ソラニンを含まないバレイショ(PDF:287KB)

ソラニンを含まないバレイショ
ゲノム編集技術を用いて、天然の毒素(ソラニン、チャコニン)を含まない
バレイショ作出の技術開発を行っています。
ソラニン、チャコニンなどのステロイドグリコアルカロイド(SGAと略)はバレイショの新
芽に含まれる天然の毒素であり、下痢・腹痛等を生じさせます。毎年数件の食中毒が発生
し、最悪死に至ることもあります。ところが従来の育種方法では、SGAの産生量を低減す
ることは極めて困難でした。わたくしたちは、バレイショのSGA生合成遺伝子をゲノム編
集技術を使って破壊することに成功し、SGAの産生量が激減することを見出しました。
ゲノム編集技術によって標的遺伝子が破壊
されたバレイショ(#19)が取得できました。
グリコアルカロイド量 (mg per g DW)
(Sawai, Ohyama et al. (2014) Plant Cell 26, 3763)
16.0
a-ソラニン
a-チャコニン
14.0
12.0
10.0
8.0
NT
6.0
4.0
2.0
0.0
NT #1 #5 #19
NT #1 #5 #19
#19
ゲノム編集された
ジャガイモ(右)、
は、ポット栽培で
で正常に生育し、
塊茎を収穫するこ
とができました。
(左:コントロール)
ゲノム編集技術によって標的遺伝子が破壊さ
れたバレイショ(#19)では、ソラニン、
チャコニン(SGA)産生量が激減していまし
た。
(Sawai, Ohyama et al. (2014) Plant Cell 26, 3763)
さらに、ソラニンなどの毒を含まないだけでなく、
・萌芽が抑制され、高脂血症に効果のある成分を増強させる
・認知症発症遅延等に効果のある有用成分を増強させる
バレイショ作出の技術開発を行っています。
研究グループ;大阪大学、理化学研究所、神戸大学、北農研、竹中工務店
(連絡先:大阪大学大学院工学研究科 村中俊哉)
商品開発の展望
安全でかつ認知症予防が
期待さ れる バレ イ ショ