給食市場に関する調査を実施(2016 年)

2016 年 7 月 14 日
プレスリリース
給食市場に関する調査を実施(2016 年)
~約 4 兆 5,500 億円の給食市場、高齢者向けと乳幼児向けが市場を牽引~
【 調査要綱 】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の給食市場の調査を実施した。
1.調査期間:2016 年 4 月~6 月
2.調査対象:給食サービス企業等
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話等によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<給食市場とは>
本調査における給食市場とは、事業所対面給食、弁当給食(事業所弁当給食と在宅配食サービスの合計値)、
病院給食、高齢者施設給食、学校給食、幼稚園・保育所給食の 6 分野の合計値をさす。
【 調査結果サマリー 】
◆ 2015 年度の給食市場規模は前年度比 101.2%、4 兆 5,525 億円
2015 年度の国内給食市場規模は、前年度比 101.2%の 4 兆 5,525 億円(末端売上高ベース)で
あった。分野別にみると、事業所対面給食、病院給食、学校給食は伸び悩んでいるが、高齢者施設
給食、幼稚園・保育所給食、在宅配食サービス(弁当給食の内数)は堅調に推移し、今後も給食市
場全体を牽引するものとみられる。
◆ 高齢化社会を背景に、高齢者施設給食、在宅配食サービスが堅調
2015 年度の成長率を分野別にみると、高齢者施設給食が前年度比 102.8%の 8,545 億円と最も
高く、幼稚園・保育所給食は同 102.5%の 1,656 億円、弁当給食 (在宅配食サービス含む) は同
102.4%の 6,000 億円と続く。一方、事業所対面給食は同 101.3%の 1 兆 2,900 億円、学校給食は
同 101.0%の 4,525 億円で微増推移し、病院給食は同 99.4%の 1 兆 1,899 億円で微減となった。
高齢化社会を背景に、今後は高齢者施設給食を中心に給食市場は堅調に推移するものと考える。
◆ 資料体裁
資料名:「2016 年版 給食市場の展望と戦略」
発刊日:2016 年 6 月 28 日
体 裁:A4 判 463 頁
定 価:120,000 円(税別)
◆ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町 2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958 年 3 月 年間レポート発刊:約 250 タイトル URL:http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
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2016 年 7 月 14 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1. 市場概況
2015 年度の国内給食市場規模は、前年度比 101.2%の 4 兆 5,525 億円(末端売上高ベース)で
あった。高齢者施設給食、弁当給食のうち在宅配食サービスの高齢者向けと、幼稚園・保育所給食
のうち乳幼児向けが市場を牽引した。当面、この 3 分野における需要は堅調であるとみられる。
今後は高齢化社会を背景に、高齢者施設給食を中心に給食市場全体は安定的に推移するもの
と考える。
2. 分野別の動向
2-1. 事業所対面給食
2015 年度の事業所対面給食は前年度比 101.3%の 1 兆 2,900 億円であった。事業所対面給食の需
要分野をみると、東京都心を除いてオフィスの新築・移転は落ち着いたようであるが、大手製造業に
おいては景気回復を受けて、国内の工場ラインの稼働率が上がり、従業員向けに食事の提供回数
が増えたことなどが好影響を与えている。
2-2. 弁当給食(在宅配食サービス含む)
2015 年度の弁当給食(在宅配食サービス含む)は前年度比 102.4%の 6,000 億円であった。事業所
向けの弁当給食は、小規模なオフィスや工場が需要の中心であるが、ここでは従業員数の減少が未だ続
いており、市場も微減傾向にある。一方、在宅高齢者向けの配食サービスは、市場を牽引した大手事業
者の低迷はあるものの、生協や給食サービス事業者の本格参入により需要が掘り起こされ、全体としては
拡大傾向にある。
2-3. 病院給食
2015 年度の病院給食は前年度比 99.4%の 1 兆 1,899 億円であった。国の医療政策や病院経営の
赤字化などから、病院数は減少傾向にあり、病床数の減少に伴い入院患者数も減少している。こうしたな
か、食事による入院患者の早期回復を促す取り組みを行うとともに、病院給食は外部委託(直営からの切
り替え)が進んでいる。こうした外部委託は拡大するものの、長期的には病院数、および病床数の減少に
伴い、市場規模は微減推移すると見る。
2-4. 高齢者施設給食
2015 年度の高齢者施設給食は前年度比 102.8%の 8,545 億円であった。高齢者施設給食は、特
別養護老人ホームや老人保健施設の新設自体が減少しており、新たな施設給食の受託件数は減
少傾向にある。一方で、比較的給食単価の高い有料老人ホームが増加していることから、この
分野における受託は好調である。
2-5. 学校給食
2015 年度の学校給食は前年度比 101.0%の 4,525 億円であった。少子化を背景に、児童・生徒数は
長期的には減少傾向にあるものの、公立の小・中学校では、経費節減や食中毒防止を目的に専門の給
食事業者に民間委託する動きが強まっている。これをうけて公立学校への積極的な営業活動を展開する
給食事業者も増えている。
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2016 年 7 月 14 日
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2-6. 幼稚園・保育所給食
2015 年度の幼稚園・保育所給食は前年度比 102.5%の 1,656 億円であった。幼稚園では他園との
差別化から、弁当持参から給食へ移行する施設が増えている。また、文部科学省が推進する『食育』
もこれを後押ししている。一方、保育所は政府や地方自治体が待機児童解消を積極的に推進してい
ることから、保育施設の拡充を図っている。こうしたなか、園児数の増加から保育所給食の需要は堅
調である。
図 1. 給食市場の分野別市場規模推移
(億円)
矢野経済研究所推計
注 1. 末端売上高ベース
注 2. 弁当給食は、事業所弁当給食と在宅配食サービスの合計値
図 2.
2015 年度の給食市場の分野別市場構成比
2015 年度市場規模:
4 兆 5,525 億円
矢野経済研究所推計
注 3. 末端売上高ベース
注 4. 弁当給食は、事業所弁当給食と在宅配食サービスの合計値
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