画質が大幅に上回ることから、同検討
ント化に関する検討会」
(座長=永井良三自治医科大
会で 8K の医療応用の具体案や、高精細映像データ
学長)を開催し、従来よりも高精細な映像技術であ
の利活用の課題を議論してきた。
る 8K 技術の医療への利活用に向けた報告書案を大
報告書案では 8K の具体的な活用シーンとして、
筋で了承した。報告書案では、8K 技術を用いた内視
▽腹腔内上部に腹腔鏡をとどめたままで俯瞰的な映
鏡による手術の安全性向上などを具体的な活用例に
像と局所の拡大映像を高精細で確認することによ
挙げた。今後は座長一任で最終報告書を取りまとめ
る、臓器損傷リスクの低い手術の実現▽術中迅速病
た後、報告書の提言を各省庁が予算要求に役立てる。
理診断との組み合わせで機動的な判断や根治性の向
8K は現行のハイビジョンに比べ 16 倍の解像度
上、肉眼では分かりにくい自律神経に関連した手術
では排尿や性機能などの温存▽ミクロレベルの細胞
の動きや細胞の核の状況観察など、ライフサイエン
ス分野への貢献―などを挙げた。このほか、熟練医
師の手技を高精細映像データとして記録することに
より、教育・研修コンテンツとして生かすことなど
が提言されている。
北川雄光構成員(慶応大医学部外科学教授)は、外
科医の立場から高精細画像のメリットを強調。
「俯
瞰的な視野から拡大できる点が画期的。内視鏡外科
手術の合併症を減らす大きな手段になるのではない
検討会は8K技術の医療応用に関する報告書案を大筋で了承した
=13日、総務省
か」と期待感を示した。
薬局の対人業務評価、次期改定も「その方向」 電子お薬手帳の効果も注視
厚労省・鈴木保険局長
2016 年 7月7日【PHARMACY NEWSBREAK】 規制・GL
厚生労働省の鈴木康裕保険局長は 6 日、専門紙の
く考えを示した。2016 年度改定で紙媒体と同様に
共同取材に応じ、今後の調剤報酬改定の方向性につ
調剤報酬上で評価されることになった電子お薬手帳
いて、「対人サービスとしての役割を評価していか
にも言及し、処方情報の集約などでどのようなプラ
なければいけない。そういう方向にかじを切る」と
スの影響が出てくるかを注視していくと述べた。
述べ、次期改定以降も対人業務を手厚く評価してい
保険局医療課長も務めた鈴木局長は今後の薬局の
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INFRASTRUCTURE
調剤報酬上の評価に関し、「単なる物流業だけでは
方針)に、かかりつけ
なく、対人サービスとしての役割を評価していかな
薬剤師への評価を新設
ければいけない、そういう流れはある程度、定まっ
した 16 年度改定の効
たものだ」と対人業務の重視は既定路線であること
果検証が盛り込まれた
を強調。
「現場がついてこられるスピードとか、イン
ことについては、「面
パクトを見ながらやらなければならないので、2 年
分業は非常に大事。1
ごとにどこまでかじを切るかというところはある
つの医療機関から(処
が、恐らくこの方向は推進していかなければいけな
方 箋 を )ほ と ん ど も
い」と述べた。
らっていて、他の医療
さらに「医薬分業をして、かかりつけ薬局として
機 関 か ら の( 処 方 箋 )
機能していただき、それが患者、国民のためになる
は知りませんというの
ということを確保するためには、右から左に流すだ
では、かかりつけとは
けではなくて、付加価値としてのサービスの役割と
なかなか言い難い」とし、かかりつけ業務の実態を
いうのが大きい」とし、
「診療報酬の役目はそれをき
把握する必要があると強調した。
ちっと、財政的に裏打ちをするということだと思う」
その上で、電子お薬手帳に言及し、
「今すぐ、一気
と指摘した。
に全国展開は難しいと思うが、電子化が非常に進む
鈴木康裕保険局長
ようであれば、今までの労力をセーブした形で、処
「面分業は大事」
方情報を集約できる」と述べ、電子お薬手帳がどの
ようなプラスの影響を与えるか注視していきたいと
の認識を示した。
「経済財政運営と改革の基本方針 2016」
(骨太の
CDISC 疾患別データ「米標準、日本で使用可」
厚労省研究班が初調査
2016 年 7月15日【日刊薬業】 事 業
承認申請の電子データ提出の開始を目前に控え、
要が生じる」
(鹿野氏)という問題がある。
米国で作成が進められている「疾患領域別データ標
米国では疾患ごとのデータの特徴を踏まえ、「疾
準」を日本で使用できるかどうか、厚生労働省の研
