業界ニュース 2016.7.10
☆世
界
綿
花
2016/17 年、イールド改善で綿花生産増加
国 際 綿 花 諮 問 委 員 会 （ICAC）によると、2015/16 年 の世 界 の綿 花 生 産
は 17％減 の 2,170 万 ㌧で、2003/04 年 以 来 最 も少 ない量 となった。栽 培
時 期 に世 界 の綿 花 価 格 が低 下 したことにより、作 付 面 積 は 9％減 の 3,110
万 ㌶、世 界 の平 均 イールドは 9％減 の 699kg/㌶となった。2016/17 年 は、
作 付 面 積 が 1％減 の 3,100 万 ㌶と予 想 される一 方 で、平 均 イールドは 5％
増 の 735kg/㌶となる見 通 しで、それにより生 産 が 5％増 の 2,300 万 ㌧とな
ると見 込 まれる。
・インド：作 付 面 積 は 1％増 の 1,200 万 ㌶、生 産 は 8％増 の 630 万 ㌧と
予 想 される。害 虫 被 害 の懸 念 は依 然 としてあるものの、モンスーン気 候 が
回 復 すれば、イールドが 6％増 の 521kg/㌶となる可 能 性 もある。
・中 国 ：生 産 コストの上 昇 や政 府 の支 援 削 減 により、作 付 面 積 は 10％
減 の 310 万 ㌶、生 産 は 10％減 の 470 万 ㌧と予 想 される。
・米 国 ：2015/16 年 は、綿 花 価 格 の魅 力 がなくなったことや、過 剰 水 分
の土 壌 に栽 培 できなかったエリアがあったことにより、作 付 面 積 は 14％減
の 330 万 ㌶となったが、2016/17 年 は、作 付 面 積 が 5％増 の 340 万 ㌶、
生 産 が 14％増 の 320 万 ㌧となる見 込 み。
・パキスタン：2015/16 年 は、害 虫 被 害 により平 均 イールドが 32％減 の
528kg/㌶、生 産 も 150 万 ㌧と落 ち込 んだが、2016/17 年 は、対 策 がとられ
れば部 分 的 な回 復 が見 込 まれ、25％増 の 662kg/㌶となる予 想 。そのため、
農 家 が主 要 競 合 作 物 の栽 培 へ転 換 することにより、作 付 面 積 は 5％減 の
270 万 ㌶となるものの、生 産 は 19％増 の 180 万 ㌧が予 想 される。
低 価 格 な化 合 繊 との競 合 激 化 もあり、2016/17 年 の世 界 の綿 花 消 費
は、2,360 万 ㌧と横 ばいが見 込 まれる。中 国 の消 費 は 5％減 の 680 万 ㌧と
なる見 通 しだが、ベトナムは 11％増 の 120 万 ㌧、バングラデシュは 10％増
の 120 万 ㌧と増 加 が見 込 まれる。また、中 国 が 2015/16 年 に綿 糸 の輸 入
を減 らしたにも関 わらず、インドとパキスタンの消 費 は、それぞれ 3％増 の
540 万 ㌧と 1％増 の 220 万 ㌧で回 復 が予 想 される。
綿 花 消 費 が横 ばいで推 移 するものの、2016/17 年 の世 界 の綿 花 貿 易
量 は 1％増 の 740 万 ㌧となる見 込 み。中 国 政 府 が引 き続 き備 蓄 綿 花 の国
内 向 け放 出 を行 い、輸 入 に制 限 をかけるため、中 国 の輸 入 は 8％減 の 94
万 7,000 ㌧と予 想 される。しかし、中 国 以 外 の国 の合 計 は、3％増 の 650
万 ㌧となる見 通 し。米 国 は、輸 出 可 能 量 の拡 大 により輸 出 が 18％増 の
230 万 ㌧と予 想 される。
1
消 費 が生 産 を 93 万 ㌧上 回 るため、2016/17 年 度 の世 界 の期 末 在 庫 は
5％減 の 1,946 万 ㌧になると見 られる。中 国 以 外 は、在 庫 消 費 比 率 は昨 シ
ーズン同 様 の約 36％となる見 込 みだが、期 末 在 庫 は 3％増 の 870 万 ㌧と
予 想 される。
世 界 の綿 花 需 給 見 通 し
（100 万 ㌧）
2014/15
2015/16
2016/17
生産
26.12
21.74
22.73
消費
24.28
23.65
23.66
輸入
7.60
7.34
7.44
輸出
7.64
7.34
7.44
22.22
20.38
19.66
71
70*
72*
期末在庫
価格 *
*Cotlook A インデックス（ｾﾝﾄ/ﾎﾟﾝﾄﾞ）価 格 は、中 国 を除 く世 界 の在 庫
率 の見 通 し、中 国 の綿 花 輸 入 見 通 しをもとに推 計 した。
2

0 ～ 5 歳 ま で の 異 年 齢