46 表紙から 2016 7/30 CONTENTS 都心に立ち並ぶクレーン は再開発の活況を象徴 する。ゼネコンは最盛期 を迎えている。 ゼネコン 50 50 56 61 62 66 69 Getty Images バブル超え 【図解】ゼネコン復活も実態は東京一極集中 PART 48 【第 1特集】 1 バブルに沸くスーパーゼネコン 五輪後も続く再開発 優良案件を「選別」 ゼネコン熱視線! リニア新幹線工事が始動 年収が増えたゼネコン ランキング 1位は3年で321万円増の福田組 ゼネコンは仲良くすみ分け 関東五輪は成功するか ゼネコンを次々買収 ハウスメーカーの狙い スーパーゼネコン最新技術 TOP INTERVIEW 55 白石 達 ● 大林組社長 65 村田誉之 ● 大成建設社長 80 84 加速する建築家外し INTERVIEW│隈 研吾 ● 建築家「建築に保守的な日本は世界に出遅れてしまう」 PART 74 ゼネコンが設計・施工を丸抱え 未上場ゼネコン 総合力ランキング386社 3 構造問題を解決できるか 84 下請けは依然悲鳴 10年後労働者は 消滅 86 労働者育成も 丸投げ 根深い重層下請け構造 88 「造る」から「運営」へ コンセッション元年 89 ▶ICTがゼネコンを救う? 90 インフラ老朽化が加速 現実的な対処法を描け 55 大林組 社長 「10年先までは 大丈夫。次々と 新しい顧客が出てくる」 押味至一 60 鹿島 社長 「リニアに掘削の 新技術を投入。 採算もそれほど心配ない」 村田誉之 2 地方ゼネコンの苦境 全国縦断ルポ! 大成建設 社長 【北海道】公共工事が減り8 年ぶりに倒産増加 【東北】福島原発を除き復興需要はほぼ終焉 【関東】都心に人手集中、深刻な建築コスト高 【北陸】新幹線工事終え富山は最低水準に 【九州】崖っ縁から一転、復興需要の争奪戦へ 【関西】総崩れの中で独り気を吐く兵庫県 PART 70 72 60 押味至一 ● 鹿島社長 68 井上和幸 ● 清水建設社長 白石 達 65 「まだ余裕がある。 18∼19年を ピークに仕事が3割増える」 井上和幸 68 清水建設 社長 「五輪後も 高水準を維持。 施工能力を一段高める」 CONTENTS 2016 7/30 ニュース最前線 9 | 経 済 を 見 る 眼 |EU離脱とイギリスの大学/苅谷剛彦 11 | こ の 人 に 聞 く |前田東一 ● 荏原社長 |世界で生き残る下限は売上高5000億円だ 29 | 少 数 異 見 |東京都知事選の正常化はこの際、2回がかりで この人に聞く 荏原社長 前田東一 9 経済を見る眼 苅谷剛彦 92 95 96 98 100 102 104 105 106 107 110 115 118 11 18 ポケモンGOに大騒ぎ! 日本上陸で高まる興奮 知の技法 佐藤 優 95 ニュース戦記 星浩 20 半導体設計会社に変身 孫正義、3兆円の賭け 22 空の産業革命の試金石 幕張でドローン宅配へ 巻 頭 記 |次期総選挙で野党は共闘するか/星 浩 | 知 の 技 法 |トルコのクーデターから何を読み取るか/佐藤 優 | 中 国 動 態 |求心力を高める習近平 次なる標的は「共青団」/富坂 聰 | フ ォ ー カ ス 政 治|参院選"敗北"で見えた野党結集の効果と課題/山口二郎 | 株 式 観 測 |デフレ脱却に向け高まる積極財政論への期待/藤戸則弘 | 為 替 観 測 |ヘリコプターマネー論に立ちはだかる民主主義の壁/高島 修 | マ ク ロ ウ ォ ッ チ |低下するインフレ期待 