2016 年 7 月 13 日修正 ver.2 - 国総研NILIM|国土交通省国土技術

2016 年 7 月 13 日
(2016 年 7 月 14 日修正 ver.3)
2016 年熊本地震の強震記録を用いた木造住宅の地震応答解析
国土交通省 国土技術政策総合研究所
建築研究部 基準認証システム研究室
主任研究官 中川貴文
1. 目的と概要
平成 28 年 4 月 14 日 21:26 及び 4 月 16 日 1:25 に熊本県熊本地方で発生した地震におい
て、強震観測点で記録された地震動を入力波として用いた地震応答解析について報告する。
過去の振動台実験により終局までの荷重変形関係が明らかになっている耐震性能の異なる
4 棟の木造住宅と、比較的最近の 2 階建て木造住宅を再現した解析モデルを用いることで、
今回観測された地震動の特性による解析モデルの応答の傾向や、2 回の地震動入力の影響を
分析することを目的としている。
なお、地震応答解析には国土技術政策総合研究所のホームページにおいて無償公開して
いる木造住宅用の数値解析プログラム「wallstat(ウォールスタット)
」1)を用いた。
※注意事項
本報告は記録された地震動と解析モデルを用いた地震応答解析であり、下記の点におい
て注意されたい。
◯入力地震動は、実際に被災した木造住宅に作用した地震動ではなく、3 箇所の強震観測点
で得られた記録を用いていること。そのため、それぞれの強震観測記録には、強震観測点
の地震計の設置環境に応じた動的相互作用の影響が含まれていること。
◯解析モデルは実際に被害を受けた木造住宅を再現したものではないこと。
2. 入力地震動の概要
地震応答解析の入力地震動として用いたのは平成 28 年 4 月 14 日 21:26 及び 4 月 16 日
1:25 に国立研究開発法人 防災科学技術研究所の強震観測点
2) (KiK-net
益城:コード
KMMH16)と、気象庁で公開されている地方自治体の 2 つの震度計(益城町役場:観測点
名「益城町宮園」、西原村役場:観測点名「西原村小森」)3)で観測された波形である。以降、
前震の際の記録を順に「KiK-net 益城 0414(前震)」
、
「益城町役場 0414(前震)」、
「西原村
役場 0414(前震)」と呼び、本震の際の記録を順に「KiK-net 益城 0416(本震)」、
「益城町
役場 0416(本震)」
、「西原村役場 0416(本震)」と呼ぶ。震央と強震観測点の位置を図 1
に示した。各波形の減衰定数 5%の擬似速度応答スペクトルを図 2 に、加速度波形の時刻歴
を図 3 に示した。3 波形とも本震の方が前震よりも擬似速度応答スペクトルの最大値は大き
く、主要な地震動は 20 秒程度継続する波形である。解析には、加速度波形を文献
4-5)によ
る方法により変位波形に変換して、波形の主要な領域 30 秒間を抽出し、入力地震波として
用いた。
1
⻄原村役場
本震 4 ⽉ 16 ⽇ 1:25
KiK-net 益城
益城町役場
前震 4 ⽉ 14 ⽇ 21:26
図 1 震央と強震観測点の位置
国土地理院電子国土 Web を編集
赤い点からなる線は布田川断層帯周辺の地表の亀裂(国土地理院調査)
2
KMMH16NS
KMMH16EW
500
2方向
400
2方向
400
300
200
200
100
100
0
0
1
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
0
(a) KiK-net 益城 0414(前震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
500
400
1
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
(b) KiK-net 益城 0416(本震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
益城町宮園NS
益城町宮園EW
2方向
600
pSv (cm/s)
益城町宮園NS
益城町宮園EW
2方向
600
pSv (cm/s)
KMMH16EW
500
300
0
500
400
300
300
200
200
100
100
0
0
0
1
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
0
500
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
400
西原村小森NS
西原村小森EW
2方向
600
pSv (cm/s)
西原村小森NS
西原村小森EW
2方向
600
1
(d) 益城町役場 0416(本震)
(計測震度 6.7:震度 7)
(c) 益城町役場 0414(前震)
(計測震度 6.6:震度 7)
pSv (cm/s)
KMMH16NS
600
pSv (cm/s)
pSv (cm/s)
600
500
400
300
300
200
200
100
100
0
0
0
1
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
0
(e) 西原村役場 0414(前震)
(計測震度 5.7:震度 6 弱)
1
2
3
4
周期(sec.) h = 5%
(f) 西原村役場 0416(本震)
(計測震度 6.6:震度 7)
図 2 入力地震波の擬似速度応答スペクトル
※灰色の線は建築基準法第 2 種地盤の極稀地震(Z=1.0 )に対応する
応答スペクトル
※黒線「2 方向」は水平 2 方向(NS-EW)の最大方向の値
3
0
10
20
30
加速度 (cm/s2)
-1000
1000
40
時刻(sec.)
