劇場版ドラゴンボールZー未来超決戦!ピンクでやわくて

劇場版ドラゴンボール
Zー未来超決戦!ピンク
でやわくてヤバイ
奴!!ー
ふぁみゆ
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小説の作者、
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︻あらすじ︼
エイジ790
未来で始まるトランクスの新たなる戦い
プロローグ&オープニング │││
目 次 其の一 ││││││││││││
1
エピローグ ││││││││││
其の八 ││││││││││││
其の七 ││││││││││││
其の六 ││││││││││││
其の五 ││││││││││││
其の四 ││││││││││││
其の三 ││││││││││││
其の二 ││││││││││││
6
16
22
28
41 35
54
59
65
プロローグ&オープニング
はるか昔⋮
ビビディ
﹂
地球の人類がようやく2本足で歩き始めた頃⋮
﹁これで終わりだ
わしの野望が、こんなところでぇぇぇぇ
﹂
!!
!!
そして、その欠片は宇宙を漂い、はるか未来、人々が人造人間の恐怖から解き放たれ、
ようとしていたことを⋮
遠くの宇宙での界王神達の戦いの際に飛び散った欠片が動き出し、独自の進化を遂げ
さえ、気づいていなかった。
この時、この戦いに関わった誰も、そう、魔人ブウを自らの手で封印したビビディで
グチュ、グチュグチュ⋮
しかし⋮
たビビディがいなくなったことでこの世に現れることは無くなった。
そして、ビビディの生み出した最強の戦士、魔人ブウもまた封印を解く術を持ってい
東の界王神の手により、全宇宙を恐怖に陥れた魔導師、ビビディはこの世を去った⋮
﹁ば、馬鹿な
!
!
1
ようやく復興に向けて動き出した地球へと舞い降りることとなった⋮
ーーーーーー
エイジ790
人造人間の恐怖から開放され、ようやく復興が進んできた西の都
夜も更け、皆がすっかり寝静まった深夜その異変はなんの前触れもなく訪れた
ドゴォォォォォン
、一体なんなの
これは⋮﹂
敷地内に鳴り響く轟音にカプセルコーポレーションの現所有者であるブルマが目を
西の都有数の大企業カプセルコーポレーションの敷地内に突如何かが落下したのだ。
!!
?
覚ます。
!
そして、クレーターの中心によく目を凝らしたブルマは気づいてしまった。赤い目を
﹁あれは⋮﹂
ている。
だ。さらに、宇宙から隕石でも落下したのかと思うほどの巨大なクレーターが形成され
り戻し始めていた敷地内の建物が燃え盛る炎の中、再び廃墟となってしまっていたの
様子を見に来たブルマはその光景に愕然とする。復興が進み、ようやく元の景色を取
﹁
プロローグ&オープニング
2
光らせた少女の形をした何かが、暗闇の中、炎に照らされて⋮
⋮﹂
怪しく笑っていたことに⋮
﹁キヒッ
ピンクでやわくてヤバイ奴
OP﹁CHA│LA HEAD│CHA│LA﹂
ドラゴンボールZ未来超決戦
!
向かうため、父ベジータとともに精神と時の部屋でトランクスは修行を重ねた︶
︵さらにドクターゲロが生み出した究極の人造人間、セルが現れる。新たな脅威に立ち
目覚めてしまう︶
するも、父、ベジータの介入の影響もあり17号と18号は
望のどん底に陥れた張本人である人造人間17号と18号の復活を止めるために奮戦
︵人造人間19号、そして、ドクターゲロとたたかう孫悟空たち。そこに現れた未来を絶
とするZ戦士たちに出会った︶
る世界を変えるため、母、ブルマの開発したタイムマシンで過去に行き、孫悟空を初め
︵サイヤ人の王子ベジータの息子、トランクスは人造人間により絶望の世界に変えられ
!!
!
3
︵今までと比べ物にならないほどのパワーアップを遂げたトランクス。しかし、それで
も、17号と18号を吸収し完全体となったセルには届かなかった。︶
に現れる。︶
︵そして、セルが開催したセルゲームに、孫悟空を初めとする過去で出会った仲間ととも
全に消滅し、トランクスは父ベジータや、過去で出会った仲間たちと別れ、自分の未来
︵そして、死闘の末、超サイヤ人の壁を突き破った孫悟空の息子、孫悟飯によりセルは完
へと帰ることとなった︶
︵それから2年、生き残った人々と共にトランクスは街の復興活動を続けている︶
らすことに成功した︶
見事に撃破、そして、現れたセルも完全体になる前に消滅させ、未来に再び平和をもた
︵そして、過去の世界で力をつけて帰ってきたトランクスは人造人間17号と18号を
プロローグ&オープニング
4
るとは知らずに⋮︶
コーポレーションへと帰還するのであった。これから再び激しい戦いへと巻き込まれ
︵ー仕事終えたトランクスはしばらくの休暇をもらい、久しぶりに実家であるカプセル
5
なんだこれは
其の一
﹁な
﹂
!?
は動揺する。
平和になったこの街に似つかわしくない光景。もしや、地球に、また新たな脅威が
すると、この中にいたであろう母は
慌てて家の方へと走りだす
まだ母さんは無事
!
!?
カプセルコーポレーションの中に途轍もない気を感じる
﹂
そこにいたのは
﹁母さん
!!
そして、勢い良く扉を開けて声を張り上げた
みたいだけどこのままでは危ない﹂
﹁やはり
!
!!
!?
カプセルコーポレーションの前、一部の建物がボロボロになった姿を見てトランクス
!
﹁ハムハム、ムシャムシャ⋮﹂
其の一
6
﹁本当によく食べるわね∼。あ、まだパンケーキのおかわりあるからたくさんお食べ﹂
﹂
母さんは一体、何をしているんだ⋮︶
?
﹁え、あぁ、ごめん。突然行っておどろかせようと⋮って
そうじゃなくて
﹂
!!
﹂
﹁一体何なんだこいつは
﹁キィ
?
﹂
!?
る何かを指差す。
ブルマの一声でようやく我に返ったトランクスはもしゃもしゃとパンケーキを頬張
!
﹁あ、トランクス、おかえりなさい。なんだ、帰ってくるなら連絡くらいしなさいよ﹂
そんなトランクスにようやく気づいたブルマ
思わず目を丸くする
︵な、なんだこの状況は
目の前に広がるよく分からない光景に頭が混乱してしまうトランクス⋮
﹁⋮⋮え、え∼っと﹂
だった⋮
その得体のしれない何かにお皿に山盛りのパンケーキを持っていく、母ブルマの姿
パンケーキを手で掴み、美味しそうに頬張る謎のピンク色の生物と
﹁キキャキャッ
!!
7
指をさされたピンクの生き物は小首を傾げる。
そして、ブルマは至って平然としていた。
たみたいね。﹂
﹁昨日、家の前に落ちてきたのよ。どうやら、何かの拍子に宇宙からここまで落下してき
あまりにも平然としているブルマに開いた口が塞がらないトランクス
﹁落ちてきたみたいって⋮﹂
﹂
そして、ビンクの少女はブルマの持ってきた皿からパンケーキを取る
恐る恐る尋ねると
﹁あの、母さん、その子、危険はないの
とトランクスはほっと胸をなでおろ⋮
﹁そっか、それは良かった﹂
供みたいな感じで無邪気なんだけどすごく大人しいわよ。﹂
りが壊れちゃったみたいで、この子に悪気はなかったみたいね。それに、ちっちゃい子
﹁そうねぇ、落ちてきた時こそ周りをあんなふうにしたけどきっと落ちてきた衝撃で周
?
