【開催概要】 澤田教一写真調査発表会の開催について 2016年10月8日から12月11日まで青森県立美術館で、1936年に青森市に 生まれ、34歳で殉職したカメラマン・澤田教一の回願展『生誕80周年 澤田教一:故 郷と戦場』が開催されます。ピュリッツァー賞受賞作≪安全への逃避≫(1965)をはじめ、 戦場の写真で広く世に知られる澤田ですが、戦地となったベトナムの人々の暮しぶりや風 景なども撮影しています。遺族から青森県立美術館に寄託されているそれらの写真の多く は、キャプションなどを伴っていないため、撮影された地域を特定するのが困難です。 展覧会の開催に向け、青森県立美術館からの協力依頼を受けて、今年四月から、青森中 央学院大学のベトナム出身の学生を中心に、それらの写真の撮影地特定のための調査が実 施されていました。この調査の成果を発表する会を下記の通り開催いたします。 記 日時:2016年7月15日(金)14:30~16:00 場所:青森中央学院大学 2 号館フリースペース 参加者: 青森中央学院大学在籍ベトナム人留学生たち 青森中央学院大学経営法学部准教授 グェン・チ・ギア 青森県立美術館美術企画課学芸主査 高橋しげみ 内容: 1. 青森県立美術館での澤田教一展について(青森県立美術館高橋) 2. 学生たちによる成果発表 3. ディスカッション 主催:青森中央学院大学・澤田教一展実行委員会 『生誕 80 周年 澤田教一:故郷と戦場』 開催要項 1 趣旨 1936(昭和11)年に青森市に生まれた澤田教一(さわだ・きょういち)は、196 5年、戦火の絶えないインドシナ半島に赴き、カメラマンとして活躍しました。ベトナム 戦争が拡大の一途にあった時期、激戦地から離れることのなかった澤田は、34歳で銃弾 に倒れるまでの約5年間に、数々の傑作を生み出し、報道写真界の頂点に上りつめます。 中でも、ピュリッツァー受賞作に含まれる《安全への逃避》(1965)では、米軍の攻 撃により故郷を追われながら、必死に生き抜こうとするベトナムの民の姿を捉え、世界中 に戦争の過酷な現実を突きつけました。 当館は、澤田教一夫人の澤田サタ氏から、2014年度より、撮影フィルムや電送写真 原稿など、多くの資料を寄託されました。この展覧会では、それらの調査に基づき、未発 表のカットも取り入れながら、写真に映し出された故郷と戦場、そこに身を置く人々の姿 を通じて、澤田教一が追いかけたものにせまります。 2 展覧会概要 (1)名 称 生誕 80 周年 澤田教一:故郷と戦場 (2)会 期 2016年10月8日(土)~2016年12月11日(日) 開催日数:61 日 開館時間:9:30-17:00(最終入場 16:30 まで) 休 館 日:10 月 11 日(火)、24 日(月)、11 月 14 日(月)、28 日(月) (3)会 場 3 青森県立美術館 企画展示室 主催等 (1)主 催:澤田教一展実行委員会(東奥日報社、青森放送株式会社、公益社団法人青森県 観光連盟、青森県立美術館) (2)助 成:公益財団法人アサヒグループ芸術文化財団、公益財団法人朝日新聞文化財団 (3)協 賛(予定):株式会社 ニコン (4)機材協力(予定):株式会社 DNP フォトイメージングジャパン (5)学術協力(予定) :青森中央学院大学 (6)後 援(予定):ベトナム大使館ほか 【澤田教一 さわだ・きょういち】 1936 年 青森県青森市に生まれる。 1954 年 三沢米軍基地内の写真機店で働きながら、本格的に写真を撮り始める。 1961 年 プロの写真家として活躍するために上京。同年 12 月 UPI 東京支局に入社。 1965 年 UPI サイゴン支局写真部に特派員として赴任。9 月、代表作となる《安全への逃避》を撮影。この写真 で 12 月、第9回ハーグ世界報道写真展のグランプリを受賞。また同作は、第 23 回 US カメラ賞も受賞。 1966 年 《安全への逃避》を含む一連のベトナム戦争の写真でピュリッツァー賞を受賞。 《泥まみれの死》 、 《敵 をつれて》が、第10回ハーグ世界報道写真展で第一位、第二位を受賞。 1968 年 UPI 香港支局写真部長として転勤。第 26 回 US カメラ賞。 1970 年 サイゴン特派員として再びベトナムに赴任。同年 10 月、カンボジア取材中、プノンペン近郊で狙撃さ れ、34 歳で死亡。カンボジアを取材した一連の写真で、死後、70 年度のロバート・キャパ賞を受賞。
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