2016/ グローバル・マクロ・ トピックス 7/25 投資情報部 シニアエコノミスト 吉川 健治 中国:積極財政の強化と雇用安定で安定成長を維持 ~GDP統計評価(2016年1-6月期)と今後 2016年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.7%と安定成長を維持、1-6月期では同 +6.7%と政府目標の同+6.5%~+7%の範囲内におさまった。産業別では2次産業が2014年以降 鈍化基調にあるなか、3次産業が底堅く推移し経済全体のけん引役。需要面では投資・輸出 主導から消費主導の成長へ緩やかにシフトし、減速基調は続こう。 6月のマネーサプライM2は前年同月比+11.8%と3ヵ月連続で政府目標(前年比+13%)を下回 り、政策調整の動き。社会融資総量が1-3月期の急増から4-6月期は大幅調整。一方で、地 方債の発行額が1-3月期の9,554億人民元から4-6月期は2兆6,555億人民元と急増、積極財 政が強化され、公共事業向け等に資金投入された。 1-6月期の実質GDP 成長率は 前年同期 比+6.7%と政府目標 の範囲内で推移 2016年4-6月期の実質GDP成長率は前年同期比+6.7%と安定成長を維持、1-6 月期では同+6.7%と政府目標の同+6.5%~+7%の範囲内におさまった。1-6月期の需 要項目別実質GDP成長率寄与度の内訳をみると、総資本形成が同+2.5%と1-3月期 よりやや上向き、純輸出が同▲0.7%とマイナス幅が縮小、最終消費支出が同+4.9% と鈍化ながらも成長をけん引した。今後も投資・輸出主導から消費主導の成長へ緩 やかにシフトし、減速基調は続こう。 中国の実質GDP成長率と需要項目別寄与度 (四半期:2009/3~2016/6) (%) 15.0 純輸出 総資本形成 最終消費支出 実質GDP成長率 12.5 10.0 8%ライン 7.5 7%ライン 5.0 2.5 0.0 ▲ 2.5 ▲ 5.0 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)毎年1月からの累計の前年同期比 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 3次産業が雇用の安 定等を背景に成長を けん引 産業別実質GDP成長率と名目GDP比率をみると、2次産業が2014年以降鈍化基 調にあるなか、3次産業が底堅く推移し経済全体のけん引役となっている。16年4-6 月期の名目GDPに対する3次産業の比率が51.9%と50%超えが定着の方向。一方、 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 1 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス 雇用面では16年に入り、求人倍率の低下が続くも、1-6月期の都市部の新規就業 増加者数は底堅い動きだ。 中国の産業別実質GDP成長率と名目GDP比率 (四半期:2011/3~2016/6) (%) 中国都市部の新規就業増加者数と求人倍率 (%) 12 100 80 2次産業比率 (右目盛) 70 8 50 6 10 13 14 15 16 0.95 0.90 うち、3次産業 (左目盛) 0 12 1.00 うち、2次産業 (左目盛) 20 11 1.05 500 うち、1次産業 (左目盛) 30 2 1.10 実質GDP成長率 (左目盛) 40 4 1.15 1,000 1次産業比率 (右目盛) 60 (倍) 都市部新規就業増加者数(左目盛) 年間の就業目標(左目盛) 求人倍率(右目盛) 1,500 3次産業比率 (右目盛) 90 10 (四半期:2008/3~2016/6) (万人) 0 0.85 08 (年) 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)都市部新規就業増加者数は毎年1月からの累計で2008年1-9月期から 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 (注)前年同期比 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 中国の国民経済社会発展計画の2016年目標と1-6月期実績、2015年目標と実績 No 項目 単位 2016年目標 実質GDP成長率 名目GDP規模 2 消費者物価 前年比% 兆人民元 前年比% 6.5~7.0 72.7 3前後 3 全社会固定資産投資 前年比% 10.5前後 4 社会消費財小売総額 5 貿易総額 6 鉱工業生産 都市部新規増加就業者数 7 都市部登録失業率 1人当たり平均全国民可処分所得(実質) 8 1人当たり平均農村住民純収入(実質) 全国一般公共財政収支(調整後) 9 財政収支対名目GDP比率(調整後) 前年比% 1 10 マネーサプライM2 1-6月期実績 2015年実績 2015年目標 6.7 6.9 7前後 34.1 67.7 70.4 2.1 1.4 3前後 9.0 (農家除く) 6前後 1,000以上 4.5以下 10.3 ▲ 3.3 6.0 717 4.05 前年比% 前年比% 実質GDP成長率と同 程度の伸び率 6.5 6.7 億人民元 % ▲ 21,800 ▲ 3.0 - 前年比% 13前後 前年比% 前年比% 11前後 9.8 具体的数字は未設定 万人 % 15 10.7 13 ▲ 7.0 6前後 6.1 8前後 1,312 1,000以上 4.05 4.5以下 7.4 実質GDP成長率と 7.5 同程度の伸び率 ▲ 16,200 ▲ 16,200 ▲ 2.4 ▲ 2.3 11.8 13.3 (6月:前年同月比) 12前後 (注)名目GDP規模の目標は財政収支対名目GDP比率、全国一般公共財政収支よりみずほ証券試算、2016年1-6月期実績は前年同期比 出所:中国全国人民代表大会(全人代)における政府活動報告資料等、CEICデータによりみずほ証券作成 消費マインドが6月に 改善、消費伸び率が 政府目標に接近 消費財小売総額は2016年6月に消費マインドの改善にともない、前年同月比 +10.6%と上向き政府目標(前年比+11%)に接近、物価調整後の伸び率では前年同月 比+10.3%と15年12月以来の10%超えであった。