患領域別データ標準」の作成が進められている。鹿
究班(2015 年度)が初めて調査し、現時点で大きな
野氏らは、米国の医療実態に基づき作成が進められ
問題はないという結論を得た。研究代表者の鹿野真
ている疾患領域別データ標準が、日本でも使用可能
弓氏(医薬品医療機器総合機構審議役〈次世代審査
かどうかを調査した。
等推進・科学委員会等担当〉)が日刊薬業の取材に応
研究班はアカデミアの協力を得て、日米の誤差が
じた。
大きそうな疾患領域について医療環境の違いを調査
10 月から始まる新薬承認申請時の電子データ提
した。日本製薬工業協会には、すでに公開されてい
出では、国際的に最も広く利用されている CDISC 標
る疾患領域別データ標準を日本の医療環境で運用可
準への準拠が求められる。CDISC 標準では、一般的
能かアンケート調査を行い、6 社から回答を得た。回
なデータを格納する方法は示されているが、各疾患
答が得られたのは▽アルツハイマー病▽疼痛▽結核
領域に特有の評価項目などのデータを格納する方法
▽喘息▽多発性硬化症▽糖尿病▽心血管系▽ QT 試
は必ずしも標準化されていない。そのため「データ
験▽インフルエンザ▽統合失調症▽脂質異常症▽
の格納方法に各社でばらつきがあると審査に支障を
パーキンソン病―の 12 疾患。
来す可能性がある。将来的に電子データを使って品
アンケート結果では、国内外で診断基準や評価項
目横断的な解析をする際にも、データをそろえる必
目などが異なることはなく、大きな問題はなかった。
医療 ICT
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2016.7.25
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INFRASTRUCTURE
アルツハイマーやインフルエンザでは「介護者の情
められており、現在▽糖尿病性腎症▽リウマチ▽心
報を入力するフォーマットの追加を要望する」
(ア
血管造影―の 3 領域についてパブリックレビューを
ルツハイマー)などの改変要望があったが、臨床試
実施中。公表済みの疾患領域別データ標準に問題点
験で普遍的に取得されるデータではなく、緊急な修
がないと分かったことから、今後は公表予定の 3 領
正は必要ないと結論付けた。
域について、今年度発足した日本医療研究開発機構
(AMED)研究班と連携して検討する。
今後公表の3 領域も検討
疾患領域別データ標準は今後の普及が期待される
が、10 月から開始の電子データ提出時には、必須で
米国では新たな疾患領域別データ標準の作成も進
http://www.jiho.co.jp/
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はない。
〒101-8421 東京都千代田区猿楽町 1-5-15 猿楽町 SS ビル
TEL:03-3233-6333 FAX:0120-657-769
〒541-0044 大阪市中央区伏見町 2-1-1 三井住友銀行高麗橋ビル TEL:06-6231-7061 FAX:0120-189-015
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CONTENTS
「HMネット」と「e お薬手帳」の連携を検討
広島県薬、診療・投薬情報活用し服薬指導充実へ
広島県薬剤師会は、医療提供施設間で患者の診療・投薬情報を共有するシステムとして、県
内約 400 薬局が参加する「HM ネット」
(ひろしま医療情報ネットワーク)と、患者の電子的媒
体などに服薬情報などを記録する電子版お薬手帳(e お薬手帳)それぞれの普及を図るととも
に、両システムの連携方法を検討する。
2016 年 7月14日【PHARMACY NEWSBREAK】 医薬品
医療機関がネットワークで共有する診療・投薬情
報(EHR)を、薬局が患者の服薬指導などに活用する
事例は全国的にも多くはないが、電子版お薬手帳と
うまく連携させれば患者の服薬指導などをより充実
させられるだけに今後の取り組みが注目される。
HM ネットは、広島県と広島県医師会が効率的な
医療活動を目的として、患者の診療情報・投薬情報
などを県内の医療提供施設で共有するために構築し
たネットワーク。患者が医療機関や薬局を受診した
HMカード。患者が医療提供施設で提示すると、ネットワー
ク上の情報が閲覧できる
際、HM カードを提示すると、診療所や薬局で患者
の過去の病歴やアレルギー歴、服薬情報などを閲覧