定不能になったわね。﹂
﹁あ、でもベジータの戦闘力スカウターで計測しようとしたら戦闘力が上がりすぎて測
其の一
8
﹁滅茶苦茶危険じゃないか
﹂
そのパワーがもし、人々に向けられればどうなってしまうのかを⋮
トランクスは感じ取っていた。このピンクの少女が持つ計り知れないパワーを⋮
せなかった。目の前の少女に対し厳しい表情を見せるトランクス。
!!
︶
!!
は崩れ、人々は倒れ
!!
そして、尊敬していた師匠までもが⋮
その苦しい記憶がトランクスの心に火をつけた
︵ようやくこの世界は平和を取り戻したんだ。あんな地獄、もうたくさんだ
﹂
﹂
!?
い
﹂
﹁母さん、下がって、こいつは僕が倒す。もう二度と、この地球の平和を脅かさせはしな
﹁トランクス
母、ブルマを守るように前に出る
気を開放するトランクス
﹁ハア
!!
︶
トランクスの脳裏に浮かんでいるのは人造人間により地獄に変えられた世界。建物
球に残してはいけないんだ
︵ようやく人造人間の脅威が去って復興が進んできたんだ。これ以上危険な芽をこの地
9
!!
シュインシュイン⋮
青だったトランクスの髪が金色に変わる。
﹂
膨れ上がった気に少女も顔をあげてトランクスを見た
スッ⋮
少女に手を向けるトランクス
﹁絶対にこの世界を守って見せる
!!
﹂
絶望を味わった戦士の強い使命感が目の前の恐怖を排除しようと動き出した⋮
やめなさい
!!
スパーン
﹂
?
?
﹁母さん、この子はこの子は得体のしれない力を持っている。このまま野放しにしてい
二人の様子を不思議そうに眺める少女
﹂
ダメージはない物の驚いて変身を解くトランクス
﹁なっ、か母さん
ブルマがトランクスにビンタをかましたのだ
と小気味いい音が響いた。
!
そしてトランクスが手のひらに気を集めようとしたとき
﹁馬鹿
!
﹁トランクス、今この子を倒そうとしたわね
其の一
10
ては地球が⋮﹂
ただ力を持っているってだけで、あなたは人を殺すの
焦りすら感じられる我が子の言動に深くため息をつくブルマ
﹁それがどうしたの
そんなの、
?
﹂
?
﹂
?
そう、過去の時代では一緒に戦った頼もしい仲間たちがいた。しかし、この時代では
で背負いすぎてるんじゃないかしら
﹁あなたが今まで、この時代で必死に一人で戦ってきたのは分かっているわ。でも、一人
複雑な表情を浮かべるトランクスに今度は優しく話しかけるブルマ
クの少女だって⋮
今まで感じたことのなかった不安がトランクスを襲う。もしかしたら目の前のピン
人々も僕に対して恐れを抱いていたのだろうか⋮
考えたこともなかった。ひょっとすると僕がこの少女に危険を感じたように、町の
﹁⋮﹂
でしょ
﹁それに力を持っていて地球を壊すことができるってのはあなただって同じようなもの
母の言葉にトランクスは何も言い返せない。
﹁そ、それは⋮﹂
なんの理由もなく破壊の限りを尽くしてきた人造人間となにも変わらないじゃない。﹂
?
11
違う。
大切な師匠も失い。たった一人で戦ってきた。
るわ。使命を一度脱ぎ捨てて心に余裕を作れば今までみえなかったものも見えるよう
﹁一度ゆっくりと深呼吸をして肩の力を抜いてみなさい。そしたら、きっと世界は変わ
になるはずよ﹂
これからも一人で地球を守っていかなければならない。その使命感はいつしかトラ
ンクスの心のゆとりを奪い。視野を狭めていたのかもしれない。
ゆっくりと大きく息を吸う。そして、肩の力を抜いてみた
目の前にいるピンクの少女はムシャムシャと美味しそうにパンケーキを頬張るだけ
だった。
そこには人造人間のような嗜虐性もセルのような邪悪さもない。
その心は純粋そのものだ。
︵僕は、何を焦っていたんだろう︶
﹂
﹁ごめん、母さん。僕が間違っていたよ﹂
それでいい
!
あなたしばらく休みなんでしょ
!
だったらこの子の面倒はあなたが見なさい
するとブルマはポンと手を叩くとこんな提案をした。
﹁よし
!
﹁そうだ
?
其の一
12
よ
﹂
!
﹂
﹂
﹁面倒を見るって⋮僕にできるかな
﹂
心強い戦士になってくれるかもしれない。
﹂
⋮トラン⋮ク⋮
﹂
?
!
そうなれば、答えはひとつだ
決まり
﹁分かった。僕にどこまで出来るか分からないけど、やってみるよ
﹁よし
!
そして、トランクスは少女に目線を合わせて話しかける⋮。
!
﹁はじめまして、僕はトランクス﹂
﹁キ
?
﹂
だが、もし、この子が正しい心も持ってくれれば自分のように、いや、自分を超える
?
﹂
だから、この子がいい子に育つように貴方がちゃんと
?
面倒見てあげればいいのよ。この子が悪さしないように監視することもできるしね
!
と、パンケーキを手に持った少女を抱き上げてトランクスの前に持っていく
﹁キャキッ
?
!
られるのはあなたしかいないわ
﹁だって、この子、すごいパワーを持っているんでしょ だったら、いざという時に止め
突然の提案に驚きを隠せないトランクス
﹁えぇ
!?
13
﹁トランクスだよ。よろしくね、えっと⋮﹂
名前がわからないため抱き上げているブルマに目配せをする。
しかし、ブルマにも答えられなかった。
﹁そう言えば、名前決めてなかったな⋮トランクス、これからあなたが面倒見るんだから
あなたかつけなさい﹂
と、再び母からの提案。
今日の母さんはなんだか無茶ぶりが多いな、などと思いながらトランクスは頭をひ
ねった
﹁そうだな⋮﹂
トランクスが思いうかべたのは憧れだった師匠。強くて、優しくて、そして気高かっ
た自分にとってのあこがれの戦士、孫悟飯。
彼女にもいつか彼のような立派な人間になってほしい。そう思ったトランクスは少
女に名前をつけた
⋮トランクス
﹂
⋮﹂
﹁よし、君の名前はライスだ﹂
﹁ライス
?
笑顔を向け差し出されたトランクスの手。それを
!
?
﹁あぁ、よろしくね、ライス
其の一
14
トランクス
!
ライスは静かに握り返した⋮
﹁トランクス⋮キャキャッ
15
﹂
!!
其の二
一方その頃
ゴゴゴゴゴゴゴゴ⋮
﹂
!
はるか遠くの星が一つ、また一つと破壊されていた。
﹁な、なんということだ。またヤツによって、惑星が滅んでしまった
﹂
その様子を二人の人物が別の惑星で見ている
﹁こ、このままでは
そう言った男は立ち上がった
﹁だが、今の僕ではあいつを⋮あの魔人を止めることはできない⋮﹂
﹂
!
!
きっとどこかに、僕と戦ってくれる強い戦士がいるはずだ
!
それから、トランクスとライスの日々が始まった
ーーーーーー
﹁助けを呼ぶんだ
其の二
16
トランクス
﹂
!
﹂
﹁キキャキャッ
?
﹂
!
カン
カン
!
﹂
﹂
!
トランクスに釘を差し出すライス
﹁トランクス
﹁あ、しっまった釘が足りない⋮一度降りて取りに行かなきゃいけないな﹂
家の屋根の修理をするトランクスとその様子を後ろから眺めるライス⋮
!