ネット通販が1-6月期に前年同期比 +28.2%と好調で、消費全体に占める割合が14.3%と上昇基調にある。 中国の消費財小売総額と消費マインド (ポイント) (%) (月次:2008/1~2016/6) 120 25 110 20 100 15 消費者信頼感指数(左目盛) うち、消費者満足度指数(左目盛) うち、消費者期待指数(左目盛) 物価調整後の消費財小売総額(右目盛) 消費財小売総額(右目盛) 消費財小売総額の政府目標(右目盛) 90 80 08 09 10 11 12 10 5 13 14 15 16 (年) (注)消費財小売総額は前年同月比、毎年1~2月は累計の前年同期比。 物価調整後の 消費財小売総額は2012年1月から 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 2 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス CPIは食品を中心に 安定化の動き 一方、消費者物価指数CPIは6月に前年同月比+1.9%と+2%前後で安定的に推移 した。特に食品価格が豚肉価格の高騰一服や生鮮野菜価格の安定化、等により CPI全体の伸び率を押し下げ、今後、CPIは安定的な動きが続こう。 中国の主な品目別消費者物価騰落率の寄与度 (%) (月次:2006/1~2016/6) 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1 0 ▲1 ▲2 居住 娯楽教育文化用品 交通通信 医療保険 家庭設備用品 衣類 タバコ酒 食品 消費者物価CPI 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 (注)前年同月比、物価統計の算定方式において、2011年に品目別CPIの加重ウエ ートが変更、2016年には 一部の品目括りとCPI加重ウエートが変更されたことを考慮後の品目別CPI寄与度はみずほ証券試算 「食品」から「食品タバコ酒」への品目括りの一部変更については、 変更せずに表示 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 民間投資伸び率が6 月にマイナス。国有 企業がインフラ投資 拡大等で好調。不動 産過熱が一服 16 (年) 1-6月期の固定資産投資は民間投資の大幅な鈍化により押し下げられ、前年同 期比+9.0%と+10%を割れ、政府目標(同+10.5%)を下回った。月次の前年同月比の動 きをみると、低調な製造業中心の民間投資が6月にマイナス成長に転じたが、国有 企業投資がインフラ投資の拡大等により高い伸び率を維持し投資全体を下支え。 不動産開発投資は市場の過熱が一服し鈍化。この傾向は今後も続こうが、公共事 業依存型の投資は持続性に問題があるため、今後も固定資産投資の緩やかな鈍 化が続こう。 一方、住宅市場は、新規着工面積が1-6月期に前年同期比で+14.0%、販売面積 が同+28.6%、販売額が同+44.4%とピークアウトの動きがみられ、不動産開発投資の 先行き鈍化を示唆しているようだ。 中国の固定資産投資 (%) (月次:2008/1~2016/6) 50 固定資産投資 うち、国有企業 うち、民間投資 うち、インフラ投資 うち、不動産開発投資 40 30 20 国有企業 インフラ投資 政府目標 10 固定資産投資 不動産開発投資 民間投資 0 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)毎年1月から累計の前年同期比、インフラ投資は2014年4月から(2014年12月 は未公表)、民間投資は2011年1月から 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 3 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス 上半期は 輸出が 前 年同期比▲7.7%、輸 入が▲10.2%と厳し い。一方、資源輸入 量は底堅い動き 2016年上半期(1~6月)は輸出が前年同期比▲7.7%と15通年(前年比▲2.8%)よ り悪化、輸入が同▲10.2%と15通年(同▲14.1%)に続き2ケタの減少。下半期(7~12 月)も厳しい状況が予想される。主な資源エネルギー商品輸入量は16年1-3月期に 回復の動きが強まり、4-6月期も底堅い動きが続いた。政府の積極財政の強化等に ともなう国有企業投資の拡大や鋼材輸出量の増加等の動きが資源輸入量の拡大を 促したが、下半期は行き過ぎに対する微調整の動きに留意が必要だ。 中国の貿易動向 (%) (月次:2011/1~2016/6) 60 輸出 輸入 輸出(季節調整後) 輸入(季節調整後) 50 40 30 20 10 0 ▲ 10 ▲ 20 ▲ 30 11 12 13 14 15 16 (年) (注)前年同月比 出所:中国海関総署資料、CEICデータよりみずほ証券作成 財政支出が高い伸び 率を維持。4-6月期は 地方債発行額が 急 増、公共事業向け等 に資金投入 2016年の財政動向は、財政収入が減税規模の拡大等により1-3月期の前年同期 比+6.8%から4-6月期に同+7.9%とやや上向き、財政支出がインフラ投資拡大等によ り1-3月期の同+15.7%から4-6月期には同+15.1%と2ケタの高い伸び率を維持した。 16年の地方債発行は借換債が5兆人民元(借換債の各四半期の発行額上限は 30%)、一般債と特別債が合計で1兆1,800億人民元の計画であるが、実際の発行額 は1-3月期の9,554億人民元から4-6月期は2兆6,555億人民元と急増し(1-6月期で は3兆6,109億人民元)、公共事業向け等に資金投入された。