別 紙 降雨強度式の見直し(更新)の検討について 1 降雨強度式見直しの概要 鳥取県が管理する河川は、一般的に流域面積が狭く、洪水到達時間が短いため、河川計画を策定 (基本高水や計画高水流量を算出)する際、合理式を用いる場合が多い。合理式では短時間降雨強 度が必要となることから、主要な14の雨量観測所ごとに降雨強度式(以下、「強度式」という。) を作成し、河川計画に反映しているところである。 本県における現行(平成26年4月22日付第 201400013423 号河川課長通知)の強度式は、平 成16年までの水文統計資料(雨量データ)をもとに作成したものである。 この度、平成17年から平成25年までの水文統計資料を追加収集し、強度式の見直し(更新) の検討を実施した。 2.強度式見直しの結果 強度式を作成しているほとんどの雨量観測所において、短時間降雨強度が小さくなった。 3.2の要因分析 〇平成19年9月に琴浦町八幡で100mm/h以上の豪雨を観測するなど、近年局所的な短時 間豪雨の発生が確認されているが、14観測所においては、平成17年から平成25年までの 降雨が、過去と比較して減少傾向にあり、目立った大雨が発生していないことから、短時間降 雨強度が小さくなったと推測される。 〇中小河川は、洪水到達時間が短く、水位・流量の変化が速いため、河川計画検討のための水文 統計資料は、可能な限り短い時間間隔(10分間程度)のものを収集することが望ましいが、 追加収集した水文統計資料は1時間間隔のものが多数を占めており、60分間最大雨量を的確 に評価できていないことも要因として考えられる。 4.考察 〇全国的に局所的な短時間豪雨が多発しているなか、わずか14観測所における1時間間隔の雨 量データによる検討では、その降雨特性を適正に評価することは困難である。一方で、強度式 の作成にあたっては、長期の観測記録が求められることから、現時点において、局所的な短時 間豪雨を評価できる観測所の設定は容易ではなく、今後の課題とすべき事項である。 〇統計解析に用いる水文統計資料は均質であることが基本であるが、10分間間隔の雨量データ が大半を占めている過去の水文統計資料に、今回1時間間隔の雨量データを追加した場合、水 文統計資料が不均質となるため、強度式の精度として適切ではない可能性がある。 5.今後の方針 〇上記を鑑み、強度式の見直しは行わず、当面現行の強度式を用いることする。 〇今後10分間間隔の雨量データが蓄積される見込みのない観測所においては、均質な水文統計 資料を得るための措置として、10分間間隔の雨量データが蓄積されている近傍の観測所への 切り替えを検討する。 〇14観測所のみで局所的な短時間豪雨を把握することは困難であるため、今後も水文統計資料 の蓄積に努めるとともに、降雨状況を注視しながら、強度式を作成する観測所を増やすなど、 そのあり方を検討する。 〇観測所の切り替えや選定あたっては、水文統計資料数や観測所位置が変わることによる影響に 留意する。
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