ーーーーーー
一緒に空を飛んだり
﹁待って
空を飛んで渡り鳥に付いて行こうとするライス
!
あれ
﹁あぁ、あれは、渡り鳥だね。この時期になると暖かい場所を目指して飛んでいくんだ⋮
渡り鳥を指差すライス
﹁トランクス
!
17
﹁あぁ、ありがとう⋮って、ん
﹂
?
﹂
ライスを見るが服にポケットはない
﹂
﹂
﹁この釘、どこにあったの
﹁キ
?
?
﹂
!?
変化した重力に驚くライス
そこを触ったら
!
﹂
重力制御室のダイヤルを回し、5倍まで重力を引き上げるトランクス
﹁キャワッ
﹁いいかいライス、この機会を使えば部屋内の重力を調節できるんだ。﹂
ーーーーーー
一緒に働いたり
それを見て目を丸くするトランクス
腕を伸ばして遠くにある窓に手を突っ込むライス。
﹁えぇ
!?
﹁まずはこれで体を鳴らしてから⋮って、ライス
!!
其の二
18
ズズズズズゥッ
﹂
﹂
!
﹂
?
警戒心を強めるトランクス。
﹁⋮⋮家に⋮何か御用ですか
れる独特の雰囲気に顔をしかめた
丁度、買い物から帰ってきたところだったトランクスは振り返る共に二人から感じら
トランクスの前にとある二人の人物が現れた。
シュタッ⋮
そんなある日のことである。
そして、ライスとトランクスの間には深い絆が築かれていったのだった⋮
こうしてライスは数カ月の間に力と知能と正義の心を身に着けていった。
ーーーーーー
一緒に修行をしたり
﹁キキャキャッ
﹁う、うぐぉぉっ
部屋の重力を350倍に引き上げるライス
!!
!?
19
すると、二人のうちの小柄な男が宙を浮遊してトランクスの前に出た。
﹁はじめまして、トランクスさん⋮本日はあなたに頼みがあって来ました﹂
⋮なぜ、僕のことを知っているんだ⋮⋮︶
その言葉を聞いたトランクスはより警戒心を強める。
︵どういうことだ
﹁なっ
僕の心を読んだ
﹂
トランクスが何も言っていないのにこんな言葉を返した
﹁あなたのことは、北の界王から聞いています。今、北の銀河で最も強い戦士だと⋮﹂
すると、その男は
?
!?
﹂
?
﹂
!
小柄の男は後ろに控える男を静止した
﹁よしなさいキビト⋮﹂
﹁知り合いなどではないこのお方は
それに対し反応を示したのは後ろに控える、赤い肌をした大柄な男のほうだった
にかでしょうか
﹁あなたは界王様から僕のことを聞いたと言いましたね。では、界王様の知り合いかな
そして、トランクスは一度冷静に考える
﹁えぇ、僕の能力なんです。最も、深層心理までは読めませんがね⋮﹂
!
﹁申し遅れました。私は⋮﹂
其の二
20
そして、男は自分からその正体を明かすのであった
﹁私は⋮界王神と言います⋮⋮﹂
21
其の三
家の中で机を挟んで向かい合うトランクスと界王神。界王神の隣には付き人である
キビトも一緒だ。
そして、緊張した面持ちでトランクスは口を開く
﹁まさか、界王様より高位の存在がいただなんて。知らなかったとはいえ無礼を働いた
ことをお許しください﹂
﹁いえ、その件は気にしないでください﹂
威厳を保ちつつも柔らかく言う界王神の姿を見てトランクスは少しだけ肩の力を抜
く
﹁それで僕に頼みというのは﹂
いよいよ本題に入るトランクス
界王神は話し始めた。
んでもない自体も含めて⋮﹂
﹁はい、内容を伝える前に最初から経緯をお伝えします。今、この地球で起こっていると
其の三
22
﹁かつて、世界を支配しようと企んだ恐ろしい魔術師がいました。
その名は魔導師ビビディ。彼は戦闘力は持っていませんでしたが、邪悪な魔術にたけ
ていました。
そして、ビビディはその邪悪な魔術を使い、全宇宙を震撼させる恐るべき力を持った
怪物魔人ブウをこの世に出現させたのです﹂
界王神のかつての記憶が呼び覚まされる。
ピンクの姿をした脅威の魔神の姿が⋮
﹁しかし、魔導師ビビディは自らの魔術を使って、魔人ブウを封印しました。どうやら、
静かに目を瞑る界王神
﹁それで⋮﹂
まさか、宇宙にそんな化物がいたなんて⋮
トランクスの額に汗が滴る。
﹁僕以外の全ての界王神が、その圧倒的な力に敗れてしまったんです。﹂
そして、自分を庇って吸収されてしまった大界王神
てしまった西の海王神、剣で挑みかかるも力が及ばなかった南の界王神⋮
引きちぎった腕が原因で吸収されてしまった南の界王神、勇猛に立ち向かったが敗れ
﹁私達、界王神は力を合わせて魔人ブウに立ち向かいましたが⋮﹂
23
魔人ブウの力は、ビビディの手にも余るものだったようです。そして、ビビディは封印
下魔人ブウを連れてこの地球に降り立ちました。そして⋮﹂
封印された魔人ブウを置いた瞬間に界王心は自らの超能力を用いてビビディに金縛
りをかけた
不意打ちにより抵抗できなかったビビディに界王神はありったけの気をぶち込んだ
﹁魔人ブウの封印が解ける前に僕は、ビビディを殺すことに成功したんです。魔人ブウ
の封印を解く呪文が使えるのはビビディのみ、結果的に僕は、魔人ブウの脅威を取り除
くことができたのです﹂
話を聞き汗を拭うトランクス
しかし、トランクスの脳裏に嫌な予感がよぎった
魔人ブウの脅威は取り除かれたはず、しかし、界王神は自分に協力を求めてきた。
それが意味することはつまり⋮
そして、その場所にはピンク色の体を持つ魔人ブウによく似た何かが笑っていた⋮
突如、その惑星が何かにより破壊されたのだ。
それは、ビビディが魔人ブウを封印した惑星から始まった。
かもしれませんが恐ろしいことが起こってしまったのです。﹂
﹁えぇ、あなたのお察しの通りです。魔人ブウ、いえ、正確には魔人ブウとは言えないの
其の三
24
﹁おそらくビビディは魔人ブウを完全に封印することが出来なかったのでしょう、その
惑星に残された魔人ブウの欠片の一部が独自の進化を遂げ、邪悪な意思を持ってしまっ
たのです。そこに、新たなる魔人が誕生した⋮﹂
そして、ブウの欠片は衝動の赴くまま宇宙空間を彷徨い、すでに幾つもの惑星を破壊
しているのだという⋮
しかし⋮﹂
!
僕と一
!
︵もし、その魔人がこの地球に現れたら、どうなるのかは目に見えている。そんなこと、
で結論は出ていた。
話を聞いたトランクスは界王神に頭を下げられたことに驚くものの、話を聞いた時点
緒に、魔人と戦ってください﹂
かっています。ですが、宇宙の平和のためにおねがいします。トランクスさん
﹁だ か ら、あ な た に 協 力 を 求 め に や っ て き た ん で す。危 険 な こ と を 頼 む と い う の は 分
そして、真っ直ぐな瞳でトランクスを見つめた
ツを止めることはできない﹂
﹁魔人ブウの欠片から生まれたとは言え、魔神の力は驚異的です。恐らく、僕一人ではヤ
界王神は悔しそうに拳を握りしめる。
片から誕生した、新たなる魔人を倒さねばなりません
﹁これ以上、あの魔人に好き勝手させるわけには行きません。一刻も早くあのブウの欠
25
﹁あぁ、ありがとう⋮⋮
﹁うわぁぁぁぁぁぁぁぁ
﹂
﹂
突然悲鳴を上げて机の上のお茶をこぼしてしまう界王神
こぼれたお茶は隣のキビトにかかってしまい、キビトは﹁あちゃっ
慌てふためいている
突然の出来事に驚いて立ち上がったトランクスは
﹂
あちゃっ
!
