2016/7/9 列 島 地 質 “造山帯”と変成岩類 ・造山帯→隆起→変成岩の上昇 造山帯の中軸部に変成帯ができるという古 くからの考えがある→実際は必ずしも… ・古典的“造山論”→対の変成帯 10.高圧変成岩類と その上昇 コア・コンプレックスの発達 秋吉輪廻の造山運動: 飛騨変成帯(高温)/三郡変成帯(高圧) 佐川輪廻の造山運動: 領家変成帯(高温)/三波川変成帯(高圧) 絞 り 出 し モ デ ル (wedge extrusion) 変成岩の絞り出し 海嶺などの 浮揚性沈み込み 後期白亜紀の変成帯 西南日本内帯:丹波−美濃−足尾帯 ☆領家変成帯 ・原地質体は丹波-美濃帯の付加体 ・花崗岩を伴う高温型変成帯 ☆三波川変成帯 中央構造線 (MTL) ・原地質体は四万十帯の白亜紀付加体 ・沈み込み帯深部でできた高圧変成帯 1 2016/7/9 丹波−美濃−足尾帯細分 丹波-美濃帯と領家帯 ☆丹波-美濃-足尾帯の褶曲(左横すべり に伴う)を切って,領家変成帯が形 成・上昇 ☆丹波-美濃-足尾帯と中央構造線の左横 すべり運動は同時期か? 前期白亜紀 1.丹波-美濃-足尾帯の褶曲 2.1を切って領家変成帯が形成 3.2を切って中央構造線が活動 後期白亜紀 変 成 相 左横すべりに伴う円錐状褶曲群 四国の三波川帯の 見かけの層序 大生院層:エクロジャイ ト(120-110 Ma の変成 作用) 三縄層:泥質メランジュ (玄武岩,チャート,砂 岩) 小歩危層:砂岩,礫岩 川口層:泥質メランジュ (玄武岩) 変 成 岩 の 組織 マフィック な変成岩の鉱 物組成から決 められたある 温度・圧力条 件の範囲でで きる,変成岩 の状態 2 2016/7/9 変 成 岩 の 組織 変 成 岩 の 組織 四国三波川変成帯の見かけの層序 四万十帯(四国東部) This study 砂岩のモード組成(火山岩片 を多く含む石質砂岩)や化学 組成から,小歩危層の原岩は 中部四万十帯構成層(例:徳 島県の日和佐層) 小歩危層の上位にあり,玄武 岩やチャートを含む三縄層も, 中部四万十帯構成層か? すると,大生院層は北部四万 十帯構成層? Aoki et al. (2007) 四万十帯北帯の細分 北部四万十帯:長石質アレナイトに富む (100–120 Ma) 中部四万十帯Ⅱ:玄武岩・チャートなど遠洋 性の岩石+陸源砕屑岩類(90–100 Ma) 中部四万十帯Ⅰ :石質ワッケに富み,珪長 質火山岩礫を含む礫岩を挾在(80–90 Ma) 南部四万十帯:剪断された泥岩を基質とする メランジュ+現地性玄武岩(65–80 Ma) 四国:試料採取地点 原図:産総研(2005) シームレス地質図 四国中央部 大歩危-祖谷地域 50 km 3 2016/7/9 三縄層砂質片岩中の砕屑性ジルコンの年代分布 紀伊半島:四万十帯の砕屑性ジルコン年代分布 原 岩 堆 積 = カ ン パ ニ ア ン 大歩危-祖谷地域 三縄層砂質片岩 K–Ar and Ar–Ar ages of retrograde metamorphism: 60–70 Ma Relative Probability Magmatic hiatus (Korea): 110–158 Ma 北部四万十帯 Iratsu, peak metamorphism: 110–120 Ma (Okamoto et al., 2004) Magmatic hiatus (Korea) 110–158 Ma (Sagong et al., 2005) 大歩危-祖谷地域 三縄層砂質片岩 紀伊半島四万十帯: ジルコン年代の2つのパターン パターンⅠ(北部四万十帯) 中部四万十帯 紀伊半島四万十帯: ジルコン年代の2つのパターン パターンⅡ(中部四万十帯) 110–130 Ma(韓国の magmatic hiatus 内)に年代値のピーク 90–100 Maに年代値のピーク 年代値の下限は 90–100 Ma 年代値の下限は 70–80 Ma 原岩堆積の時代は,Albian–(Santonian?) 原岩堆積の時代は,Campanian– Maastrichtian Magmatic hiatus 期のジルコンを含まない 三縄層の砂質片岩は,これと同じパターン パターンⅠの砕屑岩を原岩と する三波川変成岩はあるか? ○ 秩父 (答)ある! 秩父地域の三波川帯(Tsutsumi et al., 2009) パターンⅡの変成岩の上位にパター ンⅠの変成岩がのる 東京 ○ ◎ 甲府 ○ ○ 静岡 関東山地 横浜 関東山地 秩父地域 50 km (Tsutsumi et al., 2009) 4 2016/7/9 関東山地の 三波川帯でも 2つのパターン? 下 位 上 位 三 波 川 帯 秩父累帯 Tsutsumi et al. (2009) 現段階での推定 基本構造 四万十帯 北部四万十帯 中部四万十帯 (日和佐層など) 三波川帯 パターンⅠ(大生院層相当層) パターンⅡ(三縄・小歩危層 相当層) 三波川~四万十帯 区分案:関東山地 ★ ★★ 三波川~四万十帯 区分案:四国 ★ ★ ★ 三波川変成岩類=四万十帯付加体の 変成したもの! 5 2016/7/9 火成作用の変遷 古第三紀:磁鉄鉱系列 白亜紀:チタン鉄鉱系列 花崗岩系列 磁鉄鉱系列 Magnetite-series - 薄片1枚に1粒以上の磁鉄鉱 チタン鉄鉱系列 Ilmenite-series - 磁鉄鉱を含まない - 還元的なマグマ溜まり - 炭素を含む地殻物質の混入 白亜紀:大規模な加水または昇温が起きた→海嶺の通過? 後期白亜紀のテクトニクス場 後期白亜紀の テクトニクス場 後期白亜紀のテクトニクス場 6
© Copyright 2024 ExpyDoc