【韓国】 6 月の市場動向トピックス 6 月として過去最高の 347,400 人が訪日 2016 年 6 月の訪日韓国人数は、前年同月比 38.1%増の 347,400 人で、6 月として過去最高を記録。昨年、中 東呼吸器症候群(MERS)の影響で訪日者数の伸びが落ち込んだ反動に加え、熊本地震の影響で運休していた 九州への航空便の再開や、旅行会社の特価商品の販売が好調であったことが大きな伸びに寄与した。 九州を強化した訪日旅行プロモーション 熊本地震の影響で需要が落ち込んだ九州行き商品を訴求する共同広告の他、旅行会社等への販売支援を実 施。そのような中、これまで中止されていた TV ショッピングでの九州行き商品の販売も再開し、好調な売れ行きとな っている。団体パッケージツアーには影響が残っているものの、個人旅行を中心に徐々に回復の兆しを見せている。 6 月の主なプロモーション活動 6 月 9 日~6 月 12 日にソウルで開催されたハナツアー旅行博に、ビジット・ジャパン(VJ)ブースを出展。これに合 わせ、6 月 8 日に韓国市場説明会及び商談会を開催し、日本側 52 団体、韓国側 93 社が参加した。商談会 では、特別に時間を設け、韓国側参加者に対して九州の状況を説明するプレゼンが行われた。 訪日旅行商談会/ソウル ハナツアー旅行博 VJ ブース 韓国スマートフォンユーザーの 95%が利用しているモバイルアプリ「カカオトーク」で日本政府観光局の公式ページを 6 月に開設した。開設を記念して無料スタンプキャンペーンを実施するなど、順調にファン数を獲得している。 Facebook や Instagram、その他の SNS とも連携して積極的な情報発信を行っている。 「カカオトーク」トップページ 日本政府観光局オリジナルスタンプ 【中国】 6 月の市場動向トピックス 6 月として過去最高の 582,500 人が訪日 2016 年 6 月の訪日中国人数は、前年同月比 26.0%増の 582,500 人で、6 月として過去最高を記録。2015 年 8 月(591,510 人)に次ぐ 2 番目の訪日者数となった。クルーズ及び FIT 需要が引き続き中国市場の伸びを牽引して おり、訪日クルーズ船の寄港数は昨年の 39 隻から 63 隻に増加した。航空路線については、瀋陽-静岡線(5 月 17 日)、合肥-名古屋線(6 月 28 日)などの新規就航が見られる一方、長春-中部線(6 月 1 日)、杭州-茨城線(5 月 26 日)等の運休も見られる。 6 月の主なプロモーション活動 中国最大のオンライン・トラベル・エージェント(OTA)である携程旅行(Ctrip)と共同で、訪日旅行商品の販促を目的 としたキャンペーンサイトを立ち上げ、ゴールデンルート以外の商品のプロモーションを実施した。 Ctrip のキャンペーンサイト(URL:http://pages.ctrip.com/destinationad/201606/JNTO/web.html) 6 月 4 日~5 日に、「武漢ジャパンブランド」(主催:武漢ジャパンブランド実行委員会、後援:在中国日本大使館、 JNTO 北京、JETRO 北京、武漢市商務局等)に出展し、新興都市の消費者に 6 月の閑散期~夏期の訪日魅力 を PR した。イオンモール武漢経開店で開催された本イベントには、アサヒビールやキューピー食品、トンボ鉛筆などの 民間企業、ならびに沖縄県や JNTO など公的団体あわせて 14 団体が出展し、2 日間で 20,000 名以上の来場者 を集めた。 武漢ジャパンブランドにおける VJ ブースの風景 【台湾】 6 月の市場動向トピックス 6 月は単月として過去最高を記録 2016 年 6 月の訪日台湾人数は 397,800 人で、単月として過去最高を記録。