なお、社会融資総量 (P5の上段グラフを参照)が1-3月期の急増から4-6月期の大幅調整とのバランスが とれた動きとも言えよう。 中国の財政動向と実質GDP成長率 (%) (%) (四半期:2008/3~2016/6) 60 13 財政収入(左目盛) 50 財政支出(左目盛) 12 40 実質GDP成長率(右目盛) 11 30 10 20 9 10 8 0 7 6 ▲ 10 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)前年同期比 出所:中国国家統計局資料、財政部資料、CEICデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 4 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス M2 が 3 ヵ月連続で政 2016年6月のマネーサプライM2は前年同月比+11.8%と3ヵ月連続で政府目標(前 府目標を下回る。社 年比+13%)を下回り、政策調整の動きがみられる。6月のM2の要因分析をすると、 会融資総量が 4-6 月 ベースマネーが5ヵ月ぶりに前年同月比で若干のプラスに転じたが、信用乗数が 期に 前年同期比▲ ピークアウトしM2を押し下げた。なお、中国人民銀行は中期貸出制度や担保付補 25.1%と政策調整の 充貸出制度等を活用し、金融市場に資金供給を増やしている。 社会融資総量が1-3月期の大幅な増加(前年同期比+42.9%)から、4-6月期は同 動き ▲25.1%と大幅に減少、調整の動きがみられる。4-6月期の社会融資総量の主な内 訳をみると、人民元貸出は前年同期比▲5.5%と減少、企業債券純資金調達が債券 発行環境の悪化等を背景に同▲22.0%、銀行引受手形がシャドーバンク規制の強 化等を受けて同▲3,474億人民元、等ノンバンク部門が大幅に減少した。 (億人民元) 30,000 25,000 20,000 中国の社会融資総量とその内訳 (四半期:2008/3~2016/6) 新常態への適切な対 応策か(疑問符) 金融緩和のアクセル を踏み込む動き (2016年1-3月期) リーマンショック後の 対応策 金融超緩和 (2009年1-6月期) 社会融資総量 (前年比 %) 09年:+99.3 10年:+ 0.8 11年:▲ 8.5 12年:+22.9 13年:+ 9.9 14年:▲4.8 15年:▲6.5 16年1-3月期:前年同期比+42.9 4-6月期:同▲25.1 15,000 企業株式増資 企業債券純資金調達 10,000 銀行引受手形 信託貸出 5,000 委託貸出 外貨貸出 0 人民元貸出 社会融資総量 ▲ 5,000 (年) (注)四半期の数値は月平均金額 出所:中国人民銀行資料、CEICデータよりみずほ証券作成 M2の鈍化に対し、M1 が急上昇との異なる 動きに留意 マネーサプライのM1(現金と要求払預金)とM2(M1と定期性預金等の準通貨)の 動きに異なる変化がみられる。M2の鈍化に対し、M1が前年同月比+24.6%と大幅に 上昇、新築住宅価格との連動性が高まった。 中国のマネーサプライと住宅価格、名目GDP成長率 (月次:2002/1~2016/6) (%) 40 マネーサプライM2(左目盛) (%) 30 マネーサプライM1(左目盛) 30 名目GDP成長率(左目盛) 新築住宅価格(右目盛) 20 10 0 20 10 ゼロ(右目盛) 0 ▲ 10 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 (年) (注)前年同月比、名目GDP成長率は前年同期比で2016年4-6月期まで 新築住宅価格は2008年2月から 出所:中国国家統計局資料、CEICデータよりみずほ証券作成 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 5 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス 新築住宅価格が15年下半期以降持ち直しの動きにあるが、短期資金のM1が不 動産の投機的な動きを促しているようだ。 家計部門の高利回り商品等への投資意欲の高まりに加えて、「地王(高値での土 地の落札者)」は地方政府系国有企業や中央政府傘下の製造企業が大半を占め、 1級都市から2級都市にまん延しているとの報道がみられる。今後、政府の規制強化 等を反映するM1の動きが注目される。 外貨準備が 再び 増 加。ただし、人民元 下押し圧力は根強 く、外貨増減は単月 ではなく、トレンドに 注目 外貨準備高は2015年8月の人民元切り下げにともなう資本流出の動きを受けて、 16年1月まで前月比で大きく減少したが、3~4月にかけて人民元の下押し圧力が緩 和され、増加に転じた。 しかし、5月以降は再び人民元安の動きに転じ、中国当局による為替介入等によ り外貨準備高は前月比▲279億ドルと再度減少、6月は同+134億ドルと増加した。今 後は単月の外貨増減ではなく、トレンドに注目したい。 2016/6/24の英国民投票での欧州連合(EU)離脱選択の報道を受けて、人民元 安が再び加速、足元は1ドル=6.70人民元前後で推移している。 人民元対ドルレートと米中の金利差(中国の国債利回り-米債利回り)の動きを みると、足元は米中の金利差が拡大しているが、人民元安の動きにある。これは中 国経済の先行き減速懸念の高まりや金融緩和期待等を反映したものと言えよう。年 末に向けて緩やかな人民元安が想定される。 人民元対ドルレートと外貨準備の増減 (月次:2011/1~2016/6) (億ドル) (1ドル=人民元) 1,500 人民元高 6.10 1,000 6.20 500 6.30 0 6.40 ▲ 500 6.50 ▲ 1,000 人民元対ドルレート(月末:右逆目盛) ▲ 1,500 11 12 13 6.60 ▲ 939 外貨準備の増減(左目盛) 14 2015/8 人民元切り下げ 15 16 6.70 (年) (注)外貨準備の増減は前月比、人民元対ドルレートは月末レート 出所:中国人民銀行資料、CEICデータよりみずほ証券作成 今後、注目される会議として、7月下旬に開催予定の党中央政治局会議が挙げら れるが、上半期の景気情勢と政策の進ちょく状況等の総括および下半期の経済政 策の検討・見直し、等が発表されよう。