2016 年 7 月 12 日 プレスリリース 住宅リフォーム市場に関する調査を実施(2016 年) ~ 2025 年の住宅リフォーム市場規模は 7.4 兆円、2030 年は 7.3 兆円を予測 ~ 【調査要綱】 矢野経済研究所では、次の調査要綱にて国内の住宅リフォーム市場の調査を実施した。 1.調査期間:2016 年 4 月~6 月 2.調査対象:住宅リフォーム関連事業者等 3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、及び文献調査併用 <住宅リフォーム市場とは> 本調査における住宅リフォーム市場とは、「10 m2 超の増改築工事」・「10 m2 以下の増改築工事」・「設備修繕・維 持関連」・「家具・インテリア等」の 4 分野をさす。 【調査結果サマリー】 2015 年の住宅リフォーム市場規模は、前年比 2.0%減の約 6.5 兆円 2015 年の住宅リフォーム市場規模は 6 兆 4,851 億円(前年比 2.0%減)と微減であった。分野別にみる と、「増改築に関わる費用(10 m2 超+10 m2 以下)」が前年比 7.9%減、「設備修繕・維持関連費」が同 1.1%減、「家具・インテリア等」が同 1.4%減となっている。 2016 年の住宅リフォーム市場規模は前年比 1.1%増の約 6.6 兆円、 2020 年の市場規模は 2015 年比約 12%増の 7.3 兆円までの拡大を予測 2016 年の住宅リフォーム市場規模は、6 兆 5,542 億円(前年比 1.1%増)とほぼ横ばいに推移すると予 測する。現状、住宅リフォーム市場にはプラス・マイナス両面で大きな影響を与える要因はないものの、昨 今の株価の乱高下や将来の景況への不透明感等を理由に、全体としてみるとここ数年見られた堅調な 消費マインドもやや曲がり角に差しかかってきた感も否めず、前年並みで推移するものと予測する。 2020 年の市場規模は、7.3 兆円(2015 年比約 12%増)を予測する。住宅リフォーム市場の主要分野で ある「設備修繕・維持関連」分野が住宅ストック数の増加に伴って拡大し、市場全体が成長すると考える。 2025 年の住宅リフォーム市場規模は 7.4 兆円、2030 年は 7.3 兆円を予測 2025 年の住宅リフォーム市場規模は 2015 年比約 14%増の 7.4 兆円、2030 年は同約 12%増の 7.3 兆円と予測する。長期的には世帯数の減少が影響し、縮小基調に向かうと予測するが、政府の政策的な 後押しによるリフォーム件数増加や、リフォーム事業者による提案強化による単価アップについても加味 したうえで算出をしている。 ◆ 資料体裁 資料名:「2016 年版 住宅リフォーム市場の展望と戦略」 発刊日:2016 年 6 月 29 日 体 裁:A4 判 401 頁 定 価:120,000 円(税別) 株式会社 矢野経済研究所 所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝 設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/ 本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/) ㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected] 本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。 本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 7 月 12 日 プレスリリース 【 調査結果の概要 】 1. 市場概況と将来展望 2015 年の住宅リフォーム市場規模は、6 兆 4,851 億円(前年比 2.0%減)と微減であった。住宅リフォー ム市場は、「10 m2 超の増改築工事」・「10 m2 以下の増改築工事」・「設備修繕・維持関連」・「家具・インテ リア等」の 4 分野で構成され、「増改築に関わる費用(10 m2 超+10 m2 以下)」は前年比 7.9%減の 7,687 億円、「設備修繕・維持関連費」が同 1.1%減の 49,867 億円、「家具・インテリア等」が同 1.4%減の 7,297 億円となった。 2015 年の同市場は、2014 年 4 月に実施された消費増税前の駆け込み需要の反動減の影響が継続し ている一方、駆け込み需要前の 2012 年の市場規模を下回っていない点を考慮すると市場の底堅さととも に反動減の影響が緩和されつつあるという見方もできる。 2016 年の住宅リフォーム市場規模は、6 兆 5,542 億円(前年比 1.1%増)とほぼ横ばいに推移すると予 測する。(図 2 参照) 2016 年の同市場は、2017 年に実施予定であった二回目の消費増税前の駆け込み 需要により市場規模が拡大し、2017 年は駆け込み需要後の反動減による市場規模の縮小とみていたが、 消費増税の延期により当該シナリオは先延ばしとなった。