特集 子どもにとって読書は、言葉を学び、感性を磨き、表 現力を高め、創造力を豊かなものにします。また、読書 で得た知識や考えを深めることで他人を思いやる心を育 て、自分自身を見つめ直す良い機会にもなります。 子どもの読書離れが進む今、読書を定着させるために はどうすればよいかを一緒に考えてみます。 問い合わせ 生涯学習課へ おうち で本を 読んで いますか 「親子読み聞かせ教室」を行う読書ボランティア「岡垣くすの木の会」 広報おかがき 2016.7.25 2 特集 おうちで本を 読んでいますか 子どもたちには 本を通して思いやりの 心を育ててほしい Interview 岡垣くすの木の会 子どもたちに 望むことは? 首藤 本を好きになってもらう こ と は も ち ろ ん で す が、 そ れ 以 代表 安部朋子さん 上 に、 子 ど も た ち に は 本 を 読 む こ と で 人 を 思 い や り、 人 の 気 持 ちがわかる人になって欲しいと 思っています。 安部 読書は心を成長させてく れ る の で、 ぜ ひ 家 庭 で も 読 み 聞 か せ を し て あ げ て く だ さ い。 ま た、 来 年 に 向 け て 赤 ず き ん ち ゃ んのブラックシアターを作成し て い る の で、 皆 さ ん 楽 し み に し ていてください。 心と頭を育てる 読書のチカラ 読 書 に は、 子 ど も た ち の 豊 か な 心 を 育 て る チ カ ラ が あ り ま す。 幼 児 期 で は、 絵 本 の 中 に 自 分 と 同 じ 姿 を 見 つ け 出 し、 共 感 や 安 心 を 覚 え ま す。 ま た、 中 高 生 な ど は 読 書 を通じて新たな世界を知ること で、 物 事 を あ ら ゆ る 方 向 か ら 見 る ことができるようになります。 こうした力を子どもたちに身に つ け さ せ よ う と、 町 内 で は さ ま ざ まな取り組みが行われています。 読み聞かせなどをする 読書ボランティア 町内には読書ボランティア団体 が い く つ も あ り ま す。 本 の 修 繕 や 布 絵 本 の 作 成 な ど、 団 体 に よ っ て 活動内容はさまざまです。 その中の取り組みの一つとして 「本の読み聞かせ」があります。 「岡 垣 く す の 木 の 会 」で は、 子 ど も た ちが本を好きになるきっかけ作り な ど を 目 的 に、 岡 垣 サ ン リ ー ア イ 図 書 館 や 中 央 公 民 館、 各 小 学 校 な どで行っています。 近 年 で は、 学 校 や 地 域 が こ れ ま で 以 上 に、 子 ど も の 読 書 を 進 め る 取 り 組 み に 力 を 入 れ て い ま す。 そ の 背 景 に は、 娯 楽 な ど が 充 実 し た 現 代 社 会 で、 子 ど も た ち が 読 書 か ら離れている現状があります。 広報おかがき 2016.7.25 3 岡垣くすの木の会とは? 安 部 平 成 3 年 に 設 立 し、 現 在 は 人のメンバーで子どもたち に絵本の読み聞かせを行ってい ま す。 本 だ け で な く 手 作 り の パ ネ ル シ ア タ ー な ど も 利 用 し、 季 節 ご と に 内 容 も 変 え て、 子 ど も たちが楽しめるように工夫して います。 首藤 私は知人に誘われて読書 ボ ラ ン テ ィ ア を 始 め ま し た。 集 中して楽しそうに聞いてくれる 子 ど も に 出 会 う こ と が、 私 た ち の喜びになっています。 14 代表 首藤久美さん 56 60 57 40 中学2年生 0 (%) 小学2年生 小学4年生 小学6年生 3 5 4 27 嫌い 少し嫌い 少し好き 好き 11 11 50 49 10 10 13 20 30 33 30 28 子どもたちが読書から 離れている 50 近 年、 携 帯 電 話 や ス マ ー ト フ ォ ンなどの普及や子どもたちの生活 環境の変化により、子どもの活字・ 読書離れが進んでいると言われて い ま す。 平 成 年 5 月 に 全 国 学 校 図書館協議会が行った調査による と、 学 年 が 上 が る に つ れ て 読 書 量 は 減 少。 高 校 生 で は、 パ ー セ ン ト以上の人が1カ月に1冊も本を 読んでいないという結果が出てい ます。 全国的に大きな課題となってい る 子 ど も の 読 書 離 れ。 町 が 昨 年 行 っ た ア ン ケ ー ト の 結 果 か ら、 町 も同じような傾向にあることが分 かりました。 27 子どもたちが本を 読まなくなっている 年齢が上がるにつれて嫌い な子が増えている。 子どもたちの読書活動の現状や傾向を把握するため、平成 年6月に町 内の小学2・4・6年生と中学2年生のうち、各学校から1クラスを抽出し てアンケート調査を行いました。 Q 読書は好き? A 読書が好きな子は多いが、 4 広報おかがき 2016.7.25 10 25 ほとんど読まない 1~2冊 3~5冊 6冊以上 子どもに読書習慣を 身につけさせるために 10 町内の小中学 校 では、子 ど もた ちに集中力や読解力を身につけさ せるため、 朝の時 間 を使っ た 読書 活動に取り組んでいます。 小学校で行うのは「読み聞かせ」 。 ボランティア団 体 や地域 の 人、保 護 者 な ど が 絵 本 や 紙 芝 居 を 読 み、 子どもたちは本の世界を楽しんで い ま す。 中 学 校 で は、 そ れ ぞ れ が 好きな本を 分間集中して読んで います。 