森の里ぐるっとガイド

森の里ぐるっと
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車種:セレナ
8 人乗り
2016/7/6
ステップと手すり装備
1
燃費は8km/リッター
森の里ぐるっと
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2016/7/6
平成 27 年度
一般社団法人
厚木ぐるっと
市民協働とは
行政とともに市民団体が地
域公共サービスの担い手に
なること。
説明内容
1.提案の経緯
2.事業の内容
3.課題
4.どう乗り切ったか
2011 年(平成 23 年)10 月 10 日運行開始時のメンバー
2016 年(平成 28 年)4 月現在 13 名のメンバーが輪番で運転(5 名)と助手(8 名)を担当している。
1.提案の経緯
○市民団体(森の里ふぉーらむ)として
の問題意識
お年寄りや子育て世代の買物、通
院、公共施設への移動が負担になっ
ている。(地域公共サービス)
○解決策
森の里地域を循環する乗り合いバス
を走らせよう。
○実現するために
1.車の財源を確保する。
市民協働提案事業への応募。
2.運転手・助手を確保する。
団体メンバーが輪番で担当。
3.ガソリン代等の運行費用の捻出。
厚木市から受託の草刈事業
森の里ふぉーらむは平成 14 年(2002 年)に森の里四丁目の自治会経験者が自治会をサポートする団体
として設立。取り組む課題は ①交通問題
②少子高齢化 ③防犯。
森の里地区の特徴はスーパー、病院、歯医者、銀行、郵便局、公民館、パン屋、クリーニング、ケーキ屋
さんが森の里センターにあるコンパクトな街
2
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○平成 22 年度の事業
森の里地区自治連の協力を得てアンケートを実施して下記のアンケート結果を得た。
必要
すぐに
どちらとも
数年後
10年以降
循環方式
どちらとも
1,000円以下 2,000円 3,000円以上
1651 世帯に配布、
必要とする時期
家族構成
交通手段
無回答
無回答
ドア・ツ・ドア その他 無回答
負担しても実現
*状況
不必要
負担しない 無回答
無回答
508 世帯が回答、回収率31%
すぐに(19%)
、
65 歳以上のいる家庭31%
バス35%、自家用車58%
このアンケートで注目したのは、必要とする時期「すぐに」が19%あり、この要望に応
えるため森の里地区循環方式で始めることにした。
この時の森の里ふぉーらむの資金は榎田川草刈り等の収益資金が 26 万あり、これだけで
ガソリン代の年間費用は賄える額である。
2003 年から愛甲石田駅と森の里間の深夜バスを立案するも、財源のめどが立たず棚上げに。
2009 年(平成 21 年)厚木市市民協働提案事業制度が導入されたのを機会に「森の里地域コミュニティバ
ス事業」として応募、採択された。3 年の補助期間が 2014 年 3 月に終了し、2014 年 4 月より自主運営
に移行し現在に至る。
3
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2.事業内容
1.ワークショップでバスルート決定
2.ぐるっとカーの選定
3.運転手と助手の募集(7人)
4.時刻表
5.重要事項説明
6.パスポート
7.輪番表
8.運行日報
9.財源確保
・榎田川の除草(下水道施設課)
・四季の道除草(道路維持課)
・森の里C調整池除草(河川ふれあい課)
・公園除草(自治会が市から受託を再委託)
・森の里ふぉーらむ賛助金
□バスルートは一周6kmで 15 分から 20 分。
□ワークショップは 2 回開催しコースを決定。
□臨時便対応 森カフェ、ふれあい喫茶、陽だまりの家、公民館事業。
□運転手と助手は現在 13人。助手は利用者の降車場所を確認する。
□パスポート発行枚数は 150 枚。
□日報を便ごとに助手が記帳(記録を残すことが大事)。
□情報共有 Office365(OneDrive)
□会計情報 freee(クラウド会計)
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時刻表
輪番表(裏に担当者の連絡先)
・輪番表の期間は 2 ケ月。 ・担当者毎に都合のつく曜日を事前に申告する。
・作成はおよび変更は事務局が行い、メールで輪番担当に新規作成および変更の都度、連
絡する。
森カフェ、ふれあい喫茶のある第一、第四火曜日には臨時便を運行。
