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2016 年 7 月 20 日
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CBREが全国13都市のオフィスビル市場動向(2016年第2四半期)を発表
全国13都市全てで空室率は低下
東京グレードAの空室率は2008年Q1以来、8年ぶりの2%割れ
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、2016年第2四半期(Q2)の全国13都市オフィス
ビル市場動向を発表しました。
【注目動向】
 東京グレードA空室率は対前期比-1.0ポイントの1.9%と、8年ぶりに2%割れ

大阪グレードA空室率は対前期比-0.3ポイントの4.5%、再び低下に転じる

名古屋グレードA空室率は新築ビルへの移転により、2期連続の低下

地方都市全て賃料は上昇
■東京23区
2016年Q2の東京23区のオールグレード空室率は対前期比-0.3ポイントの2.4%となり、14期連続
で低下しました。今期の需要はグレードAなど新築ビルが牽引しました。有効求人倍率が約25年ぶり
の高水準となるなど、企業が採用を増やす動きは続いています。オフィス市場においても、執務ス
ペース拡張のニーズが引き続き見られています。既存ビルでは館内増床が難しくなっているため、新
築ビルへ目が向きやすい状況にあります。
一方、円高傾向が続く中、国内企業の業績見通しに対する懸念が高まっています。この状態が続け
ば、オフィス移転計画を見合わせるテナントがでてくる可能性も否めません。稼働率を上げるために
フリーレント期間を長めに設定するなど、柔軟な姿勢を見せるオーナーも一部ではみられ始めていま
す。
2016年Q2の東京のグレードA空室率は、対前期比-1.0ポイントの1.9%となり、2008年Q1以来8
年ぶりの2%割れとなりました。今期は2棟のグレードAビルが、いずれも満室で竣工しました。大手IT
企業や国内金融機関など、拡張移転や集約移転のほか、BCP対策のためのアップグレードを目的と
した需要が中心です。空室を抱えていた複数の新築ビルでもまとまったスペースが消化されました。
今後、2016年末までに竣工するグレードAビルは2棟予定されています。募集賃料が相場をやや上
回っているため、両ビルともにリーシングにやや時間がかかっています。このため、空室を残しての竣
工となる可能性もあります。
グレードAの想定成約賃料は対前期比+1.4%の35,400円/坪となりました。前期に続き、新築ビル
による平均賃料の押し上げ効果に加え、3万円/坪を下回る割安感のあるビルで募集賃料が上昇し
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ました。
CBREビル営業統括部エグゼクティブディレクター統括部長の丸山秀樹は、「業務拡張やビルグレード
向上を意図した前向きな移転が多く、企業のオフィス需要は引き続き旺盛だ。空室率の低下で、品薄
感も高まっている。一方、2018年以降の大量供給を見据えてテナントの手控え感も見え始めてきた。
空室が思うように消化されていないビルにおいては、柔軟な条件提示も見られている」とコメントして
います。
■大阪
2016 年 Q2 の大阪のオールグレードの空室率は対前期比-0.4 ポイントの 4.9%となりました。
2008 年 Q3 以来、8 年ぶりに 5%を下回り、リーマンショック前の水準に戻りました。グレード A、グ
レード B いずれも対前期比で空室率が低下しています。エリア別の空室率も、「堂島」エリアを除いて
軒並み低下しています。全国展開企業から中堅企業に至るまで床需要は旺盛であり、立地改善やビ
ルグレード向上を目的とする移転が幅広くみられました。
2016 年 Q2 の大阪のグレード A の空室率は対前期比-0.3 ポイントの 4.5%となりました。前期は
13 期ぶりに上昇しましたが、再び低下に転じています。景気見通しの不透明感が高まっていることも
あり、今後の空室率の低下ペースは穏やかになりそうです。ただし、グレード A の想定成約賃料は対
前期比横ばいとなりました。大企業の動向を反映して高額賃料帯の動きは鈍いようです。
CBRE 関西支社長の上遠野孝は、「オールグレードの空室率は 8 年ぶりに 5%を下回った。景気見通
しの不透明感から移転に慎重となる企業が増えると予想していたが、いまのところ企業の拡張や増
床意欲の高い状況は続いており、移転計画の中止や先送りといった動きはない。今後、空室率の低
