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集合と位相1・読み書きワークシート 11
命題を否定する3
学籍番号
2016 年
月
日
(1・2・3・4・5)
氏 名
{an }∞
n=1 を実数列 を正の実数とする。
命題 (∗)「∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n ∈ N, n > N
=⇒ |an − 2016| < ε」
はどんな正の実数 ε に対しても、“s.t. (= such that)” 以下の条件を満たす自然数 N が存在す
る、という意味の命題である。その否定は、ある正の実数 ε に対しては、どんな自然数 N を
与えても、“s.t.” 以下の条件が満たされないということであるから、命題 (∗) の否定命題は
∃ ε > 0 s.t. ∀ N ∈ N, ∃ n ∈ N s.t. n > N, |an − 2016| ≥ ε
である。これは、
ある正の実数 ε については、どんな自然数 N を与えても、
「n > N であり、かつ、|an − 2016| ≥ ε を満たす自然数 n が存在する」
という意味の命題である。
[課題1] {an }∞
n=1 を実数列とし、次の命題 (∗1) を考える。
(∗1)
∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n ∈ N, n > N
=⇒ |an − 2016| < ε
(1) 命題 (∗1) の否定命題を書きなさい (論理記号を使ってよい)。
(2) 命題 (∗1) の否定命題を ∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文章で書きなさい。
[課題2] {an }∞
n=1 を実数列とし、次の命題 (∗2) を考える。
(∗2)
∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n ∈ N, n ≥ N
=⇒ |an − 2016| < ε
(1) 命題 (∗2) の否定命題を書きなさい (論理記号を使ってよい)。
(2) 命題 (∗2) の否定命題を ∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文章で書きなさい。
[課題3] {an }∞
n=1 を実数列とし、次の命題 (∗3) を考える。
(∗3)
∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n ∈ N, n > N
=⇒ |an − 2016| ≤ ε
命題 (∗3) の否定命題を ∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文章で書きなさい。
∞
{an }∞
n=1 を実数列とする。{an }n=1 が実数 α に収束するとは、
(♯)
∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n ∈ N, n > N
=⇒ |an − α| < ε
が成り立つときをいう。{an }∞
n=1 は実数列であるから、an の n が自然数であることは暗黙の
了解事項である。そのため、通常、n ∈ N の部分は省略される。(♯) は、どんな正の実数 ε に対
しても、“s.t. (= such that)” 以下の条件を満たす自然数 N が存在する、という意味の命題で
ある。その否定は、ある正の実数 ε に対しては、どんな自然数 N に対しても、条件「N より
も大きなすべての自然数 n に対して |an − α| < ε である」が成り立たないということであるか
ら、命題 (♯) の否定命題は
∃ ε > 0 s.t. ∀ N ∈ N, ∃ n ∈ N s.t. n > N, |an − α| ≥ ε
であることがわかる (通常、∃ と s.t. が 2 度現れることを避けるため、2 度目の方は “n > N, |an −
α| ≥ ε for some n ∈ N”のように表現されることが多い)。これは、
ある正の実数 ε に対しては、どんな自然数 N を与えても、
n > N かつ |an − α| ≥ ε を満たす自然数 n が存在する
という意味の命題である。
[課題4] {an }∞
n=1 を実数列、α を実数とし、次の命題 (∗4) を考える。
(∗4)
∀ ε > 0, ∃ N ∈ N s.t. n > N
=⇒ |an − α| < ε
(1) 命題 (∗4) を ∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文章で書きなさい。
(2) 命題 (∗4) の否定命題を書きなさい (論理記号を使ってよい)。
(3) 命題 (∗4) の否定命題を ∀, ∃, ⇒ などを使わずに、文章で書きなさい。
実数列 {an }∞
n=1 が収束するとは、それがある実数 α に収束するということである。したがっ
て、実数列 {an }∞
n=1 が収束しないとは、どのような実数 α にも収束しないということである。
[課題5] {an }∞
n=1 を実数列とする。
(1) {an }∞
n=1 が収束しないとは、どういう条件が満たされるときか?論理記号を使って表現
しなさい。
(2) {an }∞
n=1 が収束しないとは、どういう条件が満たされるときか?その条件を ∀, ∃, ⇒ な
どを使わずに、
「∼しない」
「∼ではない」という否定的な言葉を使わずに、文章で書きなさい。