2015年末の預り資産額は71.4兆ドル 運用預り資産の成長率は1%に

PRESS RELEASE
報道関係者各位
(本資料は、2016 年 7 月 11 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です)
2016 年 7 月 12 日
ボストン コンサルティング グループ
世界資産運用市場:2015 年末の預り資産額は 71.4 兆ドル
運用預り資産の成長率は 1%にとどまる~BCG 調査
ニューヨーク発、2016 年 7 月 11 日 ―― 経営コンサルティングファームのボストン コンサルティング グループ
(以下、BCG)は、グローバルアセットマネジメント・レポートの 2016 年版「Global Asset Management 2016:
Doubling Down on Data」を発表しました。
運用預り資産の成長率は 2008 年以降最低水準に
2015 年末の運用預り資産規模は 71.4 兆ドル、2014 年末比で 1%の増加にとどまったと推計されました。預り
資産の成長率は、前回 2014 年の前年比 8%、2007 年末~2014 年末の 7 年間の年平均成長率 5%に比べ減
速し、2008 年以降で最も低水準となりました。新たな資金流入額は世界全体で年初の預り資産の 1.5%と、こ
こ数年の実績と同水準であることから、グローバル金融市場が安定性を欠き、全体として低パフォーマンスであ
ったことが預り資産が伸び悩んだ主な要因と考えられます(図表 1)。
図表1: 世界の運用預り資産額推移 (兆ドル)
(兆ドル)
年平均成長率 (%)
100
+1%
+5%
80
60
+12%
70.5
71.4
2014
2015
52.0
43.0
40
29.0
20
0
2002
注:
2007
2008
Sizing corresponds to AuM professionally managed in exchange for management fees; includes captive AuM of insurance groups or
pension funds if those AuM are delegated to asset management entities with fees paid; 43 markets covered globally, including offshore
AuM. For all countries whose currency is not the US dollar, we applied the average 2015 US dollar exchange rate to all past years to
synchronize current and historic data. AuM decreases shown for past years reflect the 2015 appreciation of the US dollar.
出所: ボストン コンサルティング グループ Global Asset Management Market-Sizing Database 2016;
ボストン コンサルティング グループ Global Asset Management Benchmarking Database 2016
© The Boston Consulting Group 2016 - All Rights Reserved.
預り資産を地域別にみると、日本とオーストラリアを除くアジアで 2014 年末比 10%増、中南アメリカで同 7%増、
ヨーロッパが同 3%増、日本とオーストラリアの合計が同増減なし、北アメリカが同 1%減、中東・アフリカが同
10%減となりました(図表 2)。日本とオーストラリアを除くアジアにおける預り資産成長率の高さは、家計金融資
産の増加によるものと調査チームは分析しています。中国とインドでは、新たな資金流入額が、年初の預り資
産の 10%を超える水準となりました。
-1-
図表2: 地域別運用預り資産の推移 (兆ドル)
4
-1
4
36.4 36.1
14.2
27.3
2007
3
18.9 19.6
3
2014
2015
5.2
5.2
2007
2014
2015
ヨーロッパ
2007
2014
2015
北アメリカ
7
12
0.8
1.8
1.9
2007
2014
2015
5
0
4.3
日本・オーストラリア
-10
1.0
1.4
1.3
2007
2014
2015
中東・アフリカ
10
10
2.4
4.8
5.2
2007
2014
2015
日本・オーストラリアを
除くアジア
中南アメリカ
2007年~2014年の年平均成長率 (%)
2014年~2015年の成長率 (%)
出所: ボストン コンサルティング グループ Global Asset Management Market-Sizing Database 2016;
ボストン コンサルティング グループ Global Asset Management Benchmarking Database 2016
© The Boston Consulting Group 2016 - All Rights Reserved.
2015 年の運用会社の収益性は安定的だが、今後は事業モデルの変革が必要
2015 年の運用会社の収益は安定的に推移し、業界全体の利益額は 1%増の約 1,000 億ドル、利益率は 37%
という健全な水準を維持したと推計されます。しかし、運用市場の成長が金融市場のパフォーマンスにより左右
される事業環境や、規制強化、デジタル技術の普及、新しいタイプのファンド(非伝統的資産)への資金流入な
ど近年の業界トレンドは今後も継続すると考えられます。レポートの共著者であるシカゴ・オフィスのシニア・パ
ートナー、ブレント・ビアズリーは「グローバル金融市場は脆弱で不安定だ、という現実を直視しなくてはなりま
せん。イギリスの EU 離脱、『Brexit』への市場の反応はその好例でしょう。金融市場のパフォーマンスが高くな
ると運用資産が増加するような運用会社は過去のモデルに縛られているといえます」とコメントしています。レポ
ートではこうした事業環境の中でも持続的な優位性を維持できる 4 つのビジネスモデルの例をあげ、解説して
います。
■ 調査レポート
BCG では、主要国における市場調査と大手運用会社を対象にしたベンチマーキング調査を基に、資産運用
市場と運用会社の動向についてまとめたレポートを毎年発行しています。14 回目となる今回は、140 社近い大
手運用会社のベンチマーク調査と、43 か国におけるグローバル市場調査を実施しました。
「Global Asset Management 2016: Doubling Down on Data」
https://www.bcgperspectives.com/content/articles/financial-institutions-global-asset-management-2016-doublingdown-on-data/
■ 日本における担当者
山井 康浩 パートナー&マネージング・ディレクター
東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学経営学修士(MBA)。日本銀
行、米国系戦略コンサルティングファームを経て現在に至る。
BCG 金融グループ、保険グループのコアメンバー。
-2-
■ ボストン コンサルティング グループ(BCG)について
BCG は、世界をリードする経営コンサルティングファームとして、政府・民間企業・非営利団体など、さまざま
な業種・マーケットにおいて、カスタムメードのアプローチ、企業・市場に対する深い洞察、クライアントとの緊
密な協働により、クライアントが持続的競争優位を築き、組織能力(ケイパビリティ)を高め、継続的に優れた
業績をあげられるよう支援を行っています。
1963 年米国ボストンに創設、1966 年に世界第 2 の拠点として東京に、2003 年には名古屋に中部・関西オ
フィスを設立しました。現在世界 48 ヶ国に 85 拠点を展開しています。http://www.bcg.co.jp/
bcg.perspectives サイトでは、さまざまな業界・分野に関する BCG の知見をまとめたレポート、記事およびイ
ンタビュー映像などをご紹介しています。https://www.bcgperspectives.com/
■ 本件に関するお問い合わせ
ボストン コンサルティング グループ マーケティング 嶋津・直江
Tel: 03-5211-0600 / Fax: 03-5211-0333、Mail: [email protected]
-3-