EW成分
0
0
10
20
30
40
時刻(sec.)
加速度 (cm/s2)
-1000
1000
UD成分
0
0
10
20
30
40
時刻(sec.)
-1000
加速度 (cm/s2)
0
1000
NS成分
0
0
0
20
30
40
時刻(sec.)
UD成分
0
0
10
20
30
30
40
時刻(sec.)
EW成分
0
0
10
20
30
40
時刻(sec.)
UD成分
0
0
-1000
10
20
30
40
時刻(sec.)
40
時刻(sec.)
NS成分
0
0
10
20
30
-1000
1000
40
時刻(sec.)
EW成分
0
0
10
20
30
-1000
1000
40
時刻(sec.)
UD成分
0
0
10
20
30
NS成分
0
0
40
時刻(sec.)
(e) 西原村役場 0414(前震)
(計測震度 5.7:震度 6 弱)
10
20
30
-1000
1000
40
時刻(sec.)
EW成分
0
0
10
20
30
-1000
1000
40
時刻(sec.)
UD成分
0
0
-1000
(c) 益城町役場 0414(前震)
(計測震度 6.6:震度 7)
1000
加速度 (cm/s2)
20
加速度 (cm/s2)
10
10
20
30
40
時刻(sec.)
(d) 益城町役場 0416(本震)
(計測震度 6.7:震度 7)
1000
加速度 (cm/s2)
0
1000
NS成分
0
0
10
20
30
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
加速度 (cm/s2)
加速度 (cm/s2)
10
(b) KiK-net 益城 0416(本震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
加速度 (cm/s2)
0
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
40
時刻(sec.)
0
-1000
1000
40
時刻(sec.)
EW成分
0
0
10
20
30
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
加速度 (cm/s2)
NS成分
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
30
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
20
EW成分
(a) KiK-net 益城 0414(前震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
-1000
10
-1000
1000
加速度 (cm/s2)
NS成分
加速度 (cm/s2)
加速度 (cm/s2)
1000
40
時刻(sec.)
UD成分
0
-1000
0
10
20
30
40
時刻(sec.)