森の里地区地域福祉推進委員会が陽だまりの家を森の里小学校ピロティ教室を利用して平成 25 年 11 月に
開設
5
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3.課題
行政案と団体案の相違点をどう解決したか。
厚木市は運営を交通事業者に委託するコミュニティ交通を導入する計画であっ
た。森の里地域コミュニティ交通は自主運営による無償運送を考えていた。
1 年半すり合わせた結果、地域住民乗合交通の要綱を厚木市が決定し、地域乗合交
通としてガソリン代を除く車の費用を 3 年間負担する仕組みが出来た。
協働事業実施によりわかったこと。
○ 厚木市の負担金については費用充当だけで資産取得には使えない。
○ 年度予算のためリース契約などは単年度契約になる。その為、資産取得した場合に
比べ財政負担増になる。
○ 協働事業としての 3 年間は自主運営の準備期間として充分な期間であった。
地域に住民が気軽になんかできる除草作業場所があった。
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必要な 3 つのこと
1.仲間づくり
自治会活動で、ともに行動するうち相互に打ち解けた関係がつくられた。
2.メンバーの得意領域を生かす
仲間づくりを通してメンバーの得意領域を知り、事業に必要な適材を配置
3.財源づくり
市からの地域環境整備の仕事を小さいことからコツコツ始めていた。
自主事業もコツコツ広げる。
平成 28年度の財源
厚木市からの委託事業の内容
・榎田川草、森の里C調整池、四季の路の草刈り作業
・森の里自治連受託事業(自治会館公園除草)
・厚木ぐるっと基金(住民からの寄付)
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183万
90万
25万(積立残高72万)
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森の里ぐるっと利用状況
協働事業
2011 年度(平成 23 年)10 月から平成 24 年 3 月まで:1,320 人の利用者
2012 年度(平成 24 年)4 月から平成 25 年 3 月まで:4,531 人の利用者
2013 年度(平成 25 年)4 月から平成 26 年 3 月まで:4758 人の利用者
自主運営
2014 年度(平成 26 年)4 月から平成 27 年 3 月まで:5169 人の利用者
2015 年度(平成27年)4 月から平成 28 年 3 月まで:5269 人の利用者
2013 年度(平成 24 年)8 月、
厚木市実施のアンケートで、今
後利用したい人と答えた人は
現利用者の5倍いる。
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
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4.どのように乗り切ってきたか
自立への道筋(ロードマップ)
ホップ:
住民のニーズを把握して仕組みを構築する。自主財源を用意する。
市への支援を依頼する。(市民協働提案事業に応募)
ステップ:市からの受託事業を拡大して自主財源を確保する。
自主事業も拡大する。
ジャンプ:自立に向けて事業内容、自主財源をしっかり確保する。
自主運営の概要
・運行費用は自主財源で賄えている。
課題
・利用者の増加
・運転要員の確保
・サポート要員の維持(男性 27 人
女性 12 人)
・新車への借り換え(定員 8 人から定員 10 人へ)
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森の里ぐるっとの費用
内訳:平成 23 年度(下期) 960,929 円 平成 24 年度
年間利用者 (実績)
1,320 人
(実績)
一人当費用 (実績)
728 円
(実績)
2,091,276 円
4,531 人
461 円
平成 25 年度(実績)1,290,225 円 平成 26 年度
年間利用者 (実績)
4,758 人
(実績)
一人当費用 (実績)
271 円
(実績)
1,262,528 円
5,169 人
244 円
平成 27 年度(実績)1,398,211 円
年間利用者 (実績)
5,269 人
一人当費用 (実績)
265 円
運営費
平成 24 年
平成 25 年
平成 26 年
平成 27 年
謝礼 2,000 円/2 人日
