2016/
原油価格週間動向
7/4
投資情報部
シニアコモディティアナリスト
津賀田 真紀子
原油相場、材料不足で非商業筋の売り圧力に拍車
WTI 原油先物相場は先週、一時的に 1 バレル=50 ドル台を回復したものの、ノルウェーの石油関連労働
者のストライキが回避されたことや、米国の石油掘削装置（リグ）の稼働数が再び増加傾向にあること等
が弱材料となり、再び 48 ドル台まで値を落とす動きとなった。これまでは米国の旺盛なガソリン需要が相
場を下支えするとの見方も強かったが、需要のピークは 7/4 の独立記念日とされており、すでにピークア
ウトが意識され始めている。非商業筋のネットロングは一段と縮小する動きとなっているが、足元のファン
ダメンタルズの弱さから判断すると、今後も継続して売り押される可能性が高い。
国際指標であるウエスト・テキサス・インターミディエイト（WTI）原油先物相場は先週、
WTI原油先物は再
び1バレル=50ドル
割れ
時間外取引で一時 1 バレル=50 ドル台を回復した。①英国の欧州連合（EU）離脱問
題をめぐる懸念が和らいだことや、②ノルウェーの石油関連労働者によるストライキの
可能性等が支援材料となったためだ。しかし、ノルウェーのストライキが回避されたこと
や、米国の石油掘削装置（リグ）の稼働数が再び増加傾向にあること等が弱材料視さ
れ、足元では再び 48 ドル台まで値を落とす展開となっている。
ベイカー・ヒューズ社のリポートによると、7/1 時点の米国内のリグの稼働数は 341 基と
前週から 11 基の増加となった。年初来最低を記録した 5/27 時点から 25 基の増加と
なる。昨年も夏場にかけて一時的にリグの稼働数が回復し、これによって WTI 原油先
物相場が押し下げられる展開となったが、今年も同様の動きとなる可能性がある。
なお、米国内には DUCs（drilled but uncompleted wells）と呼ばれる未完成の油井が
多数あるといわれているが、今後も WTI 原油先物価格が 1 バレル=50 ドル近辺で推
移し続けた場合、これらの井戸からの生産がさらに増加することも予想される。
原油価格動向
W T I原油先物価格とドルインデックス
2016/6/20
期間
前週比
2016/7/1
始値
WTI
高値
50.54
▲ 0.54
45.83
46.70
▲ 0.87
終値
48.99
47.64
1.35
48.43
49.42
78
80
100
▲ 0.48
安値
始値
北海
ブレント
50.00
48.29
76
110
2016/6/24
47.81
（週次：2013/1/4～2016/7/1）
（1バレル=ドル）
120
～
～
2016/6/27
82
90
84
80
86
88
70
90
▲ 0.99
60
92
94
高値
50.74
51.24
▲ 0.50
50
安値
46.69
47.54
▲ 0.85
40
終値
50.35
48.41
1.94
30
96
WTI原油先物（左目盛）
ドルインデックス（右逆目盛）
98
100
20
（注）価格は 1 バレル=ドル
13/1
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
13/7
14/1
14/7
15/1
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
1
1
15/7
16/1
102
（年/月）
2016/7/4
原油価格週間動向
米国の原油・ガソリ
ン在庫は前年同期
を大幅に上回る状
況
米国内の原油在庫もいまだ過去最高に近い状態にある。米エネルギー情報局（EIA）
の週間石油統計によると、6/24 時点の米原油在庫は 5 億 2,657 万バレルと前週から
約 405 万バレル減少したものの、前年同期を 13%以上上回る結果となった。
これまでは米国の旺盛なガソリン需要が相場を下支えするとの見方が強かった。今年
の米国のドライブシーズンは 5/30 のメモリアルデーから、9/5 レイバーデーまでの約
3 ヵ月だが、需要のピークは 7/4 の独立記念日とされており、すでにピークアウトが意
識され始めている。ガソリン需要の増加による原油在庫の減少は期待しにくい。
石油輸出国機構（OPEC）の月報によると、2016 年 3 月時点の世界需給は日量 260
万バレルの供給過剰であったが、2016 年末には需給がほぼ均衡すると予想されてい
る。しかし、わずか 9 ヵ月間で、新興国だけを頼りに、年末までに日量 200 万バレル以
上もの需要増加を見込むことは難しい。
米商品先物取引委員会（CFTC）の建玉報告によると、WTI 原油先物相場のネットロ
ングは 6/28 時点で 30 万 4,239 枚とピーク時から▲17.5%となっている。足元のファン
ダメンタルズの弱さから判断すると、今後も継続して売り押される可能性がある。
米国原油在庫
W T I原油先物相場と米国リグ稼働数
（週次：2013/1/4～2016/6/24）
（千バレル）
600,000
（1バレル=ドル）
120
（週次：2014/1/3～2016/7/1）
（基）
1,800
110
550,000
リグ稼働数（右目盛）
WTI原油先物（左目盛）
100
500,000
450,000
2013年
90
2014年
80
2015年
70
2016年
60
400,000
1,600
1,400