日銀追加緩和でも効果薄く 投 資 の 視 点 |ブックス &トレンズ|『日本の革新者たち 100人の未来創造と地方創生への挑戦』を書いた齊藤義明氏に聞く ほか | Readers & Editors|読者の手紙、編集部から |生 涯 現 役の人 生 学|無隣の人には木が寄り添う/童門冬二 98 100 110 36 津賀改革、I FRS導入の深謀遠慮 118 本誌の記事は「日経テレコン」 「G-Search」 「ELNET」 「FACTIVA」等のデータベースに収録されており、フリーキーワードで検索、購入できます。 今期からの I FRS導入は事業の高位平準化が狙い 津賀改革がたどり着いた創業者松下幸之助の言葉 電子部品の大転換 40 図表作成:小堺賢吾 I NTERVIEW 河井英明● パナソニック専務 深層リポート 生涯現役の人生学 童門冬二 5 ビジネスアスペクト インベスコ・アセット・マネジメント/超低金利時代の頼れる運 用会社インベスコ 26 シスコシステムズ もはや、ただの「防御策」 ではない サイバーセキュリティは企業の 成長エンジンになる時代へ 28 フジッコ ストック型ランチ「ベスタデリ」という新しい選択 108 グローバル経営支援セミナー インドネシア編 119 Campus STYLE 関西外国語大学 パナソニック 再浮上の条件 電池、住宅、介護… 頼みの綱も茨の道 39 PR 集 34 38 ブックス& トレンズ 『日本の革新者たち』 齊藤義明 グローバルアイ ゴードン・ブラウン 米国では一斉にプ レーに興じる人々 の姿が見られた パナソニックの復活劇に陰りが見える。10兆円の売り上げ目標は撤回、 今期は減益計画。赤字事業の数も増えている。踊り場を突破できるのか。 |配当利回り|株主還元強化の恩恵 株安で配当利回り上昇 中国動態 富坂 聰 特 巨艦 30 | グ ロ ー バ ル ア イ|不透明要素が多い英国のEU離脱/ゴードン・ブラウン ほか | 南シナ海が抱える火種 中国の膨張戦略に逆風 96 | ゴ ル フ ざ ん ま い|リオ五輪出場辞退の本当の理由… !?/三田村昌鳳 |ニュース戦 24 僕らの 「クルマ」 論。 スマートフォン向けから自動車向けへ――。 成長モデルの転換期に差しかかった電子部品会社トップが今後の戦略を語る。 44 I NTERVIEW 電子部品の三羽がらす 自動車をこう攻める 山口悟郎●京セラ社長 「ティア1.5」として生き残る 石黒成直●TDK社長 ビジネスチャンスは無限にある 栗山年弘● アルプス電気社長 「ニッチティア1」を育てる 「 写真は左からeコックピットなど の車載製品、神奈川・藤沢のスマ ートタウン、海外家電の店舗、介 護事業の現場 兆円の目標を立て、舌の根 も乾かぬうちに撤回するの か、 という指摘はごもっとも﹂││ 。 6月 日に開かれたパナソニック の株主総会では、株主からの﹁成長 戦略が見えない﹂という指摘に対 し、こう答える津賀一宏社長の姿が あった。同日、津賀社長再任の可否 は %。過去3回の賛成比率がすべ を問う議案が諮られたが、賛成比率 て8割以上だっただけに、その低下 が目立つ結果となった。 今は昔、2011年度と 年度に 計1兆円以上の最終赤字に沈んだパ 営業利益3500億円という 年度 ナソニックは、津賀社長の舵取りで 12 ∼ 年度の中期経営計画を1年前倒 13 しで達成︵ ㌻上図︶ 。苦境の東芝 功例という印象を世間に広めた。 やシャープを尻目に、V字回復の成 しかし、それも過去の代物だ。