また、2016/7/12にオランダ・ハーグの仲裁裁 判所が南シナ海の領土主権・海洋権益等の問題をめぐり、中国側に厳しい判決を 下した。今後の中国の対応次第では、政治外交の要因が中国の経済・貿易に影響 を及ぼす可能性も想定されるため、今後の動向に留意したい。 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 6 2016/7/25 グローバル・マクロ・トピックス 金融商品取引法に係る重要事項 ■国内株式のリスク リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化 等により、投資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。 ■国内株式の手数料等諸費用について ○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料 をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税 込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。 ○保護預かり口座管理料は無料です。 ■外国株式のリスク ○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含 む)、国や地域の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込 むことがあり、損失を被ることがあります。 ○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与 えることがあります。 ○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が 当該証券の高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。 ○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売 却してお客さまの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市 場があっても当該証券の流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生し ても本邦投資家が取り扱いできないことがあります。 ○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商 品取引法に基づいた発行者開示は行われていません。 ■外国株式の手数料等諸費用について ○外国委託取引 国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および 諸費用の額は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。 詳細は当社の担当者までお問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金 に対して最大 1.08%+2,700 円(税込み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、 約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。 ○国内店頭(仕切り)取引 お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別 途手数料および諸費用はかかりません。 ○国内委託取引 当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託 手数料をご負担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手数料としてご負担いただきます。 ○外国証券取引口座 外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券 取引口座管理料は無料です。 外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決 定した為替レートによるものとします。 商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書または お客さま向け資料等をよくお読みください。 商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号 加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、 一般社団法人第二種金融商品取引業協会 広告審査番号 : MG5690-160725-05 この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する 最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全 性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随 時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。 7
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