1,200
1,000
800
50
600
40
350,000
400
30
300,000
20
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
（月）
14/1
15/1
15/7
200
（年/月）
16/1
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
C FT C非商業筋建玉とWTI原油先物価格
米国ガソリ ン在庫
（週次：2013/1/4～2016/6/24）
（千バレル）
270,000
14/7
（週次：2014/4/1～2016/7/1）
（万枚）
50
260,000
45
250,000
買残－売残（左目盛）
110
WTI原油先物（右目盛）
100
40
2013年
240,000
（1バレル=ドル）
120
2014年
90
80
35
2015年
230,000
70
30
2016年
220,000
60
50
25
210,000
40
200,000
20
190,000
15
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10 11 12
（月）
30
14/4
14/7
14/10 15/1
15/4
15/7
15/10 16/1
16/4
20
（年/月）
（注）CFTC 非商業部門建玉は 6/28 現在
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
出所:ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
22
2016/7/4
原油価格週間動向
■ エネルギー関連統計
日付
国・地域
7月7日
7月7日
7月7日
7月7日
7月7日
7月7日
7月7日
7月7日
7月8日
7月8日
7月8日
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
イベント
米国原油在庫（前週比・千バレル）
ｵｸﾗﾎﾏ州ｸｯｼﾝｸﾞ原油在庫（前週比・千バレル）
米国ｶﾞｿﾘﾝ在庫（前週比・千バレル）
米国中間留分在庫（前週比・千バレル）
米国製油所稼働率（前週比）
米国原油推定需要(千バレル/日）
米国ｶﾞｿﾘﾝ推定需要(千バレル/日）
米国留出燃料推定需要(千バレル/日）
ﾍﾞｰｶｰ･ﾋｭｰｽﾞ掘削リグ稼働数
ﾍﾞｰｶｰ･ﾋｭｰｽﾞ米国ｶﾞｽ･ﾛｰﾀﾘｰﾘｸﾞ稼働数
ﾍﾞｰｶｰ･ﾋｭｰｽﾞ米国石油ﾛｰﾀﾘｰﾘｸﾞ稼働数
期間
前回
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月1日
7月8日
7月8日
7月8日
▲4,053
▲951
1,367
▲1,801
1.7%
16,756
10,104.4
5,303.3
431
89
341
■ 今週の経済指標
日付
国・地域
7月4日
7月4日
7月5日
7月5日
7月5日
7月5日
7月5日
7月5日
7月5日
7月5日
7月6日
7月6日
7月6日
7月6日
7月6日
7月6日
7 月 6-7 日
7月7日
7月7日
7月7日
7 月 7-12 日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月8日
7月9日
7 月 9-15 日
7 月 9-15 日
欧州
欧州
欧州
欧州
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
欧州
米国
米国
米国
米国
米国
中国
米国
米国
米国
中国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
米国
中国
中国
中国
イベント
ｾﾝﾃｨｯｸｽ投資家信頼感
PPI(前月比)
ﾏｰｸｲｯﾄ ﾕｰﾛ圏ｻｰﾋﾞｽ業 PMI
ﾏｰｸｲｯﾄ ﾕｰﾛ圏ｺﾝﾎﾟｼﾞｯﾄ PMI
小売売上高(前月比)
IBD/TIPP 景気楽観指数
製造業受注指数
耐久財受注(前月比)
製造業受注-資本財(非国防/除航空機)
製造業出荷-資本財(非国防/除航空機)
ﾏｰｸｲｯﾄ ﾕｰﾛ圏小売業 PMI
MBA 住宅ﾛｰﾝ申請指数
貿易収支
ﾏｰｸｲｯﾄ 米国ｻｰﾋﾞｽ業 PMI
ﾏｰｸｲｯﾄ 米国ｺﾝﾎﾟｼﾞｯﾄ PMI
ISM 非製造業景況指数(総合)
外貨準備高
ADP 雇用統計
新規失業保険申請件数
失業保険継続受給者数
海外直接投資(前年比､中国元)
非農業部門雇用者数変化
民間部門雇用者数変化
製造業雇用者数変化
失業率
平均時給(前月比)
家計調査雇用者数増減
労働参加率
不完全雇用率
消費者信用残高
PPI 前年比
資金調達総額(中国元)
ﾏﾈｰｻﾌﾟﾗｲ M2(前年比)
期間
7月
5月
6 月 確報
6 月 確報
5月
7月
5月
5 月 確報
5 月 確報
5 月 確報
6月
7月1日
5月
6 月 確報
6 月 確報
6月
6月
6月
7月2日
6 月 25 日
6月
6月
6月
6月
6月
6月
6月
6月
6月
5月
6月
6月
6月
前回
9.9
▲0.3%
52.4
52.8
0.0%
48.2
1.9%
▲2.2%
▲0.7%
▲0.5%
50.6
▲2.6%
▲37,400,000,000
51.3
51.2
52.9
3,191,700,000,000
173,000
268,000
2,120,000
