第一生命保険②

証券コード 8750
会社名
第一生命保険株式会社
レポート提出日
学部
氏名
商学部
学年
4年
岸本実 河野直樹
賛成
第 1 号議案 剰余金の処分の件
○
第 2 号議案 取締役 11 名選任の件
斎藤 勝利 氏
○
渡邊 光一郎 氏
○
露木 繁夫 氏
○
石井 一眞 氏
○
浅野 友靖 氏
○
寺本 秀雄 氏
○
櫻井 謙二 氏
○
長濱 守信 氏
○
稲垣 精二 氏
○
船橋 晴雄 氏
○
宮本 みち子 氏
○
第 3 号議案 監査役 2 名選任の件
近藤 総一 氏
○
谷口 恒明 氏
○
第 4 号議案 吸収分割契約書承認の件
○
第 5 号議案 定款一部変更の件
○
第 6 号議案 取締役 13 名選任の件
斉藤 勝利 氏
○
渡邊 浩一郎 氏
○
露木 繁夫 氏
○
堀尾 則光 氏
○
堤 悟 氏
○
石井 一眞 氏
○
浅野 友靖 氏
○
寺本 秀夫 氏
○
川島 貴志 氏
○
稲垣 精二 氏
○
反対
棄権
船橋 晴雄 氏
○
ジョージ・オルコット 氏
○
前田 幸一 氏
○
第 7 号議案 監査等委員である取締役 5
名選任の件
長濱 守信 氏
○
近藤 総一 氏
○
佐藤 りえ子 氏
○
朱 ウンギョン 氏
○
増田 宏一 氏
○
第 8 号議案 補欠の監査等委員である取
締役 1 名選任の件
土屋 文昭 氏
○
第 9 号議案 取締役の報酬等の設定の件
○
第 10 号議案 監査等委員である取締役の
○
報酬等の設定の件
上記の推奨をした理由
第一号議案に関して、所有する有価証券の含み損の影響で、ソルベンシー・マージン比率は減少してい
るものの、依然として連結で 763.8%という十分な水準を確保しているため、剰余金の処分を行ったとし
ても、財務的健全性には問題がないと思われる。
第二号議案に関して、経営トップである、斉藤勝利氏、渡邊光一郎氏については、過去五期平均の自己
資本利益率(ROE)は 3.69%と 5%を下回っているものの、直近では改善傾向が見られ、オペレーティング
ROE に関しては堅調に推移しているため、両氏の経営手腕には問題がないと思われる。露木繁夫氏、石
井一眞氏、浅野友靖氏、寺本秀雄氏、櫻井謙二氏、長濱守信氏、については、取締役会への出席率が 75%
を下回っている人はおらず、取締役としての義務を十分に果たしていると考えられる。社外取締役であ
る、船橋晴雄氏、宮本みち子氏については、両氏とも第一生命株式会社が独自に掲げている独立性基準
を満たしており、重要な関係会社での勤務経験もないため、社外取締役としての独立性が確保されてい
ると思われる。
第三号議案に関して、近藤総一氏、谷口恒明氏、両氏とも、監査役会の出席率が高く、谷口氏は社外監
査役として独立性にも問題がないため、監査役として適していると考えられる。
第四号議案に関して、第一生命株式会社は中期経営目標として、国内外の市場を通じての持続的かつ確
かな成長、コーポレートガバナンスのより一層の高度化、及び株主価値の増大を掲げている。持株会社
化は、経営資源の効率的な配分や機動的な意思決定に資するガバナンス体制の構築、M&A や不採算事業
からの撤退等の柔軟な組織再編を可能とし、これらの利点は中期経営目標の達成、ひいては株主の利益
に積極的に貢献すると考えられる。
第五号議案に関して、(1)持株会社体制への以降に関する変更については、第四号議案に関する説明の中
で述べた通り賛成。(2)監査等委員会設置会社への移行に関する変更及び(3)任意の諮問委員会の設置に関
する変更についても、上述したコーポレートガバナンスの高度化の実現に際して、相当程度のメリット
が認められる。具体的には、実情に根ざした適切な経営判断、経営の透明性・客観性の確保、取締役に
対する牽制機能の強化、そして意思決定の迅速化等である。こうしたメリットを享受できる一方で、役
員報酬の上限額の増加も見込まれるが、これらのメリットはこうした潜在的コストを上回る成果をあげ
ると予想するため、賛成とする(第十号に関する説明で詳述)。
第六号議案に関して、斉藤勝利氏、渡邊浩一郎氏、露木繁夫氏、石井一眞氏、浅野友靖氏、寺本秀夫 氏、
稲垣精二氏、船橋晴雄氏、については上記と同じ。堀尾則光氏、堤悟氏、川島貴志氏については、取締
役会への出席率、社内での業務知識・経験のいずれの面でも取締役としてふさわしい人材であると考え
られる。ジョージ・オルコット氏、前田幸一氏については、両氏とも第一生命株式会社が独自に掲げて
いる独立性基準を満たしており、重要な関係会社での勤務経験もないため、社外取締役としての独立性
が確保されていると思われる。
第七号議案に関して、長濱守信氏、近藤総一氏については、昨年の取締役会及び監査役会にすべて出席
しており、監査等委員の取締役としてもふさわしいと考えられる。佐藤りえ子氏、朱ウンギョン氏、増
田宏一氏については、いずれも第一生命株式会社が独自に掲げている独立性基準を満たしており、重要
な関係会社での勤務経験もないため、監査等委員の社外取締役としての独立性が確保されていると思わ
れる。
第八号議案に関して、土屋文昭氏は独立性が十分に確保されており、監査等委員の社外取締役としてふ
さわしい人物であると考えられる。
第九号議案に関して、社内取締役及び社外取締役の報酬の上限額は、監査等委員会設置会社への移行前
後で同額である(社内取締役の定額報酬 568 百万円、業績連動報酬 200 百万円、及び社外取締役の報酬
72 百万円)。移行前後で社内外取締役の数には若干の増加が見込まれるものの、昨年度の支払実績を鑑み、
移行後も当該上限額内での十分な額の報酬の分配が可能であると考える。
第十号議案に関して、上述の通り取締役会構成員の報酬限度額は一定である一方で、監査権限が従来の
監査役会(報酬限度額 168 百万円)から監査等委員会(報酬限度額 200 百万円)へ移行するに伴い、役員報酬
全体での上限額は 32 百万円増加する。しかし、第五号議案に賛成する理由の中で述べた通り、監査等委
員会の設置はコーポレートガバナンスの高度化に大きく寄与することが見込まれるうえ、この追加的な
潜在コストは、昨年度の経常利益 406,842 百万円と比してもごくわずかなものである。以上より、当該
報酬の設定は妥当なものであると考える。
プロジェクトの感想
企業と投資家との間で、議案の内容に関する情報の非対称性が大きいという状況において、企業が自社
にとって都合のいいように情報の開示量を操作しているように感じた。第一生命株式会社では、持ち株
会社化や監査等委員会設置会社への移行については、招集通知だけではなく、別紙でも詳細に説明を加
えているにも関わらず、役員報酬全体での上限額の増加については、間接的にしか説明されていなかっ
た。企業にとってより重視したい議案の説明に注力することは仕方のないことではあるが、挙げられて
いるすべての議案に対して一定量以上の説明を加えることも重要であると思う。