電源供給を必要としないモアレ縞を 用いた微小変位可視化メカニズム

電源供給を必要としないモアレ縞を
用いた微小変位可視化メカニズム
広島大学
大学院工学研究科
システムサイバネティクス専攻
助教 高木 健
http://www.robotics.hiroshima-u.ac.jp
背景
・どれだけの力を加え
ているか分からない?
操作者がその力を知るためには・・・
<従来の方法>
力センサを用いて・・・
・モニタ表示
・コントローラに力覚を再現
提案手法
作業対象を見ながら
操作することに着目
力を可視化
<利点>
・モニターの力表示を見なくて良い
・画像より力情報を取得できる
など(医療応用にて説明)
力の測定方法
力を測定するには・・・
弾性変形による変位を測定する。
モアレ縞を用い変位を拡大して表示
モアレ縞
拡大表示
微小な変位
微小な変位を視覚的に拡大表示できる
モアレ縞:2枚の格子を傾けて重ねると観測される元の格子より間隔の広い縞
弾性変形部
変位
A
x
透明
A
薄い板
B
B
力
不透明
視認性を高めるために
数値で表現することで
相対的な表示から絶対的な表示に
力の可視化
力
0N
6N
12N
力
18N
24N
画像処理にて数値を取得
観測されたモアレ縞画像
相互相関解析
0[N]画像との位相差を計算
0[N]
y
y軸方向の輝度値の平均
5[N]
x
140
130
120
110
100
90
80
0[N]
70
60
0
50
5[N]
100
150
x軸 [pixel]
200
250
モアレ縞の移動量[pixel] (画像処理)
実験結果
140
120
100
減少方向
80
60
増加方向
40
20
0
0
2
4
6
8
10
12
力[N] (力センサ)
画像処理にて数値で力情報が得られる
医療分野への応用
内視鏡による手術
<利点>
など・・・
・電気的な要素を
嫌う環境で使用可
・見ているすべての人が
力情報を共有できる
鉗子先端部への実装
A
B
弾性要素
10mm
表示部
モアレ縞 と 文字
動物実験
建築・土木分野への応用
工場
建築物
橋梁
いつもとは異なる物理現象が現れる場合,異変が生じていると考えられる
保守管理のため正確な物理現象の計測が求められている
対象が非常に大きい
問題点
• 電源供給
• 配線・センサの配置
建築・土木分野への応用
加速度を可視化
2軸加速度可視化メカニズム
高速カメラ
• 計測対象に取り付けるのみ
• 遠隔から計測可能
• マーカ部に電気的な要素不使用
モアレ縞(2軸)
建築・土木分野への応用
望遠レンズ
拡大
加速度可視化
メカニズム
遠隔かつ計測対象には電源不要で,加速度情報を取得.
加速度の計測(電源不要)
この壁の微小な振動を撮りたい!!
カメラ
振動可視化
メカニズム
まとめ
・電気的な要素を用いることなく,力の大きさを可視化した.
・工業分野への応用としてロボットグリッパ,医療分野へ
の応用として医療器具,建築・土木分野への応用として安
全モニタリングなどが考えられる.
実用化に向けた課題
・ 明確なターゲットの決定
・ 組立工程の確立
企業への期待
本研究室では基礎技術の確立を目指しています.
本研究室では,一般の方に簡単なデモンストレーションするため
のものであれば製作できますが,商品化できるほど作りこむ(研
究ではなく,主に開発する)ことは現実的に難しいです.
(新入社員になる前の学生さんが
商品を作ることはかなり難しいです.)
基本的な構成は非常にシンプルです.開発に協力してい
ただける企業の方を求めています.
お問い合わせ先
広島大学産学連携センター
産学連携部門コーディネーター
榧木 高男(かやき たかお)
Tel
: 082-421-3704
E-mail : [email protected]
本技術に関する知的財産権
発明名称
:微小変位表示デバイス及びこれを用
いた建造物の異常振動監視システム
出願番号
出願人
発明者
:特願2009-124730
:国立大学法人広島大学
:高木 健,石井 抱,
藤井 堅,大政 洋平