2 月 7 日神戸協同病院で避難者 健康診断を実施しました。兵庫民 医連では、原発事故の放射能の被 害により避難された被災者のニー ズに応え、甲状腺エコーを含む健 康診断(県連内の事業所で年に 2 回実施)を、2013 年 8 月から行 い、今回で 6 回目となります。当 日は 47 名 21 家族(内科 21 名小 児科 26 名、避難元別では福島県 20 名、 宮城県 2 名 千葉県 11 名、 埼玉県 4 名、神奈川県 1 名、東京 都 9 名)が受診されました。 医師体制は内科2診(番町診療所:松岡医師、東神戸病院:滝本医師) 、小児科3診(いたやどクリニック:木 村医師、東神戸病院:森岡医師、保険医協会:辻医師)でした。4 回目から保険医協会の山中医師の協力(スタ ッフ 3 名含む)により、本格的な眼科検査が行われました。今回もオール兵庫民医連+保険医協会+ボランティ アで総勢 47 名での健診が行われました。 外来待合の真ん中に陣取った遊びスペースにジャンボリー職員と子どもたちは元気に遊び回り、過去に受診し ている子どもさんもあり、再開した職員も成長に驚きつつ、検査慣れしていることに複雑な思いもありました。 医学生(金谷さん)も参加し、 「被災地域の人の身体的苦痛だけでなく、よくわからない不安、経済的影響も考え ていきたい」との感想、多くの学びがあったようです。今回も兵庫県弁護士会(2 名)にも協力いただき相談コーナ ーでは 2 家族の対応をしていただきました。職員からは「生活不安、将来不安、人間関係が絡み合って今回の健 診が一番根が深い深刻さを感じた」 「家族がどう決断され今も何を悩まれているのか教えていただいた」 「甲状腺 エコーは福島の検査に比べてとても丁寧にしてくださり感謝された」 「健診続けていく意義がわかった」 「避難= ゴール安心ではないと感じた」 「避難しても精神的、身体的な不安をずっと抱えて気が休まらない状態なのに原発 再稼働や避難者補償打ち切りの国の対応は許せません」等感想が出ました。病院としては 2 回目、参加要員も複 数回参加しており、フロアマネージャーの中村事務次長の采配もあり、手順、流れはスムーズでしたが、出され た課題を被ばく対策委員会で総括しさらにバージョンアップを図っていきます。 (被ばく対策委員 松本理花) 会場いっぱいの 110 人の参加で、 「シンポジウム どうする『格差社会・貧困の連鎖』 」 が 2 月 6 日、私学会館で開催されました。立命館大学の唐鎌直義教授が記念講演をし、 パネリストに、弁護士の吉田維一氏、元養護教諭の松本洋子氏、郵政産業ユニオンの成 山太志氏、高橋真由美氏を迎え、広がる貧困の実態が報告されました。 唐鎌教授の講演では、社会保障の後退と増大する貧困をテーマに客観的統計データで 新自由主義を批判。 「国民消費を増やさないと国内産業の回復に結び付かない」と訴えま した。 安倍政権下で高齢夫婦無職世帯の税負担率が一番大きくなっているデータを紹介。 その他、庶民生活を優先した政治から「それが景気回復への最短ルート」と安倍政治を 講演をする唐鎌教授 批判しました。 シンポジウムでは、吉田氏が就職に失敗した若者の 自殺が増えている現状を報告。松本氏は、朝食を水で 済ませる子どもの貧困が語られました。高橋氏は非正 規で 10 年勤務しても正規雇用の機会が得られない現 状を報告。成山氏は、週 5 日連続夜勤を強いられる非 正規労働者の現状を話し「政治の力関係を変えなけれ ば非正規雇用は減らない」と訴えました。主催の県社 保協と県労働組合総連合から、社会保障を国の責任で 推進する請願署名への協力が呼びかけられました。 パネリスト(左から)高橋氏、成山氏、松本氏、吉田氏 (事務局:堤)
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