(GMT)7月7日号 (PDF/519KB)

コモディティ・マーケット・
トピックス
2016/
7/7
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
有事の金、2年4ヵ月ぶりの高値を更新
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場の上昇に拍車がかかっている。英国のEU離脱問題を
受け、主要先進国の国債利回りが連日で過去最低水準を更新している影響から、金利の付かない金の
投資妙味が増しているためだ。米追加利上げ期待が後退している一方、ドルの代替資産として金の需要
が高まっていることも背景にある。上場投資信託(ETF)経由の投資需要も依然強い。非商業筋のネット
ロングは7/1時点で過去最高を記録しているが、当面、買われやすい状況が続くことが予想される。
NY 金 価 格 は 2 年
4ヵ月ぶりの高値
英 国 民 投票 で 欧州 連 合 (EU ) 離脱が 選 択 され て以降 、ニ ュ ー ヨー ク 商品 取引 所
(COMEX)の金先物相場の上昇に拍車がかかっている。7/6 の終値は 1 トロイオンス
=1,367.10 ドルと 2014 年 3 月以来、およそ 2 年 4 ヵ月ぶりの高値を付けた。
英経済や国際金融市場の先行き不透明感が広がっていることから、主要先進国の国債
利回りが連日で過去最低水準を更新。この影響により、金利の付かない金に対する投
資妙味が増しているためだ。英国の EU 離脱問題の行方や、欧州の銀行を巡る懸念の
強まり等からリスク回避の動きが鮮明となっていることも金の選好的な買いにつながって
いる。
なお、英金融情報会社マークイットが発表したデータによると、6 月の英建設業購買担
当者景況指数(PMI)は前月の 51.2 から一気に 46.0 にまで悪化。英サービス業 PMI も
52.3 まで低下しており、英国の景気先行き懸念が改めて強まっている。
米債券利回り差と金価格
(1オンス=ドル)
1,900
(週次:2011/1/7~2016/7/1)
NY 金先物とドルインデックス
(%)
(1オンス=ドル)
1,400
3.0
2.8
1,800
1,350
2.6
1,700
1,600
2.4
1,300
2.2
1,250
1,500
2.0
1,400
1.8
1,300
1,200
米国債利回り差 10年-2年(右目盛)
1,000
11/1
12/1
13/1
75
NY金先物(左目盛)
ドルインデックス(右逆目盛)
1,200
1.6
1,150
1.4
1,100
90
95
14/1
15/1
100
1,050
1.0
1,000
0.8
16/1 (年/月)
105
14/1 14/4 14/7 14/10 15/1 15/4 15/7 15/10 16/1 16/4 (年/月)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
80
85
1.2
金価格(左目盛)
1,100
(週次:2014/1/3~2016/7/1)
2016/7/7
コモディティ・マーケット・トピックス
ドルの代替資産と
して金の需要
また、英国の景気先行き懸念により、米連邦準備理事会(FRB)も当面追加利上げに踏
み切れなくなるとの見方が強まっており、ドル高期待が後退していることもドル建てで取
引される金にとっては好材料だ。
ブルームバーグの予想によると、7/6 現在、7 月の利上げ確率は 0%、9 月と 11 月は 2.0%、
最も高い 12 月でも 11.8%となっており、年内に追加利上げが行われる可能性はほぼない
というのが市場のコンセンサスとなっている。
ETF経由の投資需
要が急拡大
上場投資信託(ETF)経由の投資需要も旺盛だ。金の国際機関、ワールド・ゴールド・カ
ウンシル(WGC)の報告によると、2016 年の世界金投資需要(ETF、金貨を含む)は 1~3
月期だけで 617.6 トンに膨れ上がり、前年同期の約 2.2 倍となった。金 ETF には金利が
付かないが、安全資産としての側面が評価されているようだ。
世界最大のドル建て金 ETF である SPDR(スパイダー)ゴールド・シェアの現物保有高
は、7/6 時点で 982.44 トンと 2013 年 6 月以来の高水準となっている。現在の保有残高
は 2012 年のピーク時と比較すると 3 分の 2 程度であり、今後も増加余地は高いとみてい
る。
非商業筋のネット
ロングは過去最高
非商業筋による買いも急激に増加している。毎週、米先物取引委員会(CFTC)から発
表される建玉報告によると、非商業筋のネットロングは 6/28 時点で 301,920 枚と過去最
高を記録した。ショートポジションの買い戻しよりも、新規でロングポジションを積み上げ
る動きの方が圧倒的に多い。
ロングポジションがあまりにも急激に積み上がったことを考えると、今後は利益確定売り
に押される展開も考えられるが、当面、逃避資金の流入が続く可能性が高いことから、
一時的な売りにとどまることになるだろう。
SPDRゴールドシェア現物保有高とNY金先物
C FT C 金 非商業筋ポジション
(千枚)
400
(月次:2008/1/1~2016/6/28)
(千枚)
350
(1オンス=ドル)
1,900
(トン)
SPDR現物保有高(右目盛)
350
1,800
300
300
1,320
250
200
1,240
1,600
150
200
0
▲ 50
▲ 100
買残(左目盛)
売残(左目盛)
ネット(右目盛)
▲ 150
1,160
1,500
1,080
150
1,400
1,000
100
1,300
920
100
50
840
1,200
50
760
1,100
680
0
09/1
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
15/1
1,480
1,400
NY金先物(左目盛)
1,700
250
▲ 200
08/1
(週次:2012/1/6~2016/7/1)
16/1
(年/月)
1,000
12/1
12/7
13/1
13/7
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
600
(年/月)
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
22
2016/7/7
コモディティ・マーケット・トピックス
金融商品取引法に係る重要事項
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む)、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く)については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%+2,700 円(税込
み)、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み)、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み)の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り)取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み)、最低 2,700 円(税込み)の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み)を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 : みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第 94 号
加入協会 : 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 : MG5690-160707-20
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
33