子ども・子育て複合施設基本構想書(抜粋版)(PDF:155KB)

墨田区子ども・子育て複合施設基本構想
【抜粋版】
平成28年3月
墨田区
1.検討条件の整理
1
(1) 子どもを取り巻く現状の分析
子どもや子育てを取り巻く環境
子ども・子育てに関する区民ニーズ (アンケート結果より)
■遊び・体験機会や、異年齢・世代間交流の減少
■子どもの居場所や安全な遊び場
都市化や情報化の進展により、子どもの生活空間の中の遊び場が
減少し、子どもたちは偏った遊びを余儀なくされ、成長に必要な
様々な体験の機会が失われている。また少子化や核家族化等に
伴い、お互いに様々な影響を受け合うべき子ども同士あるいは世
代を越えた交流の機会が減少している。
「墨田区がめざす環境として重要だと思うこと」という問いに対し、最
も回答が多かったのは「子どもの居場所や自由に遊べる場が整っ
ている(43.1%)」であった。
■体力・運動能力の低下、ケガや生活習慣病の増加
現代の社会は、経済や科学技術の発展などにより生活全体が便利
になっており、日常生活に高い体力や多くの運動量を必要としなく
なっている。また自然や広場といった遊び場が少なくなる一方、テレ
ビゲームやインターネット等の室内の遊びが増え、体力・運動能力の
低下がみられる。これに連動し、ケガや生活習慣病も増加している。
■地域のつながりの希薄化、コミュニケーション力の低下
少子化・都市化の進展や、価値観・生活様式の多様化などにより、
人間関係・地域とのつながりが希薄化しつつある。このような状況は
子どもの育ちに影響を与え、基本的な生活習慣や態度が身につか
なかったり、他者との関わりを苦手としたりするなどの問題につな
がっている。
■地域子育て支援拠点事業の利用希望
現在、上記事業を利用していない区民に今後の利用希望を尋ね
たところ、6ヶ月未満の子どもの保護者では65.2%、6ヶ月∼3歳ま
での子どもの保護者ではいずれも40%以上の利用希望があった。
■他者を思いやる優しい心の育成
「お子さんにどのような人になってほしいですか」という問いに対し、
最も回答が多かったのは「思いやりや優しさのある人(83.1%)」で
あった。また、「学校教育の場で身につけてほしいことは何ですか」と
いう問いに対しても、「周りの人との関係をうまくつくる力(72.9%)」
「道徳や思いやりの心(45.5%)」の回答割合が高かった。
■子どもたちの墨田区への愛着
「大人になっても墨田区に住みたいと思いますか」という問いに対し、
住みたいと思うと回答した割合は、大学生等64.1%、高校生
54.7%、中学生45.3%と、低年齢になるほど下がる傾向にある。
現状・課題等
健康な体づくりの要である
多様な運動遊びの不足
他者と多様な関わりを
持てる遊びや体験の不足
安心・安全な居場所・
遊び場への高いニーズ
地域の子育て力の底上げ・
地域への愛着の醸成が必要
1.検討条件の整理
2
(2) 墨田区の子ども関連施策-1
墨田区基本構想(平成17年11月)
【基本目標4】安心して暮らせる「すみだ」をつくる
●豊かな人間性をもった子どもたちが健やかに育つしくみをつくる
(抜粋)
•子どもたちが生きる力を身につけるために、一人ひとりの個性の尊
重を基本として、確かな学力・体力などを培う教育を進めます。
•子どもたちの豊かな人間性や社会性を育むために、伝統文化や
ものづくりなど地域の特色を活かした教育や異なる文化や考えを
理解する教育などを進めます。
墨田区(新)基本計画(平成28年6月予定)
【基本目標Ⅳ】安心して暮らせる「すみだ」をつくる
【
政
策
】安心して子育てができ、子ども・若者が
夢や希望をもてるまちをつくる
【 主な事業 】京成高架下を活用した児童等の居場所づくり
京成高架下の空きスペースを活用し、児童等
にとって魅了ある遊具等を備えたプレイパーク
を設け、安全・安心な居場所をつくります。