謝礼 1,000 円/2人日
謝礼 2,000 円/2 人日
謝礼 3,000 円/2 人日
10
ガソリン代 1300 円/日
ガソリン代 1500 円/日
ガソリン代 1200 円/日
ガソリン代 1000 円/日
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森の里ぐるっとの収支
厚木ぐるっと 損益計算書 平成27年4月1日~平成28年3月31日
借方
貸方
単位:円
残高
売上高
2丁目ヤマヒル対策
250,000
調整池 (春)
185,022
榎田川 (春)
186,380
四季の道 (春)
547,086
調整池 (秋)
186,380
榎田川 (秋)
164,010
四季の道 (秋)
計
543,183
2,062,061
2,062,061
費用
雑費
会議費
107,213
(弁当代等)
223,790
通信費
105,906
消耗品費 (草刈&事務用品等)
292,294
修繕費
61,711
支払い手数料
15,698
車両費
(ガソリン代等)
185,607
保険料
10,900
租税公課
1,200
リース代
570,024
謝礼
(ぐるっと&草刈)
1,714,000
寄付金
フォーラム
200,000
公園草刈
900,000
社会福祉協議会
50,000
敬老会
5,000
計
営業損益
3,288,343
1,155,000
2,133,343
3,288,343
3,217,061
△ 71,282
営業外収益 受取利息
雑収入
174
大沼さん畑
25,000
荻野・草刈機使用料
20,000
陽だまりの家ガソリン代
2,000
その他
5,740
計
経常損益
法人税等
3,288,343
県民税
20,000
市民税
50,000
計
52,914
52,914
3,269,975
△ 18,368
70,000
当期純損益
3,358,343
11
△ 70,000
3,269,975
△ 88,368
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市民活動の領域が見えてきた
地域公共サービスの領域には企業も行政も入りにくい空白域がある。
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質問
1.Q:乗車定員を超える利用者がいた場合はどのように対応するか?
A:臨時便で対応します。
(平成 27 年 4 月~9 月までの臨時便利用者数)
停留所名
1
2
森の里センター
(スーパーサンワ)
郵便局
(森の里公民館)
3
乗合4丁目
4
5丁目自治会館
5
4丁目自治会館
6
3丁目自治会館
7
1丁目自治会館
8
2丁目自治会館
9
森の里センター
(スーパーサンワ)
森の里病院
10
郵便局
(森の里公民館)
乗降者数合計
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
乗車
降車
2015年4月
2015年5月
2015年6月
2015年7月
2015年8月
2015年9月
臨時便
臨時便
臨時便
臨時便
臨時便
臨時便
25
0
7
0
0
5
5
11
0
7
0
2
0
1
0
5
0
3
0
0
0
3
37
37
28
0
0
0
0
4
0
3
0
16
0
1
0
1
0
3
0
0
0
0
0
0
28
28
42
0
5
0
0
4
0
15
1
14
0
2
0
0
2
12
0
1
0
1
0
1
50
50
12
0
2
0
0
0
3
2
0
6
2
2
1
1
0
3
0
3
0
0
0
3
20
20
12
0
2
0
1
5
6
3
1
0
1
5
1
3
0
3
0
1
0
0
0
4
24
24
22
0
2
0
0
4
0
3
0
8
1
1
0
3
1
5
0
1
0
1
0
0
26
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2.Q:車両について、購入するか、リースにするかどのように決めたか。
A:協働提案事業としてスタートしたのでリース以外の選択肢はなかった。
平成30年度に調達予定の車両は購入予定である。
積立金200万、政策金融公庫からの借り入れ200万を予定。
リースは急な出費がないので予算繰りがしやすいメリットがある。
購入は総額デメリットが有りそうだが、故障修理等の予備費を積んでおく必要がある。
リース料内訳(車検費用、定期点検、タイヤ交換、込の税抜)
1.
