クーデター鎮圧後のトルコ情勢

ご参考資料
2016年7月19日
クーデター鎮圧後のトルコ情勢
図1:トルコ・リラの対米ドル・対円為替レート
ポイント① 短期的には事態収拾へ
7月15日から16日にかけて起きたトルコ軍の一部による
クーデターの試みは、鎮圧された模様です。今回の事件の
背景には、エルドアン政権が推進するイスラム主義色の強
い政策に対する政教分離の世俗主義体制の側にある軍
部の不満があると考えられます。しかし、クーデターは国民の
支持を広く得られず、失敗に終わったようです。
エルドアン大統領は、現政権に不満を持つ軍人や官僚を
排除することで、事態の収拾を図ると見られます。市場も落
ち着きを取り戻しつつあるようです。15日に米ドルや円に対
して急落したトルコ・リラは、18日にはやや値を戻しました。
ポイント② 国際政治上、極めて重要なトルコ
IS(イスラム国)の軍事行動を抑え込む上で、トルコの
役割は極めて重要です。また、トルコ、シリア、イラクにまたが
るクルド人勢力の処遇も長年の課題として残っています。
エルドアン政権が強硬な姿勢を強めることで国内の反政府
勢力の不満が高まると、トルコの政治情勢が不安定化し、
地域紛争にも影響を与える懸念があります。
期間:2014年1月1日~2016年7月18日、日次
(トルコ・リラ/米ドル)
2.0
2.1
2.2
2.3
2.4
2.5
2.6
2.7
2.8
2.9
3.0
3.1
3.2
2014/1
2014/7
(円/トルコ・リラ)
56
54
トルコ・リラ/米ドル(左軸)
52
円/トルコ・リラ(右軸)
50
48
46
44
42
40
38
36
34
32
2015/1
2015/7
2016/7
2016/1
(年/月)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
図2:トルコの株価指数、国債利回り
期間:2014年1月1日~2016年7月18日、日次
95,000
(%)
12
90,000
11
85,000
10
80,000
9
欧米諸国などもトルコの不安定化を懸念して、今回の事
件に対しては現政権支持の姿勢を示していますが、政権が
独裁的傾向をさらに強めることは警戒しているようです。
75,000
8
70,000
7
ポイント③ 経済情勢の不透明感
60,000
2014/1
経済面では、トルコ経済は緩やかな経済成長を続けてい
るものの、経常収支赤字は依然大きく、インフレ率も高水
準で推移しています。トルコ・リラは、事件以前から下落基
調にありました。
金融緩和に伴なう国債利回りの低下が株価を下支えし
てきたようですが、インフレ圧力が残っている中で、今回の事
件でトルコの信用力が低下すると、金融緩和の継続が困
難になる可能性があります。
トルコの政治と経済が互いに影響しあいながら不安定性
を増すことがないかどうか、注意しておくことが必要でしょう。
7月28日
7月29日
8月3日
トルコ外国人観光客数(6月)
トルコ貿易収支(6月)
トルコ消費者物価指数(7月)
2014/7
2015/1
2015/7
2016/1
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
6
5
2016/7
(年/月)
図3:トルコの経済情勢
期間:2005年~2016年、年次
(%)
12
10
8
6
4
2
消費者物価(前年比)
実質GDP(前年比)
経常収支(GDP比)
0
-2
-4
-6
-8
-10
重要
イベント
イスタンブール100種株価指数(左軸)
トルコ10年物国債利回り(右軸)
65,000
2005
2007
2009
2011
2013
2015
(年)
(出所)IMF World Economic Outlook より野村アセットマネジメント作成
(注)2016年は、IMFによる2016年4月時点の予測
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした
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