格安航空会社(LCC)の拡充が個 人旅行需要を後押ししている他、台湾の三大休暇の一つである端午節の 4 連休(6 月 9 日~6 月 12 日)や沖 縄を中心としたクルーズ船の寄港、5 月に出展した台北、台中、高雄の各旅行博での販促が訪日者数の増加 に寄与した。6 月 3 日には、熊本地震を受けて運航を見合わせていた中華航空の熊本-高雄線が再開され、夏 の旅行シーズンに向けて訪日需要の回復が期待される。 6 月の主なプロモーション活動 6 月 14 日~6 月 16 日の 3 日間、台北、台中、高雄の 3 都市で「台湾訪日教育旅行現地説明会」を開催し た。台湾側からは 3 都市合わせて約 300 名の教員が参加し、日本各地の自治体・教育関係者と、学校交流や 地域の教育素材、旅行ルート等について活発な情報交換が行われた。 東北地方での体験や地元の方とのふれあいを紹介する 20 秒程度のショートムービー10 本を台湾 Yahoo!と連携し たデジタル旅行博「2016 日本線上旅遊博覧会」で 6 月 8 日から公開した。テレビ CM や Youtube、SNS を通じ た広告展開に加え、6 月 18 日には一般消費者向けにショートムービーに出演した人気タレント蔡阿嘎(サイ・アガ) のトークショーを台中で開催。トークショーの模様は現地メディアでも報道され、東北の多彩な魅力の発信に貢献 した。 航空会社、旅行会社と共同で東北行き旅行商品の広告宣伝を実施。夏の東北の魅力を表現する共通のロゴ を作成し、現地のウェブサイトや SNS 等で配信した。 訪日教育旅行現地説明会 台中での消費者イベント(蔡阿嘎氏) 東北旅行商品の共同広告(ウェブサイトバナー) 【香港】 6 月の市場動向トピックス 単月として過去最高の 163,100 人が訪日 2016 年 6 月の訪日香港人数は、前年同月比 19.0%増の 163,100 人となり、単月として過去最高を記録、41 か 月連続で同月過去最多の訪問者数となった。桜鑑賞を目的として訪日需要が高まる 3 月~4 月や、夏休み中 の訪日需要が高まる 7 月~8 月は、航空券やホテルの料金が高騰するため、これを避けたリピーターを中心とした 香港人旅行者による訪日旅行需要が高まった。 航空座席供給量の増加 今年 6 月は、前年同月に比べ航空座席数が約 14%増加した。格安航空会社(LCC)の香港エクスプレス航空 では、石垣島への直行便新規就航(6 月 16 日)に合わせたプロモーションや、日本の全路線を対象とした 5 月末 からのセールなどで販促を強化し、夏前のオフシーズン中の旅行需要の増加に貢献した。 6 月の主なプロモーション活動 熊本地震を受けた風評被害対策事業の一環として、「2016 香港国際旅行展示会(ITE)」の開催に合わせ、在 香港日本国総領事館、JNTO、九州 7 県と共同で 6 月 13 日~6 月 18 日に 6 媒体 9 回の広告を出稿した。 支援への「感謝」を示すとともに、九州旅行には支障が無く、香港からの旅行客を「歓迎」しているメッセージを発 信することで、九州への旅行需要の早期回復を図った。 香港市場向けの新コンセプト「リラックスや癒しの旅(ゆるたび)」のお披露目、及び各旅行会社が取扱うゆるたび 商品の販売支援を目的に、バスのフルラッピング広告を開始した。 九州の純広告の掲載例 「ゆるたび」のバスラッピング広告 【タイ】 6 月の市場動向トピックス 継続して単月過去最高を記録 2016 年 6 月の訪日タイ人数は、前年同月比 10.4%増の 47,900 人で、6 月として過去最高となった。現地旅行会 社等へのヒアリングによると、6 月は閑散期であるにも関わらず、北海道のFIT及びパッケージツアーの売上が好調で あったことが増加に寄与した。また、バンコク市内の主要ショッピングモールにおける訪日旅行フェアの開催や地方都 市セミナーなどの訪日旅行プロモーションも奏功した。