今 年3月には 年度売上高 兆円の目 標を撤回。今 年度については期初 10 から減益計画とした。 津賀社長は、今年度は成長投資の ための前向きな減益であると訴えた が、思いは届かず、投資家は失望売 りに走った。株価は1年前の約17 落。その帰結が、冒頭の株主総会に 00円から1000円割れにまで下 おける津賀体制への〝不信任〟だっ たといえる。 なぜパナソニックは停滞に陥った のか。それを見極めるため、同社の 復活劇を要因別に見ると、固定費圧 縮と材料合理化・価格低下、すなわ ち徹底した経費削減が利益回復の要 だったとわかる︵ ㌻左上図︶ 。 た︵ ㌻右上表︶ 。 次々と事業の選択と集中を進めてき やプラズマパネルの生産終了など、 津賀社長就任後、パナソニックは 個人向けスマートフォンの開発休止 津賀改革で急回復も 固定費圧縮に限界 33 その結果、大きく利益改善に寄与 したのが固定費圧縮、中でも人件費 の削減だ。パナソニックの従業員数 は 年度末に約 万人だったのが、 年度末にはその4分の3の約 万 ていた。 年度と 年度の決算を比 価格低下は、津賀社長時代にも生き 最小単位に至るまでの材料合理化・ た、基板や樹脂粉といった原材料の 人員削減だけではない。大坪文雄 前社長時代に﹁イタコナ﹂と呼ばれ は津賀改革を底辺で支えた。 が社員から聞こえるほど、人員圧縮 切った従業員の差﹂ 。そうした揶揄 シャープとパナソニックとの差は、 人に縮小。 ﹁ ︵経営危機が長引いた︶ 25 較すると、約2100億円分、その 効果で利益が改善したとわかる。 本来であれば、絞るところは絞っ たうえで、売り上げを伸ばすのがあ 30 2016.7.30 週刊東洋経済 10 66 15 33 11 15 撮影:梅谷秀司 週刊東洋経済 2016.7.30 31 32 18 16 33 15 パナソニックの復活劇に陰りが見える。10兆円の 売り上げ目標は撤回、今期は減益計画。赤字事業の 数も増えている。踊り場を突破できるのか。 本誌:田嶌ななみ、山田雄一郎 ク ッ ニ ソ ナ 件 パ 再浮上 の条 巨艦 24 11 巻頭特集 パナソニック 再浮上の条件 スマホの宴は もう終わり 電子 部 品 の大転換 アル プ ス 電 気 社 長 栗 山年弘 スマートフォン向けから自動車向け へ ──。成 長 モ デ ル の 転 換 期 に 差 し かかった電子部品会社トップが今後 の戦略を語る。 本誌:渡辺拓未 TDK 社長 石 黒 成直 電気の栗山年弘社長だ。 ﹁将来的に ターで急成長を遂げてきたアルプス 現状に危機感をあらわにするの が、スマホカメラ用のアクチュエー ﹁自動車の電装化は大きく三つの 段階に分けられる﹂とモルガン・ス 電装化を期待される自動車だ。 れている。そろって目を向けるのが 40 2016.7.30 週刊東洋経済 撮影:鈴木紳平 撮影:尾形文繁 僕 らの 「ク ルマ」論。 京 セラ 社 長 山口 悟 郎 ﹁日常で使う機能のほとんどをスマ た。 し か し、 そ の 見 通 し も 暗 い。 そのスマホ依存の成長モデルが転 換期を迎えている。背景にあるのは ホが吸収した。その需要減少を補え 年に約5倍の ・2億台に成 長。電子部品業界にとっては〝最悪 需要鈍化だ。欧米や中国など主要国 るコンシューマー機器は当面出てこ しかし、スマホ拡大の裏でデジタ ルカメラや音楽プレーヤー、パソコ は部品点数削減や単価下落で、 ︵ス タンレーMUFG証券の垣内真司ア は 界にとって最悪の製品かも の製品〟どころか、躍進の立役者と で普及が進み、買い替えサイクルが マートフォンは電子部品業 しれない﹂ 。