墨田区教育委員会の教育目標(平成20年2月)
すみだ教育指針(平成24年3月改訂)
幼児・児童・生徒(以下、子どもという)が知性、体力、行動力及び
感性をはぐくみ、人間性豊かに成長することを願い、
教育目標に掲げる身に付けたい3つの力「挑戦する力」「つながる
力」「役立つ力」を重点として、子どもたちに「生きる力」をはぐくむた
めの教育施策に、家庭・地域と連携して取り組んでいます。
広い視野をもち、
自ら学び、考え、
挑戦する力を
もって行動する人
人と人との
つながりを大切にし、
互いに相手のよさを
認め、支え合う人
ルールを守り、
仲間や地域の
役に立つために
能力を発揮する人
の育成に向けた教育を重視する。
また、学校・園、家庭、地域がそれぞれ役割を担い、豊かな環境
の中で、子どもたちが生涯にわたって主体的に文化やスポーツに
親しむことができる人間として成長するように関係諸機関等との一
層の連携を図る。
さらには、教育は、学校・園、家庭、地域それぞれが責任を果たし、
連携して初めて成り立つとの認識に立って、すべての区民が教育
に参加することを目指していく。
生きる力
自分らしい生き方のできる力
挑戦する力
人とよりよく
かかわることのできる力
社会の一員として
積極的に行動できる力
つながる力
役立つ力
学校
すべての区民による教育
地域
家庭
1.検討条件の整理
3
(2) 墨田区の子ども関連施策-2
「墨田区次世代育成支援行動計画/墨田区子ども・子育て支援事業計画」
平成27年3月
【基本理念】
子どもと親と地域が共に育ち、子どもの利益を優先するまち すみだ
【5年後の将来像】
子ども
子育て家庭
地域(企業含む)
心身ともに健康に育ち、
すみだに愛着と誇りを持つ
気持ちが育まれている
安心して子どもを生み、子どもの
尊い命を守りながら、生きがいを
持って子育てをしている
地域の力により、みんなで
子育てし、子どもの未来への
可能性を引き出している
【基本目標】
目標①
子どもの最善の
利益を優先
します
目標②
保育の量的整備のみ
ならず、保育の質を
重視します
目標③
困難を抱えた子どもと
家庭への支援体制を
手厚くします
目標④
地域の子育て力
及び連携を強化
します
<今回の施設構想に関連
する具体的な方向性>
(1) 親子同士のつながりと
子育て力の育成
(2) 地域の子育て力の育成と協働
(3) 企業等の子育て力との協働
(4) 個々のニーズに即した子育て
支援ネットワークの構築
<今回の施設構想に関連
する具体的な方向性>
(1) 子どもの豊かな育ちを育む
場・機会の充実
(2) 子どもの生きるための基礎
的な力を育成する環境の
整備
施設整備に係るキーワード
健康
地域
連携
目標⑤
ワーク・ライフ・バランス
を踏まえた
支援を実施します
<今回の施設構想に関連
する具体的な方向性>
(2) 子育てに向けたやさしい
まちづくりの推進
(3) 子育て家庭の視点に
立った情報発信
1.検討条件の整理
4
(3) 墨田区の主な子ども・子育て関連施設の整備状況
<子育て支援施設>
No.
施設名
設置目的・機能
規模(㎡)
主な設備等
1
墨田区子育て
支援総合センター
在宅での子育てを支援するための拠点施設として、子育て支援サービスの提供・調整、子育て相
談等の総合的な子育て支援事業を実施するとともに、子育て支援関連の地域活動に取り組んで
いる団体等の支援、児童虐待通報及び保護を要する児童とその保護者等への対応を図る
326
交流室
2
両国子育てひろば
安心して子どもを産み育てられる環境をつくり、子育て支援の一層の充実を図るため、子育て相
談を中心に親子で遊びながら、親や子ども同士が交流する広場事業や子育て講座等を実施する
845
定期利用保育室、交
流室、相談室、資料
室
3
文花子育てひろば
同上
445
交流室、相談室、資
料室
<児童館等>
No.
