別紙1 論 文 審 査 の 要 旨 報告番号 甲 第 論文審査担当者 2723 号 氏 名 主査 内田 直樹 副査 泉﨑 雅彦 副査 佐々木 明石 憲尚 康綱 (論文審査の要旨) 本論文は、血清における抗コリン作用の程度をアトロピン換算で定量化した血清抗コリ ン活性(Serum anticholinergic activity; SAA)を用い、統合失調症における抗コリン 活性の測定と錐体外路症状の評価を検討したものである。 統合失調症群 15 名と健常対照群 10 名の SAA を測定し、現在汎用されている錐体外路症 状 の 評 価 尺 度 で あ る 薬 剤 性 錐 体 外 路 症 状 評 価 尺 度 (Drug Induced Extrapyramidal Symptoms Scale; DIEPSS)を用いて関連の有無を検討した。 結果として統合失調症群では SAA と DIEPSS の総点との間に有意な負の相関が認められ、 SAA が高値であるほど、DIEPSS のスコアは低く、薬剤性錐体外路症状は軽度であった。本 論文は統合失調症における血清抗コリン活性の値と薬剤性錐体外路症状の重症度との関 連を示唆しており、今後、薬剤性錐体外路症状の発症リスクの評価や治療法にも貢献でき る内容である。 この新知見は、学術上価値のあるものであり、学位に値するものと判断した。 論文題名: The association between serum anticholinergic activity and the psychiatric symptoms of chronic schizophrenia (慢性期統合失調症における血清抗コリン活性と精神症状の関連) 掲載雑誌名: THE SHOWA UNIVERSITY JOURNAL of MEDICAL SCIENCES Vol.27 No.4 2015 年(掲載予定)
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