下ペースは緩やかになるだろうが、空室率の低下トレンドは継続するだろう」と述べています。
■名古屋
2016年Q2の名古屋のオールグレードの空室率は対前期比-0.1ポイントの4.1%となり、10期連続
の低下となりました。館内増床や新規開設、自社ビル老朽化に伴う賃貸物件への移転などの需要が
みられました。今後2017年にかけて複数の大型ビルの竣工を控えているため、大口テナントの動き
は鈍い状況です。一方で、小口の新規開設需要は強く、やや老朽化したビルでも、分割区画をさらに
分割することで空室が消化した事例が散見されました。
2016年Q2の名古屋グレードAの空室率は、対前期比-0.4ポイントの3.0%となり、2期連続の低下
となりました。新築ビルでは郊外や他のエリアから、雇用確保やスペース拡張を理由に移転した事例
が複数みられました。グレードAビルの想定成約賃料は23,650円/坪と、対前期比横ばいにとどまり
ました。空室のあるグレードAビルは少なく、今期竣工した大型ビルも満室でのスタートとなりました。
現時点で需給は依然としてタイトと言えます。
CBRE名古屋支店長の藤本隆博は、「移転の受け皿となる空室が減少したため、テナントの動きも小
幅にとどまった。ただし新たに発生した二次空室も比較的早く成約に至るなど、オフィスニーズは堅調
である。当面、需給バランスはタイトな状態で推移するであろう」と述べています。
■全国の市況
2016年Q2の全国各都市の空室率は、調査対象13都市全て前期に比べて低下しました。全国的に
企業のオフィス需要は旺盛であり、館内増床や拡張移転、新規開設の動きは継続しています。金融
機関による館内増床や小口の新規開設がみられた「札幌」の空室率は対前期比-0.8ポイントの
1.5%と2003年調査開始以来、初めて1%台となりました。「福岡」では博多駅に隣接した大型ビル
が満室で竣工し、同-0.2ポイントの2.2%と過去最低値を更新しました。首都圏では、「さいたま」の
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空室率が対前期比-0.1ポイントの2.1%、東京からの集約移転がみられた横浜では、同0.3ポイント
低下の4.4%となりました。
想定成約賃料は、3大都市を除く10都市全てで上昇しました。「札幌」の賃料は対前期比+2.3%と
全国で最も上昇率が高く、「福岡」では2期連続して同+2.0%以上の上昇率となりました。「広島」で
は広範囲で賃料が上昇しており、賃料は対前期比+1.4%となりました。
■全国の空室率・想定成約賃料
グレードA
東京
大阪
名古屋
グレード A
マイナス
東京
グレードB
空室率
想定成約賃料
Q1 2016
Q2 2016
前期比
Q1 2016
Q2 2016
前期比
2.9%
4.8%
3.4%
1.9%
4.5%
3.0%
-1.0pts
-0.3pts
-0.4pts
34,900
20,150
23,650
35,400
20,150
23,650
+1.4%
±0.0%
±0.0%
空室率
想定成約賃料
Q1 2016
Q2 2016
前期比
Q1 2016
Q2 2016
前期比
2.3%
2.3%
±0.0pts
24,150
24,350
+0.8%
空室率
想定成約賃料
Q1 2016
Q2 2016
前期比
Q1 2016
Q2 2016
前期比
東京
大阪
3.2%
4.4%
2.7%
4.0%
-0.5pts
-0.4pts
20,550
11,250
20,650
11,350
+0.5%
+0.9%
名古屋
3.6%
3.8%
+0.2pts
12,050
12,050
±0.0%
オールグレード
空室率
想定成約賃料
Q1 2016
Q2 2016
前期比
Q1 2016
Q2 2016
前期比
2.7%
5.3%
4.2%
4.7%
2.2%
2.4%
4.9%
4.1%
4.4%
2.1%
-0.3pts
-0.4pts
-0.1pts
-0.3pts
-0.1pts
13,830
15,510
13,920
15,650
+0.7%
+0.9%
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
2.3%
7.2%
11.2%
3.2%
6.2%
3.2%
1.5%
6.7%
10.4%
3.0%
5.9%
2.8%
-0.8pts
-0.5pts
-0.8pts
-0.2pts
-0.3pts
-0.4pts
11,080
9,510
9,580
11,500
10,650
