4.事業創出活動 4 事業創出活動 ❏生涯学習分野 淡 海 生 涯 カレッジ 20 周 年 記 念 事 業 淡海生涯カレッジが平成8年に、大津市で開講されてから今年度で20年目を迎えた。今は、県下に5校を有する 大きなカレッジに成長し、その間、2807名が受講し、そして1925名が修了証を手にした。 20年前を少し振り返ってみよう。淡海生涯カレッジが生まれたきっかけは、平成6年から3年間にわたって行われ た文部省(現・文部科学省)による「地域における生涯大学システムの研究開発」であった。 「生涯大学システム」とは、「広域的なサービス網」を構築するための仕組みであり、「各都道府県(生涯学習推進セ ンター等)を中心に、県域内の各市町村、社会教育施設や大学・高等学校等、民間教育事業者等との幅広い連携・ 協力により構築される、総合的な学習サービス提供システム」である。このシステムの構築のため、文部省は、(1) 学習機会提供機関相互の連携・協力の在り方について、(2)学習成果を生かした社会参加活動に対する支援の在 り方について、(3)現代的課題に関する学習活動の充実方策について、(4)その他必要な事項、についての調査、 研究開発を行うこととし、平成6年10月に12県(青森県、宮城県、秋田県、群馬県、神奈川県、新潟県、石川県、岐 阜県、兵庫県、島根県、広島県、福岡県)に調査研究を委嘱したのである。 平成6年といえば、滋賀大学に生涯学習教育研究センター(現・滋賀大学社会連携研究センター)が設置された年 であり、大学の研究センターとしてやるべきことは何か、地域社会に対してどういう貢献ができるのか等、まだまだ研 究も事業の中身も具体的に見えていない時期であった。そういう時に、この委嘱プロジェクトが始まったのである。 このプロジェクト内容を見た時、私も、センターのスタッフも「これは大学の知的資源を生かした地域貢献の一つの モデルとなるのでは」と感じ、すぐに大学から滋賀県教育委員会へプロジェクトに手をあげるよう働きかけていこうと いうことになった。その結果、センターが中心となって研究計画を立て、大学と教育委員会が協働で事業を実施する ということで、上記プロジェクトの2年目に文部省より委嘱を受けることになったのである。 そこから1年、大学の研究者と行政の職員が一丸となって、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつカレッジのシステ ムを作り上げ、平成8年7月20日に、大津市内にある琵琶湖研究所で、開講式と第1回目の講義が行われたのであ る。私も出席したが、熱心に講義に耳を傾け、ノートをとる受講生の姿を見ながら、県や市の行政、大学、高校、生涯 学習センター、公民館といった多様な機関の関係者とともに、時には激しくぶつかり、時には励まし合いながらやって きたことが決して無駄ではなかったことを実感したものである。 それから20年。平成28年2月6日(土)に、「淡海生涯カレッジ20周年記念講演会」が開催され、カレッジの修了 生等80名近くが近江八幡市の男女共同参画センター大ホールに集まった。 記念講演は、20年前に生涯学習教育研究センターのセンター長であった住岡英毅名誉教授であった。講演題目 は「生涯学習社会の教育を考える」。これからの学校教育と社会教育の進むべき方向、課題について、淡海生涯カ レッジの思い出も交えながらお話いただいた。 その後、カレッジ各校の活動報告と交流会が行われ、久しぶりに再会した人たちの間で昔話に花が咲いていた。 20年間、カレッジは学びを通しての仲間づくりを意識したプログラムを提供してきた。その思いは、カレッジの受講 者にも伝わったようである。修了生との話の中でも、自主的にグループを作って活動をしている話や、今でも定期的 に集まって同窓会をしている話しなどが聞かれ、カレッジでの学びの縁が、地域の中でもつながり、広がっていること を感じた。 4.事業創出活動 これからもカレッジの修了生が、学びの縁を大切にしながら、さまざまな活動に関わることで、豊かな地域づ くりに貢献していくことを期待したい。 【住岡名誉教授の講演】 【大津校の写真】 【カレッジの事業説明】 【草津校の写真】 (文責 教授 神部純一)
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