一方で、英国の EU 離脱決定により、急激な円高バーツ安の 進行によるマイナス要因もあった。 6 月の主なプロモーション活動 地方都市への訪日旅行情報の発信強化、また、訪日旅行商品の造成促進を目的として、6 月 2 日に、タイ南部 の主要地方都市であるプーケットの市内ホテルにて、初めて旅行会社を対象としたセミナーを開催した。セミナーで は、JNTO バンコク事務所職員が講演を行い、訪日旅行に関する基礎知識や、旅行会社が訪日商品を取り扱う 際の参考となる情報を提供した。セミナーには、現地旅行会社 27 社が参加し、訪日旅行取り扱いに向けた意欲 や日本旅行への関心の高まりが窺えた。 首都圏富裕層・中間層の夏・秋期の訪日需要促進を目的として、6 月 23 日~6 月 26 日に、バンコクの主要ショ ッピングモール「セントラル・ラマ 9」にて旅行博「Visit Japan FIT Travel Fair 2015 Summer&Autumn (FIT9)」を開 催、共同出展者として日本側 12 団体が情報発信、タイ側 16 団体が訪日旅行商品の販売を行った。会場では、 交通パスやドライブ、地方におけるグルメや宿泊等についての質問が目立つ等、消費者から多様な情報提供が求 められた。また、6 月 23 日にはフェアの会場に隣接したホテルで、旅行業界関係者を対象としたセミナー商談会を実 施。JNTO バンコク事務所の職員が個人旅行(個人旅行向けの交通パス等)に関する講演を行った。 プーケットでのセミナーの様子 FITフェアの様子 【シンガポール】 6 月の市場動向トピックス 前年同月比 11.8%増の 32,600 人。継続して各月の過去最高を更新 2016 年 6 月の訪日シンガポール人数は、前年同月比 11.8%増の 32,600 人で、6 月として過去最高を記録。一部 航空会社による燃油サーチャージの撤廃や、2 月 26 日~2 月 28 日の「Travel Revolution」への出展及び大手旅 行会社との共同広告をはじめ、3 月 10 日~4 月 10 日にはチャンギ国際空港ターミナルでの日本を象徴したメガフ ラワーアレンジメントの展示、4 月 1 日~5 月 18 日には航空会社と連携した割安航空券キャンペーンなど、連続的 に日星外交樹立 50 周年(SJ50)事業を展開したことで周年効果を拡大し、第一ハイシーズンである 6 月の訪日 需要を喚起した。 6 月の主なプロモーション活動 ✸ 4 月 1 日~5 月 18 日にかけて、JNTO、シンガポール航空、日本航空、全日本空輸と 4 者合同 SJ50 スペシャル 訪日キャンペーンを実施。期間中、各航空会社は特別運賃(国際線及び国内線)を提供し、JNTO ではキャンペ ーンサイトの立ち上げ、Google 広告や SMRT(地下鉄)における宣伝広告の実施、上記 3 社の航空券を予約した 方を対象とした特別賞品を提供することで、集客誘引×エアチケットの特別運賃を合わせ、通年での周年効果の 拡大及び日本のブランド価値向上を見込む。 ✸ 6 月 23 日に JAPAN RAIL CAFE(東日本旅客鉄道が運営。2016 年 11 月にオープン予定)についてのプレスリリ ースを行ったところ、大手メディアで取り上げられ、訪日情報を新しいスタイルで発信する本施設への関心の高さが 窺えた。同記事は JNTO シンガポール事務所の Facebook でもシェアし、非常に高い反響があった。 JAPAN RAIL CAFÉ 完成イメージ図 【マレーシア】 6 月の市場動向トピックス 前年同月比 12.8%増の 20,900 人 2016 年 6 月の訪日マレーシア人数は、前年同月比 12.8%増の 20,900 人で、6 月として過去最高を記録。