施設名
規模(㎡)
主な設備等
No.
施設名
1
さくら橋コミュニティセンター
858
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 音楽室
8
文花児童館
2
外手児童館
865
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 集会室
9
墨田児童会館
3
江東橋児童館
564
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 図工室
10
4
中川児童館
590
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 集会室
5
東向島児童館
1,068
6
八広はなみずき児童館
7
八広児童館
規模(㎡)
主な設備等
862
体育室、 図書室 、
幼児室、 乳児室
1,820
体育室、 図書室 、
図工室、 音楽室
立花児童館
634
体育室、 図書室
乳幼児室、 図工室
11
立川児童館
753
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 図工室
体育室、 図書室 、
図工室、 音楽室
12
東駒形コミュニティ会館
1,501
体育室、図書室 、音楽室 、
乳幼児室、工作室
1,171
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 遊戯室
13
梅若橋コミュニティ会館
1,897
体育室、図書室 、音楽室 、
乳幼児室、工作室
419
体育室、 図書室 、
乳幼児室、 図工室
14
横川コミュニティ会館
2,555
体育室、図書室 、音楽室 、
乳幼児室、工作室
・子育て支援施設3館、児童館11館、コミュニティ会館3館を設置しており、様々なプログラムやイベント等を実施している。
・児童館は区内の各地域を網羅しているが、大型遊具を整備している館はない。
1.検討条件の整理
(4) 計画地の条件等
建物
条件
・京成電鉄高架下のスペースを活用
◆1階部分 :面積約500㎡、高さ4.5m/一部8.0m(2層吹き抜け)
◆中層階部分:面積約200㎡、高さ4.0m
・施設前面の道路区域は、法的な制限はあるが駐輪場やオープンスペースとして活用が可能。
立地
条件
・利便性が高い京成曳舟駅近辺に立地。
・曳舟さくら公園が隣接する。
・吹き抜けを利用した魅力的で話題性のある施設をめざす。
・中層階は建物整備のほかイベント等のフリースペースとして、積極的に利用を図る。
・徒歩や自転車利用以外の京成押上線をはじめとする各交通機関を利用した区内全域からの
利用を見込む。
・曳舟さくら公園も一体的に活用したプログラムの検討を行う。
■計画地周辺のゾーニング図
5
2.基本的な考え方
6
6
(1) 施設の目的
子どもたちの健やかな成長を支え、
次代を担う元気な“すみだキッズ”を育む
− 好奇心や挑戦する力に満ち、すみだが大好きな子どもたちを育成 −
(2) めざす方向性と事業活動
①子どもたちが安全に遊び健康な身体を育む場
親子や友達どうしで一緒に遊び、ふれあいながら体力・
運動能力の向上や豊かな感性を育むことができる場を創
造する。
②すみだの魅力にふれながら交流できる場
子どもたちや保護者が気軽に集い、すみだの魅力にふれ
ながら憩える場を整備するとともに、交流やつながりを
育む多彩なイベントやプログラム等を開催する。
③子育て世代を応援し、子育ての拠り所となる場
子育て情報の発信や保護者どうしが情報交換できる場の
提供を通して子育て世代を多面的にサポートし、地域全
体の子育て環境の充実を図る。
(3) 対象
・区民をメインターゲットとする
・年齢は乳幼児∼小学生を中心とする。
事業活動の3つの柱
遊び・体験
健康な身体づくり
好奇心や挑戦する力の育成
交流・つどい
情報発信・支援
親子プログラム
子育て講座
交流イベント
子育て情報の集約・発進
ネットワークづくり