プリンタ世界市場に関する調査を実施(2016 年)

2016 年 7 月 4 日
プレスリリース
プリンタ世界市場に関する調査を実施(2016 年)
【調査要綱】
矢野経済研究所では、次の調査要綱にてプリンタ(出力機器)の世界市場の調査を実施した。
1.調査期間:2016 年 4 月~6 月
2.調査対象:プリンタ(出力機器)メーカー・販売店/パートナー・各種部材メーカー
3.調査方法:当社専門研究員による直接面談、電話・e-mail によるヒアリング、ならびに文献調査併用
<プリンタとは>
本調査におけるプリンタ(出力機器)とは、オフィス向け(ページプリンタ【中-低速】、MFP【複合機/複写機】、イ
ンクジェットプリンタ)、業務用/産業向け(シリアル・インパクト・ドット・マトリクスプリンタ【SIDM】、ライン・インパク
ト・ドットプリンタ、ページプリンタ【高速】、デジタル印刷機、LFP(Large Format Printer:大判プリンタ)、コンシュー
マ向け(フォトプリンタ・インクジェットプリンタ)の各機器を対象とした。
【調査結果サマリー】
‹ 2015 年度のプリンタ世界出荷台数は 1 億 350 万台
2015 年度のプリンタ(出力機器)世界出荷台数は、メーカー出荷ベースで 1 億 350 万台であった。
2016 年度の同出荷台数は前年度比 102.4%の 1 億 600 万台と予測する。2015 年度は、日本国内で
は大手コンビニエンスストアの MFP リプレイス(入れ換え)など大口案件もあったが、中国市場におけ
る成長の鈍化や欧州市場では景況感への不安などからプリンタの世界出荷台数は伸び悩んだ。
2016 年度は、2016 年 6 月の drupa2016 の開催影響などから業務用プリンタの新機種が発表・発売さ
れるなど、市場が活気付き、業務用プリンタが市場を牽引していくと予測する。
‹ 2015 年度のプリンタ世界出荷金額は 6 兆 2,675 億円
2015 年度のプリンタ(出力機器)世界出荷金額は、メーカー出荷ベースで 6 兆 2,675 億円であった。
業種・業務に特化した、さまざまなプリンタの上市や、ユーザー企業側にデジタル印刷機等で上位機
種へのリプレイス(入れ換え)需要が見られることなどから、2016 年度の同出荷金額は前年度比
100.5%の 6 兆 3,000 億円になると予測する。
‹ デジタル印刷機の世界出荷台数は 2019 年度に 9 万 4,000 台と予測
2015 年度のデジタル印刷機世界出荷台数は、メーカー出荷ベースで 7 万 1,165 台であった。2016
年度の同出荷台数は前年度比 107.3%の 7 万 6,352 台と予測する。
2015 年度は世界的な景況の影響などを受け、出荷金額は前年度比 107.0%にとどまった。しかし需要
の裾野拡大によるエントリー(Light-Pro)モデルの導入台数の拡大と、提案型営業強化による高位なモ
デルへのリプレイス(入れ換え)需要などが期待できることから、2015 年度から 2019 年度までの年平均成
長率が 7.2%で成長し、2019 年度の同出荷台数は 9 万 4,000 台に達すると予測する。
◆ 資料体裁
資料名:「2016 ビジネスプリンタ市場の実態と展望」
発刊日:2016 年 6 月 24 日
体 裁:A4 判 459 頁
定 価:190,000 円(税別)
‹ 株式会社 矢野経済研究所
所在地:東京都中野区本町2-46-2 代表取締役社長:水越 孝
設 立:1958年3月 年間レポート発刊:約250タイトル URL: http://www.yano.co.jp/
本件に関するお問合せ先(当社 HP からも承っております http://www.yano.co.jp/)
㈱矢野経済研究所 マーケティング本部 広報チーム TEL:03-5371-6912 E-mail:[email protected]
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
本資料内容を転載引用等されるにあたっては、上記広報チーム迄お問合せ下さい。
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2016 年 7 月 4 日
プレスリリース
【 調査結果の概要 】
1. 出荷概況と将来予測
2015 年度のプリンタ(出力機器)世界市場は、日本国内では大手コンビニエンスストアの MFP リプレ
イス(入れ換え)など大口案件もあったが、中国市場における成長鈍化や欧州市場での景況感への不
安などから出荷台数は伸び悩んだ。2015 年度のプリンタ世界出荷台数は 1 億 350 万台、同出荷金額
は 6 兆 2,675 億円(いずれもメーカー出荷ベース)となった。
2016 年度は 2016 年 6 月にデュッセルドルフで drupa2016 が開催され、この展示会の開催時期に合わ
せて多くの業務用プリンタの新機種が発表・発売されるなど、市場が活気付いている。業務用プリンタに
おいては、デジタル印刷機を中心にユーザー企業のニーズが拡大しており、2016 年度以降のプリンタ
世界市場を牽引していく見通しである。