!!
﹂と
絶 対 に 起 こ し て は い け な い。こ の 地 球 を 二 度 と あ ん な 地 獄 に し て は い け な い ん だ
﹂
!
⋮⋮それに、界王神様にお願いされて、断るわけにはいかないよな︶
トランクスさん
それを聞いて界王神は嬉しそうに顔を上げた
ありがとうございます
﹂
﹁分かりました。僕にどこまで出来るか分かりませんが、協力します
その時
﹁本当ですか
コトン、コトン⋮
!!
話をしていた界王神とその隣りにいたキビトの前にお茶が置かれた。
!
しかし、お礼を言おうと振り返り、ライスを見た界王神の顔は一瞬で青ざめた
お茶を置いたのはライスだ。
!?
!!
界王神様
?
!
!?
﹁どうしたんですか
?
其の三
26
﹂
すると界王神は狼狽したままわなわなと震える手で恐ろしげにライスを指さし、こう
魔人ブウの欠片から生まれた魔人というのはこいつなんです
﹂
!!
答えた
﹁こ、こいつです
﹁な、なんだってぇぇぇ
﹂
?
と、ただ首を傾げるだけだった⋮⋮
﹁キ
話がわかっていないライスは
!?
!
27
﹂
其の四
﹁キ
ブウの特徴に似ている。
しかし⋮
?
﹁ま、間違いありません
忘れるはずがない、この恐ろしい顔を
﹂
!!
﹁トランクス
﹂
?
﹂
!?
が⋮
確かに白目が黒で瞳が赤、肌の色がピンク色というのは変わっているのかもしれない
しかし、界王神は恐怖に歪んだ顔でライスのことを語る。
!
無邪気なライスが、幾つもの惑星を破壊した邪悪な存在だということを⋮
トランクスには信じられなかった。今、ここにいるライスが、パンケーキが大好きで
﹁界王神様、本当にライスが魔人ブウの欠片なんですか
﹂
確かにピンク色の体に赤い目。腕や足は自在に伸びるなど、界王神の言っていた魔人
首を傾げるライス。
?
﹁まぁ、そういうことなら心配いりませんよ、界王神様。ここにいるライスは⋮⋮
其の四
28
しかし、トランクスの言葉を界王神は聞いてはいなかった。
﹂と、怒りを顕にしている。
離してください
﹂
トランクスの方を向き界王神の方へ意識が行っていないライスに向かって手をつき
だす。界王神、その掌から青い光球が創りだされる。
バシッ
、何をするんですかトランクスさん
トランクスは界王神の手首を掴んで静止する。
﹁
バッ
しかし、界王神は取り合おうとしない
﹂
﹁あなたは、魔人ブウの恐ろしさを知らないからそんなことが言えるんだ
いる間にこいつを消滅させなければ取り返しのつかないことになる
そして、界王神はキビトやライスを尻目に構えを取った⋮
今、油断して
界王神様。何を勘違いしているのかは知り
ませんが、そこにいるライスはそんな邪悪な存在ではありませんよ。﹂
?
どこか慌てた様子でトランクスの手を振り払った
!
﹁
﹂
﹁トランクスさん、邪魔をするというのなら、たとえあなたでも許しませんよ⋮﹂
!!
!
!
後ろにいるキビトも﹁界王神様になんと無礼な
!!
!
﹁あなたこそ、どういうつもりなんですか
!
!
29
!?
とりあえず落ち着かせないことには⋮︶
完全に冷静さを失った界王神には話を通じないことを悟る
︵このままじゃ、まともに話もできない
!
界王神様に挑もうなどと
﹂
やむなくトランクスも臨戦態勢を取った
﹁馬鹿な
﹂
!!
﹂
その様子に焦りを覚えたのは寧ろ界王神の方
ど敵では無かったからだ⋮
人造人間やセルとの戦いを潜り抜けてきたトランクスにとっては、もはやフリーザな
く動じていなかった。
トランクスを怖がらせようとして界王神は言ったのだろう。しかし、トランクスは全
﹁⋮⋮﹂
ない⋮﹂
リーザでさえ、一撃で倒すだけの力を持っています。あなたでは太刀打ちできるはずが
﹁無駄ですよトランクスさん⋮北の銀河では名を馳せた戦士なんでしょうが、私、あのフ
慌てふためくキビトと良くわかっていないライス
﹁トランクス
?
!
!!
そして、界王神が動き出した。
﹁⋮⋮っ、たぁぁぁぁっ
其の四
30
飛び出して、拳による猛烈なラッシュをトランクスに叩きこむ
シュバババッシュバババッ
﹁っ⋮⋮﹂
バッ
ガードしながらも押される形となり徐々に交代するトランクス
!!
バシュン
﹂
!!
バシュン
バシュン
!
﹁逃しませんよ
!
シュイィィィン
界王神はトランクスに向けて大きな気弾を三発打ち出した
!
一旦界王神の拳を払いのけ、一気に後退、そのままトランクスは外に出た。
!
﹂
!!
﹁
、界王神様の気が感じられない⋮一体どこに⋮⋮
!?
﹂
しかし、気弾をはじき飛ばしたトランクスはすぐに違和感を感じ取った
弾かれた気弾ははるか遠くまで飛ばされてしまう
そのままトランクスは気弾を自らの拳ではじき飛ばした
﹁このぉっ
とこまでも追いかけてくる
気弾は舞空術で飛ぶトランクスに追従。
!!
!
31
﹁はぁっ
﹂
ドガァッ
﹂
!!
その時、置いて行かれたキビトとライスがその場に到着する
あがった
両手から衝撃波が放たれ地面に叩きつけられるトランクス、その場には激しい土煙が
﹁だぁぁぁっ
体制を崩したトランクスに向けて界王神は両手を突きつけた
サッ
が来てしまう
トランクスもなんとかガードするも体制が十分でなかったため、鈍い音とともに衝撃
み合わせたアームハンマーを叩きこむ
気を抑えたままトランクスの背後に現れた界王神は一気にパワーを開放し、両手を組
!!
!!
!
と、口にするキビトと同様、界王神もまた、自身の勝利を確信していた
愚かなことを⋮﹂
﹁どうやら、勝負あったようだな。全く、有能な戦士だというのに、界王神様に挑なんて
其の四
32
﹁すみません、あの魔人にこれ以上の破壊を許すわけにはいかないんです⋮あなたに、僕
の邪魔をさせるわけにはいかない⋮﹂
﹂
しかし、その時だった
﹁はぁぁぁぁぁっ
﹂
パワーが何十倍にも跳ね上がっている
変身した
りあたりを覆っていた土煙が一気に払われる
﹁なぬっ
﹁なんだあれは
﹂
土煙の中から響くトランクスの声、それと同時に放たれた金色の強大な気の奔流によ
ビュィィィィィン
!!!!
!!!
﹂
﹁それで全力か
﹁なっ
﹂
?
突然の変化に戸惑う界王神を尻目にトランクスは強気に言い放った
!!
