生徒の皆様・保護者の皆様

2016年 6 月 No.3
明治大学付属明治高等学校・中学校
スクールカウンセラー
加藤 起運
山形 佐紀
生徒の皆様・保護者の皆様
中間テストや移動教室も終わり、1 学期も後半に入ってきました。あっと
いう間の 2 か月だった人、夏休みが待ち遠しい人…時間の流れの感じ方は人
それぞれですが、特に新一年生の皆さんは慌ただしく、時が経つのを早く感
じたのではないでしょうか?
新しい環境には慣れましたか?そろそろ疲れがでてくる時期です。何かい
つもと違う不調を感じたら、早めに休息やリフレッシュをして自分の心と体
をいたわってあげてくださいね。
そもそも、なぜこの時期にみんな疲れが出たり体調を崩しやすくなったりするのでしょう?
皆さん、
「五月病」って聞いたことありますか? 「五月病」といっても病院の診断で用いられる正式な
医学用語ではなく、医学的に定義されているものではありません。
日本では毎年 4 月に新年度を迎え、進級・転居・異動などで多くの人が“環境の変化”を経験します。
人間の脳は緊張するとアドレナリンという興奮作用のある物質によって戦闘モードになるので、4 月当初
は不安を感じながらも「新しい環境で頑張ろう!!」と前向きに多少の無理もできるのですが、その緊張状態
が長期間続くと心身共に疲れてしまい、アドレナリンの分泌が減少します。そこへさらにストレスが加わ
ります。環境が変わるということは、今まで慣れ親しんだ環境や生活習慣から離れ、新たな出会いと挑戦
の日々が始まるということです。毎日が未知との遭遇で、これから自分の身に何が起きるのか、見通しが
立たないととても不安で、それだけでも大きなストレスとなります。新しい環境で友達がなかなかできな
い、勉強が難しくなった…環境の変化にはそんなストレス要因がたくさんあるのです。
このように、新しい環境で頑張ろう頑張ろうと気持ちは焦るけれど、毎日緊張の連続で疲れてしまい、
それでも頑張ってしまうので体が悲鳴をあげる…ということがゴールデンウィークが終わった頃によく見
られるので「五月病」と呼ばれています。ストレスに強い人などはさらに無理を続けて秋ごろ体調不良を
訴える場合もありますし、誰にでも、季節に関係なく起こり得ることです。
やる気が出ない
何をやっても楽しくない
人がいっぱいいるところにいると疲れる
ちょっとしたことでイライラする
人と話したくない
今まで出来ていた簡単なことができなくなる
常に眠い
夜眠れない
食欲減退
ふと気が付くとこんな症状はありませんか? お子さんがこんな体調の変化を訴えていませんか?
これらは病気ではなく、精一杯頑張ってきた心とからだからの SOS です。
新しい環境に慣れるには時間がかかります。すぐになじめる人もいますが、焦らずにゆっくりでも自分
のペースで1つ1つ課題をクリアしていくことが大切です。そしてもし心とからだからの SOS が聞こえ
たら、まずは無理せず休みましょう!「○○しなければ!」という完璧主義はほどほどに、しっかり寝て、
イライラを防ぐカルシウムやビタミン C と疲労回復を助けるビタミン B などを意識して美味しく楽しい食
事を心がけましょう。ストレスに負けない心とからだづくりの基本は「規則正しい生活」です!
最後に、
「一人で悩まないこと」
「自分を知ること」も心を元気に育むためにとても大切なことです。
相談室はそのお手伝いをします。いつでもお話しに来てください。
(山形)
ほっとスペースの開室時間は、原則火曜日~金曜日は 11 時~18 時、土曜日は9時~16時
です。面談の予約状況などにより、利用できる時間が変更になることもあります。
6 月
日
月
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水
1
7 月
木
2
金
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土
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日
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火
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山 形 山 形 山 形
山 形
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山 形
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19
かとう
山 形
30
5
かとう
かとう 山 形 かとう かとう
山 形
26
17
土
2
かとう かとう
山 形 かとう 山 形 かとう 山 形
12
金
1
24
25
山 形
26
31
ほっとスペース 直通電話番号(042)488-1461
~ カウンセラーのひところコラム ~
6 月になり雨が多くなる季節をむかえますね。この季節になると毎年思い出すことがあります。
自分が小学校 1 年生の 6 月に入ったばかりの時、学校に行くために必要だからと自分だけの傘
(かさ)を買ってもらいました。4 人兄弟の末っ子の自分は、
「お兄ちゃん(もしくは姉)とつか
いなさい」と母親からよく言われていて、生活の中に「自分だけのもの」が少なく、自分だけの
傘を買ってもらえたことが、とてもうれしかったことをよく覚えています。
新しく買ってもらった傘は青と黄色の 2 色で、その傘を早く使いたくて、雨がふるのを待って
いたのを覚えています。傘を買って数日たった日に、待っていた雨がふり、ランドセルを背負っ
て、ルンルンした気持ちで家を出ました。学校に行く道の半分まで来たあたりに大きな水たまり
がありました。長靴をはいていたし、親からいつも水たまりのはしを通るように言われていたの
ですが、気持ちが大きくなっていたのも手伝って、大きな水たまりの真ん中を大きな歩幅で行進
するように通りました。その時、足元がすべり、どんと転んでしまいました。転んだはずみで傘
を地面にたたきつけてしまい、傘の骨が折れてしまいました。服はずぶぬれで冷たく、ころんで
痛かったのですが、何より自分の傘が壊れたことがショックで、泣きたい気持ちになりました。
その時は、頑張って泣くのをガマンして、学校に
向かったのを覚えています。
その時はとっても辛かったですが、それでも、
時間がたつにつれ、気持ちも落ち着いて、思い出
になるものだと学びました。
今となっては笑い話として思い出します。
(加藤)