オフシ ーズンに入ったことに加え、ムスリムのラマダン(断食月)及びハリラヤプアサ(ラマダン明け大祭)が昨年に比べて前倒 しとなったことにより、6 月から 7 月に訪日需要がシフトし、伸び率が緩やかになったと考えられる。そのような中で旅行 会社各社が各種プロモーションを実施し、割安感のある訪日旅行商品が販売されたことが、この時期の訪日需要 喚起に貢献した。 6 月の主なプロモーション活動 5 月 29 日~6 月 3 日にマレーシアの学校関係者 3 名を招請し、北海道の視察を行った。牧場での乳搾りやバター 作り、工房での木工クラフトなど体験プログラムに加え、水族館や動物園の見学を旅程に組み込み、教育旅行を 意識した企画を行った。学校訪問では北海道の高等学校を訪問し、国際教養科の「異文化理解」の授業や部 活動を見学。現場での修学旅行生の受け入れなどについて情報交換するなど、有意義な時間となった。なお、今 回招請した方々には、2017 年 3 月に実施する教育旅行セミナーで、プレゼンテーターとして今回の体験や訪日教 育旅行の魅力について紹介して頂く予定である。 7 月 2 日、3 日にペナンで開催した「MITM フェア」に併せて、ペナン中心部に設置されている大型デジタルサイネージ に、訪日旅行の促進と同フェアへの誘致を図る画像を 6 月 19 日~7 月 3 日まで掲載した。車社会であるマレーシ アにおいて、屋外広告は有効な情報発信手段となっていることから、今後の訪日意欲喚起に貢献するものと期待 される。 教育旅行招請事業 ペナンでの街頭広告 【インドネシア】 6 月の市場動向トピックス 訪日者数 22,900 人、6 月として過去最高を記録 2016 年 6 月の訪日インドネシア人数は、前年同月比 33.8%増の 22,900 人と、6 月として過去最高を記録。例年 学校休暇の時期であることに加え、今年は 7 月のレバラン(断食明け大祭)休暇が近接したことで、より大きな旅行 需要が生まれた。訪日旅行のピークとなるこの時期に向けて、昨年度から継続的に実施してきた訪日旅行プロモー ション効果や、各航空会社によるプロモーション料金での航空券提供、燃油サーチャージ安等により、訪日需要は 好況を呈している。 国営ガルーダ航空、米国路線再就航に自信 国営ガルーダ・インドネシア航空は、米連邦航空局(FAA)の安全認証をクリアし次第、米国路線を再就航する考 え。同社のアリフ社長によると、米国からインドネシアを訪れた旅行者は年間 40 万人以上とのこと。安全要求を満 たすために、5 年間準備してきたという。アリフ社長は、「5 か年基本計画の中に、米国便の再就航を盛り込んでいる。 実現すれば、成田空港経由のロサンゼルス便か、ニューヨーク便の就航になるだろう」と話す。 6 月の主なプロモーション活動 JNTO ジャカルタ事務所では、現地旅行会社向けに毎月ニュースレターを配信し、情報発信を行っている。6 月は、 台東区で作成されているムスリム向け観光マップや、紫陽花といった季節の魅力など幅広い素材を取り上げ、訪 日ツアー造成の意欲喚起に努めた。 6 月 19 日及び 26 日に、インドネシア初の日本紹介を専門とする番組「Kokoronotomo」の制作を JNTO が支援 したエピソードが放送された。番組では、2 人の女性人気タレントが MC となり、着物を着ての日本文化体験や桜 の鑑賞、食事を堪能するなど、多彩な訪日観光魅力が紹介された。なお、撮影は 4 月に東北・北関東地域で 行った。 ニュースレター配信例 「Kokoronotomo」放送のワンシーン 【豪州】 6 月の市場動向トピックス 6 月として過去最高の 30,200 人、前年同月比 33.1%増を記録 6 月は日本の梅雨のシーズンであるためオーストラリア人には敬遠される傾向があり、6 月~8 月は閑散期となる。 