現状、住宅リフォーム市場にはプラス・マイナス の両面で大きな影響を与える要因はないものの、昨今の株価の乱高下や将来の景況への不透明感等を 理由に、全体としてみるとここ数年見られた堅調な消費マインドもやや曲がり角に差しかかってきた感も否 めず、前年並みで推移するものと予測する。 2020 年の市場規模は、7.3 兆円(2015 年比約 12%増)を予測する。住宅リフォーム市場の主要分野で ある「設備修繕・維持関連」分野は住宅ストック数の増加に伴って需要が拡大し、住宅リフォーム市場全 体も成長すると考える。更に、国の政策の後押しやリフォーム事業者による提案強化による単価アップな どに加え、2020 年に開催される東京オリンピックに向け、国内の景気が堅調に推移することを前提とした 見通しである。 図 1. 住宅リフォーム市場の市場規模推移 (単位:億円) 80,000 7.1兆円 2015年 6兆4,851億円 7.2兆円 6.9兆円 6.9兆円 70,000 6.3兆円 6.6兆円 6.5兆円 6.0兆円 60,000 5.9兆円 5.8兆円 5.8兆円 6.2兆円 6.2兆円 5.3兆円 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 10㎡超増改築工事 2006年 2007年 2008年 10㎡以下増改築工事 2009年 2010年 設備修繕・維持 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 家具・インテリア等 矢野経済研究所推計 注1. 国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所 「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに矢野経済研究所推計 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd. 2016 年 7 月 12 日 プレスリリース 図 2. 住宅リフォーム市場の市場規模予測 (単位:億円) 80,000 7.4兆円 7.3兆円 6.9兆円 70,000 6.5兆円 5.9兆円 60,000 6.6兆円 6.2兆円 6.2兆円 6.5兆円 6.6兆円 50,000 40,000 30,000 20,000 10,000 0 2000年 2005年 2010年 10㎡超増改築工事 2011年 2012年 2013年 10㎡以下増改築工事 2014年 2015年 設備修繕・維持 2016年 予測 2020年 予測 家具・インテリア 矢野経済研究所推計 注2. 国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所 「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」をもとに矢野経済研究所推計 注3. 2016 年、2020 年は予測値 2.長期予測~2025 年の住宅リフォーム市場規模は 7.4 兆円、2030 年は 7.3 兆円を予測 2025 年の住宅リフォーム市場規模は、2015 年比約 14%増の 7.4 兆円、2030 年は同約 12%増の 7.3 兆円と予測する。住宅ストック数の増加に伴って「設備修繕・維持関連」分野の需要拡大や、住宅リフォー ム関連支出額の増加が見込まれることから、2020 年に向けて市場規模は拡大基調となる。その後は、世 帯数減少の要因が強く影響し、市場は縮小基調になっていくと予測する。一方で、政府は成長戦略の一 つとしてリフォーム市場の活性化を掲げており、住宅エコポイントや太陽光発電に代わるような何らかの政 策的な後押しによるリフォーム件数増加や、リフォーム事業者による提案強化による単価アップについて も加味したうえで算出をしている。 2030 年までの長期予測については、国内外の経済状況が安定的であることや、消費税をはじめとした 税制・優遇制度等の大きな政策的な影響がないこと等を前提に、世帯数の変動及び景気動向を加味し たリフォーム関連支出額の変動を基に試算した。 図 3.2030 年までの市場規模の長期予測 (単位:兆円) 8.0 7.0 7.3 7.4 7.3 6.0 5.0 4.0 3.0 2.0 1.0 0.0 (年) 矢野経済研究所推計 注4. 国土交通省「建築着工統計」、総務省「家計調査年報」、総務省「住民基本台帳」、国立社会保障・人口問題研究所 「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」、内閣府経済財政諮問会議「中長期の経済財政に関する試算」をもとに矢 野経済研究所推計 注5. 2016 年以降は予測値 Copyright © 2016 Yano Research Institute Ltd.
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