することができる。広島県薬では、2 年ほど前から
事例はセキュリティー上の問題などから全国的にも
HM ネットに参加しており、県内約 1500 薬局のう
多くないという。
ち約 400 薬局が HM ネット上の情報を閲覧できる
長所生かした服薬指導目指す
ようになっている。
一方で、広島県薬は日本薬剤師会の「e お薬手帳」
の会員薬局に対する普及も進めている。電子版お薬
ただ近年、患者同意の下で処方箋に臨床検査値を
手帳は、患者個人の電子的媒体に服薬情報やアレル
記載する医療機関が増えるなど、薬局に対し診療情
ギー歴などを記録する(PHR)仕組みなのに対し、
報の活用による服薬指導の充実などが求められてい
HM ネットは医療提供施設間で画像データや臨床検
ることから、広島県薬では HM ネットと e お薬手帳
査値などの診療・投薬情報(EHR)を共有するシステ
それぞれの普及と連携を図り、両者の長所を生かし
ムで、薬局が EHR を患者の服薬指導などに活用する
た質の高い服薬指導を目指す考えだ。
医療 ICT
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医療機関での「Pepper」実証試験に協力
日本イーライリリー
2016 年 7月20日【日刊薬業】 医療・介護
日本イーライリリーは 20 日、ソフトバンクロボ
の可能性を問い掛け、骨粗鬆症による椎体骨折の疑
ティクスが行っている人型ロボット「Pepper」の医
いがある場合は医師への相談を促す啓発活動を実施
療機関での実証試験に協力し、骨粗鬆症の啓発のた
した。
めのコンテンツを提供したと発表した。
今回の実証試験は、医療機関での Pepper 活用の
ソフトバンクロボティクスは今月 4 日から 15日ま
可能性を模索することを目的に実施されている。リ
で、リリーが提供したコンテンツを搭載した Pepper
リーは現在展開中の「いつのまにか骨折」啓発活動
を複数の医療機関に試験的に設置。来院者に対し、
の一環として協力した。
自覚のない椎体骨折、いわゆる「いつのまにか骨折」
SNS 活用した地域連携体制を報告
栃木県医・長島常任理事
2016 年 7月14日【MEDIFAX】 医療・介護
栃木県医師会の長島公之常任理事は 14 日の国際
覧施設として 261 の医療施設が約 8500 人の患者か
モダンホスピタルショウ 2016 で、栃木県で運用中
ら同意を得た上で情報を共有している。具体的には
の地域包括ケアシステムの概要について講演した。
患者の処方、検査画像情報や各種文書などを確認で
医療・介護連携のソーシャル・ネットワーキング・
きるという。
サービス(SNS)である「どこでも連絡帳」と、医療
長島氏は講演後、本紙の取材に対し「将来的には、
機関同士を連携させる「とちまるネット」を併用し
多職種が情報共有できる『どこでも連絡帳』と、複数
た仕組みを紹介した。
医療機関が情報共有できる『とちまるネット』のよ
「どこでも連絡帳」は日本エンブレースのソフト
うな 2 つの仕組みを併用する地域包括ケアが一般的
ウエア「メディカルケアステーション」を活用した
になるのではないか」との見方を示した。
システムで、医師、薬剤師、看護師、介護職員が文
ICTで在宅医の連携を
字や画像(X 線画像や褥瘡の写真等)などの患者情
報を投稿・閲覧できる。パソコンやスマートフォン
から接続できるため、勤務地や勤務時間も異なる多
また、桜新町アーバンクリニックの遠矢純一郎院
くの職種が容易に連携できるのが特徴だ。
長は、在宅医療に関連した課題として、夜間対応や
「とちまるネット」は患者情報を複数医療機関で
プライマリーケアへの対応の困難さを指摘。単独開
共有できるネットワークで、県内全ての地域中核病
業の在宅医同士をICT の利活用によってネットワー
院を含む 24 病院が情報を提供中。今年 2 月時点で閲
ク化し、共同で地域医療に取り組むことを提唱した。
健康情報アプリを災害時に活用、服薬歴など共有
神奈川県
2016 年 7月14日【PHARMACY NEWSBREAK】 医療・介護
神奈川県は、スマートフォン(スマホ)などを通じ
効活用できる仕組みを構築する。避難所などで本人
て、服薬歴など健康情報を閲覧できるアプリケー
のスマホがなくても医師が被災者の服薬情報を確認
ションソフト「マイ ME-BYO カルテ」を災害時に有
できたり、被災者を支援する人の間で支援内容を共
医療 ICT
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2016.7.25