10,060
11,340
9,550
9,620
11,590
10,680
10,200
+2.3%
+0.4%
+0.4%
+0.8%
+0.3%
+1.4%
高松
福岡
11.4%
2.4%
10.5%
2.2%
-0.9pts
-0.2pts
8,720
11,250
8,730
11,500
+0.1%
+2.2%
東京
大阪
名古屋
横浜
さいたま
出所: CBRE, Q2 2016
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■東京
(円/坪)
36,000
5.0%
35,000
4.5%
35,400
4.0%
34,000
3.5%
33,000
3.0%
2.7%
2.4% 2.5%
2.3% 2.0%
1.9%
1.5%
Q2 2016
32,000
31,000
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
グレードA 想定成約賃料
グレードAマイナス 空室率
オールグレード(23区) 空室率
Q1 2016
グレードA 空室率
グレードB 空室率
出所: CBRE, Q2 2016
■大阪
(円/坪)
20,500
20,000
19,500
19,000
18,500
Q2 2015
Q3 2015
グレードA 想定成約賃料
グレードB 空室率
Q4 2015
Q1 2016
6.5%
6.0%
20,150
5.5%
4.9% 5.0%
4.5% 4.5%
4.0% 4.0%
3.5%
3.0%
Q2 2016
グレードA 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q2 2016
■名古屋
(円/坪)
24,000
23,500
23,000
22,500
22,000
21,500
21,000
20,500
20,000
6.0%
23,650
5.0%
4.1%
3.8% 4.0%
3.0% 3.0%
2.0%
1.0%
0.0%
Q2 2015
Q3 2015
グレードA 想定成約賃料
グレードB 空室率
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
グレードA 空室率
オールグレード 空室率
出所: CBRE, Q2 2016
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■全国10都市空室率
14.0%
12.0%
10.5%
10.4%
10.0%
8.0%
6.7%
5.9%
6.0%
4.4%
3.0%
2.8%
2.2%
2.1%
1.5%
4.0%
2.0%
0%
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q2 2016
■全国10都市想定成約賃料
(坪 / 円)
16,000
15,650
15,000
14,000
13,920
13,000
11,590
11,500
11,340
10,680
10,200
9,620
9,550
8,730
12,000
11,000
10,000
9,000
8,000
Q2 2015
Q3 2015
Q4 2015
Q1 2016
Q2 2016
横浜
さいたま
札幌
仙台
金沢
京都
神戸
広島
高松
福岡
出所: CBRE, Q2 2016
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各都市のマーケットデータおよび市況の解説詳細は、7月28日発刊の「ジャパンオフィスマーケット
ビューQ2 2016」または弊社ホームページ上でもご覧頂けます。 www.cbre.com.
CBRE について
CBRE グループ(NYSE:CBG)は、「フォーチュン 500」や「S&P 500」にランクされ、ロサンゼルスを本拠とする世界最大
の事業用不動産サービスおよび投資顧問会社です(2015 年の売上ベース)。全世界で 70,000 人を超える従業員、
400 カ所以上の拠点(系列会社および提携先は除く)を有し、不動産オーナー、投資家、オキュパイアーに対し、幅
広いサービスを提供しています。不動産売買・賃貸借の戦略的アドバイスおよび取引業務、コーポレートサービス、プ
ロパティマネジメント、ファシリティマネジメント、プロジェクトマネジメント、事業用不動産ローン、不動産鑑定評価、不
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