(f) 西原村役場 0416(本震)
(計測震度 6.6:震度 7)
図 3 入力地震波の加速度波形の時刻歴
※図の 40 秒間をプロットした時間帯は波形によって異なる
4
3. 解析モデルの概要
地震応答解析に用いた解析モデル 5 例(以下、モデル A~E)の外観と構造的特徴を表 1
に示した。表中には地震波の各成分の入力方向をあわせて示した。モデル A~D は過去に
行われた木造住宅の振動台実験の試験体の挙動を再現するために作成されたものである。
解析モデルの詳細については文献 6-9)を参照されたい。モデル E は過去の解析事例 10)で用い
た 2 階建ての標準的なプランを基にして、耐震等級 3 に相当するようにモデル D と同じ耐
震要素を配置した解析モデルである。図 4 に入力地震波の粘性減衰 10%の EW 方向の Sa-Sd
曲線(加速度応答スペクトルと変位応答スペクトルの関係)と各解析モデルの Ai 分布によ
るプッシュオーバー解析(EW 方向)の縮約 1 自由度の加速度-相対変形を重ねあわせて
示した。図 4 は、限界耐力計算法
11)における等価線形化法により応答値を算出する際に用
いる図であるが、Sa-Sd 曲線と、解析モデルの縮約 1 自由度の加速度-相対変形の交点が
応答点であることを示している。図中の灰色線は応答スペクトル算出の際の固有周期(図
中に周期を表記)を示している。各解析モデルの加速度-相対変形の初期の立ち上がりが
灰色線に近いほど、解析モデルの固有周期が灰色線に表記された周期に近いことを示す。
なお Sa-Sd 曲線は比較のため、各解析モデルにおいて減衰定数 10%で共通としている。
表 1 解析モデルの概要
モデル A
モデル B
U
U
D
D
U
D
E
E
N
N
W
S
モデル C
S
S
E
W
W
N
・2 階建て軸組構法
・2 階建て軸組構法
・2 階建て伝統軸組構法 8)
・主な耐震要素は土塗壁、筋かい(30
・主な耐震要素は土塗壁、筋かい(45
・主な耐震要素は土塗壁
×90mm)、モルタル外壁
・耐震診断評点 12) 0.5 相当
・柱脚を変形拘束しない石場建て仕
×90mm)、モルタル外壁
・モデル A を耐震補強した試験体を再
は柱脚を変形拘束
・外壁の拘束効果を考慮
モデル D
モデル E
U
D
U
D
N
S
E
W
S
N
E
W
・3 階建て軸組構法 9)
・2 階建て軸組構法
・ 主 な 耐 震 要 素 は 筋 か い ( 45 ×
・主な耐震要素は筋かい(45×90mm)、
90mm)、せっこうボード、サイデ
ィング
・N 値計算により接合部設計した試
験体を再現。耐震等級 13) 2 相当
せっこうボード、サイディング
・耐震要素の荷重変形関係はモデル D
と同じ
・耐震等級 3 相当
5
様の試験体を再現
・図 4 のプッシュオーバー解析時に
現(補強後目標評点 1.5)
・外壁の拘束効果を考慮 6)
Sa (gal)
Sa (gal)
EW成分 h=0.1
2000
1.0sec.
モデルA
0.5sec.
EW成分 h=0.1
1.0sec.
モデルA
モデルB
0.5sec.
1500
2000
モデルB
1500
モデルC
モデルC
モデルD
モデルD
モデルE
1000
1.5sec.
モデルE
1000
1.5sec.
2.0sec.
2.0sec.
500
500
3.0sec.
3.0sec.
0
0
0
20
40
60
0
80
Sd (cm)
0.5sec.
2000
1.0sec.
EW成分 h=0.1
モデルA
モデルB
1500
0.5sec.
モデルA
モデルB
モデルC
1.0sec.
モデルD
モデルE
モデルE
1000
1.5sec.
1.5sec.
2.0sec.
2.0sec.
500
3.0sec.
3.0sec.
0
0
0
20
40
60
80
Sd (cm)
0
EW成分 h=0.1
2000
0.5sec.
20
40
60
モデルA
0.5sec.
2000
EW成分 h=0.1
モデルA
1.0sec.
モデルB
1500
モデルB
1500
モデルC
1.0sec.
モデルC
モデルD
モデルD
モデルE
1000
モデルE
1000
1.5sec.
1.5sec.
2.0sec.
500
2.0sec.
500
3.0sec.
3.0sec.
