ょ か ち も ん じ 雨村 拓央 春 ど り トンネル ベタがけ 初 夏 ど り 中 間 ・ 暖 地 お たく ば ん ちゅう い タキイ茨城研究農場 あめ むら 濃緑で首部のしまりがよい晩抽一本ネギ ! し F₁ 中間・暖地 春どり 5月下旬まき →3月どり 6月下旬まき →3月どり 初夏どり 10月上旬まき →5月下旬〜6月どり 10月上旬まき →6月~7月上旬どり 10月下旬まき →6月中旬~7月中旬どり 「初夏一文字」適作型 ■「初夏一文字」適期表 栽 培 型 ほ なん ぱく 首部のしまりがよく、ばらけにくい ようしょう 品種です。また、葉鞘の空洞化も少な いため、後半までしっかり一本重を確 む 保できます。 ❸皮剥き容易で 品質にすぐれる りの素材を利用しているため秋冬品種 春系の品種は総じてかたくなりやす いのですが、「初夏一文字」は秋冬ど に近い肉質で、かたすぎず皮が剥きや すいのが特長です。 を考慮しながら選抜を重ねました。この度 表いたします。 タキイ交配「初夏一文字」と命名し、新発 いところです。晩抽性と採種性のバランス ところが私たちメーカーの採種において は、抽苔することが必須なのが育種の難し では抽苔株は規格外となってしまいます。 開花してしまいます。根深ネギの青果栽培 とで花芽分化し、春の上昇気温下で抽苔・ ちゅう だい 春~初夏どりでは、晩抽性が必須の形質 となります。ネギは通常、低温にあたるこ ています。 産地によってはこの作型での栽培が増加し 近年の温暖化にともない、冷涼な気候を 品種特性 好むネギの栽培は年々難しくなってきてい ます。特に夏越し栽培は、いわゆるゲリラ ❶濃緑、小葉立性で 豪雨に直面することもあり、課題の作型と 作業性良好 なっています。これらを克服するには品種 「初夏一文字」は小葉立性のため土寄 面、栽培面の両側から取り組んでいく必要 せなどの管理作業がしやすいのが特長 があります。 です。葉色は濃く、葉先枯れもしにく 一方、春~初夏どりの作型では、苗での いため圃場での見栄えがよく、さらに 越夏、あるいは秋口からの播種で夏の高温 箱詰めの際は、葉身部と軟白部のコン 期を避けられることから、栽培が比較的容 トラストが美しい品種です。 易です。加えて各種苗メーカーから晩抽性 にすぐれる 品種が多く開発されたことで、 ❷ 首じまりよく、 ばらけにくいため在圃性がよい 「初夏一文字」 新 発 表 ネギ 7 2016 タキイ最前線 秋種特集号 作型 晩抽品種の作型は大きく2つに分かれます。一つは、6~7月に播種し、秋口に 定植する春どり。もう一つは、9月下旬~11月上旬に播種し、5~6月出荷 (トン ネル、ベタがけ栽培) および7月出荷する (無被覆栽培) 初夏どりです。 「初夏一文字」 は中程度の晩抽性と耐暑性をもち、春先からじっくり生育していき ます。最も適する作型は、6月中旬~7月上中旬の初夏どりになります。 春どり作型では、抽苔が比較的早いため3月いっぱいの収穫とします。初夏どり 作型では抽苔を防ぐため、極端な早まきは避け、10月上中旬からの播種としてくだ 【中間・暖地】 さい。 土寄せ・肥培管理 すことで発根作用が促されます。そ ら梅雨時期に発生しやすい病害です。 ると効果が高く、「ホストマト」を施 気温 ℃前後で多湿の時は、注意が と、分けつを誘発する恐れがありま 生育初期は一度に多量の施肥をする を行います。 危険性が高まるため薬剤の予防散布 る産地では、田植えのころに初発の た、生育が停滞する夏場に散布すれ 定植後すぐに散布することです。ま 用時期は、定植する前に苗に施すか、 こで活着をよくするためベストな施 す。元肥を抑え気味に、少量ずつ追 くなるので、生育に応じた施肥設計 が効きすぎると軟腐病が起こりやす 夏に向かうにしたがって、高温で 生育が停滞します。この時期に肥料 を練ることが必要です。また、どち めには高温期に向かう6月から対策 で発生しやすくなります。防除のた 腐病です。これらは高温多湿条件下 10月まき 7月上中旬どり、6∼7月まき 3月どり 特記なし 薬剤散布徹底 (こまめな防除) ば、バテにくいネギに仕上げること 肥で仕上げていきます。 もできます。 が必要です。 で、排水を図ることが大切です。農 適播種期 耐病性 なん ぷ 土寄せは、太りを確保しながら行 います。特に高温時期の土寄せは、 薬を株元に施用した後、土寄せを行 ネギ「 初 夏 一 文 字 」栽 培 特 性メモ 10月中下旬まき 6月中旬∼7月上旬どり らも、多湿条件下での発病が多いの ネギにダメージを与えますので、注 うとよいでしょう。 3月彼岸を目途にトンネル除去 栽培管理の 除去2週間前から、トンネル換気 温度目安 (被覆あげさげ) ベタがけはゴールデンウィーク前に除去 意します。必ず生葉を4~5枚確保 おすすめ資材 ン酸液肥で、従来のリン酸より葉面 特記なし 排水のよい畑づくり N成分20∼25㎏ (熟畑では減肥) 6∼7月どり 元肥 N成分 10㎏/10a 基本肥料の目安 追肥 N成分 2∼3㎏/10a×3∼4回 3月どり 元肥 N成分 5㎏/10a (新畑では多めに施す) 追肥 N成分 2∼3㎏/10a×5∼6回 最適土壌 して土寄せを行います。最終土寄せ は、首部までしっかり寄せてしまう ネギやタマネギはリン酸を好む作 物です。しかし日本では土壌中のリ と、首部から軟腐菌が入りやすくな るため、分岐部から2~3㎝下部ま ン酸が土中に固定されて、植物体が が数多くあります。そこで先進産地 吸収しにくい圃場になっている産地 ででとどめておきます。 病害対策 「初夏一文字」は葉色が濃いですが、 でよく利用されているのが亜リン酸 茎葉病害に強いわけではありません。 肥料です。 病害は、環境により発生時期がお およそ決まりますので、発病前に予 からの吸収が早いのが特長です。特 「ホストマト」は葉面散布用の亜リ 防することが大前提となります。赤 最適播種期 し らき ぬ ほかに株が枯死にいたる重要病害 としてあげられるのが、白絹病と軟 「初夏一文字」は吸肥力が強いため、 必要です。周囲を水田に囲まれてい 15 3 に葉面吸収の盛んな午前中に散布す 8 2016 タキイ最前線 秋種特集号 1 2 さび病、べと病は、本作型では春か 条間90∼ 1 0 0 ㎝、株間 2 . 5 ∼3㎝程度 播種基準 秋まきの初夏どりや、初夏まきの春どりに適します。 ●10月上中旬まき→6月どり (被覆) ●10月まき→7月上中旬どり ↑葉身部と軟白部のバランスがよく 荷姿も美しい 「初夏一文字」 。 ●6~7月まき→3月どり 栽培のポイント
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