欧州化学物質法規制最新動向 http://www.johokiko.co.jp/seminar_chemical/New_REACH/ CLP 規則を修正する第 9 次 ATP の公布 2016 年 7 月 21 日 2016 年 7 月 20 日に第 9 次 ATP (技術的及び科学的進歩への適合:adaptation to technical and scientific progress) のために CLP 規則を修正する委員会規則((EU) 2016/1179) が欧州官報にて 公表された。1) 改正の経緯と概要: 指令 67/548/EEC は 2015 年 6 月 1 日から効力を有して廃止されたので、付属書Ⅵのパート 3 に おける表 3.2 は削除されるべきであった。しかしながら、規則(EC)No 1272/2008 の完全なる適用 の移行を軽減するために、その削除は 2017 年 6 月 1 日まで実施されるべきではないとされた。 鉛物質に関しては、2013 年 12 月 5 日の科学的見解において、RAC は生殖毒性 カテゴリー1A として分類することを提案した。しかしながら、塊形状にある鉛の生物学的利用能に関する確実 性が不足していることを考慮して、塊形状(粒径が 1mm 以上)と紛体形状(粒径が 1mm 未満)の間 を区別する必要があった。それ故、紛体形状に対して≥ 0,03 %の特定の濃度限界値(SCL)及び塊形 状に対して ≥ 0,3 %の一般的濃度限界値(GCL)を導入することが適切であるとされた 銅化合物に関しては、2014 年 12 月 4 日の RAC 見解において勧告された環境分類が規則 (EC)No 1272/2008 の附属書Ⅵに収載されるべきであった。この新しい分類を正当化する科学的証 拠が利用可能であったからである。しかしながら、長期間の水性ハザードのための提案された M ファクターは収載されるべきではないとされた。RAC の見解が欧州委員会に提出された後 に、産業界から提示された水性毒性に関する科学的データが考慮された。それらは RAC による 追加評価が必要であると判断されたからである。 今回の改正においては、上述の改正以外に、bisphenol A、dicyclohexyl phthalate、 diisobutyl phthalate、N-methyl-2-pyrrolidone 及び perfluorononan-1-oic acid 及びその塩及びそのアン モニウム塩等が生殖毒性 カテゴリー1B として分類された。 CLP 規則を修正する本委員会規則は 2016 年 2 月 3~4 日の REACH 委員会にて採択された。 改正の内容(本文のみの仮和訳): 第1条 規則(EC) No 1272/2008 は、以下の様に修正される: (1) 附属書Ⅵは本規則の附属書に従って修正される。 (2) 附属書Ⅵにおいて、表 3.2 は削除される。 1 第2条 1. 本規則は欧州連合における欧州官報における公表後の 20 日後に施行されるものとする。 2. 本規則は 2018 年 3 月 1 日から適用されるものとする。 第 1 条(2)は 2017 年 6 月 1 日から適用されるものとする。 3. パラグラフ 2 の規定を適用除外して、物質及び混合物は、2018 年 3 月 1 日前に、本規則で修 正された規則(EC) No 1272/2008 に従って分類、表示及び包装されてもよい。 本規則は、すべての加盟国に全体的に及び直接的に拘束を持つものとする。 2016 年 7 月 19 日 ブリュッセルにて作成 欧州委員会議長 Jean-Claude JUNCKER 参考文献 1) COMMISSION REGULATION (EU) 2016/1179 of 19 July 2016 amending, for the purposes of its adaptation to technical and scientific progress, Regulation (EC) No 1272/2008 of the European Parliament and of the Council on classification, labelling and packaging of substances and mixtures <http://eur-lex.europa.eu/legal-content/EN/TXT/PDF/?uri=CELEX:32016R1179&from=EN> 以上 2
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