0
0
20
40
80
Sd (cm)
(d) 益城町役場 0416(本震)
(計測震度 6.7:震度 7)
Sa (gal)
(c) 益城町役場 0414(前震)
(計測震度 6.6:震度 7)
Sa (gal)
80
Sd (cm)
EW成分 h=0.1
2000
モデルD
500
60
1500
モデルC
1000
40
(b) KiK-net 益城 0416(本震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
Sa (gal)
Sa (gal)
(a) KiK-net 益城 0414(前震)
(計測震度 6.4:震度 6 強)
20
60
0
80
Sd (cm)
0
(e) 西原村役場 0414(前震)
(計測震度 5.7:震度 6 弱)
20
40
60
80
Sd (cm)
(f) 西原村役場 0416(本震)
(計測震度 6.6:震度 7)
図 4 入力地震波の Sa-Sd 曲線と、プッシュオーバー解析結果の重ね合わせ
※モデル C はプッシュオーバー時のみ柱脚を変形拘束
6
4. 解析結果
地震波の入力は前震と本震の 2 波連続入力による影響を検討するため、2 波それぞれを単
独で入力した場合と、前震の波形を入力した後、解析モデルの塑性・破壊状態を保存した
状態で本震の波形を入力した場合、反対に本震の波形を入力した後に前震の波形を入力し
た場合について検討を行った。各解析モデルの応答を表 2~4、図 5~7、前震と本震、入力
の順番の違いによる最大応答層間変形の比較を図 8、地震入力終了時の各解析モデルの壁の
塑性化の状況を表 5 に示した。
モデル A は、本震では、観測点 3 波全ての場合で 500mm 以上変形する結果となった。
モデル B は本震の単独入力では観測点 3 波すべての場合で 500mm 未満の変形であったが、
前震と本震の連続入力では益城町役場、西原村役場の波形では 500mm 以上変形する結果と
なった。モデル C は益城町役場の入力で 500mm 以上変形する結果となったが、それ以外
の波形では 300mm 以下の変形となった。モデル D は 1 層が 300~500mm を超える変形と
なる結果が多い傾向にあった。モデル E は、3 波の入力に対して 200mm 程度以下の変形と
なった。特に益城町役場の入力に対しては 50mm 程度以下の変形で、3 波の中では最も小
さい変形となった。益城町役場の波形は前震でモデル A は 500mm 以上変形し、モデル B
~D は本震で 500mm 近い変形となった。
5. まとめ
本報の検討によって得られた知見を下記にまとめる。
◯表 5 に示す通り、変形は EW 方向が大きい傾向であったが、図 2 においてどの波形も EW
成分の擬似加速度応答スペクトルが大きかったことと対応する結果となっている。
○木造住宅の被害状況では、特に KiK-net 益城の近隣では木造住宅の被害が益城町中心部
の他の地域に比べ大きくなかったことから、本報の解析結果と乖離がある。この点につい
ては実際の建物と、地盤の状況等から今後詳細な分析が必要である。
◯モデル A は耐震診断の評点が低い旧耐震基準による試験体を再現しており、壁量が不足
しているため変形が大きくなったと考えられる。
◯モデル E のような初期の剛性・耐力が高い解析モデルでは、益城町役場の本震のような短周
期成分の応答スペクトルが比較的小さい地震動では変形が小さくなることがわかった。
◯図 4(c)(d)からも分かる通り、初期の固有周期が 0.5~2 秒程度の解析モデルは、益城町役
場の本震の入力により、変形が相当大きくなる傾向があることが分かった。
◯KiK-net 益城と、益城町役場の波形は前震→本震の連続入力で、本震の単独入力より変形
が大きくなる傾向にあった(図 8(b))。この 2 つ観測点の前震と本震の擬似加速度応答ス
ペクトルを比較すると(図 2 (a)~(d))、前震が本震に比べて短周期が卓越しているため、
前震で塑性化し剛性が下がることで、本震で変形が大きくなることが原因と考えられる。
図 8(c)に示す通り KiK-net 益城では前震→本震の入力が、本震→前震の入力よりも変形が
大きくなる傾向にあることも、それを裏付けるものと考えられる。ただし、変形が比較的
小さいモデル E では、本震単独入力と前震→本震連続入力の影響をほとんど受けていない。
連続入力の影響は建築物側の固有周期の変化と地震動の周期特性との関係より定まるた
め、解析モデル全般の傾向としては明確ではない。連続入力の影響や地震動の入力の順番
による影響を分析するためには、大変形域(強非線形域)まで考慮可能な解析手法によっ
て、個別の建築物の解析モデルに対して、入力地震動に対する検討が必要と考えられる。
7
表 2 KiK-net0414、0416 益城入力時の最大応答まとめ
解析モ
デル
入力地震波
(KiK-net益城)
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
前震
A
前震→本震
本震
本震→前震
前震
B
前震→本震
本震
本震→前震
前震
C
前震→本震
本震
本震→前震
前震
D
