2016 年度 宇宙物理入門 レポート課題 2016/07 鶴 剛 ○レポート課題 銀河団プラズマに関して下記の問題を解け.簡単のため,プラズマは球対称に分布し,電 子と陽子のみで構成されている (ヘリウムや重元素は含まない),半径 r での陽子の密度分 布 (すなわち電子の密度分布も同じ) が,下記の式で近似できるとする. [ ]−1.2 (r < Rmax ) (1) n(r) = n0 1 + (r/rc )2 =0 (r > Rmax ) (2) ここで,Rmax = 2(Mpc), n0 = 3 × 10−3 (cm−3 ), rc = 0.3(Mpc) である.プラズマの温度 は kT = 5(keV) であり,熱制動放射プロセスによりX線を放射を行っている. (1) 銀河団中心での単位体積あたりのプラズマのエネルギー密度を計算せよ.また宇宙 背景放射のエネルギー密度と比較せよ. (2) 銀河団中心での単位体積あたりのプラズマの Emissivity ϵff (ergs sec−1 cm−3 ) を計 算せよ.また,冷却時間を求めよ. (3) 銀河団中心から Rmax までの電子の柱密度 Ne を求めよ.さらにトムソンの散乱断面 積に対する光学的厚みを求めよ.1(keV) X線に対する熱制動吸収による光学的厚みを求 めよ. (4) 銀河団全体を距離 D = 250(Mpc) から観測した場合のX線スペクトルを求めよ.エ ネルギーバンドはX線のみで構わない. (5) 半径 r より内側に含まれる質量を Mr と書く.プラズマ質量に関して半径 r に対す る Mrgas の値を図示せよ. (6) 静水圧平衡を仮定し,プラズマ分布から得られる重力質量に関して,半径 r に対す る Mrgrav の値を図示せよ. ※付記 • 数値を求める過程も記載してください. • いくつかの場面で数値計算をすることになる.それに必要なプログラムやエクセル ファイルは自分で作ること (提出してもらいます). • レポートなので,もしも必要な仮定などがあれば,自分で適切だと考えるものを自 分で決めること. • グラフはすべて log − log スケールで示してください. • わからないことがあればメール等で質問をしてください.成績をつける課題である ことを考慮し,適切と思う範囲で答えます. 1 ○提出方法など • 提出期限: 2016 年 8 月 7 日 • 氏名,学生番号,連絡先 (メールは必須) を忘れずに. • 提出物: レポート本体と,数値計算を行うために作成したプログラムのソースコー ドやエクセルファイルなど. • 提出方法: [email protected] 宛にメールで提出してください.受 領したら私から受領確認メールを送ります.もし受領確認メールがなかなか来ない 場合はレポートが届いていないのかもしれません.その場合には別途,何からの形 で私に連絡をしてください. • メールでレポート本体を提出することがどうしても難しい場合は,理学部 5 号館 3F 334 号室 (鶴居室) のドアに付ける袋にいれてください.その場合でも,プログラム ソースコードやエクセルファイルはメールで提出してください. • 言うまでもなく,ほぼ同一と判断できるレポートやプログラム等が複数あった場合 は,不正行為と見なして,ともに不可とします. • 講義録を http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/tsuru/ の下で公開し ていますので,参考にしてください.ただし,サイズは 100MB 近く,また全く間違 いがないとは言えないので,レポート作成の際には盲目的に信じないで自分の手で 確認すること (もちろん,勉強になる). • 私への連絡先などは http://www-cr.scphys.kyoto-u.ac.jp/member/tsuru/ を 参照. 2
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