▲1.0%
38,000
25,000
▲10,000
4.7%
0.2%
26
62.6%
9.7%
13,416,000,000
▲2.8%
659,900,000,000
11.8%
（注）記載事項はすべて「予定」ないし「見込み」であり、予告なく変更されることがあります。海外イベントおよび経済指標は現地日程で掲載しています
出所：ブルームバーグのデータよりみずほ証券作成
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
33
2016/7/4
金融商品取引法に係る重要事項
原油価格週間動向
■国内株式のリスク
リスク要因として株価変動リスクと発行者の信用リスクがあります。株価の下落や発行者の信用状況の悪化等により、投
資元本を割り込むことがあり、損失を被ることがあります。
■国内株式の手数料等諸費用について
○国内株式の売買取引には、約定代金に対して最大 1.134%(税込み）、最低 2,700 円(税込み）の委託手数料をご負担いただ
きます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み）を乗じた金額を委託手
数料としてご負担いただきます。
○株式を募集等により購入する場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
○保護預かり口座管理料は無料です。
■外国株式のリスク
○外国株式投資にあたっては、株価変動リスク、発行者の信用リスク、為替変動リスク(平価切り下げ等も含む）、国や地域
の経済情勢等のカントリーリスクがあります。それぞれの状況悪化等により投資元本を割り込むことがあり、損失を被るこ
とがあります。
○現地の税法、会計基準、証券取引に関連する法令諸規則の変更により、当該証券の価格に大きな影響を与えることがあ
ります。
○各国の取引ルールの違いにより、取引開始前にご注文されても、始値で約定されない場合や、ご注文内容が当該証券の
高値、安値の範囲であっても約定されない場合があります。
○外国株式において有償増資等が行われた場合は、外国証券取引口座約款の内容に基づき、原則権利を売却してお客さ
まの口座に売却代金を支払うことになります。ただし、権利売却市場が存在しない場合や売却市場があっても当該証券の
流動性が低い場合等は、権利売却ができないことがあります。また、権利が発生しても本邦投資家が取り扱いできないこ
とがあります。
○外国株式の銘柄(国内取引所上場銘柄および国内非上場公募銘柄等を除く）については、わが国の金融商品取引法に基
づいた発行者開示は行われていません。
■外国株式の手数料等諸費用について
○外国委託取引
国内取次手数料と現地でかかる手数料および諸費用の両方が必要となります。現地でかかる手数料および諸費用の額
は金融商品取引所によって異なりますので、その金額をあらかじめ記載することはできません。詳細は当社の担当者まで
お問い合わせください。国内取次手数料は、約定代金 30 万円超の場合、約定代金に対して最大 1.08%＋2,700 円(税込
み）、約定代金 55,000 円超 30 万円以下の場合、一律 5,940 円(税込み）、約定代金 55,000 円以下の場合、約定代金に対
して一律 10.8%(税込み）の手数料をご負担いただきます。
○国内店頭(仕切り）取引
お客さまの購入単価および売却単価を当社が提示します。単価には手数料相当額が含まれていますので別途手数料お
よび諸費用はかかりません。
○国内委託取引
当社の国内株式手数料に準じます。約定代金に対して最大 1.134%(税込み）、最低 2,700 円(税込み）の委託手数料をご負
担いただきます。ただし、売却時に限り、約定代金が 2,700 円未満の場合には、約定代金に 97.2%(税込み）を乗じた金額を
委託手数料としてご負担いただきます。
○外国証券取引口座
外国証券取引口座を開設されていないお客さまは、外国証券取引口座の開設が必要となります。外国証券取引口座管理
料は無料です。
外貨建商品等の売買等にあたり、円貨と外貨を交換する際には、外国為替市場の動向をふまえて当社が決定した為替
レートによるものとします。
商品ごとに手数料等およびリスクは異なりますので、当該商品等の契約締結前交付書面や目論見書またはお客さま向け
資料等をよくお読みください。
商 号 等 ： みずほ証券株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商）第 94 号
加入協会 ： 日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人金融先物取引業協会、
一般社団法人第二種金融商品取引業協会
広告審査番号 ： MG5690-160704-40
この資料は投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。銘柄の選択、投資に関する
最終決定はご自身の判断でお願いいたします。また、本資料は信頼できると思われる情報に基づいて作成したものですが、その正確性、完全
性を保証したものではありません。本資料に示された意見や予測は、資料作成時点での当社の見通しであり今後予告なしに当社の判断で随
時変更することがあります。最終ページに金融商品取引法に係る重要事項を掲載していますのでご覧ください。
44

熊本地震に関するお知らせ