前震→本震
本震
本震→前震
前震
E
重心における最大層間変形 (mm)
1層
2層
3層
238
17
87
65
147
49
65
30
382
67
94
59
217
42
46
47
217
54
54
61
173
53
106
24
289
74
158
37
248
48
139
25
248
93
285
32
142
63
34
83
43
18
45
28
158
63
20
304
52
32
78
43
15
411
52
32
88
43
15
94
34
68
22
124
36
65
23
59
21
47
22
128
41
53
19
方向
前震→本震
本震
本震→前震
※モデルCの1層は柱脚の滑り量を含む。「-」は500mm以上変形
B
C
D
E
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
前震
前→本
本震
本→前
1F 層間変形 最大値 (mm)
A
図 5 KiK-net0414、0416 益城入力時の 1 層の最大応答(EW 方向)
8
表 3 益城町役場 0414、0416 入力時の最大応答まとめ
解析モ
デル
入力地震波
(益城町役場)
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
前震
前震→本震
A
本震
本震→前震
前震
前震→本震
B
本震
本震→前震
前震
前震→本震
C
本震
本震→前震
前震
前震→本震
D
本震
本震→前震
前震
前震→本震
E
重心における最大層間変形 (mm)
1層
2層
3層
451
58
44
65
456
31
18
21
57
249
36
64
40
153
66
53
412
54
32
357
54
37
54
32
357
54
37
43
15
44
19
53
16
49
21
24
10
38
16
57
18
56
24
方向
本震
本震→前震
※モデルCの1層は柱脚の滑り量を含む。「-」は500mm以上変形
B
C
D
E
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
前震
前→本
本震
本→前
1F 層間変形 最大値 (mm)
A
図 6 益城町役場 0414、0416 入力時の 1 層の最大応答(EW 方向)
9
表 4 西原村役場 0414、0416 入力時の最大応答まとめ
解析モ
デル
入力地震波
(西原村役場)
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
EW
NS
前震
A
前震→本震
本震
本震→前震
前震
B
前震→本震
本震
本震→前震
前震
C
前震→本震
本震
本震→前震
前震
D
前震→本震
本震
本震→前震
前震
E
重心における最大層間変形 (mm)
1層
2層
3層
70
12
26
14
32
11
22
6
248
73
150
55
248
73
150
55
52
22
58
15
268
42
189
31
264
42
199
33
264
42
199
33
47
23
16
57
30
11
15
7
44
16
192
25
202
24
189
24
222
30
189
24
222
30
方向
前震→本震
本震
本震→前震
※モデルCの1層は柱脚の滑り量を含む。「-」は500mm以上変形
B
C
D
E
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
前震
前→本
本震
本→前
1F 層間変形 最大値 (mm)
A
500
450
400
350
300
250
200
150
100
50
0
図 7 西原村役場 0414、0416 入力時の 1 層の最大応答(EW 方向)
10
500
D
A
A
A,C
B
D
本震単独 ( mm )
400
KiK-net益城
D
300
C
B
B
200
B
益城町役場
C
西原村役場
100
E
E
0
0
100
200
300
400
500
前震単独 ( mm )
(a) 前震単独入力と本震単独入力の際の最大層間変形の比較
500
B
D
本震単独 ( mm )
400
300
C
C
E
200
100
E
KiK-net益城
D
益城町役場
B
西原村役場
B
E
0
0
100
200
300
400
500
前震→本震 ( mm )
(b) 前震→本震連続入力と本震単独入力の際の最大層間変形の比較
本震→前震 ( mm )
500
400
D
KiK-net益城
300
C
C
E
200
B
益城町役場
西原村役場
B
E
100
E
0
0
100
200
300
400
500
前震→本震 ( mm )
(c) 前震→本震連続入力と本震→前震連続入力の際の最大層間変形の比較
図 8 前震と本震、入力の順番の違いによる 1 層 EW 方向の最大層間変形の比較
※500mm 以上の変形は 500mm にプロットした。
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表 5 各解析モデルの外乱入力終了時の変形・塑性化の状況
モデル