ある電子部品大手の幹 すらいえる。 「ス 部は深刻な表情でそう話す。 ない﹂と冒頭の幹部は嘆く。 新している。原動力は間違いなくス えてきた製品がスマホに侵食され市 ンなど、これまで電子部品業界を支 マホ向け電子部品は︶需要縮小に転 スマホのピークアウトを受け、電 子部品各社は次の成長源探しを迫ら マホ向け需要の拡大だった。 場規模を落としてきたのも事実。ス ナリストは解説する。一つ目は電装 った大手はそろって過去最高益を更 年に米アップルがアイフォーン を発売したことを皮切りに、スマホ じる可能性がある﹂ ︵栗山社長︶ 。 品の装備。カーナビやエアコンはす マホ向け比率が低い日本電産などを でに多くの車両に装備されている 市場は劇的な成長を果たしてきた。 が、それ以外でも最近では安全性向 除き、多くの電子部品各社はいや応 電子部品の需要鈍化を補ってくれ 米調査会社ストラテジー・アナリテ なくなっていた。 スマホ以外の既存製品であれば、 ほかのコンシューマー機器が伸びて ずか3%に落ち込みそうだ。 16 なく成長をスマホに依存せざるをえ 製作所、TDK、アルプス電気とい 長期化。 年の出荷台数成長率はわ 撮影:今井康一 耳を疑う発言だ。2015年度の 電子部品各社の業績を見ると、村田 14 スマホの次は自動車 電装化は3段階 15 ィクスの調べによると、 年に2・ 07 9億台だった世界のスマホ出荷台数 10 週刊東洋経済 2016.7.30 41 深層リポート 電子部品の大転換 撮影:今井康一 規模の経済対策も予定される。そこに死角はないのか。 い。採算のよい仕事を慎重 まや赤字受注など一件もな 本誌:真城愛弓、木村秀哉、 筑紫祐二、 中原美絵子、 前田佳子、 並木厚憲 データ編集:久野貴也 デザイン:杉山未記 進行管理:宮澤由美 「い に選んでいる﹂ 。あるゼネコン幹部 は豪語する。 ゼネコンの勢いが止まらない。大 成建設、鹿島、大林組、清水建設の 上場₄社は₂₀₁₆年₃月期、そろ きはその急回復ぶりだ。たとえば鹿 って最高純益を更新した。特筆すべ 島の純益は、₁₅₁億円から₇₂₃ 億円へジャンプアップした。 年以降、業界を取り巻く環境は ガラリと変わった。東日本大震災の 復興需要に加え、東京五輪の開催を 見据えた再開発プロジェクトが次々 に立ち上がった。業界では人手不足 が表面化。需給は完全に逆転し、安 値受注は過去のものとなった。 ここにきて利益がバブル期を超え たのは、過去に受注した不採算工事 が縮小したことも大きい。 ﹁不採算 工事は 年₃月期に半減した。おそ 建築着工単価も﹁バブル期超え﹂ だ。 年度の非居住用建築物の着工 大型案件ほぼ独占 スーパーゼネコン爆走 至一社長︶ 。 らく今期でなくなる﹂ ︵鹿島の押味 ₁₆ 単価は約 万円/平方㍍。バブル期 のピーク、₁₉₉₂年度の 万円/ ₂₁ 平方㍍を上回った︵ ㌻上右図︶ 。 ₂₀ 労務費や資材費の高騰を価格転嫁で 46 2016.7.30 週刊東洋経済 高笑いが止まらない! ゼネコン 20 都心に次々とクレーンが立ち並び、着工単価はバブル 期を超過。スーパーゼネコンが絶好調だ。 〜 兆円 10 ₄₉ 週刊東洋経済 2016.7.30 47 ₁₁ ₁₅ 第1特集 特集/ゼネコン バブル超え バブル超 え 都心の空に伸びるクレーン。 スーパーゼネコンの勢いを 象徴している
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