その他にオフィス向けプリンタ市場では大容量インクタンク搭載のインクジェットプリンタや、カラー
MFP の出荷台数が増加すると予測する。また、業種や業務に特化した、さまざまなプリンタが上市されて
いることや、ユーザー企業側にデジタル印刷機等で上位機種への入れ替え需要が見られることなどから、
2016 年度の出荷金額は拡大する見通しである。
これらの状況を踏まえ、2016 年度のプリンタ世界出荷台数は前年度比 102.4%の 1 億 600 万台、同出
荷金額は前年度比 100.5%の 6 兆 3,000 億円(いずれもメーカー出荷ベース)と予測する。
図 1. プリンタ(出力機器)世界市場予測
(単位:千台)
120,000
出荷台数
66,470
62,675
63,000
出荷金額
62,100
(単位:億円)
70,000
61,870
61,870
60,000
100,000
50,000
80,000
40,000
60,000
108,985
103,500
106,000
103,000
102,000
103,000
30,000
40,000
20,000
20,000
10,000
0
0
2014年度
2015年度
2016年度
予測
2017年度
予測
2018年度
予測
2019年度
予測
矢野経済研究所推計
注 1:出荷台数、出荷金額ともにメーカー出荷ベース
注 2:2016 年度以降は予測値
注 3:オフィス向け(ページプリンタ【中-低速】、MFP【複合機/複写機】、インクジェットプリンタ)、業務用/産業向け(シリア
ル・インパクト・ドット・マトリクスプリンタ【SIDM】、ライン・インパクト・ドットプリンタ、ページプリンタ【高速】、デジタル印刷機、
LFP(Large Format Printer:大判プリンタ)、コンシューマ向け(フォトプリンタ・インクジェットプリンタ)の各機器を対象とした。
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2016 年 7 月 4 日
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2. 注目すべき動向~デジタル印刷機市場が順調に拡大と予測
2016 年度以降のプリンタ(出力機器)世界市場を牽引していくと考えられるのが、デジタル印刷機であ
る。2015 年度のデジタル印刷機世界出荷金額は世界的な景況の影響や、2016 年 6 月の drupa2016 開
催前の買い控えといった市況を受け、前年度比 107.0%にとどまった。しかし、デジタル印刷機市場は、
需要の裾野拡大によるエントリーモデルである Light-Production モデル(以下、Light-Pro モデル)の導入
台数の伸長と、提案型営業強化による高位なモデルへのリプレイス(入れ換え)需要などが期待できるこ
とから、デジタル印刷機世界出荷台数は、2015 年度から 2019 年度までの年平均成長率が 7.2%で成長
していくと予測する。
2015 年度のデジタル印刷機世界出荷台数(メーカー出荷数量ベース)は 7 万 1,165 台であった。2016
年度の同出荷台数(同ベース)は前年度比 107.3%の 7 万 6,352 台になり、2019 年度には 9 万 4,000 台
まで伸長すると予測する。また、2015 年度のデジタル印刷機世界出荷金額(メーカー出荷金額ベース)
は 5,553 億円であった。2016 年度の同出荷金額は前年度比 106.4%の 5,907 億円になり、2019 年度に
は 7,600 億円に達すると予測する。
印刷方式別にみると、電子写真方式(カラー)が占める割合が最も大きくなっている。しかし、生産性
の高さなどが評価され、インクジェット方式のウエイトが年々高まっている。また、電子写真方式(カラー)
の上位クラスの機器についてはフォトブック用途での実績も多くなっている。印刷機メーカーが期待して
いる Light-Pro モデルについては、ユーザー企業でのインハウス需要や軽印刷需要、中堅印刷企業で
の商業印刷の小ロット内製需要といった裾野を拡大していく必要があると考える。
図 2. デジタル印刷機世界市場予測
(単位:台)
100,000
(単位:百万円)
出荷台数
700,000
出荷金額
760,000
700,000
640,000
590,700
600,000
555,300
80,000
519,000
500,000
60,000
400,000
40,000
69,069
71,165
76,352
81,700
88,000
94,000
300,000
200,000
20,000
100,000
0
0
2014年度
2015年度
2016年度
予測
2017年度
予測
2018年度
予測
2019年度
予測
矢野経済研究所推計
注 4:出荷台数、出荷金額ともにメーカー出荷ベース
注 5:2016 年度以降は予測値
注 6:デジタル印刷機世界市場は、プリンタ(出力機器)世界市場の内数
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