KiK-net 益城 0414
KiK-net 益城 0414
→KiK-net 益城 0416
益城町役場 0414
→益城町役場 0416
益城町役場 0414
西原村役場 0414
西原村役場 0414
→西原村役場 0416
A
B
C
D
E
※本解析は実際の建築物の被害を再現したものではない。
※壁の色は、黄色は壁が塑性化をはじめた状態、オレンジは最大荷重を超え負勾配領
域、赤は耐力が完全に喪失したことを示す。
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おわりに
本稿では、国立研究開発法人防災科学技術研究所が公開している KiK-net の観測記録と、
気象庁と熊本県が公開している震度計の観測記録を利用させていただきました。ここに深
謝申し上げます。
【参考文献】
1) 木造住宅 倒壊解析ソフトウェア wallstat
http://www.nilim.go.jp/lab/idg/nakagawa/wallstat.html
2) 国立研究開発法人 防災科学技術研究所ホームページ(強震観測網 K-NET、KiK-net)
http://www.kyoshin.bosai.go.jp/kyoshin/
3) 気象庁ホームページ(各種データ・資料)
http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/kyoshin/jishin/index.html
4) Boore, D. M., C. D. Stephens and W. B. Joyner : Comments on baseline correction of digital
strong-motion data: examples from the 1999 Hector Mine, California, Earthquake, Bulletin of the
Seismological Society of America, Vol. 92, pp.1543-1560, 2002.5
5) 平井敬、福和伸夫「強震記録に基づく東北地方太平洋沖地震による地殻変動分布の算定」日本建築学会
構造系論文集 第 77 巻 第 673 号,pp. 341-350(2012 年 3 月)
6) 中川貴文、他:「モルタル外壁の変形拘束効果を考慮した解析モデルによる木造住宅の実大振動台実験
の再現」日本建築学会構造系論文集, 第 81 巻, 第 724 号, pp.971-980(2016 年 6 月)
7) 中川貴文「大地震動時における木造軸組構法住宅の倒壊解析手法の開発」建築研究資料, 第 128 号(2010)
http://www.kenken.go.jp/japanese/contents/publications/data/128/
8) T. Nakagawa, et al., "Development of numerical analysis method for Japanese traditional wood
houses considering the sliding behavior of column ends", 14th World Conference on Timber
Engineering, New Zealand (2012)
9) T. Nakagawa, et al., "Collapsing analysis of shake table tests of three story post-and-beam wood
houses", 14th World Conference on Timber Engineering, New Zealand (2012)
10) 日経ホームビルダー2013 年 4 月号
11) 日本住宅・木材技術センター「木造軸組工法住宅の限界耐力計算による設計の手引き」2005 年 3 月
12) 国土交通省住宅局建築指導課監修:木造住宅の耐震診断と補強方法-木造住宅の耐震精密診断と補強
方法(改訂版), 財団法人日本建築防災(2004 年 7 月)
13) 評価方法基準(平成 13 年国土交通省告示第 1347 号)
※参考:解析結果の動画(youtube)
モデル B: 益城町役場 0416(本震)単独 https://youtu.be/DkL5bGiIITw
モデル B: 西原村役場 0416(本震)単独 https://youtu.be/A1GA3tukFJ4
モデル C: 益城町役場 0416(本震)単独 https://youtu.be/BXGiv7aQb_E
モデル C: 西原村役場 0416(本震)単独 https://youtu.be/-gq7wU_HeeI
モデル D: 益城町役場 0416(本震)単独
https://youtu.be/pB69bcv132c
モデル D: 西原村役場 0416(本震)単独
https://youtu.be/f54jbUwyFQw
モデル E: 益城町役場 0416(本震)単独 https://youtu.be/AOs4Gnl-Nx8
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