加賀地区学術講演会280721

小松市医師会・加賀市医師会・能美市医師会
学術講演会のご案内
2016年7月21日(木)19:20~
日 時
場 所
ルートイングランティア小松エアポート 2F 「鏡花の間」
石川県小松市長崎町4-116-1 0761-23-7000
総合司会
東野病院
副院長
東野
朗
先生
19:20~
情報提供
情報提供
第一三共株式会社
19:30~
プログラム
金沢医科大学
座長
主任教授
「
高齢医学
森本 茂人
先生
高齢者のTotal Management
特別講演
~フレイルにならないために~
東京大学大学院医学系研究科
教授
」
加齢医学(老年病科)
秋下 雅弘 先生
*この講演会は石川県医師会生涯教育講習会(2単位)に該当します。
*この講演会は石川県臨床内科医会(5単位)に該当します。
*この講演会はカリキュラムコード(73,19)に該当します。
*この講演会は石川県薬剤師会認定薬剤師研修制度シール(1単位)に該当します。
*この講演会は石川県病院薬剤師会生涯研修認定制度シール(1単位)に該当します。
当日は、ご施設名、ご芳名のご記帳をお願い申し上げます。
ご記帳いただいたご施設名、ご芳名は医薬品および医薬薬学に関する情報提供のために
利用させていただくことがございます。
何卒、ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
共催 小松市医師会 加賀市医師会 能美市医師会 石川県臨床内科医会
小松能美薬剤師会 石川県病院薬剤師会 第一三共株式会社
東京大学大学院医学系研究科
教授
老年病科
秋下 雅弘 先生
<ご略歴>
昭和35年
昭和60年
平成06年
平成08年
平成12年
平成14年
平成16年
鳥取県生まれ
東京大学医学部 卒業
東京大学医学部 老年病学教室 助手
ハーバード大学 研究員
杏林大学医学部高齢医学 講師
同 助教授
東京大学大学院医学系研究科加齢医学
助教授
平成19年 同 准教授 へ職名変更
平成25年 同 教授
<講演要旨>
近年、日本老年医学会では健康と要介護の間に位置する高齢者の状態を「フレイル」
と定義し、啓発と対策を呼びかけている。「フレイル」は、従来は「虚弱」「衰弱」などと
表現されてきた。移動能力や握力の低下、体重の減少や疲労感などを呈し、
75歳以上の高齢者はこのフレイルという中間時期を経て徐々に要介護状態へと
移行する。つまり、このフレイルの時期に適切なケアを行うことが、健康寿命を
伸ばすことにつながる。フレイルから要介護に至るには、ADL(日常生活動作)の低下、
認知症、うつなどの身体的・精神的要素のほかに、独居や経済的側面など
ソーシャルな要因も関係する。つまり高齢者医療はこうした包括的アプローチが
必要であり、一般的な成年への医療が病気の治療であるのに対し、高齢者医療は
治癒(キュア)だけでなく総合的なケアの視点が重要である。
一方、高齢者では、生活習慣病などの慢性疾患に認知症、骨粗鬆症といった高齢者
特有な疾患が合併し、その結果もたされるポリファーマシーが、加齢変化に基づく薬物
感受性の増加とあいまって薬物有害事象の発生増大につながるリスクがある。
また、認知機能の低下、視覚機能の低下等により服薬管理能力が低下した結果、
残薬の増加や服薬アドヒアランス低下を招き、思ったような治療効果が得られない
こともあり、数や回数を減らして簡便な処方にすること、一包化や貼付剤、介護者による
補助・管理などのアドヒアランスを保つ工夫を積極的に取り入れるべきである。
講演では、この「フレイル」と「高齢者の薬物療法」を中心に、関連する文献データに
自験データを交えて「高齢者のTotal Management」の重要性について紹介したい。