!?
﹁それで全力かと聞いている
﹂
超サイヤ人、トランクスの姿が⋮⋮
があった
金色に輝き、天をつくように逆立つ髪を持ち、黄金色の気をまとったトランクスの姿
!?
!?
払われた煙の中心、そこには
!?
!?
33
一度目をつむり服に着いたほこりを手で払う
﹁もしさっきのが全力だったならもうやめたほうがいい⋮﹂
﹂
そして、もう一度目を見開きその青い瞳で真っ直ぐに界王神の姿を見据えた
﹁あなたは僕には、絶対に勝てない
其の四
34
!!
其の五
﹁絶対に勝てない⋮﹂
ハッタリなのかと思い、トランクスの心を読む界王神⋮
だが
︶
本当に、僕に勝てる自信があるんだ⋮︶
たらりと汗をかく界王神
︵は、ハッタリじゃない
トランクスはただ界王神を見つめる
ピッ
︵ま、まさか⋮僕は界王神なんだ。負けるはずがない
︵手応えあった
今だ
︶
!
﹁はぁっ
﹂
トランクスはただの気合で金縛りから抜けだした
!!
るが⋮
先ほどと同じようにトランクスに跳びかかり、動けないトランクスを攻撃しようとす
!
界王神は超能力を使い、トランクスを金縛りにかける
!
!
!
35
そして
ガシッ
﹁なっ
﹂
そのまま自分に突き出された拳を片手で受け止める。
!
﹁ふんっ
﹂
ドカァーン
!!
﹂
!
﹂
﹁こっちだ﹂
痛みをこらえて空中で必死にブレーキをかける。だが⋮
﹁ぐっ、ぐぅっ
頭突きを受けて遠くまで吹き飛ばされる界王神
トランクスはそのまま界王神に向かって頭突きをかました。
!
一切動じずに受け止められたことに驚きを隠せない界王神
!?
!!
ポッピィィィ
気功派を発射
!!
そして、界王神の胸に向かってつきだした掌から
すでにトランクスは界王神の後ろに回り込んでいた
﹁はっ
其の五
36
至近距離で打ち出された気弾は界王神を地面にまで運んでいく
ドォォォォォン
そして、界王神ごと地面に激突した
!!
トランクス
﹂
!
﹁かっ、界王神様
貴様
なんてことを﹂
!
界王神はゆっくりと起き上がるとトランクスの言葉に耳を傾ける
未だ警戒を強めるキビトだが
神だと言うのは誤解なんです﹂
ここにいるライスに殺しや破壊をしようという意思はありません。この子が邪悪な魔
﹁すみません、とても話を聞いてくれる状態では無かったので⋮でも、聞いてください。
怒りの矛先を向けるキビトを静止する。
!
超サイヤ人への変身を解除しいつもの優しい笑顔で迎えた
﹁大丈夫、もう終わったよ﹂
そこへ、ライスが心配そうに駆け寄ってきた
﹁トランクス
!
地面に着地したトランクスは界王神の様子を確認する。
シュタッ⋮
﹁はぁ、はぁ⋮⋮う、うぐっ﹂
37
ご無事ですか
⋮あなたとその魔人の間になにがあったのですか
?
﹂
﹁どういう⋮ことなんですか
﹁界王神様
!?
⋮﹂
?
﹂
?
いた
話を聞いて少し考え始める界王神。治療は終わったらしく、戦闘の傷跡は無くなって
だったとしても問題ないのでは
と は し ま せ ん。力 の 使 い 方 を 間 違 え な い の で あ れ ば い く ら 元 の 魔 人 が 恐 ろ し い 存 在
﹁確かに、この子はとてつもないパワーを秘めてはいます。しかし、その力を悪用しよう
は無縁な活動を続けていたこと、地球の世俗に何の問題もなく馴染んでいたことを⋮
地球に落ちてきた時こそ周りに被害を与えたがその後は子供のように純粋で破壊と
そして、トランクスはこれまでの経緯を説明した。
キビトは界王神の治療を開始する。
とは⋮﹂
﹁えぇ、トランクスさんがてをぬいてくれたようです⋮しかし、下界にこんな戦士がいた
!
トランクスは界王神に頭を下げる
ますから﹂
たに任せましょう。悪さをしないものを退治してしまっては、界王神の沽券にも関わり
﹁分かりました。あなたがそこまで言うのであればそこにいるライスさんのことはあな
其の五
38
﹁寛大な処置を、ありがとうございます
だが、界王神の話は終わらなかった
﹂
!
﹁
﹂
なんだって
﹁キ
﹂
!?
ると⋮⋮⋮
まさか
﹂
!?
その存在は空からゆっくりと落下してきた
ゴゴゴゴゴゴゴ⋮
その時だった⋮⋮
事情を飲み込めたトランクスもまた気を引き締める
界王神表情がみるみる青ざめる
!!
ありません⋮惑星が消えたあとにはピンク色の魔人の姿がいつもありました⋮だとす
﹁しかし、破壊活動をしていたのは魔人ブウの欠片から生まれた魔人であるのは間違い
その期間に他の惑星を破壊することなど不可能だ
地球にいる間、ライスが宇宙へ上がったことなど一度もない。
?
!?
神による惑星破壊は続いていました⋮﹂
﹁しかし、そうなると疑問が出てきますね⋮そこにいるライスさんが地球にいる間も、魔
39
﹁あ、あぁぁ
﹂
⋮ライス、怖い
!
界王神のが恐怖のあまりに後退りする
、と、トランクス
﹂
?
!?
﹂
!
のの、頭上から伸びる長い触覚のようなものが二本⋮
ピンクの肌、黒い目に浮かぶ赤い眼光、頭は白い骨格のようなもので覆われているも
そこに現れたのは
﹁欠片から生まれた魔人は⋮⋮二人いた
そして、振り返ったトランクスも全てを悟った⋮
ライスもその姿を見ると怯えるようにトランクスに擦り寄ってくる
﹁
!
そして、不気味に笑う魔人だった⋮
﹁ハッハァ∼﹂
其の五
40
其の六
⋮﹂
空からゆっくりと現れた魔人は、トランクスたちを見るとニタリと不気味な笑いを浮
かべる。
﹁ど、どうしてこの場所に
﹂
!?
﹁ぐっ
うおぉぉぉぉぉぉ
!
﹂
エネルギーボールは地面を砕きながらまっすぐトランクスに向かってきた
魔人の手を離れた途端に気弾は巨大化し、巨大なエネルギーボールへと変化した。
そして、トランクスに向かって発射される
バシュゥゥゥゥゥゥン
﹁これは
魔人はその掌をトランクスに向けると気を収束させ始める
ポォォォ⋮
すると
﹁こいつ、僕を見て⋮﹂
そして、魔人が見つめるのはトランクスただ一人だ。
!?
!!!!
!!
41
トランクスは両手をつきだしてエネルギーボールを受け止めた。
避けることもできただろう。
しかし、トランクスの背後には街があった
界 王 神 と の 戦 い の 中 で 街 か ら は 出 来 る 限 り 離 れ た も の の こ の エ ネ ル ギ ー ボ ー ル が
﹂
真っ直ぐ飛んでいけばその先にある街にも被害が出る。そのためトランクスは避ける
ことができなかった。
﹁うぉぉぉっ、はぁぁぁぁぁっ
ギュィィィン
!!!
﹁トランクス
﹂
超サイヤ人に変身してもこらえるのがやっとの状態⋮
しかし、そのパワーは楽に止められる物では無かった。
!!
