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本 庁 係 員
01
若手職員編
挑戦の日々
長官官房 企画課
小島 大輔
「小島君は企画課に配属。国税組織が今後どのように変
わっていくべきか、中長期的な戦略立案を行うのがミッシ
ョンです。」入庁初日、私は思わずたじろぎました。入庁
1年目の自分に、そんな大きな仕事ができるのか・・・。
しかし、日々の仕事はその不安を感じる暇を与えないほ
ど、刺激に満ちたものばかり。昨今のICT化・国際化の急速
な進展により、社会経済活動は複雑化の一途をたどってお
り、こうした状況下において、中長期的な視野に立って、
在るべき税務行政の姿を検討しているのが、私の所属する
企画課の仕事です。
日々、庁内や国税局、税務署から様々な課題や検討事項
が集められますが、一年目の私には難問ばかりです。しか
し、素朴な問題意識が役に立つこともあるはずだと信じ、
積極的に議論に参加するように努めています。
56,000人もの職員を抱え、国家運営の基盤となる「税」
の賦課・徴収に当たる国税組織は、この国に欠かせない存
在です。そのマネジメントを担う国税庁総合職の仕事には、
他省庁とは一味違った魅力があると思います。あなたもぜ
ひ、国税庁の一員としてこの国を支える仕事をしてみませ
んか?
H27.4 現職
課
この国を支える仕事
05
National Tax Agency 2016
長官官房 国際業務課
丸山 友理
H27.4 現職
チームJAPANの
一員として
昨年の11月、インドネシアで行われた国際会議に出席
しました。そこでは、途上国における国際税務の発展を目
指した話し合いが行われ、アジアでは数少ないOECD(経
済協力開発機構)加盟国である日本には、特に大きな貢献
が期待されていました。広い会議場で20か国以上の参加者
が注目する中、「JAPAN」と書かれたプレートを目の前に
して、日本代表としての責任の重さや醍醐味を体感しまし
た。サッカーやラグビーのワールドカップのように大観衆
がいるわけではありませんが、国際会議では各国の代表者
が国の威信をかけて知的な議論を繰り広げているのです。
国境を越えた取引が急速に増加する現在、OECDによ
り、国際的租税回避防止のための統一ルールが策定される
など、税の世界における国際分野は大きな転換期にありま
す。国際業務課での毎日は、朝の英字新聞チェックから始
まり外国当局との電話会議や英文資料の整理まで、その名
のとおりインターナショナルな業務に溢れています(かな
りの割合で課内の誰かが海外出張中というのも特徴です。)。
将来的には、私も日本代表として国際会議で議論をリード
できるようになることが目標です。あなたもNTA、そして
チームJAPANの一員として、世界を舞台に働いてみません
か?
課税部 個人課税課
松田 泰尚
国税庁個人課税課審理第一係は、所得税に関する「審理」
を担当しています。「審理」とは、簡単に言うと、現場で起
こっている出来事をきっちりと調べ、それに対してどのよう
な課税関係が生じるのか、関係法令や通達を解釈し、事実に
即して適用することです。
税務署や国税局の所得税等の調査の現場において、法律の
解釈・適用が問題となり、それが複雑・難解で税務署や国税
局では判断がつかない場合には、国税庁に照会がされること
になっています。このような業務に当たっては、複雑な事実
関係から、争点となっている部分を抽出し、関連する法令文
やコンメンタール(立法趣旨、制度変更の経緯等が記載され
た書籍)を読み込むことが必要です。さらに、先輩や上司と
議論を積み重ね、適切な法令解釈ができているのか、といっ
た観点からより良い内容になるようブラッシュアップしてい
きます。
先輩や上司からの指摘により、自分の検討不足に気付かさ
れることもありますが、苦労しながらも最終的に満足のいく
結論を導くことができた時は、とてもやりがいを感じます。
また、自分が作成した回答が、全国の国税局や税務署に展
開され、適正・公平な課税の実現に役立っていることを考え
ると、一気に苦労が吹き飛ぶ気がします。
初めて経験する審理の仕事は難しいことも多いですが、そ
の分、成長の機会も多く、得られる達成感は大きいです。今
後も、自己研鑽を重ねつつ、税務行政に貢献していきたいと
思っています。
H26.4 課税部 酒税課
H27.7 課税部 個人課税課
審理を通して
税務行政を支える
調査査察部 査察課
佐藤 黎
H26.4 長官官房 企画課
H27.7 調査査察部 査察課
査察とは?
正直者がバカを見ない
社会の実現のために
なぜ脱税をするのか。人によって理由は様々かと思いま
すが、脱税が犯罪であることは間違いありません。査察の
現場は、不正を絶対に許さないという査察官の覚悟に溢れ
ています。査察で非常に重要なのが、着手の瞬間です。そ
の現場には、経験した者だけが分かる独特の緊張感があり
ます。予定調和はどこにもありません。このような緊張感
の中、全ては正直者がバカを見ない社会を作るため、脱税
の証拠を探します。
また、最近では、海外に隠し口座を作るなど、海外取引
を利用して不正な行為が行われることもあり、一筋縄では
いかない事件も増えてきました。そのため、海外の税務当
局に対して、租税条約に基づく情報提供を要請するなど
様々な手段で情報収集も実施しています。
私が数ある魅力的な職場の中から国税庁という組織を就
職先として選んだのは、「正直者がバカを見ない社会の実
現のために仕事をしたい」という想いからでした。今、そ
の想いを胸に抱きつつ、仕事ができており、非常にやりが
いを感じています。駆け出しの私にはまだまだ分からない
ことだらけですが、諸先輩方の指導を仰ぎつつ、日々奮闘
しています。
National Tax Agency 2016
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