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有できるようにする。災害時の支援に関する専門家
県は新たな活用方法として登録された情報を災害
や関係団体の助言を受けて、登録内容などを検討し、
時に限って、医師らが被災者の服薬情報や既往歴を
本格運用につなげる。
確認したり、被災者に対する支援内容を共有できる
マイ ME-BYO カルテは県が 3 月に運用を開始し
ようにする。例えば、日常的にどのような介護が必
たアプリ。名前や住所、血液型などの基本情報のほ
要かといった情報や 2 週間程度血圧が高いなどの情
か、既往歴や投薬情報、予防接種歴、アレルギー歴
報を支援者が入力。支援者間で情報を共有できるよ
などを登録し、スマホやパソコンを通じて利用者本
うにすることで、
より円滑な支援が受けられるように
人が内容を閲覧できる。
する。
在宅患者の情報共有システム発売
エーザイとNTT 東日本など
2016 年 7月11日【日刊薬業】 医療・介護
エーザイは 11 日、NTT アイティ、東日本電信電
医療・介護事業者に対してインターネット環境を販
話(NTT 東日本)とともに、地域包括ケアをサポー
売する。エーザイは「ワンチームコーディネーター」
トする多職種連携事業「ひかりワンチーム SP」を本
という担当者を設け、医療機関にこのサービスを紹
格展開する。ひかりワンチーム SP は、かかりつけ医
介する。ワンチームコーディネーターは、ケア目標
や専門医、薬剤師、看護師、ケアマネジャー、ヘル
や方針設定、課題抽出などを話し合う「症例検討会」
パーなどの多職種が、インターネットを介して患者
をアレンジしたり、解決事例を紹介したりする。エー
のケア情報を共有する仕組み。医療関係者が在宅療
ザイは将来的に、医療のコンサルテーション事業と
養患者を診た際の状況をインターネット上で記録
して収益を上げたい考え。
し、チーム医療に生かす。▽患者の服薬状況▽副作
エーザイと NTT 東日本は 2014 年 5 月から 15 年
用▽身体・生活▽バイタル数値▽認知症の周辺状況
1 月まで、東京都品川区の多職種連携研究会「品川
▽それらの対策―など、患者の状態を情報共有でき
Dementia ネットワーク研究会」や品川区医師会と
るようにする。患者の家族もチームの一員として参
協力しながら ICT パイロットシステムの稼働実証
加できるため、安心感につながるという。
試験を実施。さらに全国 16 地域に稼働地域を広げ、
ひかりワンチーム SP は、NTT アイティが医療機
パイロットシステムの有用性を検証してきた。この
関向けに販売する。初期費用として 5000 円を市区
結果を踏まえ、今月 11 日から同サービスを全国展開
郡医師会や医療法人から集め、さらに患者 1 症例ご
することにした。
とに月額 500 円の利用料を受け取る。NTT 東日本は
地域包括ケア、ICT 活用は「極めて重要」
国際医療福祉大・武藤教授
2016 年 7月8日【MEDIFAX】 医療・介護
国際医療福祉大大学院の武藤正樹教授は 8 日の
武藤教授はセミナー後に本紙の取材に応じ、「難
「地域医療計画とデータヘルス計画での ICT 適用セ
病や終末期ケアなど、頻繁な情報交換が必要な患者
ミナー」で講演し、地域包括ケアは「多職種間の情報
に対して、
(多職種が)SNS で対応することが特に有
連携が極めて重要」と強調。情報連携に、セキュリ
効」との見方を示した。また、通常のノートや連絡
ティーの堅牢性を備えたソーシャル・ネットワーキ
帳を用いた情報共有と比較した SNS の優位性につ
ング・サービス(SNS)を活用することのメリットを
いては▽どこからでもアクセス可能▽即時性▽経時
指摘した。
的な把握が容易―を挙げた。
医療 ICT
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2016.7.25
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同セミナーでは、福知山公立大地域経営学部医療
確性や、個人情報を含むことによるカルテとしての
福祉マネジメント学科の岡本悦司教授も講演し、レ
利用可能性の点で、「KDB は NDB より優れている」
セプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)
と主張した。
