平成 28 年 7 月 6 日 研修医の皆様へ 公益社団法人日本皮膚科学会 理事長 島田 眞路 新専門医制度に関する日本皮膚科学会としての対応について(ご連絡) さて、早速ではございますが、新専門医制度に関する状況についてご連絡申し上げます。 1.新専門医制度について 日本専門医機構が提唱している新専門医制度は、本年 2 月頃から日本医師会、四病院団 体協議会、厚生労働省、厚生労働大臣、地方自治体など各方面から新制度発足による地域 医療への影響に関する懸念が示されておりました。これを受けて、厚生労働省社会保障審 議会医療部会に「専門医養成の在り方に関する専門委員会」が発足し、同日、同委員会か ら「2017 年 4 月から基本領域一斉に新制度をスタートさせるのではなく、準備が整った領 域について、学会主導にて新制度を“試行”すること」が提案されました。 このことを受け日本皮膚科学会理事会において慎重に検討を重ねた結果、第 115 回日本 皮膚科学会総会時(6 月 2 日)に開催した理事会において、各学会に先駆けて「皮膚科は 2017 年度は現行制度での研修を行う。2018 年度以降は日本専門医機構の新体制と協議を重 ねる」ことを機関決定しております。 2.2017 年度に皮膚科後期研修を開始される方へ 上記のことから 2017 年度は現行制度での研修を引き続き行うこととしております。その ため、2017 年度から後期研修を開始される方(2016 年度時点で初期臨床研修 2 年目の方) は従来通りの皮膚科研修を行うことになります。従来通りの皮膚科研修における初期臨床 研修期間中の取り扱いに関する概要は以下のとおりです。 (1)初期臨床研修中に皮膚科学会に入会した場合、初期臨床研修期間も皮膚科専門医 取得のための研修期間として算定することが可能であること。 (2)皮膚科で研修を行った期間は全て研修期間として認められるが,皮膚科以外での 研修期間はその 2 分の 1 が認められること。 (3)算定できる研修期間は皮膚科学会入会後に限ること。 そのため、現在、初期臨床研修 2 年目の方で既に皮膚科を選択または希望されている方 がおられましたら、早めに入会いただくと、より円滑な皮膚科専門医のための研修が可能 となります。 3.新専門医制度に向けた検討について 現在、多くの皆様に対してご心配をお掛けしていることを基盤領域学会の理事長として 深くお詫び申し上げます。しかし、国民の皆様が疑問を持っている状況において、この新 制度を開始することはできないと考えます。 そのため、新しい専門医制度における専門医養成の取り組みにあたっては、関係機関と 十分協議を行い、多くの方の疑問点・懸念事項を解消した上で、開始される必要がありま す。 これまで、新しい専門医養成の取り組みには、多くの方のご理解とご協力をいただきま した。この場を借りて厚く御礼を申し上げます。本会といたしましては、多くの方々の声 に真摯に耳を傾けながら、 「質の高い専門医育成のためのより良い制度」構築を目指してな お一層の努力をしてまいりますので、引き続きご理解とご支援を賜りますようよろしくお 願い申し上げます。 敬具
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