平成 28 年 7 月 16 日(土)

27 学校経営報告(肢体不自由教育)
平成27年度 学校経営報告【肢体不自由教育】
都立永福学園校長 朝日 滋也
Ⅰ
目指す学校像
個々の人権を尊重し、障害の状態等に応じた専門的な教育を学校介護職員や看護師等と協働
して行うことにより「安心・協働・伸長」のある学校の実現を目指すとともに、地域社会の一
員として社会参加・自立する児童・生徒の育成を目指す。
「安心・協働・伸長」のある学校の実現
Ⅱ
中期目標と方策(平成 27 年度~29 年度)
○ 本校肢体不自由教育部門は、東京都特別支援教育推進計画に基づき、看護師や学校介護
職員、理学療法士等の外部専門家と協働して教育を進める新しいタイプの学校として平成
21 年度に開設された。
○ こうした開設の趣旨を踏まえ、教員と専門職とがそれぞれの役割を担いつつ協働し、質
の高い教育を実施し、
保護者からの信頼を得て本校の伝統と校風を確立させる必要がある。
(保護者の授業満足度 平成 25 年度 71%、平成 26 年度 75% ⇒ 80%を超える目標に)
(同自立活動の満足度 平成 25 年度、平成 26 年度共に 85% ⇒ 更なる向上を)
○ そのためには、平成 26 年度から取り組み始めた校内研究の充実を図るとともに、
「生き
る力をはぐくむ歯・口の健康づくり推進校」
「オリンピック・パラリンピック教育推進校」
などの指定研究を着実に実施する。
○ 地域病院との連携を強化し、自立活動や医療的ケア体制の充実を確立させる。
○ 平成 28 年度に、就業技術科と共に開校10周年記念行事を実施するに当たり、肢体不自
由教育部門のこれまでの実績を検証し、今後の教育の充実・発展に努める。
開校記念式典:平成 28 年 7 月 16 日(土)予定
Ⅲ
平成27年度の重点目標の取組と自己評価
◎ 以下の項目について、自己評価を行った。
1 健康・安全・生活指導
2 学習指導等
3 自立活動
4 訪問教育
1
5 進路指導
6 保護者、地域、学校等との連携・協力
7 肢体不自由教育部門の運営
健康・安全・生活指導
・ 4月から学校介護職員21名、学校看護師2名及び非常勤看護師13名でスタートし、
安全体制の維持・向上に努めた。
・ 医療的ケア保護者会を開催するとともに、第三号研修の受講を進め、都教育委員会の医
療的ケア実施要項の改定を見据えながら、校内要項等の検討を行った。
・ 心身障害児総合医療療育センター医師、北医療療育センター医師、河北総合病院医師等に
よる検診・健康相談を実施した。児童・生徒の摂食機能に基づく形態食の提供と、摂食指
導に関わる昭和大学歯学部医師等によるアセスメントは、年間を通じて実施した。
・ 学校評価における保護者の評価は、以下のとおりであった。
1
27 学校経営報告(肢体不自由教育)
評価項目
当てはまる(昨年度) ほぼ当てはまる(昨年度)
給食の形態は適切か
60.3%(54.0%)
33.3%(39.7%)
学校は安全に配慮しているか
33.9%(31.4%)
50.6%(47.1%)
医療的ケアは安全に実施されたか
24.1%(36.4%)
51.7%(45.5%)
スクールバスの運行は円滑に行われていたか
50.0%(43.1%)
37.1%(49.2%)
■ 数値目標
・ 都立北療育医療センター、河北総合病院の医師等による検診と指導・助言
(4月~月1~2回)
⇒ 実施
・ 心身障害児総合医療療育センター医師による検診・健康相談(4月~年8回)
⇒ 実施
・ 昭和大学歯学部歯科医師による検診・相談(月1回以上、4月~)
昭和大学歯学部歯科医師及び栄養士による全校研修の実施(年3回)
⇒ 実施 (全校研修は5回)
・ 医師等による全校研修の実施(8月)
⇒ 実施
※ ケガ等の事故のインシデント、アクシデントの分析
※ 事故発生時の原因、経過、今後の対策等の保護者への周知(年間)
⇒ 健康被害を及ぼす事故はなかった。
インシデントの報告について、情報不足であると保護者から指摘があった。
2
学習指導等
・ 授業改善をテーマとした校内研究を推進するとともに、補正予算を組み、臨床発達心理士
による児童・生徒のアセスメント及び相談を実施するなどして、授業改善に取り組んだ。
・ 学校評価における保護者の評価は、以下のとおりであった。
評価項目
当てはまる(昨年度) ほぼ当てはまる(昨年度)
授業の保護者の満足度
30.1%(31.5%)
45.9%(43.8%)
個別指導の時間は十分か
20.5%(18.1%)
38.5%(33.3%)
児童・生徒は学校を楽しみにしているか
67.7%(76.7%)
24.1%(16.4%)
運動会(満足度)