と国保データベース(KDB)を比較。分母の把握の正
電子化普及の鍵は「診療業務支援ソフト」
メディ・ウェブの楊会長
講演するメディ・ウェブの楊浩勇会長
2016 年 7月6日【日刊薬業】 医療・介護
診療所の診療業
入率は 30%と低い」と述べ、導入コストに見合った
務支援ソフトなど
利点を医師が感じられず及び腰になっているとし
を提供するメディ・
た。その上で、まずは患者の診療予約のシステムな
ウェブの楊浩勇会
ど「診療業務支援ソフト」を活用して電子化の利点
長 兼 社 長 は 6 日、
を実感してもらうのが先決だとした。
IMS ジャパン主催
楊氏は、診療の待ち時間の短縮が見込める診療予
のメディアセミナー
約システムなど診療業務支援ソフトを普及させてい
で 講 演 し、「 診 療
くことで、電子カルテなど診療所の電子化が普及し
所の電子カルテ導
ていくきっかけになるとした。
「RTSM」のパートナーとして EPS を認定
メディデータ
2016 年 7月20日【日刊薬業】 医薬品
メディデータは、被験者の無作為化と治験薬供給
開発、提供しているが、主に国内向けのため国際共
管 理 を 統 合 し た「Medidata Balance」
(RTSM)の
同治験には不向きといった課題を抱えていた。同社
ソフトを製薬企業などに提供するための CRO パー
はメディデータの RTSM を扱い、国際共同治験にも
トナーとして、イーピーエス(EPS)を認定した。両
対応できる体制を整えることで、CRO 業務のシェア
社が 20 日に発表した。これにより EPS は、メディ
拡大を目指す。一方、メディデータには営業スタッ
データとともにRTSM の販売を手掛けることになる。
フが十分ではないといった課題があり、EPS と組む
EPS は臨床試験データを管理するソフトを自ら
ことで RTSM の販売拡大を目指す。
全薬局参加の調剤情報共有システム紹介、重複投薬有無を「確実に確認」
五島薬剤師会・菅原会長
2016 年 7月14日【PHARMACY NEWSBREAK】 医薬品
長崎県五島薬剤師会の菅原正典会長は 14 日、東京
五島市は 11 の有人島と 52 の無人島で構成する。
都内で開催されている「国際モダンホスピタルショ
市内の高齢化は国や県の平均に比べて進行し、要介
ウ 2016」のセミナーで講演し、長崎県五島市で市内
護認定率も上回っている。限界集落が点在すること
21 の全保険薬局が参加して運用している調剤情報
で、医療・介護サービスに関しては民間事業者の参
共有システムを紹介。患者に重複投薬・相互作用な
入が困難なため医療資源が不足し、介護保険財政へ
どがないかどうかを確実に確認でき、医療費の低減
の懸念もある。このような状況を背景に「ICT など
が期待されることをメリットに挙げた。
最先端の方法を使って、今以上の効率で面倒が見ら
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2016.7.25
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れるような仕組みをつくらなければやっていけな
院や診療所では救急外
い」
(菅原会長)という。
来の際に内服薬の服用
五島市が展開する調剤情報共有システムは、ラン
状況などが確認でき、
ニングコストを市の予算のみで賄えるよう構築し
その結果として医療費
た。市内の全 21 薬局のほか、病院や診療所、消防が
低減も期待できること
連携ネットワークに加わり、情報を共有。全市民を
などを列挙。重複投薬
対象に、患者の同意が得られればお薬情報を各機関
については、同一成分
が一元的に把握できる。今年 6 月末時点で住民の
の重複を全て減らした
31%が同意しており、6 月に処方箋を持参した人で
場合、月額 77.5 万円程
は半数が同意者に当たる。
度の薬剤費低減につな
がるとの試算を示した。
月額 77.5 万円程度の薬剤費低減に
CONTENTS
五島市の調剤情報共有システムを
紹介した五島薬剤師会の菅原会長
今 後 に つ い て は、
データの二次利用に向けた基盤整備を行っていくこ
菅原会長はシステム導入のメリットとして、保険
とや、長崎県の医療情報共有システムである「あじ
薬局では患者の重複投薬・相互作用などの有無、病
さいネット」とつなげていくことなど展望も語った。
http://www.jiho.co.jp/
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