患者向医薬品ガイド 2014 年 3 月更新 ヒューマリンN注 100 単位/mL 【この薬は?】 販売名 ヒューマリンN注 100 単位/mL Humulin N 一般名 ヒトインスリン(遺伝子組換え) Insulin Human (Genetical Recombination) 含有量 (1 製剤中) 1000 単位 患者向医薬品ガイドについて 患者向医薬品ガイドは、患者の皆様や家族の方などに、医療用医薬品の正しい理解 と、重大な副作用の早期発見などに役立てていただくために作成したものです。 したがって、この医薬品を使用するときに特に知っていただきたいことを、医療関 係者向けに作成されている添付文書を基に、わかりやすく記載しています。 医薬品の使用による重大な副作用と考えられる場合には、ただちに医師または薬剤 師に相談してください。 ご不明な点などありましたら、末尾に記載の「お問い合わせ先」にお尋ねください。 さらに詳しい情報として、「医薬品医療機器情報提供ホームページ」 http://www.info.pmda.go.jp/ に添付文書情報が掲載されています。 【この薬の効果は?】 ・ この薬は、中間型インスリン製剤と呼ばれるグループに属する注射薬です。 ・ この薬は、細胞内への糖の取り込み、肝臓での糖新生の抑制、および肝臓、 筋肉におけるグリコーゲン合成の促進作用などにより血糖値を下げます。 ・ 次の病気の人に処方されます。 インスリン療法が適応となる糖尿病 ・ この薬は、医療機関において、適切な在宅自己注射教育を受けた患者または 家族の方は、自己注射できます。自己判断で使用を中止したり、量を加減せ ず、医師の指示に従ってください。 - 1 - 【この薬を使う前に、確認すべきことは?】 ○次の人は、この薬を使用することはできません。 ・ 低血糖症状の人 ・ 過去にヒューマリンN注 100 単位/mL に含まれる成分で過敏な反応を経験し たことがある人 ○次の人は、慎重に使う必要があります。使い始める前に医師または薬剤師に告げ てください。 ・ インスリンの必要量の変動が激しい人 ・手術をした人、外傷をうけた人、感染症にかかっている人 ・妊娠している人 ・ 低血糖を起こしやすい次の人 ・肝臓または腎臓に重篤な障害がある人 ・脳下垂体または副腎機能に異常のある人 ・下痢または嘔吐(おうと)などの胃腸障害のある人 ・飢餓状態の人、不規則な食事の人 ・激しい筋肉運動をしている人 ・飲酒量の多い人 ・高齢の人 ・ 低血糖を起こすと事故につながるおそれがある人(高所作業、自動車の運転 などの作業に従事している人など) ・ 自律神経に障害のある人 ○この薬には併用を注意すべき薬があります。他の薬を使用している場合や、新た に使用する場合は、必ず医師または薬剤師に相談してください。 【この薬の使い方は?】 この薬は注射薬です。 ●使用量および回数 使用量と回数は、あなたの症状などにあわせて、医師が決めます。 通常、成人では初期は1回4~20単位を朝食前30分以内に皮下注射しますが、 ときに回数を増やしたり、他のインスリン製剤を併用します。維持量は通常1日 4~80単位です。 ただし、必要により上記用量を超えて使用することがあります。 ●どのように使用するか? ・ 注射器を用いて皮下注射します ・ 皮下注射は、腹部、大腿部(だいたいぶ)、上腕部、臀部(でんぶ)などに行い ます。注射部位により吸収速度がことなるので、部位を決め、その中で、前 回の注射場所から2~3cm離して注射してください。 - 2 - ・ 静脈内に注射しないでください。 ・ 使用済みの注射器は、取り外した針先が突き出ないような安全な容器に入れ た後、子供の手の届かないところに保管してください。 ●使用し忘れた場合の対応 ・ 決して 2 回分を一度に注射しないでください。 ・ 注射をし忘れた場合は、医師に相談してください。 ●多く使用した時(過量使用時)の対応 ・ 低血糖症状(脱力感、強い空腹感、冷や汗、動悸(どうき)、手足のふるえ、意 識が薄れるなど)があらわれる可能性があります。 ・ 低血糖症状が認められるものの、意識障害がない場合は、通常は糖質を含む 食品や砂糖をとってください。α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、 ボグリボース、ミグリトール)を併用している場合は、ブドウ糖をとってく ださい。 意識が薄れてきた場合は、すぐに受診してください。 ・ 低血糖症状の一つとして意識障害をおこす可能性もありますので、この薬を 使用していることを必ずご家族やまわりの方にも知らせてください。 【この薬の使用中に気をつけなければならないことは?】 ・ この薬を使用するにあたっては、注射法や低血糖症状への対処法などについ て、患者さんまたは家族の方は十分に理解できるまで説明を受けてください。 ・ 指示された時間に食事をとらなかったり、食事の量が少なかったり、予定外 の激しい運動を行った場合、低血糖症状があらわれることがあります。低血 糖症状に関する注意を必ずご家族にも知らせてください。低血糖症状が認め られるものの、意識障害がない場合は、通常は糖質を含む食品や砂糖をとっ てください。α-グルコシダ-ゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミ グリトール)を併用している場合は、ブドウ糖をとってください。意識が薄 れてきた場合は、すぐに受診してください。副作用は?に書かれていること に特に注意してください。 ・ 使用方法に間違いがあったり使用を忘れたりして、体内のインスリンが不足 すると高血糖(体がだるい、脱力感)を起こすことがあります。これらの症 状があらわれたら受診してください。 - 3 - ・ 急激な血糖のコントロールに伴い、糖尿病網膜症があらわれたり、悪化した り、目の屈折異常がおこったり、痛みを伴う神経障害があらわれることがあ ります。 ・ 高所での作業や自動車の運転等、危険を伴う作業に従事しているときに低血 糖を起こすと事故につながるおそれがありますので、特に注意してください。 ・ 妊婦または妊娠している可能性がある人は医師に相談してください。 ・ 他の医師を受診する場合や、薬局などで他の薬を購入する場合は、必ずこの 薬を使用していることを医師または薬剤師に伝えてください。 副作用は? 特にご注意いただきたい重大な副作用と、それぞれの主な自覚症状を記載しまし た。副作用であれば、それぞれの重大な副作用ごとに記載した主な自覚症状のう ち、いくつかの症状が同じような時期にあらわれることが一般的です。 このような場合には、ただちに医師または薬剤師に相談してください。 重大な副作用 主な自覚症状 低血糖 めまい、空腹感、ふらつき、手足のふるえ、脱 ていけっとう 力感、頭痛、動悸、冷や汗 アナフィラキシーショック 血管神経性浮腫 けっかんしんけいせいふしゅ ふらつき、眼と口唇のまわりのはれ、しゃがれ 声、意識の低下、息切れ、判断力の低下、動悸、 からだがだるい、ほてり、考えがまとまらない、 じんましん、息苦しい 息苦しい、じんましん、まぶたのはれ、唇のは れ 以上の自覚症状を、副作用のあらわれる部位別に並び替えると次のとおりです。 これらの症状に気づいたら、重大な副作用ごとの表をご覧ください。 部位 自覚症状 全身 ふらつき、脱力感、冷や汗、からだがだるい 頭部 めまい、頭痛、意識の低下、考えがまとまらない 顔面 ほてり 眼 眼と口唇のまわりのはれ 口や喉 眼と口唇のまわりのはれ、しゃがれ声 胸部 動悸、息切れ、息苦しい 腹部 空腹感 手・足 手足のふるえ 皮膚 じんましん その他 判断力の低下 - 4 - 【この薬の形は?】 販売名 ヒューマリンN注 100 単位/mL 性状 白色の懸濁液で、放置すると、白色の沈殿物と無色の上澄液 に分離します。振り混ぜると、再び容易に懸濁状となります。 内容量 10mL 容器の形状 【この薬に含まれているのは?】 有効成分 添加物 ヒトインスリン (遺伝子組換え) プロタミン硫酸塩、酸化亜鉛、濃グリセリン、m-クレゾール、 液状フェノール、リン酸水素二ナトリウム七水和物、pH 調節剤 【その他】 ●この薬の保管方法は? ・ 凍結を避けて冷蔵庫など(2~8℃)で保管してください。光を避けてください。 ・ 使用開始後は 28 日以内で使用してください。 ・ 子供の手の届かないところに保管してください。 ●薬が残ってしまったら? ・ 絶対に他の人に渡してはいけません。 ・ 余った場合は、処分の方法について薬局や医療機関に相談してください。 ●廃棄方法は? ・ 使用済みの注射器、バイアルについては、医療機関の指示どおりに廃棄して ください。 【この薬についてのお問い合わせ先は?】 ・ 症状、使用方法、副作用などのより詳しい質問がある場合は、主治医や薬剤 師にお尋ねください。 ・ 一般的な事項に関する質問は下記へお問い合わせください。 製造販売会社:日本イーライリリー株式会社(http://www.lilly.co.jp) 日本イーライリリー医薬情報問合せ窓口 Lilly Answers(リリーアンサーズ) 電話:0120-245-970(一般の方、患者様向け) 受付時間:8時45分~17時30分 (土、日、祝日、その他当社の休業日を除く) - 5 -
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