34.9%(29.4%)
49.4%(48.5%)
学習発表会(満足度)
32.5%(36.7%)
39.8%(36.7%)
校外学習(満足度)
24.1%(22.5%)
31.3%(35.2%)
■ 数値目標
個別指導計画等の作成(4~5月)
⇒ 達成
年間指導計画等の作成(4~5月)
⇒ 達成
研究成果の校内発表(1 月)と研究報告書の作成(3月) ⇒ 達成
授業満足度「適切:おおむねそう思う」80%以上
⇒ 75.8%の達成
3
自立活動
・ 河北医療財団から派遣の理学療法と協働した個別プログラムに基づく小・中・高各学部の
学年、学級、学習グループにおける自立活動の指導を展開した。
・ 「自立活動は適切だったか」については、「適切・おおむねそう思う」が 84.3%(昨年度
85.5%)であった。河北医療財団との連携により内容の充実が図られたとの意見があった。
■ 数値目標
個別プログラムの作成(5~6月)
⇒ 4月作成、後期見直し
学校評価アンケート「適切:おおむねそう思う」85%以上 ⇒ 84.3%の達成
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訪問教育
・ 訪問学級担任と各学部の担任等とのチームアプローチによる学習指導を推進した。
・ PTの外部専門家との協働による自立活動を展開した。
・ 個々の障害の状態や学習進度に応じた教材・教具の創作や工夫をした。(研究授業の実施)
5
進路指導
・ 各区施設等との連携を図って高等部3年生6名の進路実習を行い、希望者全員の進路先が
決定した。
■ 数値目標
高等部3年生の福祉施設等への希望者全員の進路の決定
6
⇒ 達成
保護者、地域、学校等との連携・協力
・ 副籍事業は、35 名(小学部 25 名、中学部 10 名)が参加を希望し、各区から地域指定校の
指定を受け、間接的な交流、直接的な交流を実施した(昨年度は 26 名)。うち 24 名が音楽
などの授業や学校行事などの機会に直接的な交流を行った。(昨年度 19 名)
・ 保護者や他の都立特別支援学校との緊密な連携によるスポーツ、文化活動を実施した。
スポーツ競技部が、中部フェスタ、ハンドサッカー大会、ボッチャ交流会などに参加し、
活躍した。
7
肢体不自由教育部門の運営
・ 校内研究の推進(授業改善をテーマに2年目、歯と口の健康づくり1年目)
、教職員の研修
会等への参加や第三号研修の講習を通して、専門性の向上を図った。
・ 学校運営連絡協議会、人権教育推進会議(防災教育推進委員会、学校いじめ対策委員会)
を各年3回実施し、学校経営や人権、防災教育、いじめ防止に関することへの指導・助言、
外部評価を得た。いじめ防止基本方針に基づく、学校問題サポートチームを開催し、関係機
関と連携して問題解決に当たった。
・ 永福学園通信を月1回以上発行(通年で号外含めて15回)
、ホームページの更新回数を増
やす(40回)など、情報発信に努めた。
・ 服務規律及び個人情報の管理については、個人情報の一時紛失を受け、校内ルールを見直
し、再度徹底を図った。
・ 開校10周年に向け、記念行事等の実施時期、内容等について就業技術科と調整し、平成
28年度に開催する記念式典、記念祝典の実施要項を作成し、準備を進めている。
Ⅳ 今後の課題
・ 開校10周年記念行事の実施による肢体不自由教育の成果の検証の発信、今後の教育内容
充実のための組織力の一層の向上
・ 協働の理念に基づく安全指導体制、医療的ケア実施体制の構築及び充実
(学校介護職員や非常勤看護師等との協働)
・ 外部専門家の組織的な協働による自立活動の指導の充実 -基礎の充実から応用へ-
・ 小学部、中学部、高等部の一貫性のある学習指導、進路指導、キャリア教育の構築
・ 校内研究の組織的展開による授業改善の一層の推進
・ 副籍制度による交流及び共同学習の推進
・ オリンピック教育推進校としての実践と成果発信
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・ 学校医、指導医による検診・健康相談の成果について、個別指導計画等への反映
・ 歯と口の健康づくりの推進(2年目の成果報告)
・ 東日本大震災を踏まえた防災体制の整備と防災教育の推進
・ 国及び都の財政状況を踏まえた適正な予算編成と執行及び節電・節水等の推進
・ 個人情報の適正な管理、服務事故の根絶
・ 保護者との連携による教育活動等の充実
・ 他の都立特別支援学校等との連携によるスポーツ、文化活動の推進及び部活動の充実
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