バシュゥゥゥゥゥゥン
!!!!
!
その拮抗状態を破ったのはライスだ
ガシッ
!
、ダァァァァッ
﹂
トランクスと共にエネルギーボールを抑える
!!
!!
ライスの助けを借りてなんとかエネルギーボールをかき消すことに成功した。
﹁
其の六
42
﹁はぁ、はぁ⋮大丈夫か
ライス
﹂
?
トランクスはそれだけで息が上がってしまっている。
﹁き、キィ⋮﹂
?
だが、魔人の攻撃はそれだけでは終わらなかった⋮
﹂
ズシュゥゥゥン
﹁シャハーーッ
!!
﹁ぐおぉぉっ
﹂
バキィーン
!
﹁トランクス
﹂
!!
﹂
!
﹂
!!
魔人は3mほど離れた位置から手足を伸ばしてトランクスに攻撃を仕掛ける
﹁ハハァーッ
なんとか空中で踏みとどまったが休む暇はない
﹁ぐぅぅっ
ライスと界王神もトランクスを追った。
﹁トランクスさん
﹂
勢いに押されてトランクスは大きく吹き飛ばされてしまう
!
間髪入れずにトランクスに突撃を仕掛けてきた
!!
!!
43
シュパババババッ
﹁このっ
﹂
を伸ばしてもパンチやキックでは反撃ができない
なんとか攻撃をかわすも距離が離れてしまっている以上トランクスがどんなに手足
!!
んだ。
!!
﹂
ドガァァァァァン
﹁ひゃっ
﹂
ババババババババババッ
!!
気弾の爆発によりさらに煙幕が発生し、もはや魔人の姿はどこにも見えなくなってい
そのまま爆発の中心地に向けて気弾を猛連射する。
!!!!
攻撃は確実に命中している
閃光が魔人の体に命中すると同時に巻き起こる爆発
!!
真っ直ぐに伸びる閃光は魔人を捉えた
両手を前につきだして、自らの師匠から教わった技を繰り出す
﹁魔閃光ーーッ
﹂
するとトランクスは一度バックステップで距離をとってから両手を額の前で手を組
!
!?
﹁ダダダダダダダダダッ
其の六
44
た。
だが
﹁はぁ、はぁ⋮やったのか
シュルルルン
﹂
!?
ブゥゥン
ドガァァァァァン
﹂
!!
﹂
?
﹂
そして、一緒にやってきたライスは
トランクスに駆け寄る界王神⋮
﹁だ、大丈夫ですか
そこへ、界王神が駆けつけた
﹁トランクスさん
﹁ぐぅっ、はぁ、はぁ⋮﹂
叩きつけられたトランクスは体に襲いかかる衝撃を必死にこらえる
!!
そのまま力強く地面にたたきつけた
!!
そのままトランクスの首をガッシリと捕まえると
﹁ぐわぁっ
煙幕の中から魔人のピンクの腕が伸びてきた
!!
?
45
﹁キキィィ⋮﹂
﹁シャハァァァ⋮﹂
魔人と対峙していた。
鋭い目で魔人を睨みつけるライス
﹂
﹂
﹁トランクス、虐めた⋮⋮トランクス、悪くないのに⋮⋮﹂
﹁シャァ
﹁ライス、悪い奴やっつける
ダッ
﹂
そのままライスは魔人の懐に入ると前傾姿勢のまま強烈なラッシュを叩き込んだ
!!
?
!!
﹂
!!
ガチィッ
﹂
バキィーン
ライスの拳を硬い骨格のようなもので覆われた頭で受け止めると
﹁ギィッ
!?
!!
しかし、魔人も負けてはいなかった。
﹁シャギャァァァッ
突然の猛攻に魔人は防戦一方となってしまう。
﹁シャ、シャッ
!?
!
其の六
46
胴への回し蹴りで反撃
﹂
その力によりライスもまた大きく吹き飛ばされてしまった。
﹁なんてことだ⋮同じ魔人でも、か、敵わないのか
﹂
!!
﹂
!?
﹂
﹁大丈夫か、ライス
﹁トランクス
﹂
?
二人でやればきっと勝てる
!!
!
二人は敵である魔人を見据えた
﹂
﹁大丈夫さ
﹁キィ
!
ーーーーーー
そして、二人で同時に魔人の方へと駈け出した
!!
﹂
そして、苦しそうに呻くライスの隣へと駆けつける
﹁キ、キキィ⋮﹂
﹁トランクスさん
隣りにいたトランクスは再び気を練り直すと魔人の方へと飛び出した
﹁はぁぁぁっ
ライスが行っても変わらない戦況に界王神は狼狽する
!?
47
バキィーン
バキィーン
バキィーン
!
!
バキィーン
!
だが⋮ ﹁キィィィ
﹂
ズバァァァン
!!
﹂
﹂
⋮﹂
!?
!!
二人は下から魔人を睨みつけていた
空中で静止した魔人
﹂
さらにライスは鋭いアッパーカットで魔人を空高く打ち上げた
﹁シャッ、シャハァァ
腕を切られ怯んだ隙にトランクスが膝蹴りで顔面に重たい一撃を加える。
﹁たぁぁぁっ
から状況は一辺する
ライスが気で形成した剣を使い、トランクスを真似た剣術で魔人の右腕を切り裂いて
﹁シャギャァァァッ
!!!!
!!
角と言った状態だった。
空中で三人は激突する。トランクスとライス、二人で挑みかかっても魔人とやっと互
!
!!
﹁し、シィヤァァァァッ
其の六
48
﹁シギィィィィッ
﹂
﹁シャァァァァァァァァッ
﹂
その様子を見た魔人は怒ったように顔を歪めると掌を空に掲げる
!!
う⋮
﹁トランクス
﹁あぁ、絶対にやらせるもんか
!
ギュォォォン⋮
﹁シャァァァァァァァァッ
キィィィィン
﹂
﹂
それに向けてトランクスとライスは同時に技をはなった
魔人が手を下へ振ると同時に落下していく球体
!!
!!!!
そして、トランクスによりライスへも伝えられた技
これは過去の時代で、父、ベジータから教わった技⋮
トランクスとライスは腰の近くに持ってきた両手に気を集中させる。
それを防ぐには技を打ち消すしかない
!!
﹂
られたそれが地面に落ちれば地殻を突き破りこの地球が粉々に砕け散ってしまうだろ
するとそこから超特大のエネルギーボールを作り出した。莫大なエネルギーの貯め
!!!!
49
﹂﹂
空中で巨大な球体と一筋の光線が激突する
ドガォォォォォォン
バシュゥゥゥゥゥゥン
﹁﹁ギャリック砲ーーッ
!!!!!!
!!!!
!!
﹂
両者とも全力で力を込めるが両方の技の力は拮抗し、決着が着かない
﹂
﹁うおぉぉぉぉぉっ
﹁キィィィ
!!
しかし。その時
パァン
魔人の背中に何かが当たった
何かあったのかと魔人が振り返ると、そこにいたのは
﹁う、うぅ⋮﹂
このくらい
!!
魔人が見せたほんの一瞬の隙、だがその一瞬が命取りとなる
!
界王神だ
﹂
このままどちらかが倒れるまで押し合いが続くのかと思われた。
トランクスもライスも全力で力を込める⋮
!!
!!
﹁僕だって、全宇宙を統べる界王神なんだ
其の六
50
﹁今だ
﹁
﹂
﹂
その瞬間にギャリック砲がボールを完全に押し返した
!!
二人共﹂
!
