通信/測位/リモセン分野の商用衛星のバリューチェーン 通信、測位、リモセンの分野毎のビジネス規模では、通信が最大で次に測位となる。 また、各々を衛星製造、打上げ、運用、サービス提供という段階で見たときには、サー ビス提供段階でのビジネスが圧倒的に大きく、次に運用段階、衛星製造となる。 通信衛星 測位衛星 リモセン衛星 (衛星製造) (打上げ) (運用) (サービス) 19 出典:A SNAPSHOT ON SPACE MARKETS TRENDS AND DYNAMICS © Euroconsult 2015 衛星通信の市場動向 現在運用中の衛星の約半数は通信衛星であるなど、宇宙利用ビジネスの最大のパートであり、利 用需要は着実に増加している。従来技術の固定通信については、容量ベースで年6%程度の成長 が見込まれている。 一方、欧米を中心に数十∼百Gbpsの大伝送容量を有するHTS衛星が登場し、今後、容量ベースで 年40%を超える急速な成長が見込まれるとの試算もある。 運用中の人工衛星の機能別割合 HTS衛星の主な例 HTS衛星の容量ベースの成長見込み 気象 科学 軍事観測 通信(民間) 測位 研究開発 リモートセンシング 通信(政府) 出典:SIA(Tauri Group database of spacecraft and launch activities and Union of Concerned Scientists 出典:次期技術試験衛星について(総務省、 出典:The State of Play and Prospects for the 文部科学省、経済産業省) SATCOM Market, Euroconsult 20 衛星測位の市場動向(測位市場トレンドやシステム出荷) 地球測位システムは各国政府が整備しており、米(GPS),ロシア(グローナス)に続き、欧州(ガリレオ)、中国(Bei Dou)、日本(準天頂)、インド等が整備中。 関連機器ベースで約12億ドル、サービスベースでは640億ドル規模のビジネスとなっているとの試算があり、今後、 さらに大きく成長していく分野と見込まれている。 位置情報サービス、カーナビが圧倒的に大きく、さらに航空、農業、海事向けのビジネスが動いている。 世界の衛星測位システム市場 衛星測位システムへの政府支出 IRNSS(印) 準天頂 (日) 北斗 (中) ガリレオ (欧) グローナス (露) GPS (米) 測量 24% 位置情報 サービス 95% 航空 32% 道路情報 4% 鉄道 2% 農業 28% 用途ごとの衛星測位システム出荷 海運 14% 用途ごとの衛星測位システム出荷割合 出典:A SNAPSHOT ON SPACE MARKETS TRENDS AND DYNAMICS © Euroconsult 2015 21 衛星リモートセンシングの市場動向① 世界のリモセン分野の投資は、過去10年間で約280億ドル規模であり、133基のリモセン 衛星が打ち上げられている。今後10年間で、さらに約290基の打上げが見込まれている。 宇宙分野の新興国による計画も多く、輸出競争も激しくなっている。 オペレーター打上げによるリモセン衛星 商用リモセン衛星の打上げ実績及び将来見込み 出典:A SNAPSHOT ON SPACE MARKETS TRENDS AND DYNAMICS © Euroconsult 2015 22 衛星リモートセンシングの市場動向② 世界のリモセン画像ビジネス規模はおおむね15億ドル。そのうち安全保障用途が約6割、残る4割 を民生及び商業利用が占める。 米国の防衛調達が横ばい傾向の中、米国以外の防衛市場が短期的には市場をけん引し、中長期 的には非防衛市場が拡大していく見込み。 商業リモセン画像うち、タスキングによる画像は2000年代末から価格が低下する中、従来とは異な る事業者の参入も起こりつつあり、今後のビジネス動向が注目される。 米国以外の防衛市場の内訳 欧州18%、中東13%、東南ア ジア以外のアジア10%、ラテ ンアメリカ 6%、東南アジア 及びオセアニア5%、ロシア& CIS 5%、アフリカ 2% いくつかの分野での 需要が広範な技術開 発と位置情報サービ ス等の新たな分野で の活用に裨益 防衛以外 の市場 米国以外の 防衛市場 国際防衛市場への売り上げ 短期的に市場を牽引 2013年以降、米国防衛調達が減少 商業リモセン画像の価格トレンド(2004‐2012) Price per image in 2012 US. dollars 防衛以外の市場の内訳 自然資源10%、エネルギー 9%、インフラ8%、位置情報 サービス5%、災害管理 2% Task Archive 米国防衛市場 出典:The Space Report 2014(Space Foundation) 出典:Euroconsult, Satellite-Based Earth Observation, Market Prospect to 2023, 2014 Edition 23 3.海外における新たなビジネスの動き 24
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