2011年10月~2013年3月
(18ケ月)2,052,000円
2.
2013年 4月~2015年3月
(24ヶ月)1,341,600円
3.
2015年 4月~2017年3月
(24ヶ月)1,029,600円
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2015年 ぐるっと 秋季草刈予定 9月
日
曜日
9月7日
月
8
火
10月
作業場所
日
10月1日
2
曜日
11月
作業場所
木
日
予備日
11月1日
金
2
曜日
日
月
9
水
3
土
3
火
10
木
4
日
4
水
11
金
5
月
12
土
6
火
13
日
7
水
14
月
8
木
15
火
16
水
17
木
18
金
19
土
20
日
21
月
ふじだな、そよかぜ
くりのみ
予備日
(みずのわ)
敬老の日
9
金
10
土
11
日
12
月
13
火
14
水
15
木
22
火
国民の休日
16
金
23
水
秋分の日
17
土
24
木
18
日
25
金
26
土
27
日
28
月
29
火
30
水
かぜのこ
予備日
ひだまり
19
月
20
火
21
水
5
木
調整池
6
金
7
土
調整池
8
日
予備日
体育の日
9
月
10
火
11
水
12
木
調整池
13
金
14
土
榎田川
15
日
予備日
病院裏・榎田川
予備日
16
月
17
火
18
水
19
木
20
金
21
土
22
木
22
日
23
金
23
月
24
土
24
火
25
日
25
水
26
月
26
木
3.Q:収入の中で草刈りの占める割合がおおき
27
火
四季の道(5丁目)
27
金
い。安定して草刈りの請負ができる優先条件はあ
28
水
28
土
29
木
四季の道(4丁目)
29
日
30
金
30
月
31
土
るか。
A:品質とコストが安定して請け負え
予備日
作業場所
文化の日
四季の道(3丁目)
予備日
四季の道(1丁目)
四季の道(1、2丁目)
予備日
ふじだな、そよかぜ
くりのみ
予備日
(みずのわ)
勤労感謝の日
かぜのこ
ひだまり
予備日
(四季の道(4、3丁目))
る条件だと思う。 また自分たちの住む街の環境
整備は自分たちの手でという考えがある。
1.榎田川除草
3502㎡
作業面積は34000㎡及び請負金額は 296 万で内訳は下記の通り。
349,032円(年2回)
2.森の里C調整池
8397㎡ 372,760円(年2回)
3.四季の路道路除草10289㎡
1,090,269円(年2回)4.公園除草(自治会)11765㎡ 900,000円(年3回)
5.緑地維持管理(自治会)
250,000円(年3回)
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4.2015 年度厚木ぐるっと資金繰り実績
除草作業は公園除草が年 3 回、その他の除草は年 2 回実施する。
厚木ぐるっと貸借対照表
流動資産
計
1,046,395
2016年3月31日現在
流動負債
△ 45,000
固定負債
527,000
純資産の部
564,395
1,046,395
1,046,395
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5.Q:タクシー事業者等への対応。
A:協働事業立ち上げの際、行政側が最も気にしたところで、路線が競合するところは避けるよ
う運行経路を設計した。運行開始一年後市がとったアンケートでは森の里ぐるっとを利用し
ている方は、徒歩、自転車及び自家用車利用の方が多かった。
5.運営上の課題
車両の維持、経営面、運営側の人員確保等の現在の課題と対応策について。
・車両の維持
リース契約上で定期点検、不具合箇所の点検修理は運休日に行っている。
月、水、金の運行なのでこのような対応が可能になっている。
・経営面
自主運行当初は支出が収入より2ヶ月ほど先行するので資金不足になった。
森の里ふぉーらむからの資金借用で切り抜けたが、資金繰り表を作成してみると年2回発生
する。
対策として日本政策金融公庫から80万円借り入れることにした。
・人員確保
リタイヤした60代の運転担当の確保
平成27年10月より一名増員できた。
日々の活動を広報することで賛同者をこれからも増やしたい。
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