40 10 30 20 朝の読書活動で読書習慣が身に 長い休みのあとは 図書室の貸出冊数が減少 50 小学2年生 小学4年生 小学 読書習慣は意識して 時間をつくることが大切 つ い た 子 ど も た ち は、 図 書 室 で 読みたい本を借りるようになりま す。 し か し、 夏 休 み な ど の 長 い 休 みのあとは貸出冊数が一気に減 少。 長 い 休 みに は 定期 的 な 読 書の 時 間 が な くな り、 自由 に 過 ご す時 間 が 増 え るた め、 読書 の 習 慣 が薄 れていってしまうのです。 0 子どもたちに読書習慣を身につ け さ せ る た め に は、 家 庭 で 読 書 の時間をつくる働きかけが大切で す。 夏 休 みな ど は読 書 習 慣 が薄 れ る 時 期 でも あ りま す が、 ま とま っ た 時 間 が確 保 でき る た め、 読書 を 定着させるためによい機会でもあ ります。 今 年 の夏 休 みは、 家 族 み んな で 読書に取り組んでみましょう。 広報おかがき 2016.7.25 5 がない子が多い。 60 小学6年生 中学2年生 4% 6 ※読書が「少し嫌い」 「嫌い」と答えた人の理由 0 (%) 勉強が忙しい 0 Q 読書が嫌いな理由は? ほかのことをしていて時間 A 1カ月に何冊本を読む? 小学2年生 小学4年生 10 15 26 20 6 4 5 20 27% 19 TVや ゲームをする 32 本が好きでない 18% 18 20 30 32 40 35 40 30% 読みたい 本がない 60 友達と遊ぶ 年齢が上がると冊数は減少。 クラブや習い事で 時間がない 54 52 11% 42 50 10% 60 嫌いな理由は? (漫画以外) Q 1カ月に何冊本を読む? A 低学年は6冊以上が多い。 小学 2 年生 小学 4 年生 小 0 特集 おうちで本を 読んでいますか ブックスタートで絵本をもらったことがきっか うちどく けで、家読を始めました。4歳の長男が幼稚園 に行く前の5~ 10 分間、絵本を1、2冊読ん でいます。子どもたちは、毎日読み聞かせの時 飯田真理子さん 間を楽しみにしています。好きな絵本は何度も 「読んで」とお願いしてきます。 家読をして良かったことは、言葉を覚えるのが早かったことや絵本で 使われているきれいな言葉が身についたことです。おかげで子どもをほ める機会が増え、親子のコミュニケーションもしっかりと取れています。 小さなときから身につけた読書習慣は、子どもの健やかな成長にもつながりま す。読書習慣をしっかりと定着させるために、家庭でも積極的に本を読みましょう。 おうちは 家族の読書空間 きれいな言葉で 話すようになりました おうちで本を読もう うちどく 「家読」という言葉を耳にしたこ とはありますか。これは読書を通じ て家族のコミュニケーションを深め ることを目的とした取り組みです。 た だ 本 を 読 む だ け で は な く、 家 族 み ん な で 図 書 館 を 利 用 し た り、 好きな本について話し合ったりす る こ と で 家 族 の 絆 も 深 ま り ま す。 皆 さ ん の 家 庭 で も、 テ レ ビ を 消 し て「家読」に取り組んでみませんか。 それぞれの生活に合った 方法で取り組んでみよう 家読に決まったルールはありま せ ん。 次 の よ う な 例 を 参 考 に、 家 庭に合った方法を見つけましょう。 ○週一 回「 読 書 の 日 」を 決 め、 み んなで読書をする ○みん な で 一 冊 の 本 を 読 み、 感 想 を話す ○大人 が 子 ど も に、 子 ど も が 大 人 に読み聞かせをする ○料理 な ど の 本 を 読 み、 一 緒 に 作って食べる など 本が好きな子どもに 育てるために 子どもたちは「本を読みなさい」 「読 書は大 切だ」と言うだけではな かなか本に興味を持ちません。子ど 6 広報おかがき 2016.7.25 特集 おうちで本を 読んでいますか おすすめBOOK 小学生 今日から始める家読 岡垣サンリーアイ図書館では、家族で読書 を楽しむためのブックガイドを作成していま す。その中からおすすめの本を紹介します。 へんてこもりにいこうよ 注文の多い料理店 著者:たかどのほうこ 著者:宮沢賢治 出版:偕成社 出版:岩波書店 乳幼児 中学・高校生 空色勾玉 著者:荻原規子 出版:福武書店 いちご同盟 著者:三田誠広 出版:集英社 あおい目のこねこ 著者:マチーセン 出版:福音館書店 かもさんおとおり 著者:マックロスキー 出版:福音館書店 布 絵 本 図書館には、ボランティアの皆さんが子ども たちのために作った「布絵本」を置いています。 布絵本には、取り外しができる小さな人形がつ いているなど、 楽しい仕掛けが 盛りだくさん。 ぜひ手に取っ てみてください。 子どもの発 達 段階に 応じて、3種類のパンフ レットを作 成しました。 家 読の本を選ぶときの 参考にしてください。 設置場所 岡垣サンリー アイ図書館、東部・中央・ 西部公民館、こども未来 館など 7 広報おかがき 2016.7.25 もが本を好きになるためには、親が 子どもと一緒になって読書に親しむ 機会をつくることが大切です。 大人になっても覚えている絵本 や本は、誰にでもあると思います。 そ の 本 が、 子 ど も に 読 ま せ た い 本 で あ り、 家 読 に 向 い て い る 本 で も あります。 ま ず は、 思 い 出 の 一 冊 を 子 ど も たちに伝えることから始めてみて ください。 家読パンフレットを作成しました!
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