﹂
それはまるで死んでしまった魔人を悼むかのようだった⋮晴れない表情で何もない
そして、ライスは消えた魔人の方へと静かに歩いて行く
ございました﹂
﹁いえ、僕の方こそあなたがいなければ何もできなかったでしょう。本当に、ありがとう
﹁ありがとうございました。界王神様のおかげです﹂
﹁やりましたね
そこへ、界王神が降りてきた
﹁これで、終わったんだな⋮﹂
トランクスとライスは魔人が完全に消え去ったことを確認する
﹁はぁ、はぁ⋮﹂
ズゥゥゥゥゥン⋮⋮
大きな光に包まれ魔人は光の中へと飲み込まれて言った⋮
﹁シャ、シャギィヤァァァァァァァァァッ
!!!!
気づいた時にはすでに遅く巨大な光が魔人を飲み込んだ
!?
51
⋮そうか、あいつも元々はお前と同じ存在だったんだ。出会い方が違えば友
虚空を見つめる⋮
﹁ライス
しかしその時だった
バッ
﹂
キキャッ
、ライス
!!
﹁キィ
﹂
切断されて落ちていた魔人の右腕がライスに襲いかかった
!
︵力があるから悪いんじゃない⋮あの力の使い方を間違えなければあいつだって⋮⋮︶
トランクスもまた魔人を見て母の言葉を思い出していた
達になれたかもしれないのにな⋮﹂
?
!
!
!?
いく
トランクスッ
﹂
!!
苦しそうにもがくライスはピンクの泥に包まれてしまうまで必死に手を伸ばしトラ
!
右腕はライスの首を掴むとドロドロと形を変えながらライスの体全身を包み込んで
﹁
!?
﹁トランクス
其の六
52
﹂
ンクスに助けを求めていた
ライスーッ
!!
ていった
そんな
﹂
!?
はっきりと言葉を話した
﹁お前⋮殺す⋮⋮﹂ 魔人はトランクスの姿を見てニヤリと笑うと
先ほど倒したはずの魔人がより強くなりトランクスと海王神の前に立ちふさがる
進化した姿を持つ魔神の姿だった⋮
より恐ろしくなった薄暗いピンクの肌を持った
より逞しくなった全身の筋肉
より人間らしくなった顔
より鋭く尖った骨格上のパーツに覆われた
慌てる界王神の視線の先には
﹁あ、あぁっ
!
トランクスの叫び声も虚しくライスを完全に覆った泥は粘土のように形を変化させ
﹁ライス
!
53
其の七
﹁お前を、殺す⋮﹂
再びトランクスは身構える。
ライスをどうしたんだ
﹂
魔人ことも気になるがトランクスが気にしていたのはライスのことだ。
﹁お前、一体なんなんだ
!!
﹁吸収だって
﹂
﹁あいつは俺が吸収した⋮あいつの力は、俺がもらった⋮﹂
それを聞いた魔人はその不気味な笑いを崩さずに答えた
のに救えなかった魔人の少女の名前
倒したと油断していた目の前の魔人に飲み込まれてしまったライス、すぐ近くにいた
!
取り込むことで吸収したものが持っていた力や技、特性を受け継ぐもの
吸収、それは魔人ブウをが持っていたおそるべき能力の一つだ。対象を自身の体内に
狼狽えるトランクスに魔人は余裕を見せる
!?
確かめるように拳を動かし、体の動きを確認する
﹁今までも、いろんな場所で力のあるやつを吸収していった。でも⋮﹂
其の七
54
シャハハハハハハァッ
﹁こいつは凄い⋮あいつを吸収した途端、今までとは比べ物にならないくらいパワーが
﹂
﹂
!
一体なんのためにそんなこと
吸収だけじゃない。お前はその力
あがった。今までは話せなかった言葉も話せるようになった
今まで一体何人の人を犠牲にしてきたんだ
をするんだ
で惑星を破壊して罪のない人の命を奪って来たはずだ
﹁お前
!
その様子を見て怒りに震えるトランクス
﹁⋮⋮⋮なぜだ⋮﹂
魔人は嬉しそうに笑う。
!!
バキィィィン
!!
吹き飛ばされたトランクスの後ろに回りこんでは
そこからは一方的な展開となった
シュゥゥゥン⋮
﹁お前壊すの、多分もっと楽しい⋮﹂
﹁がっ、がぁっ⋮﹂
突如飛び出した魔人は猛スピードでトランクスの腹に拳をめり込ませる
﹁大きくて壊れにくいものを壊すの、楽しいから⋮でもも、今気づいた﹂
!!
!
!
55
﹂
﹂
﹂
重い一撃を何度も浴びせ、トランクスをまるでボールのように吹っ飛ばす
﹁このぉ
なんとか踏みとどまり
ポピィィィ
ヒュゥゥゥン
気功波で反撃を試みるも
バシッ
﹂
﹂
あっさりと弾き飛ばされてしまう
﹁ぐっ
﹂
﹁シャハァァァ⋮﹂
シャハッ
!!
トランクスの攻撃は全く通用しない
﹁もっと、抵抗しろ。そのほうがおもしろい
界王神もキビトも手を出せずにいた
!
一方的に攻撃を受け続け、なんとか反撃の機会を探るも
﹁がはぁっ
﹁がぁっ
!
悔しそうに拳を握る界王神
!?
!!
!
!!
!
﹁と、トランクスさん⋮こんな時に僕は⋮何もできないのか
其の七
56
バキィィィン
ドガァァァァァン
﹁こ、こいつは⋮﹂
態になる
魔人に蹴り飛ばされて地面にたたきつけたトランクスは立ち上がるのがやっとの状
﹁ぐっ、がぁっ⋮ぐぅっ⋮﹂
!!
!!
トランクスさん、まさか
﹂
パワーもスピードもトランクスより遥かに上を行っており何をとってもかなわない
その上⋮
﹁この感情
!
﹁これで、終わり
﹂
トランクスを瞳に写したその目は、狂気に歪んでいる
言葉を話せるようになっても、その邪悪さは変わらない。
﹁シャハァァ⋮﹂
ゆっくりと着地する魔人⋮
︵このままじゃ、地球が破壊されてしまう⋮でも⋮︶
にいた。
さらに吸収されたライスのことが気になってしまい、魔人との戦いに全く集中できず
!?
57
!!
そして、魔人は膝をつくトランクスを踏み潰そうと、その足を振り上げた
トランクスは硬く目を閉じる
ここまでか⋮
悔しさの滲んだ表情で、無駄だろうがその衝撃に備えた
しかし、トランクスに振り上げられた足が振り下ろされることは無かった⋮
﹁⋮⋮﹂
其の七
58
其の八
トランクスはゆっくりと目を開ける
そこにあったのは
自分でも信じられないと言った表情をした魔人
そして
シュゥゥ⋮
魔人の踵落としにより砕かれた自分の数センチ横の地面だった⋮
﹂
﹁一体どういうことなんだ
﹂
何が起こっているんだ
﹁わ、私には全く分かりません
﹂
!!
魔人は足を引っ込めるとその場で苦しみ始めた
﹁しゃ、シャギャァァァッ
キビトも界王神も状況が分からず混乱している。
!
?
﹂
しかし、蹴りはトランクスの顔に当たる寸前で止まってしまう。
足を振り上げてトランクスの顔に回し蹴りを決めようとする魔人
﹁シャッ
!!
!?
59
彼女
"
の気を⋮
"
そして、その瞬間にトランクスはハッと顔を上げる
その一瞬でトランクスは確かに感じ取った。魔神の中にいる
﹂
﹂
﹂
!!! !!!
﹁だぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ
ジュボッ
﹂
魔人の中からライスを救い出すことに成功した。
!!
そのまま力の限り引っ張りそしてついに
!!!!
魔人に吸収されてしまったライスの右腕だ
そこから出てきたのはピンク色の腕
ず、ズズズ⋮
魔人の抵抗に耐えながら、トランクスは力の限り掴んだものを引っ張る
﹁うおぉぉぉぉぉっ
﹁シャギャァァァッ
そして、その中にある何かを掴んだ
トランクスは苦しみもがく魔人の左腕に手を差し入れる。
﹁ライス
!!
ぐったりと気を失っているライスをそのまま寝かせるトランクス
﹁はぁ、はぁ⋮﹂
其の八
60
界王神もその様子を見てようやく状況を理解していた
﹂
吸収されていたライスさんがいたせいでトランクスさんにトドメをさすこと
ができなかったんだ
﹁そうか
ライスをおねがいします
﹂
!
﹂
!
目の前の敵を確実に消滅させるために限界まで力を引き出す。
させる。
もう技も形も関係ない、ただありったけの気を体中からかき集め、右手に目一杯凝縮
それに対してトランクスも両手を前に突き出した
魔人は両手を前に突き出して気を練り始める。
﹁シャァァァァァァァ⋮﹂
らだ
魔人の中からライスがいなくなった以上、魔人は容赦なくトランクスを攻撃できるか
界王神は側近のキビトを向かわせるも緊張を解かない
﹁キビト
トランクスはもう一度立ち上がると界王神に声をかけた
﹁界王神様
魔人はライスを引きぬかれたことで身体が軟化し元に戻ろうとしている。
!
!
!
61
﹂
このまま拮抗を続ければ
完全に息を切らしていたトランクス
しかし⋮
ゴゴゴゴゴゴ⋮
再びトランクスの気が高まり始めた
体力
両手に集められた気は七色に輝きを放ち始める。トランクスの思いに応えるかのよ
うな綺麗な輝き
﹂
﹂
﹁シャギャァァァッ
﹂
がなくなって倒れてしまう
﹁トランクスさんはさっきの戦いで消耗しきっている
それを見た界王神声を荒げた
﹁まずい
二つの気は中央で拮抗し始める。
魔人とトランクスから同時に気が放たれた。
﹁はぁーーーーっ
!!
不思議に思ったトランクスが後ろを振り向くと
!
!!!!
界王神が案じた通り、トランクスの気が徐々に押され始めた
!!
!
!
﹁はぁ、はぁ⋮﹂
其の八
62
﹁ンキィィィィ
﹁トランクス
﹂
頑張れ
⋮﹂
キビトの治療を受けて、立ち上がったライスが必死にトランクスに気を送っていた
!!
!!
まった。
﹂
﹂
しかし、魔神の方もあまり力が残っていない。
このまま飲み込まれるのも時間の問題だろう
そして、トランクスは口を開く
﹁お前はすごいやつだよ。たった一人で僕とライス、界王神まで退けた。﹂
気に耐えられなくなり徐々に腕が曲がり始める魔人
!
ライスを吸収し、圧倒的な力を身に着けた魔人、しかし、最後には吸収したはずのラ
﹁でも、お前は負けた。俺達の力じゃなく、ライスの優しさに負けたんだ
﹂
自身の気弾がかき消された魔人は両手でトランクスの気を押してなんとか踏みとど
﹁シャギャッ
バァァァァン
そして、ライスから受け取った気も合わせて、一気に敵のエネルギーを押し出した
﹁はぁーーーーっ
!!!!!!
嬉しそうに口の橋を持ち上げ再び前を向くトランクス⋮
!
!?
!!
63
イスに邪魔されて勝利をつかめなくなった。
敵でありながら一度は消滅した魔神のことを案じたライス
吸収されながらも必死に抵抗したライス
そのライスの優しさが奇跡を呼んだ。
ライスと同じようになれたかもしれなかった⋮﹂
﹁お前も、元はライスと同じ存在、お前にだって優しさを持ち力の使い方を謝らなければ
しかし、それは敵わなかった。破壊を楽しみトランクスを自身の喜びのために殺そう
とした魔人は完全に邪悪な存在となってしまっていた⋮
﹁これは僕の勝手な願いだが、もしお前が生まれ変わって⋮今度は善人としてこの世に
現れることができたなら⋮今度は敵としてではなく、ライスのように、友として⋮⋮﹂
トランクスは左手を話すと人差し指と中指を立てて額の前に持って行くと最後には
笑顔でこういった⋮
そして光の中に消えた魔人は欠片一つ残すことなく。消滅していった⋮
魔人がトランクスの気に完全に飲み込まれる
キィィィィン⋮
﹁また会おう﹂
其の八
64
エピローグ
シュゥゥゥン⋮
﹂
魔人が消え去ったあと、超サイヤ人を解きゆっくりと振り返る
﹁トランクス
﹂
トランクス
﹂
!
静かになったあたりを見回して良かったと界王神は胸をなでおろす
﹁えぇ、もう大丈夫です。あの魔人の気は一切感じられません﹂
﹁今度こそ、あの魔人の脅威は消え去ったんですね﹂
界王神とキビトもトランクスの元へ歩み寄ってきた
トランクスはそんなライスを優しく撫でる
﹁大丈夫さ、ライス。君のおかげでね﹂
トランクスが無事だったことを心から喜んでくれているようだ。
その声には安心感、そして喜びが感じられる。
﹁トランクス
するとライスが飛び跳ねてトランクスに抱きつきてきた
﹁おぉっ
!?
!
!
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そして、コホンと一つ咳払いをすると再び真剣な面持ちへと変わった
﹁しかし、あの魔人を見てわかったと思いますが、魔人は怖ろしく危険か存在です。そし
て、そこにいるライスさんも魔人だ﹂
トランクスに抱かれて泣き喚くライスを界王神は指差すと静かに続けた
﹁彼女が宇宙を脅かすことだって﹂
﹁心配いりませんよ、界王神様。﹂
トランクスは静かに言葉を返した
﹁彼女はただ力を持っているというだけのこと。生まれが同じでもその心はあの魔人と
は違います。どんなに力が強くてもその力を正しく扱える心があれば、それは脅威には
なりません。﹂
言葉を聞いた界王神は再びトランクスの心を読み、その気持ちに嘘はないかを確かめ
ると静かに笑った
と、トランクスに背を向け
さぁ、帰りますよキビト
や、あなた達ならきっと大丈夫でしょう。﹂
﹁はい、分かりました。最初に話を聞いた時には正直不安だったのですがあなたなら、い
エピローグ
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﹂
﹁では、またお会いしましょうトランクスさん。本当にありがとうございました。﹂
と最後に言い残し
フッ
と姿を消した
﹂﹂
その音に笑いながら二人は帰路につく
﹁﹁あっはっはっは
この先に待つ平和な我が家に帰るために
扱える心を、確かにもっているのだから⋮
なぜならこの二人は平和の意味を理解し、そして、その平和を守るために正しく力を
そしてこの二人の力は決して平和を壊すために向けられることはないだろう。
!
トランクスはその様子を見届けるとライスを下ろした
母さんがきっとご飯を用意して待ってくれている
!
降ろされたライスはキョトンとトランクスを見上げる
﹂
ライス
ご飯食べる
﹁さぁ、帰ろうか
﹁ライス
!
ぐぅ∼っとライスのお腹から音が鳴った
!
!
!
67
エピローグ
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ドラゴンボールZー未来超決戦ピンクでやわくてヤバイ奴
お し ま い
ー
!!