しかしながら、訪日旅行人気の持続、クルーズ船の就航などにより、増加傾向が続いている。 訪日旅行人気による変化 昨今、訪日旅行人気の持続を背景に、大手旅行会社 Flight Centre をはじめ、豪州の主要な旅行会社が訪日 旅行商品の販売に力を入れている。そのため、豪州における訪日旅行商品の露出が高まるとともに、旅行代理 店販売員の訪日観光に対する関心も向上している。 6 月の主なプロモーション活動 5 月 26 日~6 月 2 日に、訪日旅行を扱っている旅行会社の商品造成の担当者 8 社 8 名を対象に瀬戸内海地 域への招請事業を実施し、京都、倉敷、岡山、広島、高松などを巡った。行程には、倉敷での川船乗船、宮島で のもみじ饅頭作り、しまなみ海道サイクリング、高松でのうどん作りなど、豪州人の好む体験メニューを多く盛り込ん だ。その他、東京でのホテル視察、ホテル関係者との商談会を実施した。 現地旅行会社・代理店販売員の日本に関する知識向上を図るため、研修システムである E-Learning を JNTO シ ドニー事務所ローカルサイトに開設し、成績優秀者を訪日旅行に招請するキャンペーンを実施している。これにあわ せて、受講促進を目的として、豪州の旅行業界誌「Travel Weekly」に告知広告を掲載した。 旅行会社商品造成担当者の招請事業 E-learning 告知広告 【米国】 6 月の市場動向トピックス 前年同月比 22%超、単月として過去最高を記録 2016 年 6 月の訪日米国人数は、前年同月比 22.8%増の 125,400 人で、単月として過去最高となった。2014 年 4 月から 27 か月連続で各月の過去最高を更新しており、訪日意欲の高まりは継続していると考えられる。また、 2016 年 1 月-6 月の累計も、前年同期比 20.6%増と好調に推移しており、2015 年 1 月-6 月の伸び率が前年同 期比 13.6%増であったことと比較しても好調である。 継続的な VJ 事業の効果と米国発海外旅行需要の拡大 訪日旅行商品の取り扱い増加に向けた取り組みなど、年度当初からの継続的な訪日旅行プロモーションに加え、 第 1 四半期の GDP 成長率も上方修正(前期比率 1.1%増)されるなど経済の改善傾向が訪日需要の拡大を後 押ししている。 6 月の主なプロモーション活動 6 月 1 日~6 月 4 日にバンクーバーで開催された「Cruise360」に出展し、クルーズによる訪日旅行の PR を行った。 プリンセスクルーズと共同で開催した、訪日旅行及び訪日旅行商品の販売促進を目的とした教育セミナーには、40 名弱の旅行会社が参加し、日本の基礎情報やクルーズ寄港地を抱える主要都市の情報、そして、プリンセスクルー ズからは日本を寄港するクルーズ商品や船内でのサービスなどについてプレゼンテーションを行った。 6 月 9 日~6 月 12 日にアリゾナ州スコッツデールで開催された「Tour and Travel Exchange(TTE)」に、JNTO ロサ ンゼルス事務所、JNTO ニューヨーク事務所が共同で参加し、朝食セミナーで訪日観光旅行の魅力を発信した。 TTE は元々、アフリカ行き旅行を多く取り扱うツアーオペレーター及び上質の得意客を持つ中小のツアーオペレーター が集う商談会である。昨年と比較して顧客にリピーターが増えてきているため、「次はアジアに顧客を連れていく」という 声が多く聞かれた。特に、日本に対する関心の高い顧客が多く、今後の訪日需要拡大が期待される。 「Cruise360」の様子 「Tour and Travel Exchange(TTE)」の様子 【カナダ】 6 月の市場動向トピックス 訪日カナダ人数は 6 月として過去最高を記録 2016 年 6 月の訪日カナダ人数は前年同月比 13.0%増の 18,900 人で、6 月として過去最高を記録。一方で、現地 旅行会社は日本のホテル代、貸し切りバス代などの円ベースでの値上がりに苦慮しており、景況感を示す消費者信 頼感指数(6 月)も原油安や、アルバータ州・サスカチュワン州の大山火事の影響で前年同月比 2.9 ポイントダウンし た。そのような中、航空会社、旅行会社との共同広告の送客効果、また、エア・カナダの夏期増便により、6 月 17 日 ~9 月 17 日までの同社の座席供給量が過去最大になることにより、引き続き訪日カナダ人数の増加が期待され る。 円高の影響 カナダドルの対円為替レートは昨年 6 月末以降継続して円高に推移していることに加え、英国の EU 離脱問題によ り円高が更に進んだことによる訪日旅行への影響が懸念される(一時的に1カナダドル=70 円台に突入)。このよう な円高水準の下でも訪日カナダ人数は順調に増加しているが、Brexit ショックが長距離旅行に影響を与え始める今 年の秋以降の動向を注視する必要がある。 6 月の主なプロモーション活動 6 月 14 日~6 月 22 日にかけて、カナダから主要テレビ局 2 社と雑誌記者、計7名を招請した。5 月の旅行会社の 招請に引き続き北海道新幹線開業の機会に、弘前城、白神山地、奥入瀬及び函館市などを訪問し東北、北 海道の文化・歴史、自然等の魅力を紹介した。参加者からは「東北の祭りや三味線などの文化、白神山地、奥 入瀬に代表されるような自然は興味深く、日本の地方の魅力を感じることができた。」、「朝市での海産物やリンゴを 使ったアップルパイやシードルなど食も多様で満足した。」などの意見が聞かれた。今回の取材結果は今後カナダで 放映されることとなっており、訪日カナダ人数の増加に繋がることを期待したい。 白神山地の散策及びガイドによる解説 弘前城での取材風景 函館市内での取材風景 【英国】 6 月の市場動向トピックス 閑散期にも関わらず好調な訪日需要 6 月は日本の梅雨のシーズンで、英国からの訪日旅行の時期としては人気が低い傾向があるため、伸び率が比 較的小さくなると予測されたが、実際には、前年同月比 20.6%増(20,300 人)と 5 月と同水準の高い伸び率となっ た。訪日への関心が高まる中、経由便を中心に低価格な航空券が販売されたことが、FIT 層を中心に訪日需要 を後押ししたと考えられる。 EU 離脱による訪日市場への影響 ここ数か月の状況を鑑みると、訪日観光への関心はより高まっている一方、6 月 23 日の国民投票で EU 離脱が 決定したことに伴うポンド急落に見られるように、政治経済面の先行き不透明感が増大している。しかし、英国で は数か月以上前に海外旅行を予約する人が多いことから、直ちに大きな影響は現れない見込みである。また、現 時点では旅行会社、航空会社へのヒアリングでも短期的には大きな影響はないとの声が多数挙がっている。 6 月の主なプロモーション活動 「National Geographic Traveller」の訪日取材支援の成果として、同誌 6 月号において 13 ページにわたる日本特 集記事が掲載された。日本での様々な文化体験をテーマに、温泉や茶道体験、ウィスキー醸成所や鍛錬所見 学、マンガワークショップなどが紹介された。 「National Geographic Traveller(6 月号)」の表紙及び特集紙面 【フランス】 6 月の市場動向トピックス 閑散期の 6 月、当該月過去最高 2016 年 6 月の訪日フランス人数は前年同月比 23.7%増の 16,700 人で、6 月として過去最高を記録。6 月は梅雨 時期で人気がある月ではないが、積極的な日本の情報発信や閑散期の底上げを図る航空会社との共同キャンペ ーンが、訪日需要を喚起した。 英国の EU 離脱の影響 6 月 23 日に英国で欧州連合(EU)離脱の是非を問う国民投票が行われ、EU 離脱が現実のものとなった。英国は、 フランスの輸出先国の中で第 7 位、輸入相手国の中で第 8 位と、フランスにとって最も出超幅が大きい国となってい るだけに、経済面に大きな影響が出るのは避けられない。ポンドが対ユーロで 10%~30%下がると、対英輸出は 5% ~15%減少する見通しで、これによりフランスの総輸出は 0.4%~1.2%下がると試算される。このようなフランス経済へ の影響が旅行動向にも波及する可能性があることから、今後注視が必要である。 6 月の主なプロモーション活動 2015 年秋に、沖縄本島や離島(慶良間諸島、石垣島、西表島、竹富島)への取材を支援した「GEO」が、日本の 特集記事を掲載した。「GEO」は、世界の自然、科学、地理、旅行などの記事を掲載しており、過去にも複数回日 本を取り上げている。沖縄の特集は初めてで、歴史や琉球文化、ビーチ、長寿など様々な角度から沖縄を紹介し ている。 6 月 1 日から約 2 週間、フランスの人気テレビ番組「Top Gear」を招請した。「Top Gear」は、3 名のプレゼンターが車 で駆け巡る旅番組で、今回は東京、富士、日光、郡山、青森、函館、札幌等で撮影を行った。BBC Worldwide France が映像を制作し、今秋、フランスのドキュメンタリー専門チャンネル「RMC Decouverte HD24」の「Top Gear シーズン 3」で放送される予定となっている。「Top Gear」は、同チャンネルで最も視聴率の高い番組で、シーズン 2 の 平均視聴者数は、1,445,000 人であった。今秋の放送が、更なる訪日意欲の喚起に寄与することが期待される。 「GEO」の表紙と記事 「Top Gear」のホームページ acebook acebook 【ドイツ】 6 月の市場動向トピックス 英国の EU 離脱によるドイツのアウトバウンドへの影響 投票結果から十分な時間が経過していないため、断定できない状況にあるが、今のところドイツ市場への大きな 影響は見られていない。現時点では、英国の EU 離脱による海外旅行への影響は語られておらず、ツアー・オペレ ーターへの聞き取りでも、訪日旅行への短期的な影響は認められないとのことだが、長期的な観点でみると、ドイ ツの経済状況などにどのような影響が出るかによって、訪日を含む旅行状況も変化してくるとみられている。 6 月の主なプロモーション活動 6 月は、ラジオ局、旅行雑誌、新聞などの現地メディアから 5 名のジャーナリストを招請した。一行は広島、宮島、 直島、倉敷、東京を訪問し、日本のアートシーン、伝統性、現代性などの観点から取材を行った。参加者は、 視察した観光地のみならず、日本人のライフスタイルにも高い関心を示し、各地で熱心に取材をしていたことから、 今後の主要媒体への露出が訪日意欲喚起に繋がるものと期待される。 招請旅行の様子/宮島商店街 招請旅行の様子/倉敷川 消費者ニーズや現地トレンドにあった観光資源をタイムリーに訴求できることから、ドイツ市場では、現地メディアの 訪日取材支援に力を入れている。6 月は、「Lufthansa Magazin(発行部数 32 万部)」や「GQ Luxury(発行部 数 9 万部)」などの主要誌で、ラグジュアリーをテーマに東京の魅力や高級ホテルが紹介された。これらの記事は、 高所得者層、デシジョン・メーカーの立場にある層、国際感覚に富んだビジネスマン、トレンドに対する感度の高い 層など、訪日が見込まれるセグメントに訴求